熱中症になりにくいマスク。熱がこもる・こもらないマスクの特徴
新型コロナの影響でマスク着用が日常化してしまいました。
しかし、夏の猛暑でマスクをし続けると熱中症になるリスクが上がります。
最近はマスクそのものの需要が高まる影響で、様々な種類のマスクが登場し始めています。
そこで今回は熱中症になりにくい熱がこもらないマスクなどを紹介します。
熱がこもらないマスクは「ウレタン」製
結論からいうと熱がこもりにくいマスクの種類はウレタン製のマスクになります。
ウレタン製マスクは、当初「何度でも洗えるマスク」として開発されていました。
しかしウレタンの性質上、熱中症予防にも適正があるマスクになります。
ウレタンとは
ウレタンの正式名称は「ポリウレタン」。
低反発枕やマットレス・台所スポンジや、果てはタイヤと用途は多岐にわたります。
ポリウレタンなどに使われるポリマーはプラスチックのことなので、かなり長い間使用できます。
ウレタンは製法によって、内部を発泡(スポンジ状)にしたものから、硬質な弾力のゴム状にと、全く違うものに変化します。
発泡処理したものは、ほどよい弾力性・吸水性のスポンジやマットレスなどに。
硬質化させたものは強度を持った弾力性のあるタイヤなどに。
スポンジ状なのを保ちつつ硬質化させたものは断熱財などに使用されています。
ウレタンマスクはスポンジやマットレスなどに使われるウレタンと同じものになります。
ウレタン製マスクの特徴
ウレタン製マスクでは以下の特徴があります。
・吸汗性
・呼吸スペース
・洗濯可能
このように夏場で使うマスクとしては適した特徴を多く持っています。
通気性の良さ
ウレタンの発泡性から普通のマスクよりも通気性が良いです。
ウレタンの内部の空気穴を通して通気がされるため、息苦しさが軽減されます。
マスク内の熱はこもった息が原因なので、マスク内の換気をしてしまえば熱がこもらなくなります。
吸汗性
ウレタンには不織布といったものより吸汗性があります。
マスクをして呼吸をすると、吐息の水分でペッタリするのが不快な人も多いと思います。
ウレタンは台所スポンジに使われるだけあって吸水性も備えており、マスク内の汗を吸収してくれます。
吸収した汗はそのままマスクの外側から蒸発していくので、マスク内に逆流することもないです。
呼吸スペースの確保
マスクの種類にもよりますが、ウレタンマスクのほとんどは立体型マスクなので呼吸スペースが確保されています。
肌に密着するタイプのマスクだと、呼吸のたびにマスクが口にくっついてうっとおしいです。
しかし立体型マスクだとその形にマスクが固定されているため、呼吸のたびに口にくっつくことも無くなります。
普通の薄い立体マスクだと呼吸のたびに吸い付いたりしますが、ウレタンマスクは若干厚みがあるため呼吸をしても形状が変化しにくいです。
呼吸のたびにマスクが邪魔・汗がついたマスクが口につくのがイヤな人にもオススメです。
洗える
ウレタンマスクは何度でも洗って再利用できます。
最近は洗えるマスクも増えてきていますが、ウレタンの素材の関係上基本的に洗えるようになってます。
ウレタンはポリマー(プラスチック)でできているため、洗っても縮んだりして形が変わることは少ないです。
ただ洗濯機や手でゴシゴシするようなきつい洗い方すると千切れてしまいます。
洗剤の入った水につけ置くなどの洗浄方法を取りましょう。
ウレタンマスクのデメリット
ウレタンマスクのデメリットとしてウィルスなどの極微小なものは防げない点です。
ウレタンの空気穴は花粉や飛沫などの大き目の粒子は防げます。
が、インフルエンザウィルスのように空気感染するようなものには効果が薄いです。
そのため医療現場や3密の状態では完全に感染を防げるとはいえません。
ただ、厚手のウレタンマスクなら吸着性も増すので、感染予防もできるようになります。
オフィスなどの空気が滞留しやすい・人が多い場所で使おうとしている人は覚えておいてください。
熱中症になりにくいランキング
では他の種類のマスクを含めて、どのくらい熱中症に対して効果があるかランキングにしてみました。
順位 | マスクの種類 | 通気性 | 吸汗性 | 呼吸しやすさ | 熱のこもりにくさ | 感染予防 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ウレタン | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ |
2 | 布 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ |
3 | ガーゼ | △ | △ | × | × | 〇 |
4 | 不織布 | × | × | × | × | 〇 |
5 | 防塵マスク | × | × | × | × | 〇 |
製品の質や構造によって多少変化がありますが、おおむねこのような順位になります。
注目したいのが通気性と感染予防の性能は反比例している点です。
感染予防で優秀な医療用マスクとして多用される不織布マスクですが、感染予防に重点を置いているため網目の穴がかなり小さくなります。
しかしその分空気の通り抜けが困難になるため、通気性が悪いです。
こうしたことから、不織布マスクは熱中症を引き起こす要因になりかねないマスクといえます。
ただどの種類のマスクでも立体型になると呼吸するスペースが生まれるので、少しだけですが息苦しさは無くなります。
ウレタンマスクは屋外で役立つ
ウレタンマスクは屋外で作業する人におすすめのマスクになります。
屋外ならウィルスが飛散しやすいので、ウレタンマスクの感染予防の低さは緩和されます。
時に夏場に屋外で作業することが多い人は、マスク無しでも熱中症のリスクは高くなりがちです。
そのため通気性・吸汗性を持っているウレタンマスクなら熱が上がりすぎるのをある程度緩和できます。
飛沫といった大きい粒子なら防げるので、よほど近い場所で長々と話さなければ感染予防はできます。
屋内でもかなり広い場所・風の流れがある・十分な換気がされているような、ウィルスが滞留しにくい環境でもウレタンマスクは使えます。
逆にオフィスといった人が多い場所・病院などの医療機関だとウレタンマスクでは感染を完全に予防できません。
不織布マスクのようにウィルスを通しにくいマスクを使いましょう。
「冷感」マスクは思ったほど効果はない
「冷感」と書かれたマスクが販売されていますが、そこまで効果はありません。
こうしたマスクのほとんどは、冷感なのはマスクと接触した最初の数秒だけ。
あとは熱が籠って、普通のマスクと変わらなくなります。
つまり冷感の持続性はありません。
「冷感」と書かれたマスクを選ぼうとしている人は注意しましょう。
最後に
最近になって目立ち始めたウレタンマスクですが、熱中症予防になるマスクとして注目されもしています。
感染予防としてはイマイチなマスクですが、特に熱中症になりやすい屋外作業者にとってはかなり有用なマスクです。
感染の心配は少ないけどマナーとしてマスクをしておきたい人に特におすすめのマスクになります。