献血を体験してみての感想。献血の条件や、メリット・デメリット
いつの時代も不足している輸血用の血液。
ホームセンター前などでも献血バスが止まっていることもあるため、日常で目にする人も多いかと。
そんな人の中には献血に協力する人も出てくると思いますが、どういった手順で献血されるのか不安もあるでしょう。
ではどのようにして献血されるのか、その内容や感想を紹介したいと思います。
献血コースと安全性
まずは献血で「どの程度の血液を採られるのか?」という点。
献血は16歳以上が対象となっており、その上で「200ml」と「400ml」のコース(?)を選べます。
ただ400mlコースは、男性は17歳以上、女性は18歳以上が対象となっています。
「400ml」と言われても微妙に実感が沸かない量ですが、「コップ約2杯分」「500mlペットボトルより少し少ない」というと量の実感ができるかと。
で、安全性についてですが、血液を400ml抜かれてもそこまで悪影響はありません。
血液が無くなることによって「重症」と判断され始めるのは、1リットルを超えたあたりから。
400mlの献血をしても(多少個人差はありますが)ちょっとした貧血程度の症状で済みます。
私の場合は貧血によるめまいなどもなく「ちょっと息が上がりやすくなった?」程度で済んでます。
献血によって命の危機になることは無いので安心しましょう。
貧血がイヤという人には、赤血球を取り出さない「成分献血」という方法もあります。
成分献血は病院などの機材が整った場所でのみ受けられるもので、透析のように血液内の「血漿」「血小板」のみを取り出します。
赤血球はそのまま体内に戻されるため、「献血後に貧血になる」といったことがありません。
ただ手間がかかる分献血時間も伸びる(1時間以上)ため、手軽に受けたい人は普通の献血「全血献血」を受けましょう。
今回は献血バスでの体験なため「全血献血」の模様を解説していきます。
献血までの手順
まずは大雑把な献血手順。
献血する場所によって多少違いが出るでしょうが、最低限行われるのがこちら。
↓
②献血の同意
↓
献血できるかの確認
↓
水分補給用の飲料配布
↓
⑤血液の状態の確認
↓
⑥寝ながら献血
↓
⑦水分補給用の飲料・おみやげ配布
こんな感じで献血は終了。
全体の流れとしても、人が行列を作って並んでも無ければ、大体1時間あれば終了。
ただその内の採血するための時間は10分程度なので、ほとんどは諸々の確認や待ち時間です。
これは「全血献血」なら献血バス・病院でも変わりません。
ではそれぞれの詳しい説明をしていきます。
①個人情報の記入と献血カードの配布
最初に氏名・住所などの個人情報の記入がありますが、それと同時に専用の電子カードの作成もします。
献血カードを作ることによって次回以降の手続きを簡略化したり、サービスなども受けられるようになります。
②献血の同意
次に献血における同意の確認。
同意はまあ、「献血で起きうる症状」「個人情報の管理」「血液の検査」「医療目的で使います」といったテンプレートな確認事項。
献血目的で来ている人なら特に問題ないかと。
③献血可能かの確認
「今から献血できるか」の確認の項目がありますが、日常で起きやすく、該当しやすい項目がこちら。
・何かしらの薬を飲んでいる
・感染症にかかったことがある
・輸血をしたことがある
・出血を伴う歯の治療
・予防接種を受けた
・ピアスの穴を空けた
・それなりのケガをしている
・動物に咬まれた
・海外旅行をした
・性行為をした
日本赤十字社の「献血をご遠慮いただく場合」に詳しい解説が掲載されています。
注目されるのは「血液(体内)に余計なものが入ってないかどうか」という点。
何かしらの出血を伴うケガなどをすると、そこからウィルスや菌が入り込みやすくなるため、感染症の疑いが出てきます。
海外旅行は現地で流行している感染症などにかかった可能性があるため。
直近でこうしたことがあると、場合によっては献血できないケースも。
献血された血液が患者に入る点のリスクを鑑みて確認してます。
④飲料配布
