自作ヨーグルトにおすすめの種菌。おいしい・固まる市販ヨーグルト
ヨーグルトを自作するには、一部の種類を除いて販売されているヨーグルトを種菌にするのが一般的。
しかしヨーグルトを作れる乳酸菌にも種類がたくさんあります。
どのヨーグルトを種菌にすればいいか迷う人もいるかと。
中には種菌のヨーグルトとは味などが変わったり、うまく固まらないヨーグルトもあります。
今回は今までで印象深く、おいしかったヨーグルトの種菌。
そしてイマイチな出来のヨーグルトを濃厚なヨーグルトにする方法を紹介します。
ダノン ビオ(DANONE BIO)
自作ヨーグルトでおすすめの種菌No1が「ダノン ビオ(DAONE BIO)」。
かなり割高ですが、その値段に恥じない完成度と味をしています。
使われている乳酸菌は「ビフィズス菌 BE80」。
ビフィズス菌特有の効能として、「下痢」「便秘」の改善効果があります。
自作ヨーグルトは、種菌にしたヨーグルトに比べて風味などが劣化しやすいです。
が、ビオは劣化も少なくうまく固まってくれるため、自作するのに適したヨーグルトになります。
公式サイトによれば使われている乳酸菌はビフィズス菌の一種の「BE80菌」がメイン。
他にも5種類の乳酸菌を使っているとのこと。
自作していて、他のヨーグルト(乳酸菌・ビフィズス菌)よりも耐熱性があるように感じます。
「少し温度が高かったかな?」なんて思っても、うまく固まることが多いです。
感覚としては、うまく固まる適正温度の範囲が35~38℃くらい。
自作ヨーグルトがうまく固めるためには、設定温度が命。
他の乳酸菌だと1℃違うだけで固まらないケースもあるため、温度設定のミスのカバーがしやすいです。
ビオで自作し続けて特に印象深かったのが、ビオを水抜きヨーグルト(ギリシャヨーグルト)にしたとき。
水抜きしたビオに砂糖を入れると生クリームのような食感と味がするくらい濃厚になります。
使っている牛乳は他の自作ヨーグルトと同じ。
いかにヨーグルトの風味に乳酸菌が関わっているかがわかりました。
R-1
R-1は市販ヨーグルトの中でも珍しい「免疫力UP」の効能があります。
使われている乳酸菌は「ブルガリア菌 R-1」。
大抵のヨーグルトは便秘改善などの「整腸作用」が主な効能です。
そのため、R-1は直接的な健康志向なヨーグルトといえます。
ビオに比べると少々柔らかいものの、しっかり固まってくれます。
食べてみるとかなり細かい舌ざわりで、食感はまろやかな感じです。
ただ若干酸味が強いようにも感じます。
…まあしっかり固まるよう、発酵時間を多めに取っているのが原因かもしれませんが…。
しかし設定温度が高すぎると固まらないことがあります。
36℃ほどの低温でじっくり発酵させると成功率が上がります。
これは他のヨーグルトでもいえることなので覚えておくといいでしょう。
カスピ海ヨーグルト
カスピ海ヨーグルトは他のヨーグルトと違い、粘り気や弾力がある珍しい種類のヨーグルトです。
食べる際に食べ応えというものを感じることができます。
普通の自作ヨーグルトでは、水抜きしないと生クリーム並みの食感・濃厚な味になりにくいです。
しかしカスピ海ヨーグルトでは水抜きせずとも粘り気や弾力があるヨーグルトになりやすいです。
このため製品版と変わらない食感を維持しやすいのが特徴。
カスピ海ヨーグルトの乳酸菌は、複数の効能を持っている菌になります。
普通の乳酸菌での効能は1~2種類しか持っていないことが多いです。
例えば先ほど書いた「ダノン ビオ」などに使われるビフィズス菌では「整腸作用」。
雪印メグミルクの「ナチュレ恵」の「ガセリ菌」では「内臓脂肪減少」になります。
しかしカスピ海ヨーグルトに使われているクレモリス菌は「整腸作用」「中性脂肪減少」「免疫向上」「アレルギー緩和」「血糖値の上昇抑制」などと複数の効能があることが確認されています。
