金の延べ棒・インゴットの購入の仕方。種類(重さ)や値段
金の延べ棒・金塊というと金持ちの象徴で、値段も数百万円するイメージでしょう。
ですが、一市民でも金の延べ棒・インゴットを所有することは可能です。
金の延べ棒にはどんな種類があり、それぞれどれくらいの値段で購入できるのか?
どこで・どうやって購入すれば良いのか?
意外と簡単なので、金の延べ棒の所有に興味のある人は是非読んでってください。
金の延べ棒の種類と値段
「金の延べ棒・インゴット」というと金色の四角い棒をイメージすると思いますが、実際には値段・大きさ別に何種類もあります。
一般的なイメージの金の延べ棒の重さは1キログラム。
しかし軽い(安い)ものになるとグラム単位で販売しています。
金は(取引所にもよりますが)1グラムから取引されており、値段も充分に手が出せるレベルです。
また金の値段はどの店でも同じです。
金は世界通貨といえる物なので、各店舗ごとに金額が違うとマズイことになるからです。
そのため、近場に金の販売店があるのならそこで購入してOKです。
もう一つ重要な点として、金を含めた貴金属は1日単位で値段が変動します。
金は世界共通の価値、といっても、世界情勢や産出量などによって希少性は増減します。
例えば2000年代初頭では1グラム1000円ほどだったのが、2022年には8000円ほどにまで高騰しています。
2022年度12月における、金の重さ別の大体の値段がこちら。
インゴットの重さ | 値段 |
---|---|
1kg | 約800万円 |
500g | 約400万円 |
300g | 約240万円 |
200g | 約160万円 |
100g | 約80万円 |
50g | 約40万円 |
30g | 約24万円 |
20g | 約16万円 |
10g | 約8万円 |
5g | 約4万円 |
1g | 約8000円 |
この値段プラス小売店での購入では手数料で数千円以上は取られるので、実際の値段はこれより少し高いです。
例えば、田中貴金属から卸されているインゴットではこのくらいの手数料がかかります。
重さ | 手数料 |
---|---|
1kg・500g | 無し |
100~300g | 16500円 |
50g | 8800円 |
5~20g | 4400円 |
手数料はインゴットの重さで変動します。
上の表の金の値段は「金の原価」であり、そのまま売ってもほとんど利益が出ません。
そのためインゴットを卸している小売店での購入では、輸送量などが手数料としてかかります。
逆に加工会社から直接購入すると手数料がかからないので覚えておきましょう。
もう一つ注意点として、ギリギリ金の「延べ棒」といえるのは200グラムくらいまで。
これが100グラムの金のインゴット。
「延べ棒」というよりは「板」といった方が正しです。
100グラムの厚さは6ミリなのでかなり薄いです。
個人の感性にもよりますが、大体100~200グラムが「延べ棒か延べ板か」の境目になるかと。
…ただ1キロのインゴットでようやく10ミリ(1センチ)なので、思ったより薄いと感じる人も多いでしょうが。
1グラムにもなると「板」ですらなく「紙」といえるくらい薄いです。
金の重量を感じたいなら5グラム以上の金にするのがオススメでしょう。
インゴット以外にもコインといった形態で販売している店もあります。
例えば田中貴金属工業での純金コインの種類は以下の通り。
コインの種類 | サイズ | 重さ |
---|---|---|
1オンス | 37mm × 2mm | 約31.1 g |
1/2オンス | 28mm × 1.8mm | 約15.5 g |
1/4オンス | 22mm × 1.4mm | 約7.7 g |
1/10オンス | 16mm × 1.2mm | 約3.1 g |
金というのは金属の中でも体積に対する比重が重いため、小さくてもかなり重くなります。
アルミニウムの1円玉が直径20ミリ(約1/4オンスのコイン)で1グラムなのに対し、金では8グラム近いとなると違いが分かるでしょう。
それプラス加工のために、純粋なインゴットよりも値段が高くなります。
身近な500円玉で大体1/2オンスのサイズなので、大きいコインにするならそれ以上を選びましょう。
「1枚数万円のコイン」というとインゴットとは別の価値を感じる人もいるかと。
コインのデザインは各店舗ごとに違うのでコレクションとしても優れています。
金の購入
では金のインゴットはどこで・どうやって購入すれば良いのか?
