食べ物の消化時間。消化の早い・遅い食べ物と、効率の良い食事方法

2021年5月24日人体・病気ダイエット,健康,食品・サプリメント

お米・肉・野菜と食べ物の種類は多いですが、消化にかかる時間はそれぞれ違います。

特に、小食だけどたくさん食べたい人。

こうした人は食べ物の種類と食べる順番を変えると、いつもより多く食べれることもあります。

食後の胃もたれを少なくすることも可能です。

あるいは、野菜でも消化時間が長くなってしまうケースなどもあります。

今回は食べた物がどれくらいで消化されるのか?

それを参考にした食事の仕方も書いていきます。

食べ物を消化するには

「食べ物は胃で消化する」と思っている人、それは正確ではありません。

胃液を含めて、食べ物を消化するものはこれだけあります。

消化液名 出る場所役割
唾液口腔内炭水化物・脂質の分解
胃液たんぱく質の分解
胆汁肝臓脂質の分解
髄液膵臓炭水化物の完全消化
腸液小腸たんぱく質・
脂質の完全消化

代表的な胃液は、数ある消化液の一つに過ぎません。

おまけにそれぞれ役割が違っており、消化できる食べ物も違います

3大栄養素たる「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」は、メインで消化できる消化液が決まっています。

ついでに複数の段階を得て消化しているため、どれか一つが欠けると消化がしにくくなります。

唾液

口腔内で分泌される消化液が唾液で、炭水化物と脂質の分解をします。

数ある消化液の中で、唯一自分で消化具合を調整できるのが唾液です。

主食たるお米やパンなどの穀物類は、唾液が混ざらないとうまく消化できません

脂質は特に消化に時間がかかる栄養なので、ここでの分解具合でも消化に影響が出ます。

何回も噛むか、ただ飲み込むかで、消化具合は違ってきます。

別の役割として、口腔内の殺菌の役割も担っています。

虫歯などの予防もしているため、口腔内が乾燥すると菌類が繁殖しやすくなります。

胃液

代表的な消化液の胃液はたんぱく質の分解をします。

ここでは主に肉類の消化をしています。

ただし、たんぱく質がここで分解されても、すぐにアミノ酸にはなりません。

あくまでアミノ酸に変わり「やすくする」だけで、本格的な消化は最後の「腸液」で行われます。

胃液は強酸性の塩酸なので、ここでも雑菌などの殺菌をしています。

胆汁

胆汁は肝臓から出ており、小腸に入る直前、胃から出た食べ物に混ざります。

胆汁は脂質の消化…厳密には「乳化」して柔らかくします

しかし胆汁がうまく分泌されないと、腸での消化がされにくくなります。

脂質は特に消化がしにくい栄養なので、ここでの乳化が消化のされやすさを左右します。

ちなみに小便が黄色っぽくなるのは、胆汁の成分が巡り巡って混ざるからです。

膵液

膵液は膵臓(すいぞう)から分泌され、小腸に入った食べ物全ての消化をします。

小腸に入ってくる食べ物は、すでに唾液・胃液・胆汁で消化しやすくなっています。

これらをさらに消化やすくするのが髄液です。

ただ3大栄養素の内、これで完全に分解されるのはでんぷん(炭水化物)だけです。

炭水化物が完全に分解されると、ブドウ糖に変わります。

しかし糖尿病や膵炎などで膵臓に不調があると、食べ物の最終的な消化ができなくなります。

腸液

消化の最終工程が小腸で分泌されるのが腸液です。

腸液は胃液などで分解されやすくなった、たんぱく質や脂質を最後に消化します。

たんぱく質はアミノ酸へ。

脂質は脂肪酸へと変化します。

これで消化作業は終わりになります。

消化にかかる時間

まず最初に消化にかかる時間を、食品別で短い順に並べていきます。

果物 :20~30分
野菜 : 1~2時間
炭水化物 : 2~4時間
たんぱく質 : 4~6時間
脂質 : 7~8時間

このように一般論の「あっさりしたものは消化にいい」「こってりしたものは消化に悪い」ということになります。

ただ注意したいのが、これらは完全に消化される時間の目安です。

唾液や胃の中で消化され始めれば、短い時間でもその時間分は消化されます。

少しづつでも消化されたものが、腸で順次吸収されていく仕組みになってます。

量が多い・少ないなどでも消化時間は変わってきます。

また野菜といった本来は消化間が短い食品でも、消化時間が長くなってしまう調理法もあります。

では消化時間が早くなる・遅くなる場合を紹介していこうと思います。

効率良く消化する方法

食事の仕方を変えれば、例え同じメニューでも消化時間を短くすることもできます。

どんな食材でも共通しているので、誰でもすぐにできるものばかります。

食後の胃もたれがヒドイ人は、これらの方法を試してみましょう。

よく噛んで食べる

定番ですがよく噛んで食べれば消化がしやすくなります

先ほども書いたとおり、消化作業は口に含んだ瞬間から行われています。

代表例が「唾液」です。

唾液というのは胃液と同じく、消化液の一種。

唾液は炭水化物と脂質の分解をする消化液です。

逆に言えば穀物系や油分は胃では消化されません

そのため、食べた物によく唾液を混ぜないと糖質や脂質といった栄養を吸収できません。

胃液や胆汁などと違って、自分の意思で消化しやすくする作業ができます。

その消化・吸収効率を良くするために、よく噛むことが大事になります。

他にも噛むことにより脳が「食事をしている」と認識し、胃の活動を活発にしてくれます。

ダイエット目的の人だと特に有用です。

脳が「ヒスタミン」という神経伝達物質を出し「満腹感」を感じさせ食欲の抑制もしてくれます。

噛む回数が30回以上で効果が出やすいとのことなので、よく意識して食事をしましょう。

消化時間が短いモノから食べる

消化時間が長いものを先に食べると、腸の中で「消化待ち」が起こり詰まりやすくなります。

つまり消化の早いものから食べれば胃や腸の中が空き、胃もたれを抑えることができます。

例として私の朝食を挙げますと

・白米
・目玉焼き
・味噌汁
・惣菜
・トマト
・バナナorリンゴ

というメニューで完食には20~30分程かけてます。

このメニューをスムーズに消化していこうと思うとこうなります

バナナ(果物)

