野菜や果物の実を大きくしたいときに使える肥料

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野菜や果物の実を大きくするには肥料が必要は常識。

…ですが、その肥料にしたって多くの種類があります。

どれがどう効果があるかわからない人もいると思います。

中には、オーソドックスに使える肥料よりも効果の高い肥料もあります。

そこで今回は実を大きくするのに効果のある肥料を重点的に紹介します。

実が小さくなりやすいプランター栽培をしている人や、いつも実が小さくなって悩んでいる人はどうぞ。

一番大切なのは「リン酸」

植物が育つのに必要な3大栄養素として「リン酸」「チッソ」「カリウム」があります。

その中で実を大きくするのには「リン酸」が一番重要になってきます。

リン酸は動植物の細胞、特にDNAをつくるのに必要になります。

リン酸が不足すると細胞分裂が行われなくため、実だけでなく葉や茎にも必要な栄養素です。

リン酸というものは他の栄養素と違って土壌に滞留しやすい性質を持っています。

が、野菜などを植えると優先して吸収されるためあっという間に無くなります。

そのため連作した後の土ではリン酸の不足が起こりやすいです

リン酸というものは栄養がある有機性のものからしか産出されません。

そのため落ち葉堆肥といった、自然のサイクルの中ではなかなか回復しない欠点があります。

こうしたことから土壌改良材や追肥などでリン酸を補充する必要があります。

植物は開花時期になると、優先的に実の部分で細胞分裂を行います。

実をつける前からのリン酸不足は絶対に避けたいところです。

リン酸を多く含む肥料

実を大きくするために必要なリン酸。

どんな肥料に多く含まれているのか紹介していきます。

化学肥料

一番リン酸の含有比率が多いのは化学肥料になります。

化学肥料といっても様々な種類がありますが、どの種類の肥料でも十分なリン酸が含まれています。

特に「野菜の肥料」「果物の肥料」といったもの。

これらは実を大きくするための肥料なので、含有量が特に多くなっています。

おまけにこうした肥料は他の栄養素も多く含んでおり、オールラウンドに使える肥料といえます。

ただ含有比率が多いといっても粒一つ一つに含まれるリン酸の絶対量はかなり少ないです。

適した量を使わないと充分な効果が得られないことには注意しましょう。

大抵は「どの程度の範囲に」「どのくらいの頻度で」「どの程度使えば良いか」といった説明が記載されています。

これらをしっかり守って使用するようにしましょう。

また、化学肥料は植物が吸収しやすいように水に溶けやすくなっています。

そのため数日で無くなってしまうのも珍しくありません。

1~2週間の頻度で追肥し続けることが多いので、あまり長期間放置しないようにしましょう。

骨粉

魚などの骨を焼いて粉末状にした骨粉は化学肥料に次いでリン酸が多い肥料になります。

リン酸は有機性の肥料に多く含まれますが、それでも全体の5%前後くらいしかあれば多いほう。

しかし骨粉ではリン酸の含有量が20%以上とかなり多め。

土に混ぜれば簡単にリン酸不足を解決できます。

しかも骨粉はゆっくりと分解されて植物に吸収されるため、水に流されることもありません。

継続的に吸収され続けるため、長期的にリン酸を供給し続けることが可能です。

ただ骨粉には他の栄養素があまり含まれてないのがネック。

全体的な栄養の供給には不向きになります。

実を大きくしつつバランスの良い土にするには、他の肥料と組み合わせることも考えましょう。

「植物全体の成長は良いのに、実だけが成長が遅い」なんて状態で使うのがオススメです。

家畜フン堆肥

「牛フン」や「鶏フン」、変わったものだと「ミミズフン」。

こうした堆肥も多くリン酸の含有量が多めです。

