ミミズコンポストで簡単に生ゴミ処理・堆肥作り。使うミミズやコンポストの種類・使い方など

2021年3月31日園芸知識ミミズコンポスト,堆肥

生ゴミを堆肥にするにはコンポストを使うのが一般的です。

しかし慣れていないと失敗してしまうことも。

特に「異臭がヒドイ」「腐ってグチャグチャ」といった経験がある人もいるのでは?

これが原因で生ゴミ堆肥を諦めた人もいるのではないでしょうか。

そんな人は成功率が高く、早く堆肥に変わる「ミミズコンポスト」を試してみましょう。

ミミズコンポストとは

ミミズコンポストは失敗が少ない

ミミズコンポストはその名の通り「ミミズ」を使って堆肥作りをすることです。

最大の利点は生ゴミの腐敗による失敗を少なくできるという点です。

堆肥作りのあらゆる失敗原因に繋がるのが「生ゴミの腐敗」です。

腐敗すると悪臭を出す・虫が湧く・生ゴミがグチャグチャになると不快なことが多いです。

しかしミミズコンポストでは生ゴミの腐敗が起きにくいです。

ミミズは腐敗した部分を率先して食べるため、悪臭を放つ前に生ゴミを処理してくれます。

詳しくは後述しますが、ミミズが処理できる量は微生物よりはるかに多いです。

こうしたことから堆肥作りを効率よく・失敗も少なく行うことができます。

なんでミミズ?

突然ですが、ミミズの英名は「Earthworm(アースワーム)」です。

「Earth(地球」です。

そしてあだ名は「大地の腸」。

こんな大層な名前がつくほど、ミミズの土壌改良能力はすごいんです。

ベストコンディションならミミズは一日に自分の体重の”半分”の量の生ゴミを食べます

”半分”です。

体重60kgの人が一日30kgの食事をすると思うと、どこのフードファイターだ、ってくらい食べます。

これだけの量を処理できる能力のおかげで、日々地球上の土を作っています。

ミミズが食べたものはどうなる?

