水抜きヨーグルトが思ったよりも最高だった。濃厚なヨーグルトならこれが一番
水を抜いたヨーグルトを「ギリシャヨーグルト」と呼びますが、このヨーグルトが意外とかなりおいしいヨーグルトとなっています。
「ただ水分を抜いただけ」と侮るなかれ、簡単な製法にも関わらず味が濃くなったり栄養価が高くなったりします。
普通のヨーグルトとは別物と感じるほど食感などが違うため、ヨーグルトに対する価値観が変わるといっても過言ではありません。
作り方も簡単なため、自宅でただのヨーグルトをギリシャヨーグルトにすることもできます。
今回はギリシャヨーグルトがどんなものかの紹介をしていきます。
ギリシャヨーグルトとは
先ほども書いた通り水切りして固さが増したヨーグルトのことを「ギリシャヨーグルト」。
または「グリーク(Greek:ギリシャ式)ヨーグルト」と呼びます。
普通のヨーグルトに比べてかなりの固さや弾力が出るため、市販品ではチーズかと思うような固さや味になってます。
自作した場合でも簡単に生クリームのような状態になります。
味は砂糖などを加えない限り無糖のヨーグルトと同じですが、少々酸味が残るくらいの風味。
その代わり味を薄める水分が少ないため少量の砂糖でも味が引き立つようになり、総合的なカロリーなどはクリームなどよりもかなり少なくなります。
こうしたことからクリームなどの代用品としても使われることもあり、カロリーオフな食品としても扱われています。
ヨーグルトの水を抜くことによるメリット
ヨーグルトの水を抜くだけでもかなりのメリットが出てきます。
中には普通のヨーグルトで少々不満に思っていることも解消できることがあるため、ヨーグルトで満足できない人でもおいしいと思えるヨーグルトが多いです。
味が濃くなる
ギリシャヨーグルトの一番の特徴として、普通のヨーグルトの数倍は味が濃くなることが多いです。
通常ヨーグルトには砂糖や果汁などを混ぜて甘みを加えることが多いです。
が、ギリシャヨーグルトでは味を薄める水分が少ないため普通のヨーグルトより味が引き立ちます。
こうしたことから無糖のヨーグルトに自分の好みの量を加糖している人や、そもそも味付けができない自作ヨーグルトを作っている人は助かります。
固さや食感は抜いた水の量に比例しますが、感覚としてはチーズと生クリームの間といった風になります。
「普通のヨーグルトじゃ味が薄い」と思って食べるのを敬遠している人にこそオススメできます。
酸味が減る
ヨーグルト特有の酸味がかなり減ります。
大抵はこの酸味込みでヨーグルトを楽しむものですが、中にはこの酸味がうっとおしいと感じる人もいるでしょう。
しかしこの酸味というのはヨーグルトの水分にこそ多く含まれているため、水抜きしてしまえばほとんどの酸味を除去できます。(実際抜いた水はかなり酸っぱいです)
市販品の1食分(70~100g)のヨーグルトはこの酸味が調整されているものがほとんどですが、400gといった多めのヨーグルトだと水分が多くなり、かつ日が経って発酵が進むと酸味が増すことがあります。
酸味が多いと感じる、または発酵して酸味が増してしまったヨーグルトがイヤならいっそ水抜きしてみましょう。
栄養価が高くなる
水抜きによって体積が減ることでヨーグルト本体が濃縮されるため、同じ量の普通のヨーグルトと比べると味だけでなく栄養価も高くなります。
一例として100gあたりの普通のヨーグルト・ギリシャヨーグルト(パルテノ・アテナ)の栄養価の比較がこちら。
普通のヨーグルト | パルテノ | アテナ | |
---|---|---|---|
カロリー | 62 kcal | 100 | 99 |
たんぱく質 | 3.6 g | 9.9 | 7.6 |
脂質 | 3.0 g | 4.8 | 5.4 |
炭水化物 | 4.9 g | 4.2 | 5.2 |
ギリシャヨーグルトの方が普通のヨーグルトより軒並み栄養価が上がっており、特にタンパク質に至っては倍以上の数値に。
普通のヨーグルト100gに含まれる水分量は全体の2~3割(20~30g)になるため、水抜きしたヨーグルトはその20~30g分のヨーグルトが詰め込まれています。
単純にヨーグルト本体の量が増えるためその栄養価も比例して多くなっていくわけです。
ただ逆にいえばカロリー量なども増えてしまうため、ダイエット中に食べ過ぎるのは控えたほうがいいかもしれません。
どうしても食べたいなら味が濃くなる特徴を生かして普通のヨーグルトの半分くらいの量にしてみましょう。
腹持ちが良くなる
水抜きしたヨーグルトは固形に近い食べ物になるため、食べた際の満足感も多くなります。
感覚としては「重量感のある生クリーム」「クリーム状になったチーズ」といった具合なため、普通のヨーグルトよりもかなりずっしりした食べ応えになります。
普通のヨーグルトではかき混ぜると「飲むヨーグルト」状になることも多く、あんまり食べ応えを感じない人もいるでしょう。
