尿の病気・症状一覧。尿の色や状態からわかる身体の異常

人体・病気健康,病気

糖尿病や膀胱炎に代表される尿にまつわる病気や症状。

尿に直接関係する病気から、感染症などの外的要因によるものと多々あります。

それらの病気にかかると一体どんな症状が出るのか?

今回は尿に関わる病気の一覧やその判別方法を紹介します。

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尿の「色」からわかる病気

まずは簡単に尿の色からわかる病気や症状を紹介です。

尿の色可能性のある病気
尿路結石膀胱炎腎腫瘍ポルフィリン症
オレンジ肝不全
溶血性貧血腎不全
青・緑緑腫菌感染症肝不全糖尿病
フィラリア症
透明糖尿病腎不全

色が違うだけでも、原因となる病気の種類はかなり違いが出ます。

同じ色にしても複数の原因が考えられ、素人目線だと判別がしにくいです。

病気については記事後半にまとめてあります。

もし自分が当てはまったものがあれば把握しておきましょう。

黄色

通常の健康な人の尿は「かなり薄い黄色」をしています。

「淡黄色」ともいいます。

色の大本は2つあるそうです。

ひとつは肝臓から出ている「胆汁」という物質。

赤褐色(赤っぽいオレンジ)をしており、これが水で薄まって黄色っぽい色になるそうです。

もうひとつがヘモグロビンが分解されてできる「ビリルビン」という成分。

厳密にはビリルビンがさらに変化してできる「ウロビリノーゲン」が黄色をしています。

これらの成分が尿に混じると、黄色い尿ができあがります。

ただ水分量が少なかったり、ビタミンなどを取りすぎていると「濃い黄色」へと変化します。

ビタミン剤や口内炎の薬の服用後。

あるいは寝起きで体内の水分が少ない朝。

こうしたタイミングでは尿の成分が濃くなり、色も濃くなります。

しかしこの尿の色が「赤」や「緑」などに変化したら注意が必要です。

赤・ピンク色

 

赤色の尿というと、一番イメージしやすいのが「血尿」でしょう。

文字通り尿に血が混じった状態です。

ただ血が混じる理由もいくつかあり、

・尿路結石
・膀胱炎
・腎腫瘍

と、尿の通り道のどれかで出血している場合に起きます。

尿路結石なら尿道。

膀胱炎なら膀胱。

腎腫瘍なら腎臓。

もし血が混じったら、どれかのポイントで異常が発生している可能性を考えましょう。

あと抗生物質などの一部の薬を服用していても赤みのある尿になるそう。

なにか特殊な薬を服用している・予定がある人は覚えておきましょう。

茶色(褐色)