ミミズが食べたものは体内で分解され、フンとして排出されます。

このフンが堆肥となります。

ミミズの体内は微生物が活動しやすいやすく、通常より早く分解されます。

・きちんと分解されている(栄養になってる)
・団粒状になっている
・適度な水分をもつ

このように植物の栽培に使う土としては優秀なものです。

「ミミズのフン」という名前で、堆肥として市販されているくらいです。

最近ではミミズを使った専用の生ゴミ処理場なんてものもつくられています。

こんな風に社会的にもミミズの有用性は認められているんです。

そこらへんのミミズじゃダメ

ミミズの有用性を書きましたが、ミミズコンポストは使うミミズを選びます。

特に適しているとされてるのが「シマミミズ」という種類です。

このミミズが堆肥づくりに最も適しているといわれてます。

・土をかき回すようにして動く
・自分から食べにいく
・繁殖力が強い

このような生態のため自分から積極的に生ゴミを処理してくれます。

おまけに2か月くらいで繁殖してくれるのでものっすごく増えます。

コンポストに入れて1~2週間もすると、既に卵を産んでいることも多いくらいです。

ただ場所が狭いと、自然と場所の面積に合った数に落ち着くので、増えすぎるということはありません。

ちなみに石をどかしたりすると出てくるでっかいミミズは「フトミミズ(ドバミミズ)」という種類。

こちらは巣を作って餌を引きこんで食べるので、そんなに生ゴミ処理能力は高くないようです。

こちらの種類のミミズは繁殖に数か月くらいかかるので、数もあまり増えません。

コンポストに使えなくはないですが、効率よく生ゴミ処理をしたいならシマミミズが無難です。

シマミミズの入手方法

シマミミズを手に入れるには通販を使うのが確実です。

しかしこちらは500g(約1000匹!)といった単位なので、量が多いと感じる人もいるでしょう。

少量だけ入手したいなら釣り具店で購入できます。

「熊太郎」という商品がシマミミズを生き餌として使っているそうです。

ただこの「熊太郎」、どうも売っている地区(?)でミミズの種類が違うんじゃないか?という意見をよく聞きます。

シマミミズもあれば、「シマミミズの交配種?」といったようなものもあるそうです。

私は「熊太郎」のミミズを使ってますが、問題なく生ゴミ処理してくれています。

「まあ、いいかな?」って感じで生ゴミ処理してもらってます。

ミミズが一日に食べる量は最大で自分の体重の半分。

毎日250g以上生ゴミが出るなら通販で大量購入したほうがいいです。

確実にシマミミズをゲットできますし、すぐに生ゴミ処理を開始してくれますから。

ちまみに、稀ですが「ミミズフン堆肥」という肥料にもシマミミズや卵が入っていることがあるそうです。

もし園芸で使っているなら、探してみるのもいいでしょう。

ミミズコンポストの管理の仕方

用意するもの

・コンポストにする容器
・シマミミズ
・ミミズを住ませる土材(ヤシガラマット)
・細長く切った新聞紙

コンポスト容器の候補はいくつかあります。

普通のコンポストや専用コンポスト、あるいは自作する人もいます。

機能性や特徴などは記事下にまとめてあるので、参考にしたい人は読んでみてください。

土材はヤシガラマットを使用

ミミズコンポストでは、ミミズの住処のペースとしてヤシガラマットを使います。

ヤシガラマットの材料はヤシの実で、実の繊維を細かくしたものです。

「水でふくらむ土」といえばイメージしやすいかと思います。

百円ショップで売っているので入手も簡単です。

水で戻すと5~7Lくらいの量になり、このように細かい土に変わります。

保水力もあり、ミミズが住むのにちょうどいい土になります。

ただヤシガラマットはタンニンが含まれています

タンニンは植物の根の生育を阻害します。

そのため水で戻した直後だと栽培には適していません。

水で戻したあと、しっかりしぼってヤシの成分を取り除いてから使いましょう。

余裕があるなら再度水に浸して、もう一度絞るのも手です。

重要なのが新聞紙

ミミズコンポストで欠かせないのが新聞紙です。

・臭いを抑える
・余分な水分を吸い取る
・ミミズを直接空気に触れさせない
・微生物の分解の際に必要な炭素分の補給

新聞紙にはこういった多くの役割があります。

特に重要なのが炭素分を補給する役割です。

微生物が生ゴミを分解するには炭素が必要になります。

その炭素を補給することと、他の役割を総合して新聞紙を使うことが多いです。

「インクの害は?」と思うでしょうが、新聞紙のインクは「ソイインク」という大豆を原料にしたインクが使われています。

そのためミミズコンポストをしてる人はシュレッダーでまとめて裁断したものを入れることが多いです。。

ただこのインク、成分の何割かは非公開で不明だったりします。

私はその辺が不安なので、新聞紙のインクの成分がない枠の部分を切って使ってます。

これならインクの害も心配もなく使えます。

…まあ作業はけっこう面倒ですが。

もしやるなら、新聞紙を重ねて切れば効率が良いです。

少し細くてもいいので、文章(インク)部分まで切らないよう注意しましょう。

それぞれ容器に投入

ヤシガラマット→ミミズ→新聞紙 の順で容器に入れていきます。

ヤシガラマットは3~5cmくらいの厚さになる量を入れます。

次にミミズを投入しますが、土が乾いているようなら霧吹きなどで少し湿らせてください

新聞紙は土の部分が見えないよう全体を覆う形で敷きます。

あとはフタをして完了です。

液肥を回収できるように網を使った台座をつくり、その上に置いてます。

発泡スチロール製のコンポストでは、日光の当たる場所だと劣化してしまうので日陰に置きましょう。

注意したいのが夏場で日が当りすぎるとコンポスト内の温度が上がり、ミミズが死んでしまいます。

気温が30℃を越え始めると危ないので、このときも日陰に置いて温度が上がりすぎないようにしましょう。

生ゴミの本格投入は2~3日経ってから

さっそく生ゴミを入れたいところですが、コンポストにミミズを入れた最初の頃は生ゴミの本格投入は控えましょう。

コンポスト開始直後は環境が変わったストレスでミミズが生ゴミをなかなか食べてくれません。

そのため大量に生ゴミを入れてもミミズが処理してくれず、そのまま腐敗してしまいます。

腐敗した部分から食べてくれるといっても、量が多いと臭いも出てきます。

入れるとしても少量に留めましょう。

数日経てばミミズも新しい環境に慣れてきます。

最初は柔らかいものを中心に入れていき、徐々に量を増やしていきましょう。

堆肥とミミズの回収の仕方

ミミズと堆肥を別々に回収するには少々手間がかかります。

方法としては、ミミズの光・乾燥を嫌う性質を利用します。

まず新聞紙などの上にコンポストの中身を出します。

そうしたら外側の土を徐々に崩していきます。

こうすると光と乾燥を嫌うミミズはどんどん土の内側に逃げ込んでいきます

最終的にミミズのかたまりが残り、堆肥と分離できます。

ただこの方法、かなり時間がかかります

手際やミミズの動き・堆肥の量にもよりますが、1~2時間は軽くかかると思って下さい。

回収したミミズ(ちょっと気持ち悪いので注意)

意外と土もつかずにひとまとめにできます。

使えるコンポスト

専用のコンポストはないのか?

