ヨーグルトの水切りでキッチンペーパーを使わない方法。ロスが出ない・水切り搭載メーカーなど
水分を抜いて作られるギリシャヨーグルトは、水切りさえできればどんなヨーグルトでも作れるヨーグルトになります。
しかしどこのサイトでも「ヨーグルトの水切りにはキッチンペーパーを使え」といわれますが、個人的にやりにくいと感じています。
確かに水切りできて濃いヨーグルトはできるのですが、ペーパーが破れたり吸い取った水分でビシャビシャだったりと不満な点が多いです。
特に中途半端な水切り状態だとペーパーにヨーグルトが引っ付いてロスが出てしまい、最終的なヨーグルトの量が少なくなってしまうことも。
そこでどうにかキッチンペーパーを使わずにヨーグルトの水切りができないか色々試してみたところ、しっかり水切りができ、そこまで面倒が無い方法をいくつか見つけました。
自作ヨーグルトを作っている人でも、水切り機能がついたヨーグルトメーカーや、容器内の水を取り除く方法も併せて紹介しようと思うので参考にしてください。
ヨーグルトの水抜き
ヨーグルトには重さの3~4割ほどの水分が含まれています。
市販品ではある程度水抜きされているのでこれよりは少なくなりますが、自作ヨーグルトだとこれくらいは含まれるため水っぽいヨーグルトができやすいです。
200gほどの自作ヨーグルトを水抜きした際、75gほどの水分が抜けたので相当量の水抜きができます。
ヨーグルトからそれなりに水抜きしようと思うと最低でも30分以上、念を押すなら1時間ほどの時間が必要になります。
完全に水抜きしたヨーグルトはクリームやチーズのような風味を持つようになり、味も濃厚になっていきます。
ヨーグルトの水抜きをするには一般的にはキッチンペーパーを使うのがメジャーですが、個人的にやりにくかったのでそれ以外に方法がないか試してみました。
水切り専用容器
やはり需要があるのか、少ない種類ながらもヨーグルトの水切り専用容器も販売されています。
各社ごとに容器の形状は多少違えども仕組みは同じで、かなりきめ細かい網目の入れ物と受け皿になる容器がセットになっています。
使い心地
水切り専用容器ではとにかく大量のヨーグルトの水切りをしたいときに便利です。
・しっかり水切りできる
大抵の容器で400gパックのヨーグルトを丸ごと水切りできるため、市販ヨーグルトだけでなくメーカーで自作した大量のヨーグルトでも水切りが可能です。
流石に一度に1kgといった量だと2~3回に分ける必要がありますが、他の方法よりもはるかに効率が良いです。
網目もかなり細かいためヨーグルトをこぼさずにしっかりと水切りできます。
中には「どの程度の水が抜けたら(容器に溜まったら)このくらいの固さ」と目安となる目盛りがついているものもあり、どの程度の水切りができたか気になる人でもわかりやすいです。
単純故に他に際立った機能はありませんが、強いて挙げるなら縦長と横長の種類の容器があります。
横長の容器の場合はヨーグルトを広く浅く入れるため水切りが早めに終わる反面、水抜きできたヨーグルトを移し替えるときの作業が少々面倒です。
逆に縦長の容器の場合はヨーグルトの上部分の水切りができるまで時間が少し伸びる分、ヨーグルトがまとまっているため移し替える作業が容器をひっくり返すだけと一瞬で済みます。
個人的には少々時間が伸びるとはいえヨーグルトの移し替え作業が楽な縦長の容器を使うのがおすすめだと思います。
デメリット
水切り機能自体は問題ありませんが、他の方法に比べると片付けが少々面倒です。
大量のヨーグルトでも水切りできるようにそれなりの大きさの容器になっているため、使った後に容器すべてを洗うのが少し手間です。
どの水切り容器でも「フタ」「ヨーグルトを入れる部分」「受け皿となる容器」の3つで構成されているため、毎日1回少量だけ水切りするといった場合には面倒に感じることが多いです。
容器自体はまとめておけるのですが「ヨーグルトの水切りだけ」と考えると少々もったいないと感じる人もいるかと。
1食分のヨーグルトだけ水切りしたい・洗い物を少なくしたいという人は下記の日用品で代用する方法も読んでみてください。
茶こし
茶こしの使い心地