動物のフンは有機性成分が凝縮されており、フンを混ぜ込んだ土だと植物の育ちが良くなります。

特に牛フンは多量の栄養があるため「とりあえず牛フンを混ぜておけば何とかなる」といっても過言じゃありません。

既存の土全体の2~3割ほど混ぜ込むだけで効果があるのもメリット。

2メートル×2メートル四方の畑でも、一袋分(20リットル)あれば十分足ります。

こちらも長期的に効果が続くので、栽培中の栄養不足を防いだり追肥の回数を減らすこともできます。

「臭いが気になる」という人には発酵しきって臭いが少なくなった「完熟タイプ」

扱いにくそうと思うなら、固めた状態の「ペレットタイプ」があります。

趣味で家庭菜園をしている人でも効果が高いのでおすすめの肥料になります。

動物・植物性肥料

「魚などの皮・骨」「野菜ゴミ」といったものからできる有機性の肥料。

これらも多くリン酸を含んでいます。

普段は食べずに捨ててしまうような部分でも、栄養を多く含んでいるものは多いです。

そういったものが原料の肥料もリン酸が多くなります。

魚などの骨・皮・ウロコ
野菜ゴミ
米ぬか

こうしたものからできた堆肥はリン酸の他にも多くの栄養を含んでいます。

家畜フン同様に土壌改良材としての効果が高く、栽培前に土に混ぜ込めば植物の生育が良くなります。

ただこの堆肥はコンポストなどで自分でつくるため、栄養の含有量が少々不安定です。

全体的な栄養価も家畜フン堆肥に一歩劣る部分もあるので、結構な量を混ぜ込むようにしましょう。

プランター栽培では多めに

栄養が不足しやすいプランター栽培では肥料を少し多めに使うと長持ちします。

プランターといった密閉空間では根が密集しやすいです。

そのため、植物が実をつけるほど成長する頃には、栄養が無くなっています。

おまけにプランターは栄養が溶けた水を排出してしまうため、畑での栽培よりも栄養の不足が早いです。

そのため家畜フン堆肥なら、畑よりも少し多く全体の4割くらい混ぜ込んでおきましょう。

化学肥料による追肥でも1回の使用量を少し増やすか、頻度を多くするのも大事です。

与えすぎに注意

普通はあまり起きないことですが、リン酸を過剰に与えすぎると逆に生育不良を起こすことがあります。

リン酸過剰によって起きる主な症状はこちら。

・葉っぱに斑点模様
・背が伸びない
・落葉しやすい

リン酸をしっかり与えているのに、これらの症状が出たら要注意。

リン酸に限らず特定の栄養が多すぎると、他の栄養の吸収を阻害してしまうことが多いです。

リン酸は良くも悪くも土壌に滞留しやすい特性があります。

そのため多く与えすぎるといつまで経っても吸収されずに残ってしまいます。

手っ取り早い対処法としては「土を入れ替える」「栄養の少ない土を混ぜる」

こうした方法でしかリン酸の土壌濃度を下げられません。

リン酸過剰で野菜の育ち悪くなったら、周りの土を入れ替えたりしてリン酸を少なくしましょう。

あるいはある程度成長し、栄養の吸収率が高くなった野菜を植えるようにしましょう。

リン酸過剰は化学肥料や骨粉といったリン酸を多く含んだ肥料を過剰に使うと起きやすいです。

しっかり適量を確認してから使うようにしましょう。

最後に

毎年野菜を育てていると、どうしても土の栄養が不足してしまいます。

しかし実を大きくするにはかなりの量のリン酸が必要。

そのため中途半端な量の肥料では葉や茎を成長させる過程で枯渇してしまいます。

農家の人は「近所迷惑」といったレベルの大量の家畜フンを畑に混ぜ込んでいます。

しかしそれくらい混ぜ込まないと1年通して野菜を育てることができないという証明です。

流石に収穫したらまたすぐ別の野菜を…といった栽培法をしている人は少ないでしょう。

しかし、よく連作する人や、プランター栽培がメインの人はリン酸不足に注意しましょう。