一応ミミズ専用のコンポストは販売してます。

それがコレ。

ちゃんとミミズの脱走の防止や堆肥を回収できるような構造になっています。

ただマイナーなジャンルなのか、製造してる会社はかなり少ないです。

そして値段が高めです。

それに見合った機能なのでしょうが、始めたばかりの人はちょっと敷居が高いかなと思います。

ただ少し前まで販売してたのに、今では販売していない、なんてケースが多いです。

例えば写真のコンポスト「金子みみずちゃんの家」は、少し前まで楽天市場で購入できました。

しかし今では製造元から直接購入するしかありません。

もし気になる・気に入ったコンポストなら、早めに購入しておくことをおすすめします。

写真のコンポストの製造・販売元のリンクはこれ。

ミミズコンポスト(金子みみずちゃんの家)販売

いつ無くなるかわかりませんが、別のミミズコンポストも記事下に貼っておきます。

虫の侵入防止にかなり気を使った構造なのでオススメです。

普通のコンポスト

一応、普通のコンポストでも代用は可能です。

・密閉可能
・液肥の回収も可能
・量も多い
・種類が豊富

このように必要な機能は備えているため使用は可能です。

利便性も高く、ホームセンターに行けば普通に購入できるのもポイント。

ただ注意したいのが排水口が詰まりやすい点です。

ミミズ堆肥はかなり細かく、水分が多いと排水口に詰まりやすいです。

そのため生ゴミをそのまま投入せず、ある程度乾燥させてから投入するのが推奨されます。

それと出来た堆肥やミミズを出したいときは、まとめて外に出すしかありません。

先述の通り、ミミズを堆肥と分離する作業はかなり手間です。

そういった作業が面倒ならミミズ専用のコンポストを使ったほうがいいです。

自作コンポスト

「自分でつくってしまえ!」と自分でコンポストをつくるのも手です。

この方法なら値段を安く抑えられたり、機能性を良くしたコンポストも用意できます。

それこそペットボトルコンポストから、農場で使うような堆肥箱まで用意できます。

素材も発泡スチロールのように加工しやすいものでもつくれるので、そんなに労力も必要ありません。

ただコンポストの完成度が自分の工作スキルに左右されます

カッターのような刃物を使ったりもするので、工作に自信がない人にはオススメしません。

最低でも排水口に隙間ができないように切る技術は必要です。

容器に普通の箱を使っただけではミミズの分離ができるようにはなりませんし。

もし分離作業をラクにしたいなら、ミミズ専用コンポストのように箱の底をくり抜いて加工するくらいは必要です。

しかし、ただ底をくり抜くとその分隙間もできやすくなります。

異臭漏れや虫が入ってくる原因にもなるため、難易度はかなり高めです。

一応自作コンポストのつくり方は紹介しているので、参考にしたい人はどうぞ。

格安の自作コンポストで生ゴミ堆肥作り。ミミズコンポストとして両立も可能

各コンポストの機能性一覧

それぞれの種類のコンポストの機能を表にしました。

排水性防虫通気性大きさ分離
ミミズ専用コンポスト
通常コンポスト○(△)
自作コンポスト○※○※○※△※

は自分分の工作スキルに依存。

やはりミミズ専用コンポストの機能性は軒並み高いです。

ネックになる虫の侵入防止や液肥の回収、ミミズの分離などができるのは大きいです。

製品によってはちょうどいい量のシマミミズも付属しており非常にお得です。

自作コンポストの機能性は、上記の通り自分の工作スキルで左右されます。

最低でも通常コンポストと同じような機能は持たせたいところ。

工作に自信のある人は、ミミズ専用コンポストの機能を真似てつくっていたりもします。

ミミズが食べるもの

ミミズには「歯」がありません。

そのため柔らかいもの、それこそ腐ってるくらいの柔らかさでないと食べてくれません。

簡単に説明すると「水分が多い(腐りやすい)」ものほど、処理してくれるスピードが速くなります。

そのため果物の生ゴミは元々柔らかく、さらに腐りやすいため早く堆肥に変わります。

逆に野菜の皮や芯といったものは食べるのに時間がかかります。

メロンの皮を与えたら果肉部分から徐々に食べ始めて、1週間後には外側の皮部分だけになってました。

