筋トレの効果を引き出す。運動する前・最中・終わった後に意識すべきこと
筋トレはただ重いものを持ったり、ひたすら走るだけがトレーニングではありません。
筋トレ中には意識してすることで筋トレ効果を上げたり心的負担を軽くする方法もあります。
ここでは筋トレをスムーズに進めるために意識すべきことを簡単に紹介したいと思います。
ひとつひとつは微々たるものでも、積み重ねればそれだけスムーズに筋トレができ、結果より効率よく筋肉がつけられます。
筋トレ前にすること
筋トレする前にすべきことは、「準備運動」と「運動のための栄養の摂取」です。
筋トレなどの運動をする前には、身体を運動をするのに適した状態にする必要があります。
これをしておかないと運動をキツく感じてしまったり、最悪運動の効果を減少させてしまうこともあります。
筋トレにしろダイエットにしろ、運動をする前には身体を万全の状態にしておきましょう。
準備運動
筋トレだけでなく、何かしら運動する前にはしっかり準備運動をしておきましょう。
準備運動は身体にこれから運動を始めるというサインであり、身体の代謝を上げて運動しやすくするためのものです。
準備運動をせずにのんびりしている状態で、いきなり「走れ」や「重い物を持て」となっても身体がついていきません。
心的負担も増えますし、筋肉も的確な動きができずケガをしてしまう恐れもあります。
だからといって今からする運動の箇所だけ準備運動するのも不十分です。
運動によっては、メインで鍛える場所とは別の筋肉を使うことも多いです。
例えば大胸筋を鍛える腕立て伏せでも、身体をまっすぐ維持するのに腹筋を使っています。
上腕二頭筋を鍛えるダンベルプレスでも肩の付け根にも負担がかかったり、ランニングでも腕を振ったりと上半身でも使っている箇所はあります。
筋トレのプロ(?)の人は全身のストレッチに30分~1時間以上かけるのもザラだとか。
運動する前にはしっかり準備運動して、筋肉に運動する準備をさせてあげましょう。
ただしストレッチなどで筋肉を伸ばしすぎるのはやめましょう。
筋肉はしっかり伸縮してこそ役割をこなしますが、筋肉が伸び切ってしますと反動や衝撃などを吸収しきれず、それが原因でケガをしてしまう可能性が高くなります。
筋トレ前にストレッチをするなら「筋肉を温める」くらいの効果、それこそラジオ体操くらいのストレッチでも大丈夫です。
入念過ぎるストレッチはあえて控えましょう。
筋トレ前の栄養補給
筋トレをする前に栄養補給をすることで、筋トレ効果を上げることができます。
これには筋肉をより動かしやすくするためだったり、筋肉の疲労を抑える効果もあります。
これらのことをしておけば運動時間も増え、よりトレーニングの効率を上げやすくなります。
ビタミン摂取
運動の前にビタミンを摂ることで筋肉が疲れにくくなったり、脂肪の燃焼がしやすくなります。
筋肉を動かすためにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーは血液中の糖質(血糖)や脂肪分から得られます。
しかしビタミンが足りてないと血糖などを分解できなかったり、筋肉にエネルギーを取り込めなかったりします。
エネルギーが取り込めないと疲れやすくなるため、筋トレを充分にする前にダウンしやすくなります。
長時間の運動の前にビタミンを摂取するとトレーニングが持続しやすくなるので、効果を実感しやすくなります。
ビタミンB群のビタミンにこのような効果があるため、筋トレ・ダイエットに関わらず運動前にはビタミンを摂取するようにしましょう。
タンパク質摂取
筋トレではトレーニング前にタンパク質を摂取することで、筋肉の減少を抑える効果があります。
筋肉というものは、よほど強い負荷を与えると自身を分解してエネルギーを直に産出する特性があります。
つまりハードなトレーニングでは今ある筋肉を減少させてしまいます。
しかしトレーニング前にタンパク質を摂取することで、トレーニング中の筋肉の減少を抑えられます。
特にロイシンと呼ばれるタンパク質(アミノ酸)は、筋肉の維持や増強をする役割を持っています。
サプリメントのBCAAやHMBにはロイシンが多く配合されているため、筋トレ後だけでなく前に摂取しても効果を発揮します。
トレーニングがかなりハードだったり、時間が長かったりすると筋肉の減少量も多くなります。
トレーニング量に反して筋肥大が起きにくい人は、トレーニング前にもタンパク質を摂取してみましょう。
糖質摂取
筋肉をつける目的の人は炭水化物を摂って糖質を体内に取り込んでおきましょう。
