枕の中身を変えて安眠枕にする方法。パイプ・羽毛・ウレタンと用途に合った素材の選び方

「安眠枕」として売り出されている枕は多数ありますが、その中身は各製品ごとに違ったりします。

枕それぞれに特性があり、人によっては安眠枕になっても自分にはまったく合わない、なんてこともあります。

しかしいちいち別の枕を購入しているといくら枕があっても足りません。

そこで中身だけを別の素材にすることで今の枕を安眠枕にすることもできます。

もし「枕に不快感を感じる」「安眠できない」なんて人は枕の中身を変えてみましょう。




枕の「中身」の種類

まずは枕の中身に使われているものの種類を紹介します。

・羽毛
・マイクロファイバー
・パイプ
・そばがら
・ウレタン

大きく分けてこのような種類の中身があります。

ただ同一の種細でも細かく区分されるものもあるので、そこから自分に合った中身を選んでいくことになります。

まずはそれぞれどんな特性を持っているのか詳しく紹介していきます。

羽毛

代表的な枕の中身のひとつがこの羽毛です。

特性としてはとにかく柔らかく、頭にフィットしやすいことが挙げられます。

通気性もそれなりにあるため枕が蒸れることも少なくなります。

「安い羽毛枕は品質が悪い」なんて聞いたりしますがが、厳密に言うと中に入っている羽毛の量が足りない・調整されてないのが原因になります。

つまり自分で羽毛を加えたりして調整すれば、充分に安眠枕として生まれ変わらせることができます。

ただ羽毛枕の種類によっては羽毛を取り出す・入れるためのチャックがないことが多いので、あとあと中身の調整をしたいならそういった処置がされている枕を選びましょう。

ポリエステル綿

ポリエステル製の綿も枕の中身としてはメジャーなものになります。

羽毛のように柔らかく、かなり安く購入できるので、「綿」系の枕にしたいときのお試しとしても使いやすいです。

羽毛と同じ特性を持ちつつも羽毛アレルギーの人でも使えるので、こちらも枕の中身として広く流通しています。

ただ良くも悪くも吸水性が悪く、汗を吸収したり、ほどよい湿度を維持しにくいです。

それからポリエルテル製の衣類で毛玉ができやすいように、ひとかたまりになりやすく、枕に偏りが起きることもあります。

一般的な素材のため安価で大量に用意しやすい反面、デメリットもあるので注意しましょう。

マイクロファイバー

マイクロファイバーはナイロンやポリエステルを繊維状に加工した合成繊維です。

タオルや衣類にも使われているため、知らず知らずのうちに日常で使っている人も多いかと。

マイクロファイバーは羽毛のように軽く・柔らかいため、アレルギーなどの理由で羽毛枕が使えない人でも問題なく使えます。

吸汗性と速乾性を持っているため、少々の湿気があっても枕の表面のサラサラ感を維持してくれます。

おまけにマイクロファイバーは繊維同士が綿密に絡み合っているので、羽毛を使っていると時々起きる中身の位置ずれといったことが比較的起きにくいです。

柔らかさを維持しつつ、過剰に枕が変形するのを防ぎたいならマイクロファイバーを試してみましょう。

※マイクロファイバーの原料のナイロンやポリエステルは熱に弱いです。

羽毛のように乾燥機で乾かそうとするとナイロンなどが溶けて固形化してしまいます。

アイロンなどでも同じなので洗濯したあとは自然乾燥するようにしましょう。

パイプ

これも代表的な中身のパイプですが、特に種類が多いタイプの素材になります。

使うパイプの種類で枕の質が全然違うので、よく特性を理解してから使うようにしましょう。

パイプの共通の特性

どんな種類のパイプでも共通する特性として「通気性が良い」と「調整が簡単」なことが挙げられます。

パイプは見たまま筒状になっているため枕の中に大量の空気を含めることができます。

このため枕内の通気性も上がるため夏場などで枕が蒸れにくくなります。

そして大抵の枕にはパイプが使われていることが多いので、パイプを入れる・出すためのチャックが付いています。

そのためパイプの量を簡単に調整できるので、枕の硬さなどが気に食わなければすぐに変えられます。

気に入った枕の形なら中身だけを総とっかえなんてことも簡単にできます。

こうした利点が多いため、枕に使う中身で悩んでいるなら初めに気にしておきたいものになります。

では各パイプの種類の紹介に入ります。

パイプ(大・ノーマル)

パイプの中でも標準的な種類で、他のタイプのパイプはこれを基準にして判別されます。

おそらくパイプ枕で標準で入っているパイプの種類はこれになることが多いと思います。

このパイプを基準にして、自分に合ったタイプのパイプを選んでいくことになります。

パイプ(大・ハード)

硬さが「ノーマル」のパイプに比べて硬めのパイプになります。

「高反発」や「硬め」の枕がいい人はこのタイプを使う事になります。

「ノーマル」のパイプより筒の層が厚くなっているためその分硬さが生まれます。

反発力も同様に高くなるので、「柔らかすぎると落ち着かない」なんて人は「ハード」と書かれたパイプを使うようにしましょう。

硬い分パイプが潰れにくくなり、頭を乗せたときに中の空気が抜けにくくもなるので、その分通気性も増します。

蒸れる枕がイヤなら一度ハードタイプのパイプを使ってみましょう。

パイプ(大・ソフト)