キッチンペーパーを使うときでも茶こしやザルといったものを使いますが、あえて茶こしのみを使ってみました。
使ってみたところキッチンペーパー無しでも効果はあり、茶こしといった網目状のもののみを使うことでの主なメリットは以下の3つ。
・ヨーグルトを簡単に容器に移せる
・手入れがしやすい
茶こしを使うとヨーグルトの水切り作業の最後でヨーグルトのロスを出さずに簡単に移し替え作業ができます。
キッチンペーパーを使うとヨーグルトが引っ付いていることが多いため、それをスプーンなどでこそぎ取ったりすることもあると思います。
おまけにキッチンペーパー自体がビシャビシャになっているので触るのがイヤという人もいるでしょう。
しかし茶こしなら不快感も無くヨーグルトをロスなく簡単に・まとめて別の容器に移すことができます。
洗浄も簡単にできますし、あまり汚れないこともあってかヨーグルト以外の用途(本来の茶こしの使い方)でも問題なく使えます。
特に使いやすいのが持ち手がついているタイプの茶こしになります。
持ち手がついていない茶こしではヨーグルトを移す作業が若干面倒になるため、これから用意する人は持ち手がある茶こしを選びましょう。
茶こしのデメリット
そこまで深刻なものではありませんが、いくつかの注意点もあります。
それがこちらの3点。
・網目の細かいものを使う
・水切りできるヨーグルトの量が少ない
キッチンペーパーでは紙の特性を生かしてヨーグルトの水を「吸って」「落とす」といった具合に水切りします。
しかし茶こしは水分を吸い取る能力は無く自然に水が落ちるのを待つ必要があるため、キッチンペーパーのときよりも水切りにかかる時間が伸びます。
水切り能力はキッチンペーパーのおよそ6~7割ほどと、キッチンペーパーなら30分で完全に水切りできた量に対し、茶こしでは40分以上の時間になってしまいました。
そしてできるだけ網目の細かいものを使わないとヨーグルト本体が染み出したり落ちてしまうので注意しましょう。
茶こしの形状にもよりますが、大きい茶こしでも50~100gくらいの量のヨーグルトしか入りません。
そのためヨーグルトメーカーなどで作った大量のヨーグルトの水切りをしたい場合は少々不向きになります。
まあ大抵の市販されているヨーグルト1個は70g前後なので、1食分のヨーグルト量なら問題ありませんが。
コーヒードリッパー
ドリッパーの使い心地
コーヒーを飲む人なら良く知っているコーヒードリッパーでもヨーグルトの水切りができます。
ただ水切り作業を簡単にしたいなら紙製フィルターのドリッパーではなくフィルター不要のドリップ機能の付いたドリッパーを使いましょう。
紙製フィルターのドリッパーも使ってみたのですがヨーグルトの重さで沈んてしまい、かつ含んだ水分のせいでヨーグルトが引っ付いたままで移す作業が面倒でした。(ロスも出ますし)
そこで今回は一つの容器でドリップ機能が完結している金属製のドリッパーを使ってみました。
・水切りできるヨーグルトの量が多い
・ヨーグルトのロスが少ない
・ヨーグルトを簡単に移せる
フィルター不要のドリッパーはメッシュ状の構造のおかげでキッチンペーパー同様に水を吸う機能がついており、茶こしよりも水切り速度は早くなります。
おまけに1杯分のコーヒーを作るために容器自体も大きく、一度に250gくらいの量のヨーグルトの水切りができます。
茶こしほどではありませんがヨーグルトのロスも少ないですし、移す作業も簡単です。
これが水切りしたヨーグルトを移した後のドリッパーです。
少々ヨーグルトが残ってしまっていますが、スプーンでこそぎ取るよりは遥かに少なく済みます。
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作ると水分量もかなり多くなってしまう傾向にあるので、それで悩んでいる人はコーヒードリッパーを使ってみましょう。
コーヒードリッパーのデメリット
特に致命的なデメリットはありませんが、強いて挙げるならかなり水切りできていないとキレイに移せないといった点でしょうか。
コーヒードリッパーはキッチンペーパーのような水を吸い取る機能を再現しているため、ヨーグルトと容器の接触面には水分が染み込んでいます。
