食品などに含まれるカフェインの量…どの程度で過剰摂取・中毒になるのか?
コーヒーに代表されるカフェインですが、実はお茶などにも含まれており、意外に口にする機会は多いです。
薬品としても多岐に配合されているため、日常で服用している薬にも実はカフェインが入っていることも。
ではどういった食品・薬に、カフェインがどの程度含まれているのか?
どのくらい摂取すると危険なのか?
そういったところをまとめてみました。
カフェインが含まれる食品
まずは日常においてカフェインが含まれる食品などがこちら。
使用量 | カフェイン量 | |
---|---|---|
インスタントコーヒー | 2g | 60mg |
レギュラー(ドリップ)コーヒー | 8g | 50mg |
緑茶(煎茶) | 200ml | 10mg |
紅茶 | 200ml | 15mg |
玉露 | 100ml | 260mg |
コーラ | 100ml | 10mg |
チョコレート | 50g | 10~40mg |
エナジードリンク | 250ml | 80~90mg |
頭痛薬 | 1回分 | 60mg |
総合風邪薬 | 1回分 | 60~80mg |
眠気覚まし薬 | 1回分 | 100~200mg |
コーヒーはともかく、お茶やコーラなどの飲料にもカフェインが含まれていたりします。
お茶を日常的に飲む人も多いでしょうし、意外とカフェインを摂取している人はたくさんいます。
普通のお茶(緑茶・煎茶)や紅茶はカフェイン少なめですが、玉露になるとコーヒー以上のカフェイン量になるので注意。
そのため、後述するカフェイン中毒防止のためなのか、玉露は1回10~20mlとかなり少ない量に設定されています。
…まあ玉露を日常的に何杯も飲む人は少ないでしょうが…。
コーラの場合はお茶より少なめですが、500mlペットボトル1本でコーヒー1杯分のカフェイン量になります。
苦味がほとんどなく飲みやすいため、夜にコーラを飲むと睡眠を妨げやすいので飲みすぎは禁物。
チョコレートにもカフェインが含まれており、ミルクチョコレートのようなチョコは少なく、ビターチョコのような「ハイカカオ」なチョコは多くなります。
エナジードリンクにもカフェインが含まれることは多く、製品別に1本分のカフェイン量がかなり違います。
例えばレッドブル(250ml)のカフェイン量が80mgに対し、モンスターエナジー(355ml)だと142mgになります。
100mlあたりの分量だとそこまで差が無いように感じますが、1本飲み切るとなるとかなり違いが出てきます。
一般的な風邪薬にもカフェインは含まれており、最低でも1回でコーヒー1杯分ほど入ってます。
コーヒーに含まれるカフェイン量
カフェインの代名詞といえるコーヒーですが、実際はコーヒー豆の種類によってカフェイン量がかなり増減します。
アラビカ種よりロブスタ種(カネフォラ種)の豆のほうがカフェイン量が多く、およそ2倍ほどの差があります。
アラビカ種はレギュラーコーヒー用、ロブスタ種はインスタントコーヒー用と、豆の特性上差別化されています。
ただブレンドされたりすると判別できなくなるため、あくまで目安程度に思っておきましょう。
特にインスタントコーヒーだと自分で量を調節できるため、適正量(大体2g)をしっかり測らないと入れすぎ・少なすぎになるので注意。
リベリカ種という豆もあるそうですが、こちらは西アフリカの一部国内でのみで消費されるそうで、日本には出回ってなさそうです。
ちなみに苦い=カフェインが多いとはならない場合もあります。
カフェインが苦いのは本当ですが、コーヒーだとそれ以外にも苦味成分はあります。
そのためかなり苦いからといってカフェイン量が多い、となるかは別問題なので注意しましょう。
カフェインが吸収される時間と持続時間
コーヒーなどの液体は胃で数分で消化されてしまうので、10分以内には身体に吸収されていきます。
そのためカフェインは摂取すると30分程で効果が出始め、大体2~3時間で効果が最大になるようです。
