乾電池で火事? 間違った扱い方や保管方法

2021年3月8日その他・雑学その他

生活必需品といえるほど生活に密着している「乾電池」。

その電池の使い方・保管の仕方を間違えると火事の原因になる、というのは結構前からいわれます。

しかし電池はどう扱うと火事の原因になるのか?

出回っている電池の扱い方や危険性は?

こうしたものが気になり調べてみました。

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電池の持つ危険性

では電池の使い方や保管方法に誤りがあった結果、起こりかねないことを紹介します。

通電・漏電が原因の出火

最も危険なのは電池が通電・漏電してしまい、それが引火することによる火事でしょう。

乾電池での火事では、電池に他の電池や金属が接触して通電→引火という流れで出火することが多いようです。

特に保管に気をつけたいのがボタン・コイン電池です。

ボタン電池は電池の表面すべてが電極です。

そのため電池の表面をカバーしている乾電池に比べ、通電する危険性が高くなります。

上が一般的な乾電池、下がボタン・コイン電池です。

乾電池は周囲がカバーで覆われており、側面で接触しても通電することはありません。

しかしボタン・コイン電池は表面をカバーするものありません。

電池のどこに接触しても通電してしまう恐れがあります。

特に出火の原因になりやすいのが電池同士を重ねて保管すること

電池の形の関係で重ねて保管する人も多いのでは?

