紙を折り続けると月へ到達できる…どれだけの大きさの紙が必要?

2021年9月25日色々その他

「紙を42回折ると月まで届く高さになる」というのを聞いたことがあるでしょうか?

しかし実際には数回折れれば良い方で、42回なんて折れません。

ただしこれは普通のサイズの紙の話。

とてつもなく大きいサイズの紙ならば、かなりの回数を折れると思う人もいるでしょう。

では月まで到達できる厚さにする紙だと、どの程度のサイズになるのか計算してみました。

「月に到達」の原理

最初に「紙を42回折ると月に届く」の原理を良く知らない人のために、詳しい解説。

原理は冒頭で書いたとおり、紙を折って厚みを作っていけば、最終的に月に届くくらいの厚さになるというもの。

さながら軌道エレベーターのごとく。

まず紙の厚さですが、基本的には0.1ミリメートルくらいとなっています。

・コピー用紙…0.09ミリメートル
・折り込みチラシ…0.06ミリメートル
・新聞紙…0.06ミリメートル

日常生活でよく触れるだろう紙の厚さはこんな感じ。

対して地球から月までの距離は約38万キロメートル。

ミリ換算だと380,000,000,000(3800億)ミリメートルとなります。

では実際に各紙を38万キロメートルになるまで折る回数はこうなります。

コピー用紙…42回(約39万キロメートル)
チラシ・新聞紙…43回(約52万キロメートル)

折り込みチラシや新聞紙では42回目で約26万キロメートルと足りないので、もう一回折るハメに。

とりあえずこれだけ折れば月まで届くワケですが、実際のところは数回程度折って限界になります。

私も試しに折ってみましたが、コピー用紙で6回が限界でした。

どれだけのサイズが必要?

では実際問題、どれだけの大きさの紙なら42回も折れるのか?

いつだかテレビ番組で一辺が数メートルの紙を折っていく様を見ましたが、それでも10回もいかなかったかと。

ちなみに、10回だけ折った紙の厚さでもおよそ10センチになります。

厚さが増すごとに紙も小さくなっていくので、折り始めの最初はかなり大きな紙が必要だと分かるでしょう。

そこでサイズを知るのに重要になるのが一辺の長さと厚さの比率

極端な話、厚さが1ミリでも長さが0.1ミリの紙では折るに折れません。

しかし厚さが30cmの紙であっても、一辺が1キロメートルもあれば十分折れるでしょう。

このように長さと厚さがある一定以上の比率にあれば、どれだけ厚さがあっても問題なく折れます。

先ほどコピー用紙を6回折ったと書きましたが、この時の紙の長さと厚さはどうなっているのか?

まず分かりやすいように、コピー用紙を正方形にカットしました。

サイズは21センチ四方になり、これを何回か折っていきます。

折っていった結果、このサイズの紙では6回が限度でした。

6回折ったコピー用紙の現状

・折った一辺の長さ…2.5センチメートル(25ミリメートル)
・厚さ…5.76ミリメートル(約6ミリメートル)

これ以上は折れなかったわけですが、逆に折れた5回目時点の紙の状態がこちら。

・折った一辺の長さ…5センチメートル(50ミリメートル)
・厚さ…2.8ミリメートル

これから計算すると、紙の厚さに対して一辺の長さが約18倍はあれば順当に折り曲げ続けられるかと。

この理論で42回折った紙の厚さから逆算していき、最終的に一辺がどれくらいの長さの紙になるかを計算します。

42回折った紙は厚さが約39万キロメートル。

折る前の41回目の時点では19万5000キロメートルの厚さになります。

先ほどの理論から計算すると、この時点の厚さの紙をしっかり折るには、195000キロ × 18 で、一辺が351万キロメートルの紙が必要になります。

理屈としては、紙を広げるごとに折った一辺の長さが縦・横の順に倍になって行きます

正方形の紙を折っていくと、正方形→長方形→正方形の順番で折られていき、偶数回で元の形に戻ります。(縮尺は変わりますが)

これらの事から考えて計算していくとこうなります。

 折った回数 縦の長さ横の長さ厚さ
 42回目175万5000キロ175万5000キロ39万キロ
41回目175万5000キロ351万キロ19万5000キロ
40回目351万キロ351万キロ9万7500キロ
3回目9201億2544万キロ1超8402億5088万キロ0.72ミリ
2回目1超8402億5088万キロ1超8402億5088万キロ0.36ミリ
1回目1超8402億5088万キロ3兆6805億0176万キロ0.18ミリ
最初の紙3兆6805億0176万キロ3兆6805億0176万キロ0.09ミリ

計算の結果、月に届くまで安定して折り続けられる紙の一辺は3兆6805億176万キロメートルということに。

結論:紙を用意するのはムリ

計算上では、月まで折り続けられる紙を地球上で用意するのはムリでしょう。

一辺が約3兆6800億キロメートルの紙、これがどれだけの大きさかと言うと。

・地球の外周(約4万キロ)の約9200万倍
地球の直径(約1万2700キロ)の約2万9000倍
・地球から冥王星までの距離(最長約75億キロ)の約490倍
太陽の直径(約140万キロ)の約263倍
・太陽系の直径(約30兆キロ)の約0.8倍

このように地球はおろか、太陽を飴玉のように包み込めるレベルの大きさの紙になります。

そんなサイズの紙を地球上に置くことはムリですし、そもそも紙の材料の木だって(多分)足りないかと。

「紙を折って月に行く」というのはロマンがある話ですが、現実としてはこんなもんでしょう。