赤色の尿の延長上にもなりますが、茶色に変化することもあります。

原因の大本に「筋トレのしすぎ」「血液の異常」などが挙げられます。

筋トレのし過ぎ

「運動・筋トレのしすぎ」な人で、稀にこの色の尿が出ることがあります。

筋肉というのは、酷使しすぎると筋細胞が壊れて筋肉の成分が血液中に流れ出ます

この壊れた筋肉の成分が尿に混じると茶色になります。

症状が酷いと酷使しすぎた部位を動かすことすら困難になります。

腕立てのしすぎなら胸筋、スクワットだったらふくらはきだったり。

これは腎不全にも直結しやすい問題なので、くれぐれも筋トレのしすぎにはご注意を。

筋トレ・ダイエットのしすぎで筋肉が溶ける「横紋筋融解症」とは? 過剰なオーバーワークには注意

血液異常

この場合は血液というよりは「ヘモグロビンの異常」といえます。

いつもは問題ない人に急に極度の貧血の症状が出ると、この茶色の尿が出ることがあります。

貧血の主な原因は、酸素を運ぶ役割のヘモグロビンに何かあったときに起こります。

大抵はヘモグロビンの量が少なかったりすることが原因です。

しかし、何らかの理由で大量にヘモグロビンが破壊されたときも同じ症状が出ます

「黄色」の項目で書いた「ビリルビン」という成分は、ヘモグロビンが壊れたり寿命を迎えたりするとできます。

通常ならビリルビンは血液→肝臓→腸と流れ「ウロビリノーゲン」に変化します。

しかしビリルビンが多いと肝臓で処理できず、ダイレクトに血液→腎臓と流れてしまいます。

黄色のウロビリノーゲンと違い、ビリルビンは茶色をしています。

これが尿に混ざることで茶色へと変化します。

通常の寿命なら問題ありませんが、短命すぎる場合は後述する「溶血性貧血」の恐れがあります。

青・緑色

イメージしにくいでしょうが、青色や緑色の尿が出るケースもあります。

抗うつ薬などの薬を服用しているとこの色の尿が出る場合があるそうです。

ただ緑色の尿だと「緑腫菌」という細菌が膀胱で繁殖している可能性があります。

この場合膀胱炎になっていることが多いそうです。

薬の服用に身に覚えが無ければすぐに病院で診てもらいましょう。

白色

極まれなケースですが、白色(乳白色)の尿が出る場合。

これは「フィラリア(寄生虫)」が原因で起きます。

現在の日本ではかなり少ないようですが、寄生虫は蚊を経由して人に寄生するそうです。

そのため蚊が多い亜熱帯の気候の地域で感染しやすいとのこと。

亜熱帯の国に旅行した後に白い尿が出るようになったら、この寄生虫の可能性を疑いましょう。

またこの寄生虫はイヌにも寄生するので、そこから蚊を通して飼い主に寄生する場合も。

ペットの予防接種はキチンとするようにしましょう。

透明

透明=色が無い、ということで問題ないと思うかもしれません。

が、実際はまったくの逆です。

人体ではどんな人でも老廃物や有害なアンモニアなどが常時発生しています。

これは避けられません。

つまり尿の色の元になる物質が絶対にあるにも関わらず透明なのは、尿の濃縮が行われていない可能性があります。

尿の濃縮が行われない=体内に有害物資が残ったままということ。

これは腎臓などが正常な働きをしていないことが原因です。

腎不全などで腎臓の機能の低下すると透明な尿ができやすくなります。

健康なのに出るようなら糖尿病を疑いましょう。

※水を飲みすぎると尿がかなり薄くなるので、そのあたりは勘違いしないように。

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尿の「状態」からわかる病気

色だけでなく、泡立ったりといった状態からも病気はわかります。

色と状態を併用することもあるので気を付けておきましょう。

尿の状態可能性のある病気
濁り膿尿膀胱炎尿道炎前立腺炎
甘い匂い糖尿病腎不全
泡立つたんぱく尿腎炎糸球体炎

こちらも色が変わるときと同様に、同じ状態でも複数の原因が考えられます。

ただこちらは生活習慣が原因の症状が多いです。

