冷風機と扇風機はどちらが涼しい? 冷却機能や省エネなどの仕組みや性能の違い

2021年4月8日冷房・暖房便利グッズ,冷房効果

夏場に活躍する扇風機ですが、最近では「卓上冷風機」というものが多く出回っています。

「小型のクーラー」といわれるほど高性能な冷風機もあり、なかなか馬鹿にできません。

ですがクーラーとも冷風機と聞くと「涼しさ」や「消費電力」を気にする人もいると思います。

そこで冷風機の性能を細かく調べてみました。

スポンサードリンク



冷風機とは

冷風機の仕組み

「小型クーラー」と呼ばれることもある冷風機ですが、クーラーとは違い水を使って冷風を出しています

冷風機では水分を蒸発させることで空気を冷やし、その空気を送風する仕組みです。

クーラーのように電気を消費して冷やしていません。

このため送風ファンだけにしか電力を使っていないため、クーラーとは違いかなり省エネなグッズになります。

冷風機の中には吸水フィルタがあり、水が染み込んだフィルタを空気が通ることで冷却される仕組みです。

このように「気化熱」を利用して冷風にしています

水というのは蒸発する際にそこにある熱を奪う性質があります。

汗や水で肌を濡らした状態で風を当てると涼しく感じると思います。

あれは濡れた部分の水分が蒸発すると同時に熱を奪っているからです。

蒸発している間は絶えず熱が奪われるため、低電力でも冷風を送り続けることができます。

卓上が主流

現在の冷風機は「卓上冷風機」という名で通っているため、とても小型です。

種類にもよりますが高さ・幅・奥行が20cm前後に収まっているものがほとんどです。

一昔前の冷風機は業務用かと思うほど大型でまさしく「設置型クーラー」といわんばかりの形状でした。

…まあ今でも、性能が良くなったものがありますが。

しかし今では小型が進み、USB電源コードでパソコンやモバイルバッテリーでも動きます。

まさしく「卓上」といった使い方で手軽に使えるようになってます。

扇風機と同じような値段

冷風機の値段は扇風機と同じような値段で販売されています。

高いものだと10000円ほどしますが、安いものだと3000円ほどで販売されています。

ただ安いと冷風効果や機能性が低い場合があります。

相応の機能を求めるなら、5000円くらいのものから選びましょう。

このくらいの値段なら扇風機と同じなので、冷風機の性能から見るとかなりお買い得なものが多いです。

スポンサードリンク

冷風機の性能

では冷風機が扇風機とどのような違いがあるのか解説していきます。

注目ポイントとしては以下の部分。

・冷却効果
・消費電力
・持続時間
・設置できる場所

こうした部分が気になる人が多いでしょう。

冷却効果

冷風機で最も重要なのが冷風による冷却効果です。

さきほど説明した通り、冷風機は水を使った気化熱を用いて冷風を出しています。

たかが水とも思うでしょうが馬鹿にはできません。

どんな冷風機でも空気を直接1℃以上・高性能なものなら4℃も冷やすことができます。

さらにこの冷風が肌に当たるため体感温度としては5~10℃近く下げることもできます。

扇風機は空気を循環させるだけのため、送風した風の温度は室温と同じです。

汗などで濡れた肌に当たって初めて冷たく感じます

冷風機では初めから冷えた空気を送るため、体感温度の差が大きいです。

高性能な冷風機ほどその効果を実感しやすいかと。

消費電力

冷風機は冷風を出すわりにほとんど電力を消費しません

最大消費電力でも高くて10W前後、低いと5Wほどしか消費しないので非常に省エネです。

扇風機の消費電力は30~40Wとして見るとかなりの省エネだとわかるでしょう。

1時間あたりの1Wの電気料金が約0.3円なので、それぞれの消費電力と料金を比べた結果がこちら。

1日4時間使用したとして計算してます。

消費電力1日の料金1か月の料金
冷風機10W13円360円
扇風機40W48円1440円

このように冷風機の方が1か月1000円以上も電気料金の削減ができます

日ごろ扇風機を使う時間が長い人ほどこの差は顕著になっていきます。

就寝中も使っているともっと差が出るでしょう。

我が家では扇風機の使い始めが、早いと7月頃から。

しまうのが10月頃なので、通残4か月ほど。

扇風機と比べると4000円ほど節約できています

冷風機の値段によっては1年目で元を取ることも可能です。

夏場の電気料金で悩んでいるなら、いっそ冷風機に変えることも選択肢に入れてみましょう。

持続力

冷風機を選ぶポイントの一つとして水タンクの容量があります。