硬さが「ノーマル」のパイプに比べて柔らかめのパイプになります。

「低反発」のように頭が沈むような感触が欲しかったり、少しフィット感が欲しいならこのタイプを使いましょう。

ただ「ハード」とは逆に、フィット感が増す分中の空気が抜けやすくもなるので、少々通気性は悪くもなるので注意してください。

パイプ(小・ハード)

パイプ(小)はパイプ(大)の大きさを小さくしたもので、「大」のパイプの半分程度しかありません。

そのため細かく頭に密着してくれるので、枕のフィット感がかなり増します。

パイプ(・ハード)は、枕のフィット感を上げつつ、頭が沈み込みすぎない枕をつくることができます。

パイプ(・ハード)同様パイプがつぶれにくいため、枕の通気性を上げることもできます。

頭がフィットしつつ、通気性がある枕が欲しいならパイプ(小・ハード)を使ってみましょう。

パイプ(小・ソフト)

パイプが小さいことに加え、「ソフト」タイプなら更にフィット感が増すため、パイプで低反発枕を作るのに最大限活用できます。

ただパイプが柔らかいためパイプ(大・ソフト)同様に通気性は若干落ちます。

それでもパイプ共通の通気性の良さは残るので、パイプで「通気性の良い低反発枕」をつくりたいなら是非使ってみましょう。

エラストマーパイプ(弾力パイプ)

エラストマー(弾力)パイプは、通常のパイプにかなりの柔らかさと弾力を持たせたタイプのパイプになります。

普通のパイプならただ弾くだけですが、このタイプは「モチモチ」していて独特の柔らかさ・弾力があります。

「ソフト」タイプのパイプでも一定の硬さがあるのに対し、このタイプなら頭を乗せたときの「弾かれ具合」が少なくなり、なんというか「柔らかめに支えられる」感じがします。

それ以外はパイプ(小・ソフト)と同じ感じになります。

ただ特殊な加工のためか通常のパイプに比べかなり割高な値段になります。

通常パイプと同じ量で4~5倍ほど値段が違う上に、専門店でもないと置いていない場合あるので入手に苦労します。

炭パイプ

パイプに備長炭や竹炭といった「炭」を混ぜて、消臭効果を持たせたパイプになります。見た目は黒いパイプです。

パイプに配合した炭の効果で、汗の臭いなどを消臭・分解する効果が付いています。

寝ている間、特に夏場などは枕が蒸れやすくなるので、枕カバーだけでなく枕の中にまで汗が浸透しやすくなります。

枕カバーは洗えば済みますが、中身のパイプとなると洗うのにかなり手間がかかります。

枕の臭いが気になる人で、パイプを洗わずに汗の臭いを軽減したいならこのタイプのパイプを使ってみましょう。

ヒバ油パイプ

パイプにリラックス効果のある「ヒバ油」を配合したタイプのパイプになります。

ヒバ油の臭いはヒノキの臭いに似ており、その臭いによってリラックス効果を与えてくれます。

ただ臭いは時間とともに少なくなっていき、最終的には無くなってしまいます。

臭いが無くなったら新しく買い換える必要があるので注意してください。

また臭いが気になってかえって眠れないなんてことにもなりかねないので、しっかり臭いを確認してから本格導入するようにしましょう。

そばがら

そばがらはソバの実の殻の部分を枕の中身として利用する昔からある素材です。

完全に植物由来で独特の「じゃりじゃり」した感触があり、他の素材とは違った感覚になります。

そばがらの大きさはパイプ(小)くらいになるので枕の形もかわりやすく、それなりのフィット感もあります。

そばがら自体が湿気などを吸ってくれたり、放熱性もあるのでヒンヤリした感触もあるので、夏場の枕として優秀な素材です。

そばがらを詰めた枕は他の枕より重くなるので、寝ている間に枕が動いてしまうといったことも少なくなります。

ただ「殻」のためパイプ(ハード)よりも硬めの枕になるので、枕に柔らかさを求めている人は注意してください。

小豆(あずき)

