電気ヒーターの種類と選び方。部屋を暖める・体の芯を温めるヒーター

2024年2月2日冷房・暖房便利グッズ,暖房効果

電気ヒーターは種類別で使い方が固定されています。

そもそも、電気ヒーターは熱を出す触媒によって、放出する「熱」の種類が違います。

つまり「体を芯から温めたい」と思っても、「部屋を暖めるためのヒーター」では微妙に効率が悪い場合も。

用途にマッチしていないと意味がない…とまではいいませんが、効果的な使い方ではありません。

では「どの電気ヒーターが」「どんな使い方に向いているか」を解説していきます。

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目的別おすすめヒーター

まずは「どんな風に温まりたいか」でヒーターを選ぶ簡単な指針がこちら。

各ヒーターの詳しい解説は後述。

まずは自分が欲しいヒーターがどれなのか把握しましょう。

すぐに体を温めたい

寒い外からの帰宅時などに「体の芯から温まりたい」人向けのヒーターがこちら。

・カーボンヒーター
・グラファイトヒーター
・シーズヒーター
・セラムヒーター
・パネルヒーター(小)

これらのヒーターは体の内部から温まるように設計されたヒーターになります。

すぐに温まれるので即暖性が欲しい人におすすめ。

部屋を暖めたい

ストーブのように広範囲を暖めたいヒーターが欲しい人はこちら。

・セラミックヒーター
・ハロゲンヒーター
・オイルヒーター
・パネルヒーター(大)

これらのヒーターは熱が空間に広がりやすい仕組みなので、部屋全体を暖めるのに向いています。

ただ光熱費が上がりやすいのがネック。

省エネ(消費電力少な目)で温まりたい

日々の電気代が気になる人には、低電力でも機能するヒーターがおすすめ。

・カーボンヒーター
・グラファイトヒーター
・シーズヒーター
・セラムヒーター
・パネルヒーター(小)

通常のヒーターでは400~800ワットが基本ですが、これらのヒーターは200~300ワットで機能する製品も多いです。

特にカーボンヒーターなどは「体を温める」のに特化したヒーターなので、低電力でも問題ありません。

(消費電力は多くなりますが)高温発熱もできる設計なので、特段に寒い日でも問題無し。

格安で購入したい

ヒーターにこだわりが無く「とにかく安いヒーターを」という人はこちら。

・石英電気ストーブ
・ハロゲンヒーター

ヒーターの歴史の初期から販売されているヒーターで、その分格安になっているヒーターです。

他のヒーターでは1万円越えも珍しくないですが、こちらのヒーターは5000円もすれば高い方になります。

他のヒーターのように際立った特徴はあまりありませんが、機能性は充分です。

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電気ヒーターの種類・特徴

では各ヒーターの特徴について。

現在販売されているヒーターには以下の種類があります。

・カーボンヒーター
・グラファイトヒーター
・シーズヒーター
・セラムヒーター
・石英管ヒーター
・セラミックヒーター
・ハロゲンヒーター
・オイルヒーター
・パネルヒーター