健康な生活を送れば改善される可能性があるものも。

濁ってる

尿にやたらと不純物が混じって濁っているなら「膿尿(のうにょう)」の可能性があります。

これは尿内に白血球が混じっている状態で起こる症状。

腎臓・膀胱・尿道などに細菌が入ると、防衛反応として白血球が細菌と戦い、死滅します。

その白血球の死骸が大量にあると、尿が濁ったようになるそうです。

体内に細菌が入り込んでいるため、尿が存在する部分が炎症を起こす可能性が高いです。

・膀胱炎
・尿道炎
・前立線炎

こうした症状が出るので注意しておきましょう。

甘い匂い

尿から甘い匂いがする場合は糖尿病の可能性があります。

「甘い」といったところから連想しやすいと思います。

これは血液中にある糖質の量(血糖値)が高いと、必然と尿に入る糖質も多くなるから。

適正な血糖値なら細胞が働くエネルギーとして血糖が消費されます。

普段は尿にはあまり混じりません。

しかし量が多いと体内で消費しきれないと判断。

「異物」扱いされるようになります。

そのため尿として排出しようとします。

しかし、こうなると腎臓そのものにも負担がかかり続けるようになります。

これが「腎不全」といった再生不能な症状が出る可能性に繋がっていきます。

尿が泡立つ

出した尿が異様に泡立つ状態を「蛋白尿(たんぱく尿)」といいます。

尿が泡立つのは尿に大量のたんぱく質が混じることで起こります。

糖質同様、たんぱく質も普段は尿に混じることはありません。

通常たんぱく質は腎臓内の「糸球体」の部分を通れずに引っかるためです。

糸球体は体内に必要な成分をこし取る「網目」の役割があります。

たんぱく尿の場合は糸球体に問題かある場合が多く「慢性糸球体腎炎」の可能性が出てきます。

尿にまつわる症状・病気

ここからは上記で書いた病名を紹介していきます。

当てはまっていた人はよく読んで対応してください。

尿路結石

尿のトラブルで有名な「尿路結石」。

別名「膀胱結石」「尿道結石」とも。

腎臓~膀胱や膀胱~尿道のいずれかのポイントで石ができてしまう症状を指します。

この石の大本は「シュウ酸カルシウム」や「リン酸カルシウム」「尿酸」と呼ばれる成分です。

実は皆さんが気づかないだけで、極小さな尿路結石はそれなりにできるものだそうです。

普段は痛みもなく、気づかず排出しているだけで。

しかし尿道の変形などによる尿の停滞。

あるいはシュウ酸カルシウムなどの濃度の上昇。

こうなると成分の濃縮が起き、極小さな結石でも成長しやすくなるそうです。

大きいと数cmくらいの石になることも。

結石ができるとトイレの度に激痛が走ったり、血尿になったりと、かなりわかりやすい症状が出ます。

また結石が膀胱内を傷つけるため「膀胱炎」を併発したりもします。

一度大きな結石ができてしまうと排出(摘出)されるまで激痛が続きます

一刻も早く病院に行って取り出してもらいましょう。

一番手軽な予防法が「水分を多く飲む」だけ。

1日の摂取水分量が1L以下だと尿が濃くなりやすく、自然結石もできやすくなります。

そのためできれば水分を1日2L以上摂取すれば予防できるそうです。

この量は食べ物に含まれる水分も合計してのもの。

そこまで大変な予防法ではないと思います。

※ただし、すでにできた結石を無くす(溶かす)ような効果は無いので要注意。

膀胱炎

膀胱炎もメジャーな尿関係の病気になります。

膀胱炎は文字通り尿を貯めておく膀胱で炎症を起こしている状態。

膀胱炎になるとトイレの度に下腹部、ちょうど膀胱があるあたりに痛みが走ります。

また、炎症が起こると膀胱の細胞壁に伸縮性が無くなります。

そのせいで尿を貯めにくくなるため、尿の回数が増えたりもします。

膀胱炎は何らかの理由で、膀胱内に細菌が入ることで炎症をおこします。

・汚い手でアソコを触る
・大腸菌が入り込む

こうした理由で起きるので、普段でも起きる可能性はそれなりにあるので注意しましょう。

外出後、特に土いじりの後は要注意!