冷風を出し続ける時間は冷風機の水タンクの容量に依存します。

冷風を出すには水が必要ですが、大体1時間で100~150mlくらいのペースで減っていきます。

夏場では容量が300mlくらいの冷風機だと、あっという間に水が無くなります。

持続する時間は、100mlで1時間ほど。

水を入れる手間を省きたいなら、できるだけ容量の多い水タンクの冷風機を選ぶ必要があります。

最近は500mlタンク(4~5時間)の冷風機も多く、できればそれ以上のタンクの冷風機を選びたいところ。

小型・軽量

「卓上」と称されるだけあり、かなり小型なのが冷風機の特徴です。

重量は水込みの重さで1~2kgなのでかなり軽く、持ち運びや移動が容易です。

小型なので置く場所も選ばず、テーブルの上・パソコンの横・ベッド横といろんな場所に設置可能です。

例えばオフィスなどで扇風機を置けなくても、冷風機なら問題なく置ける場合も多いです。

しかも冷風効果や省エネ効果も高いので、むしろ率先して使いたいところ。

電源はUSBアダプターでモバイルバッテリーも使えるため、外出先でも使えます。

冷風機のネック

軒並み扇風機より性能が良さそうな冷風機ですが、使っていて不便な部分も存在します。

低スペックの冷風機で不満になりやすいのがこちらの点。

・送風能力
・水の補給
・音

高スペックになれば気にならなくなる点もあります。

が、どうしようもない部分もあります。

これらも製品を選ぶ基準になるでしょう。

風量と範囲が少ない

どの冷風機にもいえますが冷風の勢いが弱く、範囲が狭いです。

大抵の卓上冷風機の大きさは20cm立方ほどなので、必然的に送風範囲は狭くなります。

また冷風を出す仕組みの構造上、風の勢いが少なくなります。

冷風にするために吸水フィルタを通すため、フィルタが障害物となって風の勢いが弱まります。

打ち付ける風の面積は扇風機の半分以下、届く範囲は1m弱といったところです。

外出帰りや風呂上がりでたくさんの風が欲しいときには不向きかと。

パソコンなどの卓上作業中や就寝前の枕元などに使うこと前提なので、まあしょうがない部分もありますが…。

水の補充

どんな冷風機でもかならず水を使うため、どうしても水を適時補充する必要があります。

ここで冷風機を購入する判断基準にもなりうるのが「どう水を補充するか」です。

冷風機の水タンクには2種類あり「本体に直接注ぐ」か「水タンクが取り外し可能」なタイプがあります。

本体に直接注ぐタイプでは本体を水道前で持っているか、コップなどで補充する必要があります

水の減る量は1時間100~150mlと意外に多く、冷風機を多用する人だと手間が増えます。

私の使っている冷風機は水タンクが取り外し可能なタイプですが、補充の手間が1回だけなのでかなり便利です。

冷風機を購入する際はどういった水タンクを使っているか確認するようにしましょう。

音が大きい

冷風機は小型と思えないほど音が出ます

風量の設定にもよりますが、体感で扇風機の2~3倍くらいの音量でしょうか。

これはファンの音が籠って反響しやすくなるからです。

扇風機を使い慣れている人だと不快と思う人もいるかと思います。

しかし、今ではかなり静音な扇風機も販売されています。

「ここひえ」が代表的で、他の冷風機よりも音が少ないです。

…それでも扇風機ほどにはなりませんが。

コンセント用アダプターは別売り

冷風機の電源はUSBアダプターなのでコンセントにつなぐには変換アダプターが別途必要になります

「ここひえ」のように稀に変換アダプターが同梱されているものもあります。

が、ほとんどの冷風機には無いと思った方がいいです。

いざ購入してみて「コンセントで使えない!」なんて事態を防ぐためも購入の際に確認しておきましょう。

スポンサードリンク

総評

全体的に見てもやはり室温より数度は低い冷風を出せる・消費電力が少ない点は大きいです。

夏場だとクーラーや扇風機の電気代は馬鹿になりません。

そのため個人レベルで涼しくなりたいなら冷風機は優秀といえます。

扇風機では肌が濡れてないと涼しく感じないので、汗が出てない状態だと何の役にも立ちませんし。

ただ風の範囲の狭さや勢いの弱さはやはりネックです。

私は風呂上がりなどのやたらと暑いときは扇風機。

じっとしていたり体温が安定しているときは冷風機と使い分けています。

冷風機の性能にもよりますが、冷風を出すという一点においてはクーラーにも匹敵するものもあります。

夏場の暑さに参っていたり電気代が気になる人は冷風機を使ってみることも考えてみましょう。

スポンサードリンク