「電気で発熱するヒーター」といっても、これだけの種類があります。

主だった特性が一緒のヒーターもありますが、それぞれ発熱効率・省エネといった微妙な部分で違いが出ます。

「部屋全体を温めたい」「外出から帰ってから、早く体を温めたい」など、目的によっては得手不得手があるので、各ヒーターの特性を理解しておきましょう。

カーボンヒーター

現在主流になりつつあるヒーターの一つが、カーボン(炭素)に通電して発熱する「カーボンヒーター」です。

カーボンヒーターは「遠赤外線」を使って体の芯を温めるのに向いたヒーターになります。

遠赤外線を利用したヒーターは、後述の「シーズヒーター」など、カーボンヒーター以外にも数多く販売されています。

遠赤外線は物質を微振動させて発熱させる特性があり、石焼き芋なんかでも使われています。

遠赤外線が皮膚に当たると、その下の細胞にまで届いて振動させて身体の内側を温めてくれます。

体の芯から温まれば、その温まった状態が長続きします

身体の内側が温まると血行が促進されたり、温まった血液が身体中に回るため、身体全体を温めることもできます。

その状態がしばらく維持できるため、トイレに行ったりする間でも温かいまま。

即暖性も高いため、外から帰ってきて冷えた体でもすぐに温かくしてくれます。

使っているヒーターで「しばらく手をかざしていても、離すとすぐに冷えてしまう」という人におすすめです。

5000円~10000円の安価な製品も多いので、かなり購入しやすい部類のヒーターにもなります。

欠点としては「部屋を暖めるのに向いていない」「遠赤外線が届く範囲が狭い」のが挙げられます。

遠赤外線は空気を振動させるのには向いておらず、「空間」を温めるのには向いていません。

そして遠赤外線が届く範囲はワット数に比例し、400ワットで30~50センチほど。

距離が離れると効果が薄くなるので、省エネを意識するとかなり近い場所に設置する必要があります。

そのためリビングなどでは足元などに設置しておけば、200ワットと省エネモードでも効果が出ます。

メリット

体の芯から温める

すぐに発熱する

省エネ向き

デメリット

部屋全体を暖めるのに向いていない

照射範囲が短い(消費電力に比例)

グラファイトヒーター

グラファイトヒーターもカーボンヒーターと同じく遠赤外線を使うヒーターです。

グラファイトは「黒鉛」のことで、鉛筆の芯、というとイメージがしやすいかと。

カーボンと同じく炭素由来の物質なので、通電すると同じく遠赤外線を発します。

主だったメリット・デメリットはカーボンヒーターと同じです。

が、カーボンヒーターより立ち上げ速度が速かったり、遠赤外線の照射範囲も増えています

お値段も少し高くなる傾向にありますが、「早く・広い範囲で温まりたい」という人におすすめです。

メリット

体の芯から温める

すぐに発熱する

省エネ向き

デメリット

部屋全体を暖めるのに向いていない

照射範囲が短い(消費電力に比例)

