固いギリシャヨーグルトの作り方。効率の良い水切り方法の検証
ギリシャヨーグルトは普通のヨーグルトの水分を抜くことで作られます。
しかし数十分程度の水抜きでは、ある程度の固さにはなるものの、市販ギリシャヨーグルトほどの固さにはなりません。
ではどの程度水を抜けば、市販されている製品ほどの固さのギリシャヨーグルトになるのか?
必要な水抜き時間や、効率の良い水抜き方法などを検証してみました。
どの方法が効率が良いか?
水