腎腫瘍

腎腫瘍、またの名を「腎ガン(腎臓ガン)」ともいいます。

文字通り腎臓に腫瘍(ガン)ができてしまいます。

・血尿
・痛み

こんな症状から、素人目では膀胱炎と誤認してしまうことも。

ただこの「痛み」は尿を出したときではなく、慢性的な痛みだそうです。

トイレ以外でも痛みがするようなら、こちらのほうも疑ってみましょう。

ポルフィリン症

ポルフィリン症は外的要因で発症せず、遺伝的なもので発症することがほとんどだそうです。

・皮膚の脆弱性
・神経系の異常

これらの症状が挙げられ、基本このどちらかを発症するそうです。

「皮膚の脆弱性」は、光過敏症のように日に当たるとすぐに日焼け(火傷)してしまう。

または、すぐにキズついたり赤くなったりなどの症状が出ます。

「神経系の異常」は「腹痛」「便秘」「下痢」といった腹部を中心とした症状。

これに加え、「吐き気」「めまい」「幻覚」「憂鬱感」といった神経系の異常も出ます。

基本遺伝で発症するため、幼い頃から症状が出ることがほとんどだと思います。

肝不全

肝不全は肝臓に何らかの異常が出ている状態の総称で、「肝硬変」や「肝炎」などを含みます

あるいは肝機能そのものの低下を「急性肝不全」ということも。

「肝臓」と聞いてパッとしない人は「レバー」というとイメージできる人もいるかと。

肝臓とは

まず肝臓の働きについて。

肝臓の役割は、

・胆汁(消化酵素)の生成
・糖質、アミノ酸(たんぱく質)、脂質の代謝
・コレステロールの合成
・アルコールの分解
・アンモニアを尿素に変換
・造血(血液をつくる)