この状態だと複数の電池が接触しているせいで電流が強くなり、通電した際に出火しやすくなります。

電池は個別に接触しないよう保管するのが最善です。

推奨されている保管方法は「ボタン・コイン電池はセロテープなどを貼って覆う」ことです。

セロテープやビニールなどで電池全体を覆ってしまえば、電池や金属に接触しても通電しなくなります。

液漏れ

電池の中に入っている液体は人体に有害なものです。

電池の中には電解液という、電気を生成するのに必要な液体が入っています。

理科の実験で胴版をレモン液につけて発電する実験をした人もいるでしょう。

あのレモン液と同じ働きをする液体です。

ただしレモン液とは比べものにならないほど有害な液体です。

・皮膚に触れれば皮膚が溶ける
・目に入ると失明する
・飲んでしまうと嘔吐・吐血・下痢を起こす

電池によっては強酸性・強アルカリ性の液体を使っている電池も多いです。

どれにしたって病院のお世話になる案件です。

液漏れの原因は、強い衝撃や劣化が主です。

電池を覆っている金属板が破損すると、中の液体が漏れ出てきます。

落とす・踏むなどして衝撃を与えた電池。

あるいは年単位で放置していた電池。

こうした電池では液漏れがないかしっかり確認が必要です。

もし触れてしまったら大量の水で洗い流し、すぐに病院で医者に診てもらいましょう

電極を逆にして使う

電極を逆にして電化製品に入れると電気が逆流したり、急激に発熱したりします

この発熱はかなりの手で触れられないほどの高温になります。

それが原因で出火・爆発したりするので大変危険です。

電化製品は電気が正常に流れていることを前提として機能するようつくられています。

そのため電気が逆流すると、ショートしたり高温になったりすることがあります。

大抵の機器と電池にはどちらが+極・-極か書いてあります。

間違えて入れないよう注意してください。

電池の形状が歪むような衝撃を与える

液漏れの原因にもなりますが、電池の形状が変わるような使い方はしないでください。

特に平べったい・四角形の電池・バッテリーは力が加わると変形しやすいです。

形状が変形すると、液漏れなどが原因で急激な化学反応を起こして発熱します。

ニュースの「スマホを後ろのポケットに入れたまま座ったら発熱・爆発した」というのはこれが原因です。

スマホに限らず、電池というのは複雑かつ多重構造をしています。

もし形が歪むと中の変なところで通電したりして急激に発熱する危険性があります。

その発熱が原因で一気に爆発、といった事態になることも多いです。

ミリ単位の変形でも事故の原因になりかねません。

保管の際に何かの下敷きになってしまわないよう注意しておきましょう。

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電池の保管方法・扱い方

電池はできる限り個別に保管する

袋の中など複数の電池を一か所にまとめて保管するのはやめましょう

複数の電池が接触しやすいと通電する可能性が高くなり、出火の可能性も高くなります。

専用の電池収納ケースなどで電池が接触しないような保管方法をしましょう。

特にボタン・コイン型電池は形状からして重ねて保管しがちです

それが原因で出火した事例もあるので絶対にやめましょう。

金属・可燃物と一緒に保管しない

電池同士だけでなく金属が接触しても通電します

保管された電池が通電した状態だと、消費される電気エネルギーが無いため高い電流・電圧が流れ続けます。

これが原因で発熱するため、近くに紙や布といった可燃物が触れると発火しかねません。

余計なものを混ぜて保管しないようにしましょう。

電極を逆にして使用しない

前述しましたが+極と-極を逆にして入れたりしないで下さい。

電気の流れがおかしくなり発熱したりして危険です。

しっかりと電極の確認をして使用しましょう。

違う電池同士を一緒に使わない

違う会社・違う種類の電池を一緒に使うのは適していません。

電池の特性やつくりが違ったりして、電気の流れなどがおかしくなる危険性があります。

ショートや発熱・液漏れなどの被害が出かねません。

種類としては同じアルカリ・マンガンだったとしてもです。

同じ会社の同じ種類の電池を使いましょう。

充電しない

充電用の電池以外は絶対に充電しないようにしましょう。

そもそも充電しようとしても、電気を再度溜めこむことができません。

それだけでなく充電で余計な電流が流れると電池の中身が損傷して液漏れや発熱の原因になります。

充電する=コンセントに差してある状態なので、発熱→出火と連鎖的に被害が広がりかねません。

中には充電することで有毒なガスが発生する電池もあります。

「充電すればまた使えるかな」なんて安易に充電しないようにしましょう。

専用の充電器を使う

充電式電池は同じメーカーの専用充電器を使いましょう

同じ充電式乾電池といっても、電池の電圧や電流には違いがあります。

各メーカーはそれぞれに合った電圧・電流で充電できるように充電器をつくっています。

メーカーが違う電池だと過電圧で発熱・発火する危険があります。

かならず同メーカーの、推奨される充電器で充電しましょう。

高温に注意

直射日光や高温な場所に放置すると、中の液が膨張や反応して電池が破損・発熱と危険です。

もちろん火にくべるなんてもってのほかです。

保管場所は涼しい場所や、直射日光の当たらない暗所にしましょう。

水に濡らさない

水に濡れると電池を保護している金属板が錆び、破損する原因になります。

もし電池内部に水が入り込むと、内部の破損による液漏れや発熱の原因にもなります。

そして濡れたまま電池を使わないように。

漏電により出火して火事の原因になります。

大雑把な電池の種類(形状)

ここでは日常で馴染みのある・使用頻度の多い電池をメインに書いていきます。

「リチウム~」や「マンガン~」といったものに関係なく、形状などで扱いや危険性は同じになったりするので。

筒状

「単三電池」と聞くとこの形状の電池がイメージできると思います。

おそらく日常で一番使う頻度が高い形状の電池だと思います。

電池表面のカバーや、電池の形状や電極の位置など。

よほど乱雑な保管方法を取らない限り、漏電の危険性は比較的少なかったりします。

比較的」です。

まったくない訳じゃありません。

四角形

「9V」なんて書かれてる、筒状電池2つをくっつけた感じの電池です。

筒状電池が2つ分まとめてあるため、リモコンの電池に使ったりする人もいるんじゃないかと。

ただ筒状電池1つで使う家電製品も多いので、イマイチ使う機会が少なかったり。

形状が四角になったことにより、筒状よりも衝撃を受け流しづらくなってます。

外部からの衝撃で損傷しやすいので、扱いには注意しましょう。

ボタン・コイン

保管方法によっては一番危険な電池のタイプです。

理由は前述の通り電池同士を重ねたことによる通電が原因の出火が起きやすいことです。

主に小型LEDライトなど、かなり使い道が限られる電池です。

あまり電力を消費しない・小型の電化製品に使うことが多い電池じゃないかと。

少しふっくらしたような印象なのがボタン型、薄い平面の円をしたのがコイン型の電池です。

バッテリー

スマホなどに使われている充電式の電池です。

強度や日常的に使う分、スマホなどの小型バッテリーは危険性があります。

スマホのような小型化・高性能のバッテリーは、他の電池に比べ脆い・大量の電気を溜めこんでいるため扱いは要注意です。

他の電池は金属主体でつくられているためそれなりに頑丈です。

しかしスマホなどのバッテリーは素材や形状の関係上変形しやすいです。

そして大量の電気を持っているため発熱すると高温になりやすいのも特徴。

連鎖的に出火・爆発といった事態を引き起こしかねません。

「ズボンの後ろポケットにスマホを入れたまま座ったらスマホが発熱した」という事故が多いです。

携行できるサイズのバッテリーを使った電化製品の扱いには気をつけましょう。

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最後に

この記事を書くきっかけになったのは、「ボタン電池が原因で出火」というニュースを見たから。

生活の中でも使うことの多い電池ですが、少し使い方を間違えるとケガや火事の原因になりかねないとわかりました。

「たかが電池」と乱雑に扱わず、注意を払って使いましょう。

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