堆肥づくりの「コンポスト」と「ミミズコンポスト」の特徴。堆肥のつくりやすさ・手間の違いなど

自宅で堆肥する際に役に立つ生ゴミを積み重ねる通常の「コンポスト」とミミズを使った「ミミズコンポスト」。

両方とも堆肥をつくるための方法ですが、堆肥のできるスピードや手間のかかりにくさなどには違いが出ます。

そのため「早く堆肥をつくりたい」「遅くてもいいからとにかく手間をかけたくない」なんて人もいると思います。

「コンポスト」と「ミミズコンポスト」ではどちらが・どの部分が優れているかなどを解説していきます。

自然発酵に任せた通常のコンポスト

まずはコンポストといえば最初にイメージするであろう、生ゴミを積み重ねて行う通常のコンポストの紹介をします。

通常コンポストの長所

普通のコンポストはゴミ箱行きのゴミをそのままコンポストに投入するだけな感じです。

いくつか注意する点はありますが、ミミズコンポストほどあまり色々考えずに使えます。

一度の処理量が多い

通常のコンポストの一番の長所は一度に詰め込める生ゴミの量が多いというのが挙げられます。

生ゴミの処理方法が「生ゴミを積み上げる」「投入する」だけなので、生ゴミが出たらどんどんコンポストに入れられます。

その日の生ゴミが出たら、まるごとコンポストに入れることができるためゴミの処理速度は高いといえます。

大家族などで一日の生ゴミの量が多い家庭なら、生ゴミを一度に処理できます。

どんな生ゴミでも満遍なく処理できる

基本コンポストで生ゴミを処理する場合、微生物の働きによって分解され堆肥になります。

そのため生ゴミの種類(固い・柔らかいなど)によっては多少分解時間に違いが出ますが、どんな生ゴミでもコンポストに投入できます。

後述するミミズコンポストと違いあまり生ゴミの分別をせずに済むので、生ゴミが出たらジャンジャン投入できます。

専用の容器が多数ある

多種多様のコンポスト容器があるため、簡単にコンポストで生ゴミ処理を始められます。

容器の大きさや、屋内でも使えるものと幅広い種類があるためどんな環境でも生ゴミ処理ができます。

液肥を回収できるように排水口がついているものや、地面にそのまま置いてどんどん生ゴミを入れられる大きいコンポストなど様々です。

どんなコンポストにしても、生ゴミ処理専用としてつくられているため臭い防止・排水機能などが付いているものが殆どです。

生ゴミ堆肥つくりの初心者でも前準備や使用方法が容易に出来ます。

通常コンポストの欠点

やはり欠点として目立つのが堆肥になるスピードと失敗する要因の多さです。

すぐに堆肥にならない

通常コンポストでは投入できる生ゴミの量は多くても、すぐに堆肥に変わるわけではありません

季節にもよりますが、夏場など温かい季節なら2か月ほど、冬場など寒い時期なら6か月ほどとかなり時間がかかります。

微生物は温度が25~30℃くらいで活発に活動し、それより寒かったり暑かったりすると活動が鈍る・死滅してしまうため、四季のある日本では時間にバラつきがあるのが欠点です。