特に免疫の向上に関してはインフルエンザにも効果があるともいわれており、予防接種での効果が上がったという効果も確認されているそうです。
アレルギーの抑制では炎症の起きた部分の腫れやかゆみといったものの軽減もできるそうで、花粉症が酷い人にもおすすめになります。
ここまでの効能を持つヨーグルトは他にはないので、食べ応えや健康志向といった点で見ても自作する価値はあると思います。
注意点としては調理の際の保温温度が一般のヨーグルトよりかなり低いことと、保温時間がかなり長くなることが挙げられます。
カスピ海ヨーグルトに使われるクレモリス菌は25~30℃とかなり低い温度でしか繁殖しません。
そのため他のヨーグルトのように37℃前後の温度を設定してしまうと失敗してしまうので注意しましょう。
また普通の乳酸菌では8時間前後でヨーグルトは完成しますが、カスピ海ヨーグルトは完成まで最低でも12時間、長いと1~2日といった時間がかかります。
こうしたことがあるため、他のヨーグルトと同じように調理しないようにしましょう。
またカスピ海ヨーグルト専用の種菌も販売されており、さらにネバネバ感を出させる補助食品もあります。
カスピ海ヨーグルトのつくり方なども含めて詳しくはこちらの記事にまとめてあるので興味があれば参考にしてください。
水切りでより濃厚に
うまく固まったヨーグルトやイマイチな固まり具合になってしまったヨーグルトなど、どんな状態・種類のヨーグルトでも味をより濃厚にする方法があります。
それがヨーグルトの水切りです。
水切りされたヨーグルトは「ギリシャヨーグルト」「グリーンヨーグルト」といわれ、ヨーグルトの余分な水分を取り除いて作られます。
こうすると水分が抜けた分だけ味が濃くなったり、余計な酸味なども抜けてよりマイルドかつ濃厚な味のヨーグルトになります。
個人の感覚もあるでしょうが、水切りしたヨーグルトは生クリームやチーズ並みの味の濃さになることも多く、よりおいしいヨーグルトを食べたい人は一度は試してみてほしい方法です。
自作ヨーグルトではどうしても水分が多くなったり、保温時間が長くなって酸味が増したヨーグルトができやすいです。
市販品と比べて固さがユルイ・味が薄い・酸味が強いヨーグルトになってしまったら、こうすればどんなヨーグルトでも濃厚な味わいになってくれます。
一般的にはキッチンペーパーで水切りするのですが、キッチンペーパーが破れる・水分でベチャベチャになって作業が面倒・ヨーグルトがひっついてロスが出るなど欠点も多いです。
個人的にこの方法だといろいろ面倒だったので茶こしやコーヒードリッパーを使ってます。
こちらも別記事にヨーグルトの水切り方法をまとめてあるので、よければどうぞ。
ちなみに水切りで出た水分は「ホエイ」と呼ばれ、ヨーグルトから溶け出したアミノ酸やビタミンといった栄養がたくさん含まれています。
ドレッシングに混ぜたりと色々使い道はあるのでできるだけ捨てないようにしましょう。
最後に
個人的な味覚や食感から選びましたが、自作する上で特にメリットが多いのが上記のヨーグルトになります。
自作ヨーグルトでも単純に高品質な味や風味を味わいたいなら「ダノン ビオ」、より健康志向な方は「カスピ海ヨーグルト」になります。
ただこれらのヨーグルトは品質が高い反面、量に対する値段も高くなるのがネックです。
普通の400g容量のヨーグルトが100円くらいなのに対し、ダノン ビオは300gで250円前後、カスピ海ヨーグルトは400gで300円ほどと市販品を恒常的に買っているとコストがかなりかかります。
自作ヨーグルトなら牛乳1本の値段でこれらのヨーグルトが1000gはできるため、あまりコストをかけたくない人でも十分に味わうことが可能です。
まだこれらのヨーグルトを作ったことが無い人は、一度は自作して食べてみてください。