ホエイ・カゼイン・ソイ…タンパク質系サプリメントの特徴と使い方

筋トレ・ダイエットダイエット,筋トレ,食品・サプリメント

筋トレする人には必要不可欠となるタンパク質ですが、効率よく摂取するにはサプリメントが一番。

しかしプロテインひとつとっても「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」と種類があり、そこに「HMB」や「BCAA」なんてもの。

それぞれの製品の特徴を抑えていないと、あまり効果が出なかったりムダなコストにもつながります。

今回はどれが・どんな特徴や役割をもっているのかは紹介していきます。

スポンサードリンク



タンパク質(アミノ酸)系サプリメント

プロテインを始めとして、タンパク質を摂取できるサプリメントは多くあります。

・ホエイプロテイン
・カゼインプロテイン
・ソイプロテイン
・BCAA
・HMB
・EAA

~プロテインとなっているものは「タンパク質サプリメント」、アルファベットのものは「アミノ酸サプリメント」になります。

アミノ酸はタンパク質が消化されてできるものであり、筋肉などの直接的な材料になります。

ただ、そのままタンパク質を摂取しても消化→吸収の工程が必要なため、筋肉になるまでタイムラグがあります。

しかしアミノ酸系サプリメントは摂取すればそのまま吸収できるので、より早く筋肉ができるようになります。

このためBCAAなどはより効率よくタンパク質を摂取できるようにしたサプリメントです。

しかしだからといってプロテインが劣っているというわけではなく、それぞれに適した使い方があります。

各サプリメントの特徴と最適な使用方法を理解し、効率の良い摂取の仕方を覚えましょう。

スポンサードリンク

ホエイプロテイン

まずはプロテインの代表となる「ホエイプロテイン」。

大抵プロテインというとコレを指すことが多いです。

「ホエイ(ホエー)」は水に溶けやすいタンパク質のことで、牛乳から乳脂肪や後述するカゼインを取り除いて生成されます。

意外と筋トレをしない人でも馴染みがあり、ヨーグルトの上澄み液もこのホエイになります。

ホエイプロテインの特徴

ホエイの一番の特徴はプロテインの中でも吸収効率が良いことでしょう。

他の種類のプロテインよりも消化・吸収が早く済むため、ゴールデンタイムなどすぐにタンパク質が欲しいときに役に立ちます。

元々水に溶けていたものを乾燥させて粉末にしているので、再度水に溶かすことも容易です。

水などに溶かして飲めば手間もかかりませんし、筋トレ後の水分補給も同時にできます。

とにかく筋トレで使いやすいプロテインといえるでしょう。

他の特徴としては、味付けや栄養の配合のバリエーションが豊富な点があります。

ホエイプロテインはプロテインの代表としてどこでも販売されており、そのため種類も豊富になってます。

タンパク質のみを配合した安価なタイプ。

ビタミンなど他の栄養を配合し、栄養の補給効率を良くしたタイプ。

後述するカゼインプロテインやBCAA・HMBなどを配合し、タンパク質の吸収スピードに緩急をつけたタイプ。

味付けも豊富でバニラ・チョコレートといった定番のものから、ヨーグルト・イチゴ・バナナ・マンゴーなど、かなりの種類の味付けがされています。

味が違ってもタンパク質量などに変わりはないため、問題もありません。

こんな人におすすめ

先ほど書いたようにホエイプロテインはプロテインの中でも吸収効率が良いので、ゴールデンタイムなどの運動後の摂取が最適です。

よく運動して筋肉痛になりやすい人なら、早期のタンパク質摂取で筋肉の増大や筋肉痛の緩和がしやすいです。

また他のプロテインよりも味付けが多彩なため、今のプロテインの味に飽きたら別の味に変えたりと、自分好みの味を探しやすいです。

プロテインバーなどを自作する場合でも味の多彩さは助かります。

値段も安価な製品もあるため、初めての人でも手を出しやすいです。

後述のBCAAなどは効果も高いですが値段も高いため、軽めのトレーニングやダイエット目的の人ならホエイプロテインでも十分でしょう。

カゼインプロテイン

あまり店舗で見かけることのないのがカゼインプロテインです。

カゼインとは凝固しやすいタンパク質のことで、ヨーグルトやチーズの固形部分がカゼインとなります。

カゼインは変わった特性を持っており、酸性の液体と混ざると凝固します。

チーズはこの特性を利用しており、酸性の強いレモン汁など牛乳に入れれば、一般家庭でも簡単にチーズが作れます。

ヨーグルトでも乳酸菌の働きで酸性になるため、それで牛乳が凝固して固形ヨーグルトになります。