小豆はそばがら同様に植物由来の素材で枕素材の中でもかなりの吸熱効果を持ちます。

乾燥した小豆を触るとかなりひんやりしており、湿気なども吸い取ってくれるので夏場に使う枕としては最適な素材です。

また枕の中でもかなり珍しくレンジで加熱して使えるものもあります。

吸熱効果が高いことから保温効果もあり、冬場なら暖かい枕として使うことができるので夏場・冬場で枕を使い分ける手間も省けます。

小豆特有のジャラジャラした感触が気に入る人もいるようで、想像とは違った使い心地を感じる人もいるかと。

感触としては固めの枕になりますが、小豆自体がすべすべしているため摩擦が少なく、枕の形状は思ったより変わりやすいです。

枕も重めになるため動くことも少なくなります。

ただ管理が少々面倒で、吸い取った湿気を乾燥させるために定期的に陰干しする必要があります。

詰め替え用の小豆は少ないのか・販売していないのか見かけることがないので、別の枕にするなら既存の小豆枕から取り出す形になります。

ウレタン

「低反発」となっている枕でよく使われているのが「ウレタン」になります。

枕の中でかなり柔らかい部類に入るため形が変わりやすく、よく頭にフィットして最適な形になってくれる素材です。

枕にフィット感を求めているなら一度は試してみたい素材になります。

最近は夏場でも使える「ひんやりウレタン」がつくられたため、夏場でも十分に使えるウレタン枕も販売されています。

ただウレタンが一枚で枕の形になっているため、パイプのように自分で量の調整ができません。

そのため枕の高さを変えたいなら下にタオルを敷いたりして対応する必要が出てきます。

あとあまりに寒いとウレタンが硬くなります。

室温が10℃以下といった低温になると、ウレタンが固まってすぐに変形しなくなってしまいます。(頭を乗せると「トンッ」と弾かれるくらい)

頭を乗せ続けていれば徐々に変形していきますが、乗せていない場所は硬いままだったりするので、柔らかさを保ちたいならある程度室温を維持する必要があります。

枕の中身で気をつけたい点

ここからはどんな素材の中身を使うにしろ、共通して注意したいことを紹介します。

気をつけないと後始末がとても面倒なことになったり、購入代金がムダになりかねないのでよく理解しておきましょう。

別々の素材を混ぜて使わない

あまりする人はいないでしょうが「羽毛+パイプ」といった別の素材を組み合わせて使うのはやめておきましょう。

「別の素材を組み合わせたら、それぞれの利点を活かせるんじゃ?」と考えて混ぜてしまいそうですが、そうしてもかえって互いの利点を潰してしまいかねません。

例えば「羽毛+パイプ」なら、柔らかい羽毛の感触の中にパイプの粒々した感触が混ざり、かえって感触が悪くなります。

「パイプ(ソフト)+パイプ(ハード)」といった組み合わせでも、ソフトのとなりにハードがあっても感触は良くはなりません。

むしろ柔らかさと硬さが同居してる、よくわからない感触の枕になってしまいます。

一番厄介なのが混ぜてしまうと後で分別する作業がとてつもなく面倒になります。

経験談ですが枕ひとつ分の量だと、全部を分別するのに2~3時間ではとても足りなかったです。

良い感触になる保証も少なく失敗したときの後始末も大変なので、違う素材を混ぜて使うのはやめておいたほうが無難です。

もしどうしても数種類の素材を使いたいなら、枕にいくつか素材を別々に入れられる「ポケット」があるものを使いましょう。

パイプ(小)とパイプ(大)も混ぜて使わない

上記で別の素材を混ぜない方がいいのは説明しましたが、同じ種類のパイプでも大きさが違うなら同様に混ぜないようにしましょう。

まずパイプ(大)とパイプ(小)の大きさはこんな感じです。

「パイプ(大)だけだと隙間ができるから、その隙間をパイプ(小で)埋めよう!」なんて浅はかな考えでついやってしまいましたが、結果かなり面倒なことになりました。

まず隙間を埋めることはうまくいきませんでした。

簡単に説明するとパイプ(小)がパイプ(大)の中に入りこんでしまい隙間を埋めることができなかったです。

それどころかパイプ(大)にパイプ(小)が入ることでパイプの硬さが増してしまい、かえってパイプ(ソフト)の利点を潰してしまっていました。

後々パイプ(大)と(小)を分別する作業にも苦労するハメになったので、例え同じパイプだとしても大きさは統一して使いましょう。

同じメーカーの詰め替えを使う

羽毛やパイプだと、後々量の調整のため詰め替え用のものが販売されていますが、できるだけ同じ会社のものを購入するようにしましょう。

別の会社だと多少感触が違ったり、同じ「パイプ」という種類だとしても微妙に大きさや厚さが違ったりすることがあります。

このため誤って感触や大きさの違うものを使ってしまうと、上記で説明したデメリットが発生しかねません。

購入する前に素材の感触や大きさなどをよく確認するようにしましょう。

低反発を目指すならソフトでも枕いっぱいに入れない

羽毛やパイプ(ソフト)などで低反発の枕を作りたいなら、枕いっぱいに詰め込まないようにしましょう。

やってみるとわかりますが枕いっぱいに中身を詰め込むとかなり枕が硬くなります。

これでは柔らかい素材を使っても、ある程度柔らかさはあるものの低反発とはいえない枕になってしまいます。

そのため個人差はありますが精々枕の7~8割くらい・多くても9割くらいの量になるよう中身を入れましょう。

詰め替え用の中身の袋の表記に「○○cmの枕なら○袋」と表記されているので、そちらも参考にするといいでしょう。

最後に

枕に使える素材の特性や注意点などを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

もし安眠が中々できず、今まで1種類の素材しか使ってこなかったなら、他の素材を試して自分だけの安眠枕をつくってみましょう!