高性能で安価な自作ミミズコンポスト。市販品のように大量の生ごみにも対応
以前「100円ショップで高性能ミミズコンポストを作る」みたいな記事を書きました。
低コストなのは確かですが、いかんせん一度に処理できる生ごみやたい肥の量がネックでした。
そこで今回は市販のミミズコンポストのように、大量の生ごみを処理できる高性能コンポストを作ってみました。
少々制作難度やコストは高くなりますが、利便性は遥かに上になります。
もちろん普通のコンポストとしても使用可能です。
市販品では高すぎて手を出しにくい人は参考にしてください。
完成品
まず今回考案した高性能ミミズコンポストがこちら。
見てもらうと分かりますがマンホール関連の配管を利用したコンポストになります。
材料費はネットショップを使っても1万円以内に収まるくらいです。
高性能コンポストだと数万円するのも珍しくないので、低コストで機能性のあるコンポストを作りたい人におすすめ。
…まあグルーガンや電動ドリルも使うので、持ってない人はそれの費用もプラスになりますが。
それでも精々プラス4000円くらいです。
メインの材料がこちら。
・マス用アジャスター(直径30cm × 高さ20cm) × 2
・マス用アジャスター(直径30cm × 高さ5cm) × 1
・アクリル板(30cm四方以上 × 厚さ2mm) × 2
・プラスチック板(30cm四方以上 × 厚さ2mm) × 1
・スポンジ × 6
マス用アジャスター
マス用アジャスターとはマンホールを乗っける配管のことです。
これをコンポストの本体部分として利用します。
選ぶ基準として内側にでっぱりがあるアジャスターにします。
でっぱりを下にした状態で後述のアクリル板を乗せ、容器の底代わりにします。
本来はでっぱり部分を上にしてマンホールのフタを乗せるのですが、今回は逆なので注意。
土を入れるのは①の大きい方のアジャスターで、②の小さいアジャスターは排水用に使います。
アジャスターは密閉性が高く、段々に重ねても隙間ができにくい構造になってます。
そのため市販品のミミズコンポストのように「たい肥が溜まったら入れ替える」「ミミズを上へと移動させる」ことが可能です。
大きさは個人で変更可能ですが、土を入れるアジャスターの高さ(深さ)は最低でも15センチはあった方が良いです。
それ以上ないと生ごみを入れるスペースがなくなります。
アクリル板
アクリル板はアジャスターに接着して「仕切り」に使います。
プラスチックだと生ごみやたい肥の重さで変形してしまうので、頑丈なアクリル板を選びました。
今回はアジャスターの内側の直径が30センチなので、縦と横が30センチ以上のアクリル板になります。
注意点として、土の重さで変形しないように最低でも1mm以上、できれば2mm以上の厚さのアクリル板にしましょう。
プラスチック板
プラスチック板単体で良いのが無かったので、その辺のプラケース用のフタで代用してます。
こちらも縦と横が30センチ以上。
プラスチック板は一番下になるアジャスターに使います。
最後のアジャスターは土などが乗らない排水用のものなので、そこまで耐久性は必要ありません。
アクリル板1枚でも2000円くらいするので、できるなら少しでもコストを削減しましょう。
スポンジ
スポンジは排水用アジャスターに入れて、たい肥やミミズがこぼれないようにクッション材として使います。
空ける穴の範囲によって使う数が違うので、実際に空けてから必要数購入しましょう。
マンホール
後はフタとしてマンホールを使用。
意外と重いので風でも飛ばず、しっかりコンポストを密閉してくれるので虫も入りにくくなってます。
これらは全部ホームセンターで手に入るので、近所のいくつかのホームセンターで探してみましょう。
私はカインズで揃えました。
作り方
作り方ですが、手間がかかるのはアクリル板のカットと穴あけだけです。
・カットした板に穴を空ける
・板をアジャスターに接着
・アジャスターを重ねて、問題なければ完成
大まかな作業内容はこれくらいです。
それなりに手間はかかりますが、工作慣れしている人ならそこまで難しくはないと思います。
注意するのはアクリル板のカット作業くらいでしょう。
①アクリル板・プラスチック板をカット
まずはアクリル板をアジャスター間の「仕切り」「容器の底」にするため、アジャスターに嵌るよう円形にカットします。
最も難しく面倒な作業ですが、逆にこれさえできればコンポストはほぼ完成したも同然になります。
最初にアジャスターをアクリル板の上に乗せ、内側の壁に沿うように線を引いていきます。
あとはこの円に沿ってアクリル板をカットしていきます。
アクリル板のカットには「アクリルカッター」を使いましょう。
ただアクリルカッターは曲線にカットするのには向きません。
