「ゴールデンタイムの食事は必要ない」は本当なのか? タンパク質の吸収率や注意点
筋肉を効率よくつけるために最適なゴールデンタイムですが、「ゴールデンタイムにタンパク質摂取は必要ない」なんて情報があったりします。
ゴールデンタイムにプロテインなどを摂取するのが当然の風潮の中、どうしてこんな情報が出てきたのか?
筋トレしてる人にとってはかなり重要な情報で「一体どっちが正しいの?」なんて疑問も出てくるでしょうから、その真偽を解説したいと思います。
ゴールデンタイムの有無
結論としては必ずゴールデンタイムにプロテインなどを摂取する必要はありません。
ただしこれには重要な前提条件があり、これを理解していないと筋トレのほぼすべてがムダになってしまいます。
まずはゴールデンタイムに食事をする意味。
ゴールデンタイムの食事には、筋肉を大きくするために必要な栄養を摂取する役割があります。
・糖質
・ビタミンB群
筋肉を作るには、最低限これらの栄養が必要不可欠。
筋トレをすると筋肉を構成する筋繊維が断裂・損傷するので、その材料となるタンパク質や作る際のエネルギーとなる糖質、それらの働きを補助するビタミンB群が必要になります。
重要なのは体内に充分に筋肉を作る栄養があるかどうか。
つまり既に体内に充分な栄養があればゴールデンタイムでの栄養補給の重要性は薄れます。
例えば筋トレする日のタンパク質の合計量が90g必要だとします。
そして朝昼晩に食事で20gずつ、合計60gしかタンパク質が摂れていない場合、タンパク質30g分が不足してしまいます。
この不足分の30gを補給するためにゴールデンタイムで栄養摂取します。
しかし朝昼晩の食事で30gずつ、合計90g以上のタンパク質を摂れているなら、ゴールデンタイムの食事の必要性は低くなります。
栄養が足りてもゴールデンタイムの食事は意味がある
栄養が足りていれば、ゴールデンタイムの重要性が薄れるのは事実ですが、かならずしも必要ないわけではありません。
ゴールデンタイムにはゴールデンタイムとして、重視できる利点があります。
それがこれら2つのポイントです。
・それぞれの食事量の緩和
優先して栄養を回す
筋トレの直後では傷ついた筋肉を治すため、優先的に筋肉に栄養がまわされます。
毎食での食事でタンパク質を十分に摂っていても、「今は必要ない」として筋肉では無くエネルギーに変化しやすいです。
タンパク質は摂取量が多かったり、糖質が足りなかったりするとエネルギーとして使われます。
筋トレなしでタンパク質ばかり摂取しても、自動的に筋肉がつかないのと同じです。
そのため食事で摂ったタンパク質だけだと幾分かのロスが出てきます。
このロスを計算しておかないと、筋トレ時に充分なタンパク質が無い、なんてことも。
タンパク質だけでなく、ビタミン類も同じです。
特にビタミンは水溶性のものが多く、時間経過で尿として排出されてしまいます。
しかし筋トレ直後には筋肉を作るために摂取した栄養を優先的に使ってくれるので、ロスが少なくなります。
せっかく摂取した栄養をムダにしたくないなら、ゴールデンタイム直後に摂ったほうが効率は良いです。
吸収限界の緩和
一説ですが人が一度に吸収できるタンパク質には上限があるとされています。
体格などの個人差はあるのでしょうがその限界値は一食20~30gほどとも。
仮に一食に50gのタンパク質を摂ったとしても、そのうちの半分以上は不要なものとして処理されてしまうことになります。
こうなると栄養摂取の意味がありません。
しかしゴールデンタイムに栄養を補給する機会を設けることで、栄養摂取の上限の調整ができるようになります。
食事で充分なタンパク質を摂り、かつしっかり筋トレしているのに筋肉が付かない場合、この状態の可能性が出てきます。
あまりにタンパク質の必要摂取量が多いなら、ゴールデンタイムを含めて小分けで栄養摂取すると効果的でしょう。
食事量の削減
ゴールデンタイムに栄養補給することで一食あたりの食事量を減らせます。
小食な人は急に食事量が増えると食べきれないといった事態になることもあると思います。
実際一食あたりのタンパク質を10~20g増やそうと思うと100gの肉料理を一品追加するか、プロテイン入りの飲料を用意する必要があります。
しかも糖質やビタミンB群といった栄養にも気を使う必要があるため、食事量は2割くらいは簡単に増えます。
しかしゴールデンタイムにその分の食事量をまわすことによって、毎食キツイ思いをしながら栄養摂取する必要は無くなります。
食事量の増大は胃腸に思わぬ負担を強いることも多いです。
「食べ過ぎで胃もたれが多発するようになった」なんてわかりやすい例でしょう。
朝昼晩の食事量を増やしたくないならゴールデンタイムに食事するようにしましょう。
筋トレ前の食事量を増やす
どうしてもゴールデンタイムに食事したくない・食事する時間が無いなら、筋トレの前にする食事の栄養を多くしましょう。
例えば筋トレを昼過ぎにするなら朝食・昼食を多く摂るようにする、等です。
そうすれば筋トレに必要なエネルギーと、筋肉を大きくする栄養を体内に多く溜めこめます。
この状態ならゴールデンタイムに栄養を補給する必要性は低くなります。
しかしこの方法だとゴールデンタイムの食事量を前食に振り分けることになります。
そのため先ほど書いた「食事のキツさ」がかなり出てきます。
プロテインなどのサプリメントで補給するなら、食事のキツさはかなり緩和されます。
よく考えた上で食事量を増やしましょう。
まとめ
何度も書きますが、筋トレで重要なのは筋肉に栄養が必要なときに体内に充分な量の栄養があるかどうかです。
毎回の食事で充分な栄養が摂れないなら、ゴールデンタイムに食事をして栄養の補給・補填を。
ゴールデンタイムの食事が面倒なら、毎回の食事で充分な栄養を摂るようにしましょう。
自分の生活スタイルでどちらの方法を取るかは自由なので、自分に最適なやり方で筋肉を強く大きくしていきましょう。