そのため堆肥が欲しい場合、堆肥を使う時期に合わせて前もってコンポストへ生ゴミを投入しておかないといけません。

生ゴミが腐敗しやすい

生ゴミの処理に時間がかかるため、投入した生ゴミが腐敗しやすいです。

完全に微生物の働きで生ゴミを分解して堆肥をつくるので、微生物の活動が鈍る・水分が多すぎるなどの理由で生ゴミが腐敗しやすいです。

生ゴミの水をきるなどで水分量を調整するなどである程度防げますが、それでも完全じゃありません。

腐敗にともない異臭が発生する可能性もあります。

こういったことから通常のコンポストでは「腐敗による失敗」が起きやすいです。

虫が沸く

上記の腐敗によって臭いが漏れたりすると小バエなどの虫が出ることがあります。

ちなみにコンポストは完全に密閉してしまうと、中で発生したガスによって膨張しフタが取れてしまうため、その都度ガスを出すための穴が空いています。

※虫が入らないよう弁が付いているため、対策はできています

腐敗に次ぐ失敗の原因になっています。

水が溜まりやすい

定期的に液肥を抜かないと腐敗や詰まる原因になります。

生ゴミというのはかなりの水分を持っているため、堆肥に変わる過程で大量の液肥となります。

この液肥がコンポスト内に溜まりすぎると水分多寡での生ゴミの腐敗や、排水口が詰まる原因になります。

投入している生ゴミの量や頻度にもよりますが、数日したら液肥を回収してコンポスト内に水分が溜まりすぎないようにしましょう。

ミミズを使ったミミズコンポスト

ミミズコンポストはミミズ、特にシマミミズを使って生ゴミを処理してもらいます。

ミミズの管理などの手間はありますが、堆肥ができるスピードや失敗する要因が少ない点が挙げられます。

ミミズコンポストの長所

やはり目を引く調書は堆肥をつくりやすい・失敗しにくい部分が目立ちます。

普通のコンポストでは失敗しやすい部分をうまくカバーできていることが多いです。

すぐに堆肥に変わる

一番の長所は通常のコンポストに比べ、遥かに早く堆肥に変わります。

ほうれん草の茎などの柔らかい生ゴミなら、通常のコンポストなら3週間以上かかるのに対し、ミミズコンポストなら1~2週間ほど、早ければ数日で堆肥に変えてくれます。

ミミズの体内はより微生物が繁殖・活動しやすい環境のため、食べられた生ゴミの分解も早く進むためです。

通常のコンポストが完全に微生物のみの分解に頼っている点に比べ、ミミズコンポストではミミズ+微生物で生ゴミを分解しています。

生ゴミが変わるスピードが気温に左右されるのは通常のコンポストと同じですが、それを加味しても早く処理できます。

すぐに堆肥をつくってくれるため、野菜や花を育てる土として堆肥を使い切ってしまっても、育てている最中に再度堆肥を補充することも可能です。

腐敗が起きても処理してくれる

コンポストの失敗原因の腐敗が起こっても、ミミズはむしろ腐敗した生ゴミをよく食べてくれます。

ミミズは歯が無いため、腐って柔らくなったものを優先的に食べていきます。

そのためむしろ早く生ゴミを腐らせた方が堆肥が早くできるということです。

そして腐敗した生ゴミを優先してたべてくれれるので異臭もなく虫も湧きづらくなるため、そういった失敗の原因を減らせます。

しっかりミミズが繁殖しているコンポスト内なら、むしろ臭いなんてほとんどありません。

失敗や不快感の原因を減らすのにミミズコンポストは優れています。

ミミズは勝手に増える

ミミズコンポストに使われるシマミミズは繁殖力が強いため、幼体でも1~2か月で卵を産めるほどに成長します

そのためかなりのスピードで増えていくため、生ゴミの処理スピードも上がっていきます。

コンポスト内に数百~千匹以上のミミズがいることなんてザラです。

もし増えすぎても限界以上には増えないので飼育する手間もありません。

死骸は堆肥に

ミミズが死んでも死骸は堆肥として分解されるので問題ありません。

ミミズの死骸も生ゴミ同様に分解されて堆肥に変わるため、死骸が原因の異臭といったものもありません。

増えたミミズの分だけ堆肥も増えますし、ミミズが減っても産んだ卵から新しいミミズが産まれるというサイクルが出来上がります。

こうしたことで無駄なく堆肥をつくり続けることができます。

ミミズコンポストの欠点

スムーズに堆肥をつくってくれるミミズコンポストですが、何も欠点が無いわけじゃありません。