これらの過程で凝固せず水に溶けやすいホエイと分離されています。

カゼインプロテインの特徴

カゼインプロテインは吸収されるのが遅い…というか穏やかなプロテインです。

そのため、ゴールデンタイムなどのすぐにタンパク質が必要な場面の使用は向いていません。

これだけだと役に立たないように思えますが、適した使用方法は全く別で継続的にタンパク質を摂取したいときに有効です。

特に就寝中などの長時間タンパク質を摂取できない場合や、そこまでタンパク質を必要としていない場合など。

カゼインはゆっくり消化されるので、徐々にタンパク質を供給したいときや、長時間に渡って吸収し続けられます。

ホエイは吸収効率が良い反面、すぐに摂取した分が枯渇しやすい弱点を持ってます。

体内に常に一定のタンパク質を持っていたいならカゼインプロテインの使用がおすすめです。

最近ではホエイプロテインにカゼインを混ぜたプロテインも販売され始めています。

こんな人におすすめ

カゼインプロテインは吸収がゆっくりなため、体内のタンパク質を切らしたくない人におすすめです。

筋肉というのは運動をしたとき、少なからず自分(筋肉)を分解してエネルギーに変えています。

それを防ぐのがエネルギーに変わる糖質であり、再生させるのにタンパク質が必要です。

しかし平日の仕事中など、なかなかプロテインを摂取できる時間が無い人もいるでしょう。

そもそも会社にプロテインを持っていきたくない人も。

そんな人は朝の内にカゼインプロテインを摂取しておけば、数時間かけてタンパク質を吸収し続けることができます。

あるいは先ほど書いたように、就寝中など体内のタンパク質が枯渇しやすい時間の前に摂取するなど。

ゴールデンタイムのように筋トレと直結した使用法ではないものの、こうした間接的な使用法にカゼインは適しています。

スポンサードリンク

ソイプロテイン

ソイプロテインは大豆から作られた植物性プロテインです。

大豆は「畑の肉」と称されるほどタンパク質が多く、栽培できるので入手も容易です。

こうしたことからホエイやカゼインといったプロテインの代替品として作られています。

ソイプロテインの特徴

ソイプロテインもカゼインと同様、ゆっくり吸収されるプロテインです。

そのため就寝中や日中の継続的なタンパク質摂取に使えます。

一番の特徴は原料が大豆(ソイ)のため、コレステロールや飽和脂肪酸などの太る要素が少なくなっています

他のプロテインなどのサプリメントは、原料が牛乳という動物性タンパク質から作られています。

動物性タンパク質は良質なものが多く、誰でも一定の効果を得やすいです。

しかしその反面コレステロールなども多く含むため、ダイエット目的の人だと微妙にネックになることがあります。

しかしソイプロテインは動物性のものが含まれないため、例え多く摂取しても太りにくいです。

なにより大豆特有のビタミンといった他の栄養素も含まれているため、含まれる栄養素の種類はホエイなどよりも多いです。

このためダイエット用のプロテインとして販売されているものも多いです。

値段も安いものが多く、ビタミンなどの栄養素込みの1kgで3000円以内に収まる製品も多いです。

プロテインの中でも誰でも扱いやすい敷居の低さも特徴でしょう。

こんな人におすすめ

ソイプロテインは扱いやすいプロテインのため、おすすめできる人の種類も増えます。

・ダイエット目的
・そこそこのトレーニング量
・低価格

こうした人に向いてます。

筋肥大を狙ったり、キツイ筋肉痛になっている人はホエイプロテインなどが適してます。

しかしギリギリ筋肉痛になるか・ならないかくらいの運動量の人もいるでしょう。

しかしある程度は筋肉がついて欲しい…と、こういった人にソイプロテインはおすすめです。

ビタミンなどの補助栄養素も含むため、ダイエットをしながら適度に筋肉をつけていくこともできます。

値段も安いものが多いため、サプリメントにそこまでお金をかけたくない人でもOK。

急激な筋肥大は狙いにくい弱点がありますが、ストイックにトレーニングをやる人でもなければソイプロテインでも十分に効果はあります。

「筋トレ御用達」とイメージのあるホエイプロテインよりも、「健康志向」な面が多いです。

BCAA

BCAAはアミノ酸系サプリメントで、筋肉を作るのにに必要なアミノ酸が複数配合されています。

タンパク質(アミノ酸)の吸収効率という点においてはプロテインの上位互換といえます。

BCAAの特徴

BCAAは分枝鎖アミノ酸(Branched-Chain Amino Acids)の略称で、必須アミノ酸の一つ(というか三つ)になります。