それから徐々に効果が薄くなっていくわけですが、カフェインの持続時間はかなり長いです。
半減するまで長いと8時間、完全に分解されるまでは10時間以上かかる場合も。
個人差が激しいようで、代謝が良い人の場合はかなり短い時間で済みますが、悪い人だと半日近くかかります。
例えば朝にコーヒーを飲んだとしても、普通の人でも完全に分解されるのはお昼過ぎくらい。
逆に代謝が悪い人だと朝飲んだのに夕方までカフェインの効果が続くことに。
こういう人の場合、例えお昼にコーヒーを飲んだとしても、就寝時間になってもカフェインが抜けてない状態になります。
子供や老人・妊婦の場合は効果が長引きやすいため、睡眠を妨げたくなければ午後にカフェインを摂取するのはやめましょう。
特にコーヒーに牛乳を混ぜるとカフェインが吸収される・抜けるまでの時間が延びるので注意。
牛乳は胃酸が混ざると一度固形化するため、消化時間が長くなります。
そのため牛乳と一緒にコーヒーを飲むとコーヒーの成分も固形化してしまい、カフェインが吸収されるまでの時間も長引きます。
200mlの牛乳が消化されきるまで大体1~2時間かかるそうなので、その分カフェインの効果が出るのが遅くなったり、抜けるまでの時間が長くなります。
カフェインの効果を早く効かせたいなら、コーヒー単品で飲むようにしましょう。
カフェインの過剰摂取
カフェインの摂取上限値は、1日全体の場合と、短時間での場合とで基準値が定められています。
1時間以内…200mg
この量がカフェインで悪影響が出ないギリギリのライン…とされています。
カフェインの接種上限は各国で違いがあり、明確なラインが存在しません。
他国の研究機関の資料…例えばオーストラリアやドイツでは「1回あたり200mg以下なら安全」「1日400mgまでなら安全」なんてのを良く目にします。
こういった点を踏まえて、上記のような上限値となっています。
成人がカフェインを摂取しても問題ない量は1日400mgほど、妊娠中の女性だと胎児への影響も踏まえて300mgほどとなってます。
コーヒーだとおよそコップ1杯(200ml)で6~7杯ほど、眠気覚まし薬だと2回ほどで達する量です。
しかし短時間で多量に摂取すると中毒を起こすため、上限値より少なくても要注意。
そのため眠気を覚ましたいとしても、1度に何杯もコーヒーを飲んだり、何回も眠気覚まし薬を服用するのはアウト。
カフェインを摂取しすぎると、神経系に悪影響を与えます。
厚生労働省による「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」に記載されている副作用がこちら。
・吐き気
・下痢
・心拍数の増加
・興奮
・不眠
・震え
・不安
カフェインは神経系に作用するため、それに伴った副反応が出やすいです。
ただこれらは時間をかけて体内に吸収された場合で、過剰摂取による中毒だと最悪死亡する例もあるそうです。
カフェインの中毒
常日頃から適量以上のカフェインを摂取し続けていると、依存症や中毒症状が出やすくなります。
依存症になっている人の場合、カフェインを摂取していない時に以下の症状が出てると要注意。
・急な眠気
・倦怠感
・吐き気
・集中力の低下
・抑うつ
・イライラ
常日頃からコーヒーを多量に飲んでいる人だと、カフェインが切れるとこのような症状が出やすくなります。
コーヒー製品はカフェイン量が明記されていないことが多いので、余裕を持って1日5杯ぐらいが限度と思っておきましょう。
またカフェインにもアルコールと同じように中毒症状があり、短時間に一定以上のカフェインを摂取すると、最悪命に関わります。
2時間以内に1g(1000mg)で中毒を起こし、5g以上で死に至ります。
1時間以内などの短時間の場合、一度に摂取できる上限値の200mgを超えても中毒を起こします。
カフェイン200mgというと、コーヒー換算だと約4杯ほど。
短期間の摂取だとこれだけの量でも中毒を起こすので、コーヒーの一気飲みは厳禁。
眠気覚まし薬だと1回分で上限値ギリギリなので、いくら眠くても一度に2回分服用しないように!