そのため一気に切ろうとせず、線に沿って少しずつ・何重にして切っていきましょう。
不安なら使わない部分で少し練習しましょう。
あとはアクリル板を折るようにして切るのですが、ここで特に注意してください。
曲線上に切るのも難しいのですが、切ったアクリル板でケガをする場合があります。
そのため折る作業は慎重に進めましょう。
ペンチなどを使えば力も入りますし、ケガもしにくくなるのでおすすめです。
円形になった後にもしサイズが合わなければ、円の外側をまた徐々に切っていきましょう。
プラスチック板はアクリル板より加工しやすいので、そこまで手間はかからないと思います。
切ったら、実際にアジャスターに嵌るか確認。
アジャスターは内側にでっぱりがあるため、そのでっぱりの上に乗るようにはめ込めればOKです。
これをアクリル板2枚・プラスチック板1枚の計3枚仕上げます。
②アクリル板に穴を空ける
アクリル板がうまくアジャスターに嵌るようにカットしたら、次は穴を空けていきます。
この穴はコンポスト内の水分を流すためだったり、たい肥でいっぱいになったらミミズが上へと移動するための穴になります。
大きさが3ミリ以上の穴を数十個は空けておきましょう。
3ミリ以上ないとミミズが通れず、かなりの数がないと排水能力が低くなります。
私は中心から円形に100個くらい空けました。
これくらい空けても少し湿気が残るくらいだったので、もっと空けても問題ないです。
プラスチック板は排水用の穴を一か所だけ空ければ良いです。
今回は中心部分に空けてます。
できれば2センチくらいの大きめの穴を空けておけば、詰まることなく排水できます。
穴あけは電動ドリルを使うと簡単です。
選ぶ電動ドリルですが、下の画像のようにはめ込み式のドリルにしておきましょう。
これならどんなサイズのドリルでもセットできるので、別の工作でも使えます。
安物の電動ドリルだと専用アタッチメントだったりするので、よく見て購入しましょう。
③排水管を作る
一番下のアジャスターに使うプラスチック板には、水の通りを良くするため排水管をつけても良いです。
今回は100円ショップで購入できる太めのストローを使い、グルーガンで接着してます。
後は虫の侵入を防ぐように、細かい網目状のネットを切り取って内側に接着。
不織布よりもプラスチック繊維の虫よけネットのほうが排水性は良くなります。
ネットを取り付けることで排水管から虫が入るのを防げます。
結構小さいアリなんかが巣を作ったりしたので、屋外に置くならつけておいた方が無難かと。
④板を接着
最後にアクリル板・プラスチック板を接着していきます。
アジャスター同士を重ねる溝が下になる状態で、内側のでっぱりの上に乗せた状態で接着します。
接着にはグルーガンを使用。
アクリル板は大きめのアジャスターに、プラスチック板は一番下になる小さめのアジャスターに接着します。
アクリル板はしっかり嵌っていれば接着までしなくても良いですが、プラスチック版は隙間なく接着しましょう。
液肥がそこらじゅうから漏れてしまいますし、虫の侵入口にもなってしまいます。
⑤スポンジクッションを作成
最後の作業として、スポンジを使ってクッションを作ります。
一番下のアジャスターに、上の板と接着するくらいのスポンジを詰めると、土やミミズがこぼれにくくなります。
前面に敷き詰める必要はなく、アクリル板の穴を全部カバーできれば良いです。
⑥重ねて完成
あとは小さいアジャスターを一番下にして、大きいアジャスターを積み上げていけばOKです。
注意点として重ねる溝がある方が下になります。
本来マンホールを設置する溝が上になりますが、それだと雨水などが溝に溜まってしまうため、生ごみを入れる時に面倒になります。
…まあ重ねていけばどちらが底部分になるか分かると思いますが。
最初は大きいアジャスターは1段だけ使って、床材・ミミズ・生ごみを入れていきます。
最後にマンホールを隙間ができないように置けば完成です。
2つめの大きいアジャスターは、土がいっぱいになってから使います。
あとは個人でカスタマイズ
とりあえず一つの案として、アジャスターを使ったコンポストの作成方法の紹介でした。
アジャスターは配管に使うため結構頑丈なので、耐用年数は長めになります。
もし壊れてもそのアジャスターだけ交換すれば良いので、市販品コンポストのように再度丸ごと購入する必要もありません。
直径サイズさえ合っていれば、後から段数を増やしたり、高さを変えるのも簡単になってます。
今回は使いやすいよう直径30センチ・高さ20センチのアジャスターを使いましたが、生ごみの量によっては個人で大きさを変更してもらっても全然OKです。
生ごみの量が少なければ、直径を小さくしたり高さを低くしたり。
逆に多ければ直径を大きくして高くしたり。
もっと自分が使いやすいカスタマイズがあるなら是非していきましょう。