ビタミンの項目で書いた通り運動のためのエネルギーとして糖質が必要です。
その糖質を得るために炭水化物などを食べて糖質を補給しておきましょう。
ただ筋トレ1時間前などに摂っても消化が済んでいないことが多いので、お昼ご飯などの筋トレ前の食事で摂るようにしましょう。
逆にダイエット目的の人は糖質の摂取は控えましょう。
体内に糖質が少ないと脂肪分を分解してエネルギーを抽出するため、ダイエットの目的になるぜい肉を減らせます。
筋トレ中に意識すること
筋トレ中にはかなりの数の意識すべきことがあります。
・筋肉の動かし方
・適した運動量
・休憩時間
どれもトレーニングの効果を十分に引き出すために必要なことです。
これが守れていないと、うまく筋肉に負担がかからなかったり、効率が悪くなることも。
呼吸の仕方
筋トレ中に地味ながらもかなり重要なのが呼吸の仕方です。
筋肉を増やすといった直接的な効果は無いものの、トレーニングのしやすさや息苦しさの解消には大切になってきます。
最終的にトレーニングの持続力や回数にも影響を与えるため、より筋肉を酷使したいならしっかり覚えておきましょう。
深呼吸
呼吸は基本的に深呼吸でするようにしましょう。
息が上がるのは体内の酸素が足りなくなることによって起きます。
疲れると肩で息をすることが多いですが、深呼吸の方が多く酸素を取り込めますし肺にしっかり入るので吸収効率もいいです。
腕立ての最中などでは深呼吸は難しいでしょうが、セットの合間の休憩は深呼吸でするようにしましょう。
息を吸う・吐くタイミング
正しい呼吸をすることで、筋肉を動かしやすくなったり息苦しさが緩和されます。
筋トレには正しい息の吸い方・吐き方あり、これを守ることで筋肉の動きを良くする効果があります。
息を吸うタイミング…筋肉が伸びるとき
息を吐くタイミング…筋肉が縮むとき
このタイミングで呼吸することでスムーズに酸素を取り込むことができ、筋肉を酸欠にせず動かし続けることができます。
腕立て伏せなら身体を下ろしたときに息を吸い、身体を上げたときに息を吐く。
腹筋なら上体を上げたときに息を吐き、上体を下ろしたときに息を吸う。
この逆をしてしまうと呼吸が乱れて筋トレに集中するのが難しくなります。
特に腹筋で上体を上げたときに息を吸うと吸った息が押し出されてしまい逆に苦しいと思います。
呼吸は酸素を取り込む重要な動作です。
これがしっかりできれば筋トレ中に余計な苦しさを混ぜずに済みます。
充分に筋肉を動かせることにもつながるので筋トレ効果を出しやすくなります。
筋トレ初心者だと筋トレするのに精いっぱいで呼吸がメチャクチャになることも多いです。
しかし初めの頃に意識して呼吸するようにすれば、自然とベストなタイミングで呼吸するのに苦労しなくなります。
最初は慣れないかもしれませんが順序よく呼吸しスムーズに筋トレを続けましょう。
アゴは上げ気味で呼吸する
アゴ…というより喉の気道をまっすぐにして呼吸しやすいようにしましょう。
気道を確保することによって吸った空気がスムーズに肺に入るようになるため、酸素を充分に補給できます。
しかし腕立てなどで地面をまっすぐ見て呼吸していると気道がつぶれ気味になるため、呼吸がしにくくなってしまいます。
腕立てなら前方1mあたりの地面を見ながら、腹筋なら身体を丸めすぎず斜め上を見る感じですれば、呼吸もしやすくなります。
若干アゴを上げると呼吸しやすい体勢になるので覚えておきましょう。
筋肉をしっかり伸縮させる
筋トレでは筋肉を出来る限り伸縮させることでより一層効果が出ます。
筋肉が大きくなるためにはまず筋肉が傷つかなければいけません。
その筋肉が傷つく一番のタイミングが筋肉が伸びたときです。
このときの筋肉はゴムを伸ばして引きちぎれるときのように細かく裂けるため、それを前より大きく・強く治そうと身体が反応することにより筋肉が鍛えられていきます。
そのため筋肉の伸縮率が高いほど筋トレ効果を出しやすくなります。
例えば腕立て伏せの効果を増やすために「プッシュアップバー」というものも販売されています。
これは筋肉の稼働範囲を増やせるグッズで筋肉の伸縮の範囲を増やしてくれます。
「ベンチプレスじゃなくて腕立てで大胸筋を鍛えたい」なんて人でも簡単に腕立ての負荷を増やせます。
このように筋トレの効果をしっかり出すためにも、自分の筋肉の稼働する範囲の限界まで伸ばすようにしてトレーニングしましょう。
筋トレは最低「3セット」
筋トレで筋肉をつける基本は「筋肉を追い込む」ことか重要になります。