逆に木の枝クラスの硬さがあったり、長期間腐らないものはいつまで経っても食べてくれません。

こうしたものはコンポストに入れるのはやめましょう。

コンポストに入れないほうがいいもの

ビニールやプラスチック、金属類

ビニールのような石油製品や金属といった「食べられないもの」はミミズも食べてくれません

生ゴミが腐るというのは微生物が分解することによって起きます。

しかしこれらのモノはいつまで経っても微生物が分解してくれず、ミミズも食べてくれません。

入れても意味が無いのでやめましょう。

肉・魚類

肉や魚といった脂分を含んだものは異臭を放ちやすいので投入は控えましょう。

脂分を含んだ有機物は完全に分解されるのに時間がかかります。

また分解中に異臭を放つので、ハエなどの虫が集まりやすいです。

虫で失敗する原因にもなるので、基本は入れない・入れても極少量に留めましょう。

万全を期すなら深くに埋める。

あるいは土の上に新聞紙などを置いて、臭い漏れが起きないように対策しましょう。

みかん・バナナの皮類

みかんやバナナといった果物の皮は、ワックスや農薬といったものがついている可能性があります。

特に皮ごと食べられない果物には農薬などがついている可能性が高いです。

堆肥として使うことを考えてると、そういったものは混ざらないようにするのが最善です。

よく洗ってある・自宅で採れたものなら大丈夫です。

ただみかんやバナナの皮は水分が少なく、分解が進みづらいので入れるのは控えたほうが無難です。

キャベツの芯や大根のヘタ・根の付いた部分

こちらは「すぐに」入れないようがいい生ゴミになります。

キャベツの芯やニンジン・大根のヘタ部分はかなり固いです。

そのため切った直後に入れても分解があまり進まず、数日経っても変わらない場合がほとんどです。

特に大根などのヘタ部分やタマネギの根部分だとコンポストの中で再び成長しまい、分解どころじゃ無くなってしまいます。

根がついた部分はともかく、野菜のヘタ部分は水分があると再び葉っぱを成長させます。

切ったばかりの活き活きした状態で投入するのはやめたほうがいいです。

キャベツの葉といった肉厚な部分でも成長こそしませんが、なかなか分解は進みません。

これは微生物は新鮮で生きている細胞は食べようとしないためです。

こうした生ゴミはある程度乾燥させて枯らしておく必要があります。

枯れれば成長などはしなくなるので、腐りやすくなってくれます。

分解を早く、食べやすくする方法

すぐに微生物の分解や、ミミズが食べやすいようする方法は2つあります。

それは冷凍することと、電子レンジを使うことです。

どちらも生ゴミの細胞を壊して柔らかくしてくれます。

これでコンポスト内で成長することも無くなります。

特に人参や大根・キャベツの芯といった硬いものは、この方法で柔らかくするとすぐに食べてくれます

なかなかミミズが食べなかったり、処理速度を上げたいならこの方法を使いましょう。

あるいは食べきれなさそうな量が出たら、一部を冷凍して後日与える、といった方法も取れます。

特にレンジを使うと余計な水分も抜けていきます。

コンポストがビシャビシャになりやすいなら、こういった方法を取ってみましょう。

ミミズの脱走に注意!

ミミズコンポストをして初めて知ったんですが、ミミズは壁を登って脱走します。

木製・プラスチック製関係なく脱走します。

脱走する理由は「湿気が多すぎる・少なすぎる」「餌が足りない」など。

環境が悪くなると脱走する頻度が高いです。

とあるミミズの研究室だと、光を嫌う性質を利用して1日中電灯をつけっぱなしにしているそうです。

「消灯厳禁!」なんて札がつけられるくら徹底してます。

このため一般家庭で屋内にコンポストを設置するのは向かないかと。

コンポストに慣れないうちはちょくちょく様子を見て逃げ出してないか確認しましょう。

終わりに

ミミズコンポストは通常の堆肥づくりと比べ、かなり早く堆肥をつくれます。

ミミズに抵抗がある人も多いでしょうが、生ゴミの腐敗をかなり無くせるメリットもあります。

堆肥づくりで失敗しがちな人なら、是非ミミズコンポストを試してください。