などなど、身体を維持する上でかなり重要な働きを多く含む内臓です。

肝臓に異常があると身体を正常に維持することが難しくなり、様々な症状が出やすくなります。

このため肝臓に異常 = 死亡原因となることもあります。

急性肝不全

何らかの病気などで、急速に肝臓の機能が低下すると「急性肝不全」となります。

ちなみ後述の「肝硬変」「肝炎」は「慢性肝不全」といわれます。

急性肝不全は早いと1週間以内、遅いと3か月以内に肝機能が低下します。

この症状が出ると極端なまでに肝臓の働きが低下するので、

・たんぱく質の合成が出来なくなる
・消化が滞る
・貧血
・体内にアンモニアが滞留

こうした様々な症状が出やすくなります。

先述のとおり肝臓は生命維持機能そのもの。

命の危機に直結しやすい症状なのですぐに病院で診てもらいましょう。

溶血性貧血

溶血性貧血とは、細菌や毒素などで赤血球が破壊された結果起こる貧血のことです。

このタイプの貧血になると赤血球…というよりはヘモグロビンが破壊され「ビリルビン」が血中に大量に流れ出ます。

その結果、目や皮膚などが黄色くなる「黄疸(黄疸)」。

肝臓内に結石ができてしまう「胆石症」という症状も出てくる可能性があります。

無論「貧血」なので、貧血特有のめまい・息切れ・倦怠感なども出てきます。

腎不全

糖尿病などになるとリスクが高くなるので有名な腎不全。

腎臓の役割と腎不全について解説します。

腎臓とは

腎不全の説明の前に腎臓の機能を紹介します。

腎臓は尿をつくるのに絶対に必要になる器官です。

大体左右の脇腹の内部あたりに2つあります。

尿は体内の血液が腎臓を通ることによってつくられます。

腎臓は体内の血液をろ過する役割があり、ここで血液中に余分、あるいは有害な成分を取り除き、水に溶かして尿になります。

このとき血液中の水分も減るため、その減った分だけ水分補給する必要があります。

尿の生成量は「1時間あたり60~70ml」。

運動をしなくとも勝手にそれだけ体内の水分量が減っていくということでもあります。

1回のトイレでコップ1杯くらいは尿が出るので、その分コップ1杯の水分を補給する必要があります。

腎不全とは

腎臓に不調があって尿がつくられなくなる。

あるいは有害な成分が取り除かれていないと「腎不全」と診断されるようになります。

この腎不全は

・加齢による腎臓の衰え
・糖尿病などによる腎臓の酷使

と、普通に生活している人でも十分になる可能性があります。

特に糖尿病は若い人でも腎不全になる原因です。

糖尿病になると血液中に「血糖」という、糖分の一種のブドウ糖が大量に流れるようになります。

「血糖値が高い」「ドロドロの血液」というのはここからきてます。

血糖が血液中に余分にあると、腎臓は尿に混ぜて排出しようとします。

この排出する働きは正常なもの。

しかし血糖の量が多いほど腎臓を酷使するため、最悪腎臓が血糖で詰まってしまいます

ろ過するための網目が血糖で塞がれてしまう状態をイメージすればいいでしょう。

そして一番厄介なのが一度腎不全になると腎臓は2度と使い物にならなくなります

このため正常に尿がつくられず、週2~3回病院通いをして「透析」してもらう必要があります。

透析とは、

血液をチューブを通して体外に出し、

腎臓の役割をするろ過装置にかけ、

きれいになった血液をまた体内に戻す、というものです。

これを毎回数時間続けるため、かなりの負担になります。

これが後生ずっと続くことになります。

皆さんも若いうちから糖尿病(腎不全)にならないよう注意しましょう。

緑腫菌感染症

緑膿菌感染症は緑膿菌(りょくのうきん)という細菌に感染すると発症します。

名前の由来は傷口に感染すると緑色の膿ができることから。

発症すると、

・敗血症(各臓器の機能が鈍る多臓器不全)
・呼吸器感染症
・尿路感染症
・胆道感染症
・呼吸器感染症

など多岐にわたる不調がでます。

緑膿菌は自然に広く生息する「常在菌」の一種です。

栄養が少ない所でもお構いなしに繁殖できるので、皆さんの生活域にも普通に生息しています。

そのため誰でも感染する可能性があります。

特にカテーテル(身体に差し込む・埋め込む医療用チューブ)をつけて生活している人は注意が必要。

差し込んでいる隙間から緑膿菌に感染する可能性が高いそうです。

しかし緑膿菌は安定した免疫力があれば発症する恐れは低いです。

ただイヤなことに緑膿菌は薬剤に対する耐性・適応性がある点。

一度重篤化すると根治するのが難しくなるそうです。

もし尿が青・緑色に変化してるなら、急いで診てもらいましょう。

糖尿病

生活習慣病として有名な糖尿病。

ですが、“どう”糖尿病が害をなすのかイマイチわかっていない人もいるのでは?