生ゴミをえり好みする

生ゴミを早く処理してくれるミミズですが、ミミズには「歯」が無いので固い生ゴミはなかなか食べてくれません。

そのため固い生ゴミだらけだと、短期間で堆肥に変わりません。

人参やジャガイモの皮ばかり残ってた」みたいなのもザラにあります。

固い生ゴミはある程度腐敗して柔らかくならないと処理できないため、通常のコンポストとあまり変わらない状態になります。

もし固い生ゴミを早く処理できるようにするなら「凍らせる」「電子レンジで加熱する」などで、柔らかく・腐敗しやすいよう生ゴミを加工する手間がかかったりします。

ただ生ゴミが残っていても「腐っていないから食べていない」ため、臭いはほとんどしないのは良い点です。

処理量に限界がある

ミミズが処理できる量以上を投入してもミミズが食べてくれず、溜まり続ける一方になります。

ミミズは自分の半分の体重くらいの量を食べるので、それより生ゴミの量が多いと処理しきれません。

あまりにも生ゴミが積みあがってしまうと、処理できなくなった表面部分が腐敗して虫が沸く可能性も出てきます。(それでも腐敗した部分から食べてくれますが)

ミミズは体調・環境がベストコンディションなら、コンポスト内の全ミミズの半分の重さの生ゴミを処理してくれます。

大量の生ゴミが出るなら、その生ゴミの倍の量(重さ)のミミズを確保する必要があります。(ミミズは場所が狭いと増えない・数を調整するため、広いコンポストが必要になります)

ミミズの量が少なすぎるとこうしたことが起きるため、初めから大量のミミズを用意すると対処しやすくなります。

ただ処理しきれないとっても、生ゴミが溜まっていってもそれは普通のコンポストと同じ状態になるだけです。

そのため堆肥ができる = 処理したと見るならば、ミミズコンポストのほうが優れているといえます。

専用のコンポストが少ない

かなりニッチなジャンルなためか、ミミズ専用のコンポスト容器というのが殆どありません。

国内・外含めて数種類しかないと思われます。(国内メーカーは1社しかないかと…)

おまけに値段も通常のコンポスト容器に比べると高いです。

そのためミミズコンポストをするには

数少ない専用コンポストを使う
通常コンポストで代用する
自作する

の3択から選ぶことになります。

通常のコンポストや自作コンポストでは機能性に不安な部分が出てくることが多いため、確実性を持たせたいなら専用コンポストを購入したほうが良い場合が多いです。

ミミズの管理

まずミミズが逃げ出す可能性があります。

「どうやって容器からミミズが逃げ出すの?」と思うでしょうが、ミミズは垂直な壁でも張り付いて登ることができます。

そのためコンポスト内の環境が悪くなると、壁をよじ登って逃げ足すことが多いです。

餌(生ゴミ)が少ない・水でビチャビチャといった状態になるとその傾向も高くなります。

そのためミミズが逃げ出さないようある程度配慮する必要があります。

あと堆肥を取り出した後、またミミズを使いたい場合堆肥からミミズを分離・取り出す作業が必要になります。

ミミズ専用コンポストでもなければ手作業で堆肥と分離させるしかないため、短くても1~2時間くらいかかるのはザラです。

特徴一覧表

それぞれの特徴を簡単に表でまとめてみました。

コンポストミミズコンポスト
処理速度
腐敗率×
虫沸き×
手間

私の主観や環境も関係しますが、大体こんな感じになるんじゃないかと。

しかし「堆肥をつくる」という点においてはミミズコンポストのほうが完全に優れています。

ある程度の手間は増えますが、失敗の要因を減らしたり堆肥を早くつくりたいならミミズコンポストを使ったほうが良いです。

しかしミミズを使うのに抵抗がある人もいるでしょうし、室内では使いづらい = 生ゴミをイチイチ外に持っていくといった手間もあります。

生ゴミの腐敗にさえ気をつけられるのなら、普通のコンポストのほうが使いやすいというメリットもあります。

最後に

通常のコンポストとミミズコンポストを比較したらこんな感じの結果になりました。

私の場合ミミズが早く処理してくれそうな生ゴミはミミズコンポストへ、それ以外の生ゴミは通常のコンポストにまとめて放り込んでます。

特にこだわりがないのなら、両方やってみるのも手かと。

それぞれ一長一短あるので、皆さんの好きな方法で生ゴミ堆肥をつくりましょう!