実際のところはそこまで難しくなく、誰でも簡単に購入可能です。
金を販売している店
金を販売している店は以外と多く、「直営店」か「小売店」があります。
直営店には「田中貴金属工業」「徳力本店」「日本マテリアル」「三菱マテリアル」などが有名です。
ただ「地元の店舗で直接購入して受け取る」となると「田中貴金属工業」と提携している小売店くらいしかありません。
基本的に金を含めた貴金属は、やり方はどうあれ「直営店から直接購入する」のがメジャーです。
しかし田中貴金属工業と提携している店舗は意外と多く、市の中心や県庁所在地なら結構あります。
先ほども書いたように金自体はどこで購入しても価値は変わらないので、あまり移動費がかからない・確実な店舗を見つけましょう。
公式ホームページで都道府県別に金を卸している店舗を場所込みで紹介しているので、興味があるなら調べてみましょう。
ページ上部にある「販売店検索」で、自分の住んでいる場所近くの販売店を探せます。
購入の手続き
高額な金のインゴットの購入には身分証の確認が必要になることが多いです。
最低でも免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書は所持しておきましょう。
他にも、例えば田中貴金属工業で金を購入しようとする場合、本人や法人などでいくつか違いがあります。
本人の場合
身分証明書と、200万円以上の場合は本人確認が必要。
代理人の場合
最低限委任状が必要で、200万円以上だと代理人の本人確認と「購入者の本人確認証」が必要。
法人(代表者)の場合
身分証明書と、200万円以上の場合は本人確認と「特記事項証明書」が必要。
法人(代理人)の場合
最低限法人委任状が必要で、200万円以上の場合は代理人の本人確認と「特記事項証明書」が必要。
と、こんな感じになってます。
「200万円以上」とは1回の購入の金額になり、延べ棒1本でも1グラム数十個でも200万円以上になれば適応されます。
軽い(安い)インゴットの購入でも、免許証などの身分証明書の提示と購入同意書への記載を求められます。
支払い方法
代金の支払いですが、現金のみでの取引の場合があります。
クレジットカードなど利用者が直接支払わない・後日振り込み型の支払い方法では、店舗側に不安があります。
そのため支払いは現金か口座への振り込みが多いです。
例えば田中貴金属工業では電話での取引もしてしますが、支払い方法は指定口座への直接振り込みとなってます。
事前に購入予定の店舗などを調べて、支払い方法が掲載されているか調べてみましょう。
もし分からないなら現金を持っておけば確実です。
ただ「現金での支払いは100万円まで」と上限が定められおり、現金で購入できる金のインゴットは100グラムくらいが限界になります。
実際に届くのは2週間後
店頭でインゴットを購入しても、実際に届くのは2週間は後になります。
そもそも小売店ではインゴットなどはストックしていません。
防犯上の理由もあるのでしょう。
そのため購入する人が来たら、その都度加工会社に連絡してインゴットを発送してもらうシステムになってます。
小売店での購入には手数料がかかるのは、この辺が理由になります。
当日に売買契約が完了してもらえるのは「引き換え書類」。
購入の際の身分証明書の提示などは、これの作成のために必要になります。
インゴットが届いたら後にもう一度店頭に行き、本人確認が済み次第これと交換してもらってようやく手元に来ます。
即日でインゴットが手に入るわけではないので注意しましょう。
他の貴金属も
こうした貴金属を扱う店舗では、金の他にプラチナや銀といった貴金属も扱っています。
金と同じように延べ棒・延べ板・コインで販売しており、購入方法なども同じです。
金に比べると銀やプラチナは安くなるため、金よりも購入の敷居は低いです。
ただ、流石に純金に比べると価値を感じる人が少ないのか、インゴットの種類の数には違いがあります。
例えばプラチナだと、1キログラムや300グラムの延べ棒がなかったりします。
逆に銀だとグラム単位の価値が低いせいか、10キログラムのインゴットなんてのもあります。
まずはプラチナのインゴットの種類と値段。
プラチナの場合はこんな感じで値段が推移しています。
インゴッドの種類 | 値段 |
---|---|
500g | 約210万円 |
100g | 約42万円 |
50g | 約21万円 |
30g | 約13万円 |
10g | 約4万円 |
5g | 約2万円 |
プラチナは金と比べると流石に価値は下がりますが、それでもかなりの値段になります。
プラチナは金と同じく耐食性が高いため、いつまで経ってもサビずに光沢を放ち続けてくれます。
次は銀のインゴットの種類と値段。
実際のところ銀はかなり安く、1グラム100円ちょっとの値段になります。
インゴッドの種類 | 値段 |
---|---|
10kg | 約100万円 |
1kg | 約10万円 |
500g | 約5万円 |
100g | 約1万円 |
銀は金やプラチナと違って耐食性が低いため、貴金属とての価値は低くなります。
安いだけあってかなり重めのインゴットしか販売していませんが、それでも手は出せる値段でしょう。
1キロでも10万円なので、コツコツお金を溜めれば銀の延べ棒を山積みにすることも可能です。
…まあ見映えはともかく、実質的な価値は金の延べ棒の遥か下ですが…。
それでも貴金属なので、資産として数えることは充分に可能になります。
他にもパラジウムなんて貴金属も販売している店もあり、この金属は1グラム8000円以上と金より価値は上になります。
貴金属により資産管理に興味のある人はついでに見てみましょう。
注意:買い取り金額
いくつか貴金属の紹介をして、購入するにはかなりの金額になるのが分かったと思います。
ただ注意点する点が、金などの貴金属を売りたいと思った時。
貴金属を買い取ってもらう際には、本来の金額よりも2~3パーセントほど安くなってしまいます。
例えば金の相場が7500円なら、買い取り価格は7400円になります。
購入する際の手数料の事も考えると、よほど安い時に買って高い時に売らないと、株の売買のような稼ぎ方は難しいかと。
それでもよほどの事が無いかぎり劣化しない資産として優れているのが金などの貴金属です。
資産管理の面で考えるなら、やはり少しでも安い時に購入して保管するのが望ましいのでしょう。
誰でもリッチな気分になれる
加工された貴金属性や宝石の装飾品とは違い、シンプルかつ原点ともいえるのが「金の延べ棒」「インゴット」の魅力でしょう。
宝石などの装飾品と違って破損の心配がなく、いつの時代でも一定の価値を持っています。
ここら辺が「資産」として認められている理由です。
今回紹介したように、少量ならば誰でも手が出せる金額のインゴットも多いです。
5~10グラムの金のインゴットなら例え数か月の給料をやりくりすれば手が届く金額でしょう。
金の延べ棒・インゴットの所有に興味を持っている人は手近な店舗で買い求めてみましょう。