ペットボトルを使った、一番簡素かつ安上りなコンポスト。ミミズもOK
コンポストで一番小型かつ、簡単なのがペットボトル式コンポストです。
いきない大きいコンポストを自作するのが不安な人にオススメです。
このコンポストはミミズを使ったコンポストでも同様に使用ができます。
…というか、そちらをメインとした構造になってます。
もちろん、普通のコンポストとしても使用可能です。
とりあえず「液肥回収できる」「多めに堆肥をつくれる」「堆肥の回収がラク」を目指したペットボトルコンポストを紹介します。
用意するもの
ペットボトルでコンポストをつくるには以下の材料が必要です。
・不織布
・受け皿(場合によっては無くてもOK)
これだけです。
コンポストそのものの材料ならペットボトルと不織布さえあればOKです。
あとはペットボトルを切るためのハサミやカッターが必要。
完成品
まずつくってみたペットボトルコンポストを見てもらおうと思います。
少々わかりづらいですが、ペットボトルを切って何個かのパーツにしてから組み合わせてます。
普通のコンポストでは、できた堆肥と生ゴミがごっちゃになりやすいです。
そのため、下にできた堆肥のみを回収できるよう、何層にもなった構造になっています。
これで下から堆肥を回収でき、生ゴミを投入し続けることが可能です。
この方法ならミミズを分別せずに堆肥を回収しやすです。
そのためミミズコンポストとしても使えます。
また、パーツの数次第でつくれる堆肥の量を増やすことができます。
ペットボトルが置けるスペースさえあればどこでも置けます。
構造上、生ゴミの水分でビシャビシャになることもありません。
つくり方
ではさっそくペットボトルでコンポストをつくってみましょう。
①ペットボトルを切る
まずペットボトルをいくつかに分割します。
最低限これだけのパーツはつくりましょう。
③のパーツはは下の図の④でもかまいません。
切る部分が分かりにくいと思うので、この図を参考にして切ってください。
赤線が切る部分で、水色の部分が上記の写真のパーツになります。
①と②が生ゴミなどを入れる堆肥のメインスペースになります。
③あるいは④のパーツはペットボトルを支える土台・受け皿の役目になります。
ただ①と②のペットボトルの飲み口付近を切るときは、穴が大きくならないように切りましょう。
大きすぎると堆肥を回収するときこぼれやすくなります。
ぶっちゃけ飲み口と同じ、最低限の大きさでかまいません。
②パーツを組み合わせる
①で切ったパーツをうまい具合に組み合わせます。
写真だと少々わかりづらいので、図で表すとこんな感じです。
②と③を組み合わせる際、間に不織布を挟み込みます。
少々強引に挟み込んでしまえば、隙間もなくなるので一石二鳥です。
これで中身をこぼさずに、液肥を回収しやすくなります。
土台となる③を④と変えても機能としては問題ありません。
後述する注意点が気にならなければご自由に変更してください。
③土を入れる
ミミズコンポストにする場合、②の部分にミミズが住める土を入れます。
ただ目一杯土を入れると、今度は生ゴミが入りません。
パーツ部分の1/3~半分くらい入れれば充分です。
④受け皿部分の用意
③を使っている場合は、液肥を溜める受け皿を用意します。
ペットボトルが収まるなら何でもいいです。
そして写真のように、受け皿の中に薄く土を敷いておきましょう。
理由は後述。
⑤生ゴミなどを投入
②の部分に生ゴミなどを入れていきます。
入れたら上に切った新聞紙などを入れます。
これで炭素の補給・光を遮断・臭いの拡散防止・湿気の調整をします。
炭素の補給は、微生物の活性化のために行います。
特にミミズコンポストにするなら必須です。
通常ミミズは腐ったような柔らかいものしか食べられません。
そのため微生物に生ゴミを柔らかくしてもらう必要があります。
しかしそれには「炭素」が必要なため、その補給を兼ねて新聞紙を使っています。
ちなみにインクが気になるようなら新聞紙の外周部の無地の部分を使いましょう。
⑥虫が入らないようフタの用意
このままだとペットボトルの中に小バエなどの虫が入りこみやすいです。
不織布などでフタをしましょう。
別に不織布でなくても、キチンと侵入を防げるフタなら何でもいいです。