特にウェイトトレーニングのようなものは、「限界までやる」を最低でも3セット繰り返さないと効果が出ません。
・2セット目で筋トレに馴染んだ筋肉を使い切る
・3セット目で筋肉を追い込む
私の体感ですが、3セットだけで済ませようと思うと以上のようになります。
もちろんそれぞれのセットを限界までやり、効率よく筋肉を限界まで使います。
1セット・2セットと続けていき、できる回数が減っていけば筋肉に効いている証拠なので、その調子で筋トレを続けましょう。
ここからさらに追い込みをかけるならば、+2セットくらいがいいです。
より筋肥大を目指すようなら5セットほどはトレーニングするようにしましょう。
休憩は最長でも1分以内
さきほど筋トレのセット数について説明しましたが、セットとセットの間に休憩をはさむのはアリです。
しかし休憩時間は長くても1分以内にしましょう。
筋トレは筋肉を追い込むのが基本。
それなのに休憩を長時間してしまうと筋肉が休まりすぎてしまい、筋トレの効果が減少してしまいます。
理想は30秒以内、筋トレの負荷を増やしたい人なら10秒以内~ほぼノータイムですると効果大です。
私はいちいち時間を計るのが面倒なので、「深呼吸6~10回で休憩終了」といった感じで筋トレしてます。
だいたいこれで20秒~30秒ほどになるのでちょうどいい目安になります。
時計を用意したり、筋トレ中に見たりするのが面倒な人は、自分の呼吸の数で時間を覚えておくといいでしょう。
呼吸にかかる時間には個人差があるので、一度自分で計ってみてください。
筋トレが終わったあとにすること
トレーニングが終わってもすべきことはあり、筋肉を増やすことが目的の人には大事なことばかりです。
特に栄養摂取はトレーニング直後だけでなく、睡眠中でも重要になります。
ここを知らない人もいるため、ゴールデンタイムで栄養摂取しても筋肉が大きくならない人は覚えておきましょう。
ストレッチ
筋トレが終わったらストレッチをして筋肉をほぐしましょう。
主な役割は2つあります。
・筋肉に栄養を供給する
筋肉をほぐして血行を良くすると「乳酸を押し流す」「栄養を供給する」ことができます。
運動をすると筋肉から乳酸という成分が出ますが、これが多いと筋肉痛が長引いたり筋肉が治るのを阻害する原因になります。
「酸」とつくだけあって乳酸は細胞を傷つけてしまう酸性です。
そして乳酸はその場に滞留するため、放置すると筋肉だけでなく他の細胞も傷つけてしまいます。
おまけに筋肉が栄養を補給するのもジャマしてしまうので、筋肉が治るスピードも遅くなり効率よく大きくなりません。
その結果筋肉痛が無意味に長引く原因になってしまいます。
筋肉の状態を良くして筋トレの余韻を邪魔しないためにも最低限のストレッチくらいはしておきましょう。
ゴールデンタイムの栄養補給
筋トレ後の時間に必ず食事をして栄養補給しておきましょう。
筋トレ後は筋肉をつくるためにたんぱく質などの大量の栄養が必要となります。
しかし栄養が不十分なまま放置しておくと筋肉が小さくなってしまいます。
それでは本末転倒です。
筋トレ直後から栄養が必要になってくるのでゴールデンタイムとなる筋トレ後45分以内に充分な栄養補給をしましょう。
睡眠中の栄養補給
睡眠中に栄養が不足しないように寝る少し前にも栄養補給しましょう。
睡眠中にも筋肉は作り続けられています。
しかし睡眠中の7時間ほどは飲まず食わずの状態のため、体内の栄養が不足しやすいです。
体内の栄養が無くなると筋肉の増量がストップしてしまうため、睡眠中でも栄養が体内にある状態にする必要があります。
そのため夕食後と就寝の間に何時間もあるようなら、軽くでいいのでプロテインなどを摂取して栄養補給しておきましょう。
おすすめは「カゼインプロテイン」や「ソイプロテイン」。
これらのプロテインは吸収が穏やかなので、何時間も継続してタンパク質を筋肉に供給し続けられます。
逆に吸収効率が良い「ホエイプロテイン」や「BCAA」などでは、栄養の供給が一過性のため持続性は無いです。
このようにプロテインでも種類によって使い方が違ってくるので、各サプリメントの特性をよく理解しておきましょう。
正しいトレーニングで効果をアップ
以上で、筋トレで意識しておくことをそれぞれ簡単に説明してみました。
トレーニングなんて、熟練者でもやってる最中には苦痛を伴います。
しかしそのキツイトレーニングの効果が薄ければ、やっても無駄骨。
同じトレーニングの量なら、どうせなら効率的にやりたいもの。
余計な時間を減らすためにも、これらのことを意識して筋トレをしてみましょう。