宝くじなどの当選額の計算方法。宝くじ一枚の「期待値」を計算
宝くじなどを買うとき「いったいいくら当たるのか?」と思う人もいると思います。
そんなときは「期待値」を計算すれば、暫定当選額を計算できます。
これは確率から量などを計算する場合、いろんな場面で利用できる計算方法です。
宝くじだけでなく、ゲームでのクリティカルダメージなどの計算でも使えたりします。
「期待値」とは?
「期待値」と少々大仰な名前ですが、いってしまえば全体の量に対する平均値のことです。
しかしここに「確率論」などが絡んでくるため、この期待値をややこしくしています。
簡単な計算方法は以下の通り。
計算する対象によって各項目を計算する必要はありますが、計算方法の概念はコレです。
例えば、「想定される量」は宝くじの当選金額。
「確率(回数)」はそれがどのくらいあるのか。
「全体の量」は宝くじの販売枚数です。
…これだけだとわかりにくいので、実際に例を交えて解説していきます。
宝くじの期待値
宝くじの期待値の計算方法
まずは宝くじの期待値の計算方法です。
この期待値は宝くじ1枚にどの程度の当選額(価値)があるのかを計算できます。
まずは、この宝くじでの期待値は以下のようになります。
たったこれだけ。
計算式から「宝くじ1枚」の平均を出していると分かると思います。
例えば、以下のような条件の宝くじ「A」があるとします。
・1等100万円…1枚
・2等10万円…3枚
・3等3万円…6枚
・4等1000円…10枚
・5等100円…30枚
・ハズレ…950枚
Aの宝くじは、販売枚数が1000枚に対し、当たりくじは50枚。
「当たるか否か」で計算すれば、確率は5%です。
しかし「実際に当たるだろう金額(期待値)」となると話は別になります。
では、実際の計算してみましょう。
まずは当選金額の全額を計算します。
2等:10万円 × 3枚 = 30万円
3等:3万円 × 6枚 = 18万円
4等:1000円 × 10枚 = 1万円
5等:100円 × 50枚 = 5万円
ハズレ:0円 ×950枚 = 0円
合計すると以下の金額に。
例えば、この宝くじ全部を買い占めたとすれば、当選金額は合計146万円になります。
では宝くじ1枚の価値(期待値)はどうなるか?
この金額から、宝くじの枚数を割っていきます。
つまり、この宝くじの場合は宝くじ1枚あたり1460円の当選金額が期待できるということ。
このケースでは、1枚1000円で販売しているなら460円の儲けが。
しかし1枚2000円で販売していれば560円の損になると推測できます。
別の宝くじとの比較
では以下の条件の場合の宝くじ「B」では、どちらが儲けが出ると考えられるか?
・1等300万円…1枚
・2等30万円…3枚
・3等5万円…11枚
・4等2000円…25枚
・5等100円…60枚
・ハズレ…2900枚
販売枚数が3000枚、当たりくじは100枚に。
当選確率は3%と減っていますが、当選金額は倍以上になっています。
ではこの場合の期待値はどうなるのか?
期待値:500万円 ÷ 3000枚 = 1666円
この宝くじでは1枚あたり1666円が推定される当選金額です。
仮にくじ1枚の値段が最初の宝くじと同じなら、こちらの宝くじのほうが当選金額は期待できることになります。
自分で選ぶ宝くじは?
補足として、「ロト6」や「ナンバーズ」のように、自分で数字を選らぶ宝くじはどうなるか?
これは「販売枚数」を「総組み合わせ数」に変えて計算すればOKです。
例えば「1~43の数字から、6つ選ぶ」ロト6の場合の組み合わせはこうなります。
ロト6では約610万もの組み合わせがあります。
あとはこの数値を「販売数」に当てはめるだけです。
ただこれは各数字の組み合わせを1通りのみ選んだ場合です。
同じ組み合わせが2つ以上あると、計算が少々ややこしくなるので。
サイコロの期待値
サイコロの期待値の計算方法
「確率」と聞くとサイコロもイメージしやすいと思います。
ここでは「サイコロを1回振ると、どの程度の大きさの目が出る」かを計算できます。
ここでの計算方法はこちら。
例えばメジャーな6面サイコロでは、どの目が出る確率も6分の1です。
そのため、以下のような条件になります。
2の目 × 1回 = 2
3の目 × 1回 = 3
4の目 × 1回 = 4
5の目 × 1回 = 5
6の目 × 1回 = 6
それぞれ1回ずつなので、そのまま全部の目の合計を出します。
この数値から「サイコロの目の種類の数」を割ります。
つまり「6面サイコロを1回振ると3.5が出ると期待できる」ことになります。
…まあ3.5なんて目は無いので、「3か4が出る」ということになるでしょうが。
8面サイコロでは?