糖尿病は血液中の糖質が過剰にあると診断される病気で、「ドロドロの血液」というをよく聞きます。

しかしドロドロの血液そのもの自体が「毒素を持つ」といったものじゃありません。

このドロドロの血液がもたらす間接的な害が多数ある、というのが腸尿病の怖いところです。

多数の糖が血管の壁を傷つけることによって起こる「動脈硬化」。

血が滞留して固まってできる「血栓」。

多種類のガンの発生率の増加。

腎臓が詰まってしまって起こる「腎不全」。

こうした多数の全く別の病気・症状をもたらすトリガーが糖尿病です。

かつ糖尿病自体に自覚症状が少ないことも多く「真綿で首を絞めつける」ような症状ともいえます。

糖尿病を防ぐには「食べ過ぎない」か「食べた分運動して糖を消費する」くらいしかないです。

よくいわれますが、暴飲暴食はしないようにしましょう。

フィラリア症

フィラリア症とは寄生虫(フィラリア)が原因で発症するものです。

もとは犬に寄生していた寄生虫の卵が、蚊を媒介して人に感染する形で発症します。

発症するとリンパ系の器官を中心に「リンパ管炎」「リンパ節炎」といった症状が出始めます。

悪化するとリンパ線付近が肥大化。

中には脚が倍以上に膨れ上がり象の脚のように見える「象皮病」という症状もあります。

逆に身近に犬がいなければ、発症する可能性はかなり低いともいえます。

キチンと予防接種していないと犬と揃って感染する恐れもあるため、犬の予防接種はしっかりしておきましょう。

膿尿

膿尿とは尿路や膀胱など、尿があるところに細菌が入ると起きます。

膿尿は尿が濁ると診断されますが、この濁りの正体は白血球の死骸です。

白血球は免疫細胞の一種で、体内に入った細菌やウィルスと日々戦っています。

しかし戦っている内の幾割かは死んでしまいます。

尿路内などでこれが起きると、ダイレクトに尿内に白血球の死骸が混じります

これは明確に細菌が侵入している証拠。

膀胱炎を始めとした炎症が起きやすい状態といえます。

まだ炎症の症状が出ていないなら、悪化する前に病院で診てもらいましょう。

尿道炎

尿道炎は尿の通り道に細菌が入り込んで炎症が起きます。

膀胱炎の尿路バージョンみたいなものです。

ただ診断される範囲は広く、腎臓から尿管(アソコ)まで。

軒並み尿が存在するところ全般が対象になります。

症状も膀胱炎などと似ており、血尿や下腹部の痛みなどが起きます。

前立腺炎

前立腺は膀胱の真下にある器官。

ここに細菌が侵入して炎症を起こすと前立腺炎となります。

ちなみに前立腺は「男性にしかありません」。

そのため前立腺炎は男性オンリーの症状です。

尿道炎など、前立腺の近くが細菌が感染していると連鎖的に感染する恐れがあります。

前立腺炎になると、膀胱炎などのように排尿の度に痛みが走るようになります。

また尿道の途中で異常が起きているため、完全に尿を出せないことが増え、残尿感なども出てきます。

たんぱく尿

たんぱく尿とは尿の中に「たんぱく質」が混じっている尿のことです。

たんぱく質は三大栄養素の中でも「身体(細胞)をつくる」という重要な成分。

そのため不純物として体外に排出されることはありません。

糖質と違って過剰になることも少なく、「余分」と判断されることもありません。

しかし尿をつくる腎臓に問題があると、尿に多量のたんぱく質が混じることがあります。

後述する腎炎を始めとした、腎臓に異常がある病気のいずれかにかかるとたんぱく尿が出てくる可能性があります。

腎炎

「炎」と名の付く症状と共通で、腎炎は腎臓に細菌が侵入して炎症を起こしている状態です。

尿に関わる症状では「腎盂(じんう)腎炎」といいます。

「腎盂」とは腎臓でつくられた尿を一時的に貯めておく場所のことです。

この近辺に細菌が侵入していると、腎臓全体に感染する可能性が高くなり、その分腎臓不調につながります。

腎臓の機能が低下すると老廃物の濃縮が行わなくなります。

その分体内に有害物質が残ったままに。

その結果、残った有害物質が別の内臓にも影響を与えるようになります。

腎不全同様に身体全体に影響を与える症状といえます。

糸球体炎

糸球体炎は腎炎の一種です。

「糸球体腎炎」とも。

糸球体とは腎臓内で血液中の老廃物・有害物質をろ過するための器官です。

糸球体の形状は「微細な穴の開いた血管」で、この穴は正常な血液の成分しか通しません。

赤血球や血糖・たんぱく質と、人体に必要な成分だけを血液中に残します。

ろ過するための「布」や「網」をイメージしてくれればいいかと。

この穴を通れなかった成分が、不純物として腎臓内で尿となります。

しかし糸球体で炎症が起きると、血液中の成分のろ過が十分に行われなくなります。

あるいは、ろ過しなくてもいい成分までろ過してしまう状態が起きます。

この状態だと、身体に必要なたんぱく質 といった貴重な成分まで尿に含まれてしまいます。

「たんぱく尿」の原因と診断されることも。

また炎症の例に漏れず出血することもあり「血尿」が出ることもあります。

腎炎などと同様に体内に有害な成分が残ってしまうため、

・吐き気
・倦怠感(疲労感)
・食欲不振

といった症状が出ることも多いです。

放置すると「腎不全」にもつながりかねません。

風邪でもないのに尿に異常が出るようならこの病気も疑いましょう。

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まとめ

総合すると

いつもと違う尿なら「膀胱」「腎臓」「肝臓」に異常が出ている

と判断できます。

直接的な原因はこれらにありますが、糖尿病のように間接的に関係しているケースも多いです。

放置すると別の病気の原因にもなりかねないのが尿関連の症状です。

いつもと明らかに違う尿が出たら、身体に異常が起きていないか確かめましょう。

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