卵の殻で土壌の酸を中和しよう! 誰でも自作できる石灰資材!

植物を育てる上で土壌の酸性度はかなり重要になります。

日本のように雨が多い土地では土壌のアルカリ成分が流れてしまうため、放っておくと酸性に傾くことが多いです。

そして大抵の植物は土が酸性に傾くと育たないため、石灰資材を撒いて中和しないといけません。

しかし「石灰」と聞くと抵抗があったり、肌が荒れたりするのを嫌う人もいるでしょう。

そんな人の為に今回紹介するのは、卵の殻で代用できる石灰資材です。

卵の殻石灰

卵の殻は卵料理をすると必ず出るため、卵をよく使う家庭ほど生ゴミとして出ると思います。

しかしこの卵の殻を利用すれば石灰資材をつくることができるようになります。

卵の殻の成分は石灰と同じ

卵の殻の主成分は石灰の成分の一種である「炭酸カルシウム」でできています。

そのため石灰資材の代わりに畑に撒いて、土壌のカルシウムの補給や酸性に傾いた土を中和してくれます。

同じ成分の石灰資材では「有機石灰」として販売されており、キチンと使えるものとして認識されています。

用意するのがラク

卵料理をすると必ず殻がゴミとして出るため、毎日目玉焼きのような卵料理をしていると必然的に卵の殻は集まります。

家族の人数が多ければその分ゴミとして出る卵の殻も多くなっていきます。

卵の殻を石灰にする下準備では、少し水で洗っで乾燥させれば使えるようになるのでとても簡単に入手できます。

ゴミを減らしてリサイクルすることにもつながり、石灰資材としても使えるので一石二鳥です。

扱いやすい

卵の殻は他の石灰資材と異なり、肌荒れなどを起こしません。

通常石灰資材を扱うときにはゴム手袋のようなもので手を保護する必要があります。

しかし卵の殻はカルシウム同士がしっかり結合しているので、触っても肌荒れなどを起こしません。

卵の成分の炭酸カルシウムは、意外にもあのチョークと同じ成分です。

しかしチョークと違ってカサカサしたり、触っても不快な感じはしません。

このように触れても害がないので、石灰資材による肌荒れが気になる人でも安心して使えます。

加工しやすい

ただ卵の殻を砕くだけで使えるので、加工の手間がかかりません。

他の石灰資材を自作しようと思うととても手間や面倒が増えます。

例えば草木灰や貝殻石灰では確実に火を使ってつくらなければなりません。

一昔前は焚火などをしても大丈夫だった場所もありましたが、今では大抵の場所で焚火をすると法令違反になることが多いです。

しかし卵の殻なら砕いて細かくするだけで使えるようになるので、どんな所に住んでいても簡単に石灰資材に加工できます。

卵の殻が何百といった量でもなければ10分ほどで砕き切れるので、使う当日に加工作業をすることもできます。

アルカリ成分が過剰になりにくい

卵の殻はゆっくり効くので土がアルカリに偏りにくいです。

石灰資材を撒くときに特に注意したいのが「撒き過ぎによる土壌のアルカリ化」です。

石灰を撒き過ぎて土がアルカリに傾いてしまえば、せっかく酸性を中和した意味がありません。

しかし卵の殻はゆっくり溶けて酸性を中和するので、急激にアルカリ成分が溶け出すことはありません。(その分効くのが遅いともいえますが…)

