「金の延べ棒」以外の貴金属。資産運用できる金属の種類
「金の延べ棒」というと資産の代表といえる貴金属でしょう。
では金以外に価値のある・資産として使える貴金属はあるのか?
資産になる貴金属
まずは資産運用に使える貴金属を、金を含めて紹介。
・プラチナ
・銀
・パラジウム
現在では、主にこれらの貴金属が資産運用に使われる代表金属になります。
パラジウムを除いて、金・プラチナ・銀はどの貴金属販売店でも取り扱っています。
注意点としては貴金属の価値(値段)は日々変動しているので、「いつが買い時・売り時」の判別が難しい面があります。
その辺を踏まえて購入などに踏み切りましょう。
金
言わずと知れた代表的な貴金属の「金」。
装飾品や資産としてだけでなく極少量ながら電子機器にも使われているため、あらゆるところで需要がある金属です。
特に価値を高めているのが「希少性」と「耐腐食性」の2点。
金を含めた貴金属は採取できる場所が限られるため、入手が困難な一面があります。
それに加えてサビといった腐食にも強いという特徴。
後生大事に保管しておいても、サビてしまったら資産価値は著しく低下します。
しかし金はサビることがなく、生涯その輝きを維持し続けます。
あらゆる金属を溶かす「塩酸」や「硫酸」でも溶けないので、日常において劣化することは無いといえるでしょう。
値段は2022年度において1グラム8000円前後。
近年は金を含めた貴金属の値段が高騰ぎみなので、日々上がり続けています。
2010年代初頭から10年ほどの金1グラムの価格推移がこちら。
2011年頃に比べれば倍近い値段にまで跳ね上がっているのが分かると思います。
金などの貴金属は世界情勢の影響を受けやすく、一日あたりで数百円変動するのも珍しくありません。
主だった影響は不景気・紛争や何らかの経済崩壊などなど。
最近では新型コロナが蔓延し始めた2019年12月頃から価格が急上昇し続けています。
ちなみに20年前の2000年頃の金の値段は1グラム1000円ほどとかなり安かった時期もあります。
当時は子供だったので(いろいろな面で)手が出せませんでしたが、今思うとかなり惜しかったと思ってます。
ちなみにかなり柔らかい金属でもあり1グラムの金を3キロメートルまで伸ばせるほどだそうです。
プラチナ
金の次に価値が高い貴金属が「プラチナ」で「白金」とも呼ばれます。
金のように高い価値・耐腐食性を持つため、資産運用に使われています。
こちらも装飾品を始めとして、車などの排気ガスをキレイにする触媒としても使われていたりします。
金同様に生活に馴染み深い貴金属といえるでしょう。
その価値ですが、金のおよそ半分ほどの値段で販売されています。
金の値段が増減したからといって、プラチナまでその影響が出るというわけでありません。
実際金の値段が低かった2010年代前半のプラチナは4700円ほどと高かったですが、後半になると3000円代まで低くなっています。
…それでも世界的な影響が出ると高騰する傾向はありますが…。
銀
金に並んで有名な「銀」ですが、実は貴金属としては微妙な価値だったり。
銀は金・プラチナに比べて耐腐食性を持っておらず、長期の保存だと黒ずんだりします。
これは「硫化反応」と呼ばれ、空気中などに含まれる硫黄と反応を起こして変色しています。
それを防ぐため、できるだけ湿気や空気などに触れないよう密閉した状態で保管する必要があります。
肝心の銀の価値ですが、2022年度では1グラムあたり100円前後。
「延べ棒」といえる重さの1キロ単位でも10万円ほどの値段です。
「銀細工の食器・装飾品」と聞くと高級感があるでしょうが、実際は金の遥か下の価値しかないです。
ただ工業系ではかなり価値があり、熱伝導・電気伝導は金属トップクラスの性能なため、需要はかなりあります。
1万円もあれば重さの実感が沸くインゴットを購入できます。
…まあ「資産」として見ると、「保管や手入れが面倒」「価値が低い」と優先導は低いといえるでしょう。
パラジウム
近年…というほど最近でもありませんが、しばらく前から世に出始めたのが「パラジウム」というレアメタル。
どの貴金属店でも扱っているわけではありませんが、これも資産運用に使うことができます。
主だった使い道としては貴金属の「割り金」や「銀歯」の原材料の一つとして使われます。
割り金とは、ホワイトゴールド(18金)のように貴金属同士を混ぜ合わせて作る際の材料になります。
例えばホワイトゴールドなら「金75%+パラジウム25%」の合金となります。
歯医者で入れる銀歯も、銀とパラジウムの合金となっています。
主要な産出国がロシアで、世界の6割以上のシェアを誇るため、希少価値がかなり高いレアメタルとなります。
その額、1グラム1万円以上になることも珍しくなく、時勢によっては金以上の価値を誇ります。
産出国であるロシアを起点に何らかの影響があると、価格がさらに跳ね上がったりもします。
ここ10年ほどのパラジウムの価格の推移がこちら。
かなり価格推移が激しい貴金属でもあるため、買うタイミング・売るタイミングの見極めがかなり難しいです。
金や銀のように世界各地で産出されるわけでもないので、これからはさらに価値が高くなる可能性のある貴金属でしょう。
購入するには
金などの貴金属を購入するには、貴金属インゴットなどを扱っている専門店を探す必要があります。
その辺の宝石店などの装飾品店では扱っていないので注意。
検索ですぐヒットするのは「徳力本店」「三菱マテリアル」「田中貴金属店」が有名でしょう。
基本的に「金」のインゴットを購入できる店なら、「銀」「プラチナ」も購入できます。
ただ「パラジウム」を取り扱っている店は少なく。「徳力本店」「日本マテリアル」などがあります。
大抵はその店に連絡を入れて直接購入する方法になりますが、「田中貴金属」なら各地に提携店があるので、自分で店に赴いて購入することもできます。
前提としてどこで購入しても値段は一緒です。
貴金属は統一された価値だからこそ資産として使えるのであって、各店舗で値段が違うと意味がありません。
各店舗ごとに価格競争などが起きないように値段は固定されています。
購入方法としては色々あり、「現金」「オンライン購入」「銀行振込」と選べます。
詳しくはこちらの記事で紹介してます。
貴金属の購入となると数十万円単位の買い物になるので、金銭・情報の取り扱いには充分注意しましょう。
他の金属との比較
上記4種類の貴金属が、主に資産運用に使われるモノになります。
ただ金属というと他にも「鉄」「銅」「アルミニウム」などもよく知られています。
「貴」金属ではないものの、どの程度の価値の差があるのか比べてみました。
とりあえず2022年12月時点での大体の値段がこちら。
(金属1グラムあたりの値段)
名称 | 値段/g |
---|---|
金 | 7500円 |
銀 | 94円 |
プラチナ | 4200円 |
パラジウム | 8900円 |
鉄 | 0.1円 |
銅 | 1.1円 |
ニッケル | 3.9円 |
アルミニウム | 0.3円 |
マグネシウム | 0.3円 |
鉛 | 0.3円 |
亜鉛 | 0.4円 |
金などの貴金属とは雲泥の差で、1グラム1円どころか小数点以下の値段も珍しくないです。
「銀1グラム100円なんて安い」のが「意外と高い」なんて思える値。
これなら銀でも資産価値が認められますし、金なんてまさしく、という感想。
だからこそ貴金属は資産として、今も世界中で取引されているのでしょう。