シーズヒーター

シーズヒーターも遠赤外線を使ったヒーターです。

遠赤外線を発する「ニクロム線」をコイル状にし、それを酸化マグネシウムを充填した金属管に入れて通電させています。

酸化マグネシウムは絶縁体なので、金属管には通電しない仕組みにもなって安全です。

金属を素材にしているためカーボン・グラファイトといった炭素由来のヒーターよりも寿命が長く、経年劣化というものが起こりにくいです。

おまけに頑丈。

消費電力の設定も、大体300ワット・500ワット・900ワット・1200ワット等と、数段階で選択できるヒーターもあります。

値段は少し高めになりますがカーボン・グラファイトヒーターの上位互換といえるでしょう。

唯一の欠点は「立ち上げが遅い」点。

完全に立ち上がるのに1分はかかるので「即座に温まりたい」という人には少し不向きといえます。

ただ数年後に買い替える必要もなく、破損の心配も低いため、一つのヒーターを使い続けたい人にはおすすめできます。

メリット

体の芯から温める

寿命が長い

頑丈

省エネ~即暖まで細かい電力設定

デメリット

立ち上げが遅め

セラムヒーター

近年登場した、高性能な電気ヒーターがセラムヒーターになります。

大きな特徴は部屋(空間)と体の芯の両方を温められるヒーター、という点。

石油ストーブの代わりとして使えるヒーターとなります。

セラムヒーターはシーズヒーターに改良を加えたもので、シーズヒーターの発熱管をセラミックでコーティングしたりしてます。

セラミックは周囲の温度を上げるのに適しており、遠赤外線では温められない空気も温めることができます。

消費電力も300~1000ワット内で100ワット単位で調節できる製品もあります。

デジタル式で調節するタイプなので、シーズヒーター以上に「省エネ」にも「即暖」にも対応可能

「体を充分温めつつ、暖かい部屋にしたい」という欲張りな人におすすめできます。

デメリットとしては高価になる・大型化しやすい点。

現状最先端の電気ヒーターなため、お値段も1万円を軽く超すレベル。

ヒーター自体もかなり大きく場所を取るため、狭い場所だと置きにくかったり、移動が大変になります。

基本はリビングなど広い部屋で使うのに適したヒーターでしょう。

石油ストーブをお役御免にしたいなら一考してみてください。

メリット

体の芯から温める

部屋を暖められる

省エネ~即暖まで細かい電力設定

デメリット

高価

設置場所を取る

石英管電気ストーブ

石英管電気ストーブは石英(二酸化ケイ素)で作った管の中に、発熱体として鉄クロム線を入れたものです。

石英管は製造にコストがかからないため、他のヒーターよりも低価格なのが特徴。

こちらも遠赤外線を発するヒーターになります…が、カーボンヒーターなどよりも少なめなのが残念。

ただ周囲への発熱が少し高く、カーボンヒーターよりも空間を暖めることができます。

電気ヒーターの歴史の初期から登場しているため、一昔前のヒーターというとコレを指す場合が多いです。

メリットはやはり、かなり安く購入できる点。

3000円ほどのものも少なくないです。

デメリットは発熱まで少し時間がかかる・破損しやすい点。

最高温度になるまで数秒ほどかかるので、即効性はカーボンヒーターなどに劣ります。

また石英管は衝撃に弱く、乱暴に扱うと割れてしまうことがあります。

「とりあえず温まれれば良い」「お金をかけたくない」なんて人におすすめのヒーターになります。

メリット

安価

デメリット

立ち上げが少々遅い

衝撃に弱い

セラミックヒーター

セラミックヒーターは、ニクロム線をセラミックで覆った発熱体を使ったヒーターです。

特徴として温風を出すヒーターは大概コレです。

セラミックは発熱すると遠赤外線を発しますが、セラミックファンヒーターでは遠赤外線を直接利用しません。

仕組みとしては、まず発熱体で熱を生成。

それを熱吸収効率のよいアルミニウムなどに蓄熱させ、その熱を送風ファンで送り出します。

これで温風ヒーターとして使います。

特徴としては広い範囲を温めるのに向いている点。

他のヒーターの場合、即座に熱が届く範囲は800ワットほどでも大体30~50センチくらいが普通。

しかしセラミックヒーターは1メートル先にも温風が届くので、離れていてもしっかり温まれます。

ジワジワ室温が上がる他のヒーターと違い、即座に一定範囲の温度を上げることが可能です。

置き場所によっては部屋全体に熱を届けられます。

欠点としては電気代が高くなる・当たり外れがある・音がうるさいという3点。

単純に「発熱」と「送風」で電気を使うので、送風する分だけ電気代が上がります。

ヒーターの大きさにもよりますが、小型の扇風機くらいの消費電力は追加されます。

あまりヒーターで電気代を上げたくない人には向かないかと。

もう一つ注意点として製品によって当たり外れが激しいです。

送風範囲・暖房効果は値段に比例するため、安物だと「温風が届かない」「すぐに冷える」など、どこかしら欠点が目立ちます。

特に安物だと送風音が騒音と感じるくらいウルサイです。

できれば店頭で実際に動かしてもらい、どの程度音が出るのか確かめたいところ。

ちなみにボックス型の形状だと音が籠って大きくなりやすい傾向にあります。

メリット

即座に広範囲を暖められる

デメリット

電気代がかかる

製品の見極めが大事

ハロゲンヒーター

石英管ヒーターと同じく、かなり昔からあるのがハロゲンヒーター。

特に扇風機みたいなパラボラ状のヒーターは大体ハロゲンヒーターです。

ハロゲンヒーターは「ハロゲンランプ」という電球を使っており、これが高温を発します。

スイッチを入れると即座に高温になり、遠赤外線も発します

これのおかげでヒーターまわり50センチ~1メートルくらいならすぐに温めてくれます。

石英管ヒーターと同じく安価なものが多く、電気ヒーターにこだわりが無い人におすすめ。

欠点としては電気代が上がりやすい・眩しいなどが挙げられます。

1200ワット仕様のかなり暖かくなれるヒーターも多いですが、その分光熱費も上がります。