BCAAに配合されているアミノ酸は以下の3種類。

・バリン
・ロイシン
・イソロイシン

バリンは「筋肉に栄養を供給」、ロイシンは「筋肉の維持と増強」、イソロイシンは「筋肉にエネルギーを供給」する役割があります。

この3種類のアミノ酸で筋肉をバランスよく作ることができます。

タンパク質が消化・分解されることでアミノ酸になりますが、筋トレ時のバリンなどのアミノ酸の必要量はかなり多いです。

そのためプロテインだと必要摂取量が増えてしまいます。

例えばプロテインの推奨摂取量は30gですが、BCAAでは10gほどにまで少なくなります。

このように吸収効率の面や使用の手間が減るのが、BCAAを始めとしたアミノ酸サプリメントの特徴です。

こんな人におすすめ

BCAAはプロテインに満足できなくなってきた人におすすめです。

筋トレなどを続けていると、プロテインだと筋肉の増大が頭打ちになる人も出てきます。

特にキツイトレーニングをしていたり、ヒドイ筋肉痛になりやすい人。

これはプロテインだと筋肉の修復や増大が間に合わなかったりするのが原因です。

そこで吸収効率が良く、筋肉を増やすのに必要なアミノ酸が多く含まれているBCAAを使えば、今まで以上に筋肉を作りやすくなります。

プロテインだと効きが悪くなってきたと感じてきたらBCAAに変えてみましょう。

HMB

BCAAと並んで販売されているHMBもアミノ酸系サプリメントで、特定の成分に特化しています。

ただBCAAとは違う特徴や使い方なので、人によっては充分に効果を出せない場合があります。

よくHMBの性質を理解して、適した使い方をしましょう。

HMBの特徴

製品名にもなっている「HMB」とは、「ヒドロキシイソ吉草酸(Hydroxy 3 – Methy Butyrate)」で、頭文字をとってHMBと略されています。

HMBは先ほど紹介したロイシンがさらに分解されてできるもので、筋肉の増強に直接的に必要になる成分です。

そのためゴールデンタイムなどに摂取すれば、ロイシンの筋肉の維持・増強をさらに効率良く行えます。

プロテインやBCAAで摂取したロイシンはそのまま同量がHMBに変換されるわけではなく、精々その一割程度。

計算上ではBCAAなどで1回10グラムのロイシンを摂取しても、筋肉を作るのに使えるのは1グラムしかありません。

ハードな筋トレで筋肉を作ろうと思うなら、1日に3~4グラムほどのHMBが必要とされています。

つまり筋肉を大量に作りたいなら、10グラムといった単位のHMBが必要になります。

もちろん日々の食事に含まれるタンパク質からもロイシン→HMBと作られますが、効率が良いとは言えません。

2~3グラムのHMBを摂るには、ステーキ1枚(タンパク質約30g)を食べてようやく、といった話もあるくらいです。

そこでHMBに特化した配分のサプリメントにして、効果的に筋肉の材料を補給しようというわけです。

こんな人におすすめ

HMBの性質上、やはりたくさん筋肉を増やしたい人におすすめです。

プロテインやBCAAでは、1回の摂取では良くて1グラムのHMBしか摂取できません。

しかしHMBなら1回の摂取量でも十分に数グラムのHMBを摂取できるので、筋肉増強の効率も上がります。

またHMBは他のサプリメントと違ってタブレット式(錠剤)で販売されていることが多いです。

粉末状のプロテインやBCAAと違い何処にいても、それこそ会社の昼食時でも手軽に摂取できます。

ただ注意点としてHMB単体ではあまり効果は見込めません

BCAAの項目で解説したとおり、筋肉を効率よく作るにはHMB(ロイシン)の他にバリン・イソロイシンが必要です。

しかしHMBにはそれしか含まれていないため、筋肉を作るエネルギーの供給などができません。

おすすめの使い方はHMBをプロテインやBCAAに混ぜて摂取するというやり方。

この方法なら筋肉を作るのに必要なタンパク質を揃えられるため、より筋肉増強がしやすくなります。

EAA

EAAは近年販売され始めたアミノ酸系サプリメントです。

役割はBCAAやHMBと同じく効率の良いアミノ酸摂取のためのサプリメントですが、やはり特徴や使い方には違いが出ます。

BCAAとHMBには無いメリットもありますが、補いにくい点もあるため、良く特性を理解しましょう。

EAAの特徴

EAAの名称の由来は「必須アミノ酸(Essential Amin Acid)」とダイレクトなもの。

その名の通り人体に必要な必須アミノ酸のほとんどを配合したサプリメントです。