ギリシャヨーグルトではまさに「中身が詰まった」ヨーグルトといえるため、ちょっとしたオヤツでも満足感を得たい人にはかなりおすすめになります。
お腹がゆるくなる人に
たまにヨーグルトを食べるとお腹がゆるくなりやすい人がいます(私もそうです)が、水抜きヨーグルトではこうした影響が少なくなります。
お腹がゆるくなりやすい人は「酸味が多い水分」が微妙にお腹に合わないことが原因と思われます。
酸味というのは本来腐ったもの特有のため、「酸っぱい」というだけでイヤな感覚や拒否反応を起こす人もいかと。
ヨーグルトから抜いた水というのは「ホエイ」というのですが、このホエイを含んだ普通のヨーグルトは水のように流動性があるため、消化も早いのですがその分すぐに腸にまで到達します。
そこで腸が「酸っぱいもの = 身体に悪いものを食べた」と判断することでお腹がゆるくなったりします。
しかし水抜きしたギリシャヨーグルトは酸味が少なく、固形に近いのでこういったこともありません。
実際普通のヨーグルトを多く食べた日の夜か翌日の朝はお腹がゆるくなりやすかったですが、水抜きをし始めたらそうしたことは少なくなりました。
個人差があると思うので確実とはいえませんが、ヨーグルトが原因でお腹の調子が変になる人は一度試してみてはどうでしょう。
ギリシャヨーグルトの簡単な作り方
普通のヨーグルト同様に「ギリシャヨーグルト」として販売もされていますが、いかんせん値段が高くなりがちです。
普通のプレーンヨーグルト400gで100円のところが、ギリシャヨーグルト100gで150円前後くらいが普通なくらいです。
そこで低コストでギリシャヨーグルトをつくるには普通のヨーグルトの水抜きすることになりますが、一般的には「ザル+キッチンペーパー」で作り方が紹介されています。
ザルの上にキッチンペーパーを敷いて、その中にヨーグルトを入れて30分ほど放置すれば勝手に水が抜けてギリシャヨーグルトになります。
もっと時間を短くしたり硬さを増やしたいならキッチンペーパーを丸めた上にお皿といった重しを載せる方法もあります。
ただ個人的にですが、この方法だと濡れたキッチンペーパーを触らないといけなかったり、ペーパーにヨーグルトがくっついてロスが出たりとあまり使い勝手が良いとはいえません。
500g~1kgといった大量のヨーグルトをいっぺんに水抜きしたいならこの方法が手っ取り早いですが、1食分のヨーグルトとなるとイマイチかと。
400gパックのヨーグルトでも一度に水切りできる専用の容器もありますし、少々効率は落ちますが日用品の「茶こし」や「コーヒードリッパー」などでも代用できます。
参考にしたい人は別記事にまとめてあるので読んでみてください。
筋トレのお供にも
ギリシャヨーグルトは筋トレの栄養補給としてもかなり優れています。
筋トレで重要なたんぱく質ですが、ギリシャヨーグルトなら1食で7~10gほど摂取できるためゴールデンタイムなどの栄養補給でも使えます。
私は趣味で筋トレと自作ヨーグルトをつくっているのですが、これがうまくかみ合ってゴールデンタイムでの栄養補給兼オヤツとしてギリシャヨーグルトをつくっています。
特にギリシャヨーグルトは普通のヨーグルトに比べて緩やかに消化されるため、睡眠時の栄養補給に向いています。
ヨーグルトは固形部分の「カゼイン」と水分である「ホエイ」と、筋トレしている人なら馴染みのあるもので構成されています。
普通のヨーグルトではカゼインとホエイが混ざり合って水っぽい状態になっているため、消化もかなり早くなっています。
しかし水切りして固形部分のカゼインだけの状態にしてしまえば数時間かけてジワジワと栄養が吸収されるため、栄養が不足しやすい睡眠中などの栄養補給でも使えます。
1食食べるだけで牛乳1.5~2杯分近いたんぱく質も摂取できるので筋トレでの栄養補給の手段としては優れているといえます。
ゴールデンタイムといった早くにたんぱく質を摂取したい場合は普通のヨーグルトを、ジワジワと吸収したい場合はギリシャヨーグルトをといった具合に食べ分けてみるといいです。
最後に
以上のようにヨーグルトの水抜きをすることにはかなりのメリットがあります。
私が初めてギリシャヨーグルトを食べたのは自作したヨーグルトからつくったものですが、水抜き以前のヨーグルトを良く知っているせいか味の変わりようが凄まじかったのをまだ覚えています。
それこそ「ヨーグルト味のチーズ?」「生クリーム?」と思ったほどで、それ以来頻繁に(具体的には1日1回)水抜きしたヨーグルトを食べるようになったくらいです。
私の場合はヨーグルトを自作しているのもあり、自作した人ならよくわかる「水っぽいヨーグルト」に悩まされていたので、それの解決方法としても最適なものでした。
高性能なヨーグルトメーカーでないと水抜き機能がついていないものが大半なため、そういったことで悩んでいる人にこそおすすめしたい方法になります。
はっきりいってギリシャヨーグルトは普通のヨーグルトとは別物といえるほど異なるため、まだギリシャヨーグルトを食べたことが無い人は是非とも食べてみてください。