そのためかなり水切りができていないと容器と接触しているヨーグルトが柔らかいままなので、移そうと思っても表面に少し残ってしまうことがあります。
そのため中途半端な水切り状態だと、キッチンペーパーほどではありませんがヨーグルトのロスが出てしまいます。
そこまで多量にはなりませんが、気になる人はできるだけ水切りできてからヨーグルトを移すようにしましょう。
ヨーグルトメーカーで水切り
ヨーグルトメーカーによっては、水切り機能が搭載された製品もあります。
これからヨーグルトメーカーでヨーグルトを作っていこうと思っている人は検討してみましょう。
高性能ヨーグルトメーカー
高性能なヨーグルトメーカーなら水切り機能が標準搭載されています。
おすすめなのはクビンスが販売している「ヨーグルト&チーズメーカー」シリーズのヨーグルトメーカーです。
こちらはキッチンペーパーのように水切りするのではなく、洗濯機の脱水のようにヨーグルトの入った容器を回転させて脱水します。
回転による作用によってかなり早く・大量に水切りでき、かつ容器に入れたままできるため大量のヨーグルトの水切り作業ができます。
市販されているヨーグルトを入れれば同様に水切りできるため、水切りで悩んでいる人にとってはかなり便利だと思います。
容器の容量も最大2Lとかなり大量に入り、かつヨーグルト以外の発酵食品もつくれるためこれ一つあれば足りるレベルの万能性を持ったメーカーになります。
水切りつきのメーカー
ヨーグルトメーカーの中には水切り専用容器が付属されているものもあります。
茶こしのように水を落としていく水切りですが一度に入るヨーグルトの量がかなり多く、500ml以上の量でも水切りができるものが多いです。
また茶こしと違ってヨーグルトの水切りをするために網目が細かくなっているものが多く、ヨーグルトをこぼさずに水切りできます。
どんなヨーグルトメーカーでもいいという人なら、どうせなら購入前に水切りが付属されているか確認してみましょう。
底の広いメーカー
水切りとは違いますが、ヨーグルトを作る容器の形状によっては自然に水切りできるものがあります。
大抵のヨーグルトメーカーでは縦に長い容器を使っていますが、たまに底が浅く横に長い容器を使ったメーカーもあります。
例えばアイリスオーヤマ製のヨーグルトメーカー「PYG-15」シリーズだと容器の幅が20cmほどある底が浅め奈容器なため、できたヨーグルトが容器の底に広がってできます。
こうした状態だとヨーグルトから染み出た水分を回収しやすくなります。
まず1度隅にあるヨーグルトを掬って水分が溜まるスペースを作ります。
そうすると時間が経つにつれて、このように空けたスペースにヨーグルトの水分が染み出してきます。
図にするとこんな感じです。
縦に長い容器だとヨーグルトの上の方だけを掬っても、下にあるヨーグルトと混ざってしまうためうまく水切りできません。
しかも下にあるヨーグルトの水分はそのままなのでヨーグルト全体の水切りができていません。
しかし底が浅い容器だと溜まった水分がこうしてヨーグルトと分離した状態になり、かつ全体の水分が一か所にまとまって染み出してくるため水切りできる量も多いです。
あとは少々面倒ですが、溜まった水分を回収していけば水切りヨーグルトができていきます。
他の方法と毛色が違う水切り方法ですが、かなりの量の水切りもできますし、冷蔵庫に保管中でも水切りできるため水切り作業中の待ち時間がありません。
唯一の難点は染み出た水分の回収作業をしないといけませんが、それに目をつぶればかなり有効な水切り方法になります。
まとめ
意外とキッチンペーパー以外でもヨーグルトの水切りができる方法は多くあります。
今回紹介した方法では、毎回1食分の水切りヨーグルトを作るなら茶こしやコーヒードリッパーを。
1度に大量のヨーグルトの水切りをしたいなら専用容器や水切りができるメーカーを使うといいでしょう。
自作ヨーグルトは水分が多くなりがちなので、水っぽいヨーグルトで困っている・キッチンペーパーを使いたくないならこれらの方法を試してみてください。