明確な特徴としてはホエイプロテインの完全上位互換となっています。

BCAAやHMBで摂取できるロイシンといったアミノ酸は、確かにダイレクトに筋肉の増量に影響を与えます。

しかしそれ以外のアミノ酸もかなり間接的にですが、筋肉の増量に役に立っています。

例えば「リジン」は糖質をエネルギーに変化させ、「トレオニン」は肝臓に作用して体内に栄養を放出させます。

このように遠回りながらも筋肉を作るのに役立つので、摂取しても損にはなりません。

それどころか「必須」と書かれる通り、人が生きる上で必要な栄養素でもあります。

プロテインでもこれらの必須アミノ酸は摂取できますが、消化というプロセスの為に吸収まで少し時間がかかります。

EAAはBCAAなどと同じくタンパク質をアミノ酸化してあるので、摂取後すぐに吸収できます。

こうしたことから、ホエイプロテインでのタンパク質摂取を、さらに効率よくしたサプリメントとなります。

こんな人におすすめ

EAAはBCAAと同じく、普通のプロテインでは効果が薄くなってきた人におすすめです。

ただBCAAと違って配合されている各アミノ酸の量は平均化されて少なくなってます。

BCAAは筋肉増量のアミノ酸特化で、EAAはそれらを含めた必須アミノ酸をオールラウンドに摂取できるようにしています。

各製品にもよりますが、EAAにおける「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の配合量は、BCAAの半分前後になります。

そのためBCAAからEAAに変えた途端に筋肉が増量しやすくなる訳じゃありません。

より効果を上げたいならプロテインやHMBと一緒に摂取するのがおすすめです。

これで筋肉増量に足りない分のロイシンなどを補填でき、かつ必須アミノ酸を満遍なく摂取できます。

各サプリの特性と組み合わせ

ではここまで紹介してきたサプリメントで、特性や摂取するのに最適な使い方の一覧です。

単品で使う場合から、2種類のサプリを組み合わせた場合の効果も紹介します。

目的別

まずは目的ごとに、どのサプリメントが適しているかの一覧。

 筋肉増量BCAA
EAA
HMB
ホエイプロテイン
 長時間のタンパク質不足の解消カゼインプロテイン
ソイプロテイン

単純に筋肥大やダイエットが目的なら、BCAAなどの即効性のあるサプリメントがおすすめ。

しかし就寝中や仕事中など、長時間タンパク質が摂取できない場合に対応するならカゼイン・ソイが適してます。

単品で使うならこうなりますが、組み合わせることでより効果を出すこともできます。

筋肉増強特化

より筋肉を多くつけたいなら以下の組み合わせがおすすめ。

・ホエイ + HMB
・BCAA + HMB
・EAA + HMB

吸収効率の良いホエイなどにHMBを混ぜることで、より筋肥大が狙いやすくなります。

ロイシン(HMB)は単体では吸収効率が悪く、他のタンパク質(アミノ酸)が必要です。

そのため多くの種類のタンパク質を早く摂取できるサプリメントと組み合わせるのが適しています。

ハードなトレーニングで筋肉を傷めつけているなら、これらの組み合わせで効果的に筋肥大を起こしましょう。

即効性と遅行性

早くにタンパク質を吸収しつつ、徐々に緩やかに吸収させたいならこちらの組み合わせが最適です。

・ホエイ + カゼイン
・ホエイ + ソイ
・BCAA + カゼイン
・BCAA + ソイ
・EAA + カゼイン
・EAA + ソイ

吸収が早いホエイ・BCAA・EAAに遅行性のカゼイン・ソイを混ぜることで、筋トレ後すぐにタンパク質を吸収しつつ、持続性を持たせられます。

ホエイなどは吸収率が良い反面枯渇も早く、タンパク質切れも早くなります。

そこをカゼインなどでカバーすれば、筋トレ後数時間に渡ってタンパク質を供給し続けられます。

特に夜にトレーニングをしている人は、就寝中にタンパク質切れを起こしやすいのでおすすめの組み合わせになります。

目的ごとに使い分けるのがベスト

様々なタンパク質系サプリメントが販売されていますが、自分の目的によって使うサプリに違いが出ます。

特に筋肥大を狙っている人なら、最低でも2種類のサプリを使うのがベストです。

ゴールデンタイムには吸収効率の良いホエイやBCAAといったものを。

そしてせっかく鍛えた筋肉が減らないよう、カゼインといった遅行性のサプリで就寝中や仕事中などに対応。

こうすれば絶えずタンパク質を体内に保つことができるので、筋肉を作り続けられます。

一種類のサプリで伸びが悪くなってきたら、特性ごとに使い分けることもしてみましょう。

スポンサードリンク