トマト(野菜)

惣菜(野菜)

味噌汁(野菜)

白米(炭水化物)

目玉焼き(たんぱく質・脂質)

この順番なら、最初に食べたバナナなどの果物は食事の終わり頃には消化され、トマトもそれなりに消化された状態になってます。

こうすればバナナの分は胃の中で空いているので、少しは食べる量も増やせます。

たくさん食べないといけない人なら、スムーズに食事を進めるためにこの方法を試してみましょう。

逆に最初に目玉焼消化が進まないので、後から食べた分が胃の中で順番待ちになり詰まってしまいます。

こうなると胃もたれ・消化不良の原因にもなるの、胃が弱い人にはオススメしません。

食後によく胃もたれになる人は、消化時間を踏まえた順番で食べると少しは改善されるので試してみましょう。

食後に横になる

食後安静にすることで胃の中で安定して消化することができます。

最も良いのは病院や介護のベットのように角度がついた状態で寝ることです。

立ったり座った状態だと食べ物の重さが真下に向くため、胃などで排出作業がしにくいです。

特に胃下垂といった特定の症状が出ているとさらに悪くなります。

20~30分も横になれば胃の調子も安定してきます。

胃もたれが酷い人は試してみましょう。

ただ横になる際の注意点が頭(喉)が胃の位置より下にならないこと。

頭の高さが胃と同じかそれ以下だと、胃にあるものが逆流してくる可能性があります。

枕などで頭を少し高くしましょう。

寝る際の姿勢は顔を右にして寝ると胃で消化されたものがスムーズに腸に流れていきます。

寝る姿勢ができない人はイスなどで楽な姿勢をとっても効果があります。

ただし猫背のようにお腹(胃)を圧迫する姿勢は避けてください

胃に負担をかける原因になります。

同じ種類でも消化時間は違う

食べ物はその食材の状態によって、同じ種類でも消化時間に違いが出てきます。

いくつかパターンがあるので参考にしてください。

噛みやすいものは消化時間が短い

同じ種類の食品でも、噛んで細かくできるものほど消化はしやすくなります

例えば同じ炭水化物の白米とお餅で比べてみましょう。

白米…水分が多い・簡単に噛んで細かくできる
お餅…水分が少ない・噛みにくいので、ある程度の固まりのまま胃に入る

このように同じ炭水化物でも白米のほうが胃の中で細かい状態から消化されるので、消化にかかる時間は少なくなります。

俗にいう「あっさりしたもの」「胃にやさしい」ものは消化が早く

逆に「腹持ちがいいもの」は消化が遅いといえます。

細かくなると消化が短い

食べたものは細かくなればなるほど消化する時間は少なくなっていきます

噛んで細かくするというより、食材そのものの状態です。

例えば白米とパンで比べてみます。

白米…ご飯粒をそのまま炊く
パン…粉末状にしたパン粉を焼く

白米と違ってパンは元が粉末なので、消化するの時間は少なく済みます。

肉類でも切り肉を焼いた焼肉より、ミンチ肉のハンバーグの方が消化時間も少なくなります。

わざわざ粉末レベルにまでしなくとも、一口サイズといった風でも違いが出ます。

消化を早くしたいなら具材を小さめにして調理しましょう。

発酵食品は消化が早い

ヨーグルトや納豆・漬物などの発酵食品はすでに食材の分解が進んでいるため消化は早くなります。

発酵食品は乳酸菌などの働きで「たんぱく質→アミノ酸」と、消化されてできる成分になります。

発酵食品にはこのように「消化プロセスを終えた栄養」が含まれています。

発酵食品はすでに消化されたあとの状態のようなもので、消化の工程を省いて吸収できます。

また発酵食品は食材自体の分解が進んでいるため、柔らかいものが多いです。

漬物が分かりやすい例で、もともと硬い大根や人参が簡単に食べれる状態になっています。

柔らかければ噛む労力も少なく済み、食事のときの負担を減らせます。

早めに栄養を摂りたいなら発酵食品を選んで食べてみましょう。

油を使った料理は消化が遅い

油を使って調理すると、どんな食品でも消化は遅くなります

これは調理された食材が油でコーティングされてしまうからです。

例えば「炒飯」のメインは炭水化物ですが、油で炒めているため米の表面が油でコーティングされています

つまり先に脂分を分解しないといけないため、ただの白米より消化に時間がかかります。

油(脂質)は栄養の中で最も消化が遅いです。

少量の油でも、元々の食材の消化時間を大幅に伸ばしやすいです。

野菜炒めなどでも同じで、「野菜だから消化が早い」と思っていると、かえって消化しにくくしていることも。

油を多く使えば、その分消化時間も増えていくので注意しておきましょう。

意外と消化には手間がかかる

消化と一概にいっても、それを行うにはいくつもの工程があります。

特に内臓関係で行われる消化には、自分の意思が介在できません。

胃液の量なんかを自分で調整できるわけでもありませんし。

自分でできる消化を早くする効果的な方法は

・食材の調理法
・食べる順番
・よく噛む

これらしかありません。

食べる前の工程によって、消化の良し悪しが決まると思っておきましょう。