選挙に興味の無い人の考え方・心理
政治への関心や、選挙での投票率の低下など、政治不信が続いている日本。
若者の政治参加を高めるために投票権を18歳まで引き下げましたが、個人的には焼け石に水といった印象です。
なぜなら政治に興味の無い人はとことん関わらないから。
選挙などで投票はするものの、私自身そこまで政治に強く興味が無いので、そういった人の気持ちはある程度分かるつもりです。
では政治に興味の無い人はどうして興味を持たないのか?
どうすれば少しでも興味を持つのか?
こういったことを私見ながらも書いていきます。
政治に興味の無い人の思考
政治・選挙に興味の無い人の思考の代表というと「政治不信」があるでしょう。
こちらは政治家が何を言っても耳を貸さないタイプなので、基本的に政治参加は絶望的。
個人的ですが、一般人の政治参加の可能性を低くしているのが政策の不透明・周知不足だと思っています。
要は政党や選挙候補者の政策を知る機会が少なすぎるということ。
選挙で投票する候補者を選ぶ大きな要因が、掲げている政策や個人の考え方です。
しかしよほど政治参加に意欲的な人でもなければ、自分で各政党などのサイトを訪れて各々の政策を調べることは無いです。
選挙の度にテレビや新聞などで政策の発表をしていますが、見ない人はホントに見ないです。
テレビは自分の好きな番組を優先しますし、新聞でもそこまで読み込むことも無いでしょう。
というより社会人、特に残業がある職種の人だとそんなヒマなんて無いです。
選挙カーや街頭演説もしていますが、選挙カーではすぐに通り過ぎてしまうので演説の全体を把握するのは困難。
逆に短くまとめるとこまかい要点が分からなくなるというジレンマ。
街頭演説でも、わざわざ聴きにいく時間も労力も使いたくない人が多いでしょう。
そして一般人が目にするのは、具体的な政策が何も書かれていない選挙ポスターの写真のみ。
投票者が知りたいのは、掲げる政策とそこに至るための手段といった要点です。
しかしポスターに書かれるのは「明るい日本に!」とか「福利厚生を充実!」みたいな端的なことで、具体的なものはほとんど書かれてないです。
こんな状態・心理じゃ政治に興味を持つどころか、投票に行くのも億劫になるでしょう。
実際候補者の掲げる政策も知らないまま投票カードを渡されても「どうしろと?」という気持ちの方が強いです。
「選挙に行くくらいの気持ちはあるが、イチイチ政策を調べるのは面倒」なんて人だと、投票する可能性は半々といったところ。
実際の所、選挙がメンド臭かったり、予定があったり、雨などで億劫だったりするとボイコットしたい気分にもなります。
選挙ポスターにも具体的な政策を
ぶっちゃけ選挙ポスターの情報量を増やすことで、選挙や政治に興味を持つ人は増えると思います。
名前と顔写真・ちょっとした意気込みくらいしか書かれていないポスター。
これだとほとんど意味は無いと感じてます。
特に選挙前に駅前などに設置される、候補者ポスターがまとめて貼られている看板。
これは候補者がどれくらい立候補してるくらいしか分からないです。
精々が名前と所属する政党を一致させるくらいですが、そんなのは投票所で名前を書く段階でも分かります。
逆に選挙ポスターしか情報源が無い人だと、政党くらいしか投票する判断材料がありません。
大勢が見るポスターくらいには掲げる具体的な政策を書いてもいいと思います。
テレビや新聞を見るヒマの無い人は当然自分で調べる時間もありません。
そんな人にとっては通勤途中などで見る選挙ポスターが唯一の情報源になることもあります。
そのポスターに公約の2つや3つも書かれていれば「この人はこういう考えで政治をしようとしている」と分かりますし、投票する理由にもなります。
ただ「書くスペースが無い」「ポスターが大きくなると値段が上がる」なんて意見もあるでしょう。
しかし駅前などにある、候補者が一括にまとめられてポスターだけでもこうすれば、選挙に「微妙に」前向きな人でも投票しやすくなると思います。
ポスターといった媒体は投票率を上げるための物。
それをコストだなんだで渋って投票者が増えないなら、作る意味なんてありません。
例えば、近年の衆議院選挙の投票率は大体60パーセント前後。
残りの40パーセント、100人に40人も「政治家は信用できない」と考えているとは思えません。
…むしろこれだけの割合に嫌われているなら、日本という国の民主制は終わりでしょう。
この内の何割かは「投票したいが誰に入れれば良いか分からない」「全員の公約を調べるなんて無理」なんて人もいるでしょう。
日常において少しでも候補者の公約を知る機会があれば、こういった人の投票率は上がると思います。
投票材料を増やすのは大事
「投票にいっても、その場のノリで投票してる」。
「掲げる公約が分からないので、政党なんかで判断してる」。
こんな感じで投票をしてる人も一定数いると思います。
これじゃあ政治参加してるとはいえませんし、誰が・どの程度支持されているかの正確性も低いです。
選挙に興味が無い人は本当に何も調べないです。
どんな候補者がいるかも、どんな公約を掲げているかも、どこの政党なのかも、名前も、顔も、何もです。
というか選挙番組はおろかニュースなどで流れる情報も聞いちゃいません。
しかし会社勤めで「調べたいけど時間が無い」「ニュースの時間にはもう寝ないといけない」「朝は新聞を読むヒマも無い」なんて人だっているでしょう。
こうした情報が無い人だと「何も知らないのに投票にいく意味なんて無い」と諦めてしまうことも。
しかし通勤途中で見る選挙ポスターなら毎日見るものです。
選挙当日までは結構日数がありますし、具体的な公約などが書かれていれば少なからず判断材料が増えます。
今回は選挙ポスターに重点を置いてみましたが、他にも投票率を上げる方法はいくらでもあるでしょう。
現状の政治体制では、政治不信などが理由で選挙に興味が無い人を惹き戻すのは絶望的です。
「選挙に行きたいけど判断材料が無い」なんて人を参加させるには、こういった細かい所の改善も必要になってくるかと思います。