これで一応完成になります。
堆肥の回収
②が堆肥でいっぱいになったら、②の部分を取り外して堆肥を回収してください。
ただミミズコンポストの場合は、ある程度①にも堆肥がないとミミズが移動しません。
少しは①の部分にも堆肥ができた状態にしておきましょう。
ミミズコンポストで使うシマミミズは上へ上へ移動していく習性があります。
エサとなる生ゴミを入れ続ければ、自然と①の部分に集まってると思います。
そうなれば②にはミミズがいない、堆肥のみとなっているので簡単に堆肥だけを回収できます。
あとはカラになった②を①の上に組み合わせればOKです。
これを延々と繰り返せば、堆肥のみを回収しつつ生ゴミを入れ続けることができます。
今回は堆肥つくりの部分が2段重ねのコンポストですが、3段くらいまでならギリギリ大丈夫です。
ただ、4段を越えるとかなりバランスが悪くなります。
もしやるならペットボトルが倒れないよう注意してください。
パーツの④ではなく③を使う理由
はっきりいうとペットボトルコンポストだとあまり液肥は出ません。
そのためペットボトルの底を受け皿にしても、ほとんど液肥は溜まりません。
液肥が出るほどの水分量が無かったり、出てもすぐに蒸発してしまうのが理由です。
…よほどビシャビシャな生ゴミを入れ続けない限りは…。
そのため④のパーツで液肥を溜めようと思っても、すぐに乾燥して汚れたシミみたいになってしまいます。
そこで下に土を敷き詰めて液肥を吸わせておくことで栄養価の高い土にすることができます。
これなら乾燥しても、堆肥と同じ要領で土として使えます。
使うペットボトルの注意点
できるだけ頑丈なペットボトルを使う
使うペットボトルは固めのものがオススメです。
ペットボトルが柔らかいと変形しやすく、パーツ間の隙間ができやすくなります。
そうなると小バエが侵入したり、最悪ミミズが脱走します。
固めのペットボトルを使えば変形しにくく、そういったことを防ぎやすくなります。
オススメは酸飲料のペットボトルです。
炭酸飲料のペットボトルは炭酸で破裂しないよう、かなり固めにつくられています。
そのため変形することがありません。
おまけに表面にデコボコがないので、隙間をつくらず、かつ組み合わせがラクです。
使うペットボトルの種類は統一
材料にするペットボトルは同じ型(同じ飲み物)のペットボトルを使いましょう。
形状が違うとペットボトルを組み合わせられません。
極端な話、円柱型と長方形のペットボトルだと、どうしてもうまく組み合わさりませんし。
こちらでも隙間ができ、そこから虫が侵入したり、ミミズが脱走しやすくなります。
ペットボトルコンポストをつくるときは、同じ型のペットボトルを最低2本用意してからつくり始めましょう。
2Lの大きめのペットボトルを使う
堆肥目的なら、2L容量のペットボトルを使いましょう。
ペットボトルが大きければミミズ・生ゴミを多く入れられるので、つくられる堆肥の量も増えます。
一応、500mlの小さいペットボトルでもつくれなくは無いです。
が、小さいペットボトルだと、ミミズがエサの取り合いや居住スペースの問題で数が少なくなっていきます。
つくれる堆肥も少なかったり、安定性も無いため倒れやすいです。
コンポストの置き場所
こちらはミミズコンポストにする場合の注意点。
中のミミズに影響が出ないよう、出来るだけ日光が当たらない場所に置くのが好ましいです。
透明なペットボトルでは日光を遮断できません。
ミミズは極端に光を嫌う性質があるため、ことさら日光の影響を受けやすいです。
そのため日が当たらない場所に置いたり、日光を遮断する囲いを用意しないと堆肥をつくりません。
最悪死んでしまいます。
ダンボールなどの箱の中に入れるのも手です。
ペットボトルが軽い関係上、少しの風でも倒れやすいので、なるべく風がこない場所であることも大切です。
うまく上記の条件に一致する場所にコンポストを置くようにしましょう。
最後に
これでコンポストをペットボトルでつくる方法の紹介を終わります。
普通のコンポストとしても、ミミズコンポストとしても使えます。
両用できるので、好きな方のやり方で使ってください。
ここで紹介したのはほんの一例です。
他の方法でつくったり、独自でつくってみたい人は参考にしてください。