ちなみに菱形の8面サイコロではこうなります。
2の目 × 1回 = 2
3の目 × 1回 = 3
4の目 × 1回 = 4
5の目 × 1回 = 5
6の目 × 1回 = 6
7の目 × 1回 = 7
8の目 × 1回 = 8
各目が出る確率は8分の1のため、6面サイコロと同じような状態に。
同じように合計・平均化します。
期待値:36 ÷ 8 = 4.5
8面サイコロの場合、1回振ったときの期待値は4.5という結果になります。
ダメージ計算
期待できるダメージ数値
ゲームなどで「会心率」や「クリティカル確率」というものがあると思います。
例えば「確率10%」なら、10回に一回クリティカルが出る、という意味です。
クリティカルを含めたダメージでも、期待値計算で実際に期待できるダメージを計算できます。
私はもっぱらゲーム「モンスターハンター」のダメージ計算で使ってます。
計算方式はこちら。
攻撃を100回した場合で考えるとわかりやすいです。
クリティカル率20%なら、通常ダメージ発生確率は80%(80回)。
クリティカル発生確率はそのまま20%(20回)となります。
で、それぞれのダメージ合計量を、合計回数の100で割っていきます。
例えば以下の条件の場合で計算していきます。
・クリティカル確率…20%
・クリティカルダメージ…×1.5
この場合は、クリティカルが出た際には「150」のダメージが出ます。
しかし確率が20%のため、クリティカルが出るのは100回中に20回となります。
ではこの場合の期待できるダメージはどうなるのか?
この場合は宝くじと同じように、100回攻撃した際の「通常ダメージ」と「クリティカルダメージ」の合計値の平均になります。
クリティカル:150 × 20回 = 3000
上の条件下で100回攻撃した際の総ダメージ量はこうなります。
この数値から攻撃1回あたりのダメージを計算。
これで攻撃1回あたりに期待できるダメージは110という値になります。
別のダメージ条件なら
ではダメージ値や確率が変更されたらどうなるか?
まずは以下の「B」の武器の場合。
・クリティカル確率…5%
・クリティカルダメージ…×1.5
通常ダメージこそ増えていますが、クリティカル率が5%に減っています。
この場合は「100回中5回クリティカルが出る」「クリティカルは180ダメージ」として計算されます。
期待値:11275 ÷ 100 = 112.75
この場合は攻撃1回あたりの期待ダメージが112に減少しています。
攻撃力が増えても、クリティカルが発生する確率が減ればダメージが減ります。
では逆に通常ダメージが減って、クリティカル確率が増えるとどうなるか?
「C」という武器の場合。
・クリティカル確率…60%
・クリティカルダメージ…×1.5
この場合は「100回中60回クリティカルが出る」「クリティカルは135ダメージ」となります。
期待値:11700 ÷ 100 = 117
通常ダメージは低くなっても、期待ダメージは117と微増しています。
結局は「リアルラック」
色々と確率における期待できる儲けの計算方法を書いてきました。
が、結局は現実の運がモノをいいます。
例え「1回あたり1000円の儲けが期待できる」といっても、結局は「アタリ」か「ハズレ」の2択。
私の場合は運が悪いのか、ゲームのダメージ計算では運に頼るより通常ダメージを上げたほうが結果が良くなる場合が多いくらいです。
これらの計算方法はあくまで「大量に買い込んだ」「回数をこなした」場合の推定結果の計算方法です。
たった1枚のくじではほとんど意味は無いです。
回数が無制限なスマホゲームのガチャでは、そもそも計算できないです。
いくら期待値が高いといっても、結局はギャンブル。
あまりハマりすぎないように注意しましょう。