献血の前や最中などに飲むように、500mlくらいのペットボトル飲料が配布されます。
いくつか種類がありますが、無難にお茶やスポーツドリンク。
自由に選んでもらって構いませんが、おすすめスポーツドリンクや経口補水液。
血液と一緒にミネラルや糖質といった栄養素がけっこう出て行ってしまうため、それらの補給に適した飲料です。
経口補水液なら水分の吸収効率も良いため、軽度の脱水症状ならすぐに回復できます。
特に夏場の献血だとそれなりに汗もかいているでしょうし、献血後の脱水症状を予防できます。
⑤血液の状態を確認
次に実際に血液の状態を確認します。
指先に細い針をプスっと刺し、出てきた少量の血液の状態を確認します。
ここで確認するのは「血液の濃さ(ヘモグロビンの量)」です。
あまりにも血液が薄い=ヘモグロビンが少ないと貧血と見なされ、献血できない場合があります。
要は献血した本人が重度の貧血で倒れる可能性を防ぐため。
こちらの確認は献血してくれる当人に配慮した形になります。
実際の献血
諸々の条件をクリアしたら献血に入ります。
献血中は採血のように針を腕の血管に刺したまま、大体10分程待つことになります。
ベッドで横になりながらなので、対して気苦労もなく過ごせます。
ただ急激に体内の水分が無くなるので、献血中は配布された飲料をこまめに飲むようにしましょう。
音楽なんかを聴けるならすぐに終わります。
ちなみに採血された血液は献血パックに溜まるわけですが、血液が凝固するのを防ぐためなのか、機械で常時揺らしています。
どの程度採血されたのかは機械で計測されているので「不足」「採り過ぎ」なんてこともないです。
おみやげをもらって終了
実際の献血が終わったら、ちょっとした品をもらって終了です。
大体もらえるのが、水分補給用の飲料。
あとはお菓子やタオル、夏なら制汗スプレーが付く場合も。
それに加えて献血の回数が一定数に達すると記念品ももらえます。
タイミングは10回・30回・50回の時。
高級タオルや陶器といったそれなりの値段がするものもあったりします。
献血回数は最初に配布された電子カードで分かるようになっています。
生涯回数なので、どこぞのポイントカードのように期限があるわけでもないので、気楽に構えていて大丈夫です。
ただ一度献血すると、200mlなら4週間後、400mlなら男性は12週間後・女性は16週間後と期間を空ける必要があるのも覚えておきましょう。
献血後にしてはいけないこと
献血が無事終了しても、それ以降にしてはいけない・注意することがいくつかあります。
・重いものを持つ
・飲酒や喫煙
・2時間以内の入浴
・立ったままのトイレ
献血後は血液がかなり少なくなっているため、貧血といった悪影響がいくつか出る可能性も高くなります。
血圧や酸素を運ぶヘモグロビンも減少しているため、トレーニングといった有酸素運動をすると酸素が送られず、酸欠になる可能性も。
血液が少ない分、飲酒や喫煙をすると血中のアルコール濃度やニコチン濃度も上がりやすく、悪影響が出やすくなります。
すぐに入浴やサウナなどに入ると脱水症状も起こしやすく、大変危険です。
男性だと、立ったままトイレをすると立ち眩みや、酷いと失神してしまうケースもあるようなので、座ったまま用を足すのが安全になります。
基本的に水分補給が大事になります。
脱水症状にはスポーツドリンクや経口補水液といった飲料が効果的なので、献血前・後に貰える飲料はそういったものを選びましょう。
人によっては翌日にも症状が出る場合があるので注意しておきましょう。
予約もできる
今回は飛び込みだったので利用していませんが、献血の予約をすることも可能です。
予約していれば優先的に献血を受けられるので、待ち時間をかなり減らすことができます。
予約サイトはこちら。
献血する日時と場所を選択し、あとは当日献血をしに行くだけ。
献血カードの登録をしていなくても可能で、事前問診もしているので、当日それらに使われる時間を削減できます。
計画的に・手短に献血をしてみたいなら事前予約してから献血しにいっても良いでしょう。