あと発熱体がハロゲン「ランプ」なので、他のヒーターよりもかなり眩しいです。

枕元などは避け、あまり視界に入らない場所に設置しましょう。

メリット

暖められる範囲が広い

安価

デメリット

電気代がかかる

眩しい

オイルヒーター

オイルヒーターは、不燃性のオイルを加熱して発熱させるヒーターです。

見た目は薄型の旅行ケースみたいな形状。

オイルが過熱されると、ヒーターを中心にして放射状に熱が広がっていきます。

そのため空間そのものを暖めることが可能です。

他の電気ヒーターとは違い、部屋全体を満遍なく暖めたい場合に最適なヒーターといえます。

もう一つの特徴としてスイッチをオフにしてもしばらく熱が持続する点。

スイッチを切ってもオイルが蓄熱した状態なので「最大まで加熱したらスイッチを切って、余熱で暖を取る」なんて使い方もできます。

スイッチを切った瞬間冷えていく他のヒーターにはできない能力です。

欠点としては速暖性が低い・ヒーターが大型・消費電力が多い3点。

中のオイルが充分に温まらないとしっかりと発熱してくれないので、すぐに温まりたい場合には不向きです。

小型の製品もありますが、大体は高さ60センチ・幅50センチ・奥行30センチくらいと、それなりに大きいサイズ。

中にオイルが詰まっていることもあって、重さも10キロ越えの製品も珍しくないです。

消費電力も1200ワット、低くても500ワットほど使うので、長時間の使用は電気代がかかります。

先の保温機能を利用してできるだけ電気代を抑えてみましょう。

メリット

広範囲を暖められる

スイッチを切っても熱が持続する

デメリット

即暖性は低い

電気代がかかる

大型で重い

パネルヒーター

パネルヒーターは名前の通り、板状の発熱ヒーターになります。

こちらも遠赤外線を利用しており、低電力で利用できる製品も多いです。

ただ一概にパネルといっても、一枚板のパターンや折り畳みができるパターン、変わったものだと筒状の形状をした3種類あります。

当然形状の違いには理由があり、それぞれ適した使い方があります。

一枚のパネル型は空間を暖めるのに向いているため、部屋置きしたり、脱衣所などにセットすると最適です。

折り畳み式は足元など囲うように配置して、熱が一か所に集中するようにしています。

床部分から足の側面までカバーしてくれるので。電気マットの上位互換と思ってもらえれば。

筒状のものも同じですが、こちらは「足を入れる専用」といっても良いので、他の用途には使いにくいです。

パネルヒーターもサイズが大きいですが重量は2~5キロほどと軽いので、取り回しは良くなっています。

メリットとして消費電力がかなり低いものが多いです。

足元や脱衣所などの閉所に置ける小型のパネルヒーターや、折り畳み式のパネルヒーターなら100~200ワットほどのものが多いです。

そのため他のヒーターに比べ電気代が気になりません。

デメリットとしては大型のものは消費電力が大きいこと。

やはり部屋全体を暖めようと思うと1000ワット以上と、相応の消費電力になります。

コンパクトなものなら200ワット程度にまで下がるので、脱衣所や足元・就寝前の枕元ならこちらがベスト。

目的に合わせて選びましょう。

メリット

広範囲を暖められる

消費電力が少ないものが多い

デメリット

大型のパネルヒーターは電気代がかかる

設置場所を取る

体を温めるなら「カーボン」系ヒーター

即座に体を芯から温めたいのなら、カーボン系の遠赤外線を重視したヒーターがおすすめです。

消費電力が少なくともしっかり体が温まりますし、かなりの種類があるため自分に合ったものを探しやすいです。

お値段も5000~8000円前後のものと比較的安価な部類なので、敷居も低めです。

ついでに部屋も暖めたいのなら、値段は高くなりますがセラムヒーターが万能といえます。

消費電力も200~1000ワット内での調節ができるので、その場の環境に応じた温度設定にできます。

シーズヒーター同様に耐用年数がとても長いので、一度買ってしまえば10年単位で使用できます。

早いと数年で寿命を迎える他のヒーターを考えると、最終的なコスパはどっこいどっこいといったところ。

目玉商品として店頭でも稼働状態で展示されていることもあるので、実際に体感して確かめてみるのも一考です。

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部屋を暖めるならパネルヒーター

部屋全体を暖めたいのならパネルヒーター、次点でオイルヒーターになります。

この2種は部屋を暖める専用の作りになっているため、他のヒーターよりも効率は良いです。

特にパネルヒーターは消費電力の少ないタイプや、コンパクトタイプもあります。

オイルヒーターよりも早めにヒーターが発熱してくれるため、効率も良くなってます。

…ただオイルヒーターは「長時間余熱が残る」という特徴があります。

パネルヒーターの場合はスイッチオフですぐ冷えてしまうので、そのあたりも選択肢に入るかと。

早めに部屋を暖めたいならパネルヒーター。

就寝後などで、スイッチを切った状態でも暖房効果を持続させたいならオイルヒーター。

こんな感じで選ぶと良いでしょう。

多種多様…ではあるが、実際は少ない

いろいろと電気ヒーターの種類を紹介しましたが、機能面や用途に限定すると意外にも数は少なくなります。

まずは「自分がどんなヒーターを求めているか」を明確にしましょう。

そうすれば後は「消費電力」や「形状」といった機能面で選ぶだけ。

私の場合は「体の芯から温めるヒーター」「消費電力は少なめ」「安価」という条件でカーボンヒーターを購入したりしました。

200ワットと400ワットで動くヒーターなので、電気代もそこまで気にせず使えています。

…まあかなり距離が近くないと効果は発揮しませんが…。

最低でも数年は使うことになるヒーターなので、相応に厳選して購入に踏み切りましょう。

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