しかも卵の殻の成分の結合が強いため、土が酸性でないと溶けにくいです。

つまり土が中和されてしまえば、それ以上溶けて土をアルカリにしにくくなります。

このように必要な分だけ酸を中和して溶けるので、土をアルカリ化してしまう危険性は少なくなります。

卵の殻の加工の仕方

①軽く水洗いする

卵の殻の内部を軽く水洗いしてぬめりを取ります。

ぬめりがついたままだとそこにカビが発生する可能性もあり、あとあと面倒です。

軽くシャバシャバ水で洗えばぬめりは取れるので、卵の殻が出たら早めにやってしまいましょう。

②乾燥させる

ぬめりを取ったらしばらく乾燥させます。

このとき殻の内部に膜がついたままですが、乾燥する過程で気にならなくなるのでそのままで大丈夫です。

1日ほど乾燥させておけば充分使えるようになります。

ただ殻の上に別の殻を被せて乾燥させようとすると乾くのが遅くなるので注意してください。

③殻を細かく砕く

卵の殻を使えるようにするには砕いて細かくするだけです。

これだけで石灰資材として使えます。

卵の殻ひとつが5~7g程なので、1kgの石灰資材を用意したいなら150個くらいの卵の殻が必要になります。

20~30個分ほど溜まったら、順次細かく砕いていきましょう。

ただ注意したいのが可能な限り細かい粒子状にするのが望ましいことです。

だいたいこれくらい細かくすればOKです。

百円ショップで購入できるすり鉢などでいいので、これくらいは細かく砕きましょう。

理由①:効きをよくする

細かくすればするほど土に溶ける速度も早くなります。

砕いていない卵の殻は成分同士の結合が強いため、そのまま使ってもなかなか溶けてくれません。

溶けやすい = 酸性を中和しやすいことになるので、可能な限り細かくして溶けやすくする必要があります。

早くなるといっても他の石灰資材のようにすぐに土に溶けるわけでもないので、急激なアルカリ化は防げます。

「そもそも効きが遅いものを出来るだけ早く効くようにする」ためだと思ってください。

理由②:植物の根を傷つけないようにする

卵の殻をしっかり砕いて植物の根を傷つけないようにします。

触ると分かりますが卵の殻はとても硬いです。

そのため半端な砕き方だととがった部分が出来てしまい、割れたガラスのようになります。(少々大げさかもしれませんが…)

とがったり鋭利な部分が残ったまま土に混ぜると、ふとしたことで植物の根を傷つけてしまいます。

特にプランター栽培だと、プランターを持ったり移動させたりする際に中の土が動き、卵の殻と根が接触しやすいです。

植物の生育を妨げないようにするためにも、触っても痛くないくらいに細かく砕きましょう。

使用する際の注意点

土を中和したいなら早めに撒く

土壌の酸性を中和したいなら早めに撒きましょう。

何回か説明してますが卵の殻は溶けるのが遅く、中和するのに時間がかかります。

そのため通常の石灰資材のように撒いて数日で効果が出るようなことはありません。

1~2週間といった長いスパンで効果が出るので、作物を植えるかなり前に使う必要があります。

よく土に混ぜる

効果の効きを早くしたいならよく土に混ぜ込んで使いましょう。

理由も早めに撒くのと同じで早く溶けるようにするためです。

卵の殻石灰は他の石灰資材のように土の表面に撒くだけではうまく酸性を中和できません。

土全体を満遍なく中和するためにも、土の深いところまでよく混ぜ込んで使いましょう。

頻繁に使わない

卵の殻のような有機石灰は持続性があるため、「2~3ヶ月に一度」といった短い頻度で使う必要はありません。

上記の特性でも触れましたが卵の殻は溶けるのが遅く、中和された土では溶けなくなります。

そのため1シーズンに1回といった頻度でも大丈夫です。

もし1~2ヶ月前に使った卵の殻がまだ残っている状態なら、それ以上与える必要はないので追加で与えないようにしましょう。

最後に

これで自宅でつくれる「卵の殻石灰」の紹介を終わります。

石灰と聞くと敬遠してしまう人もいるでしょうが、普段触れることが多い卵の殻なら抵抗は薄いと思います。

そんなに大量に入手出来なかったり、早くに効果は出ないものの、小規模な家庭菜園でなら充分使えます。

生ゴミを減らすことにもつながるので、興味のある方は卵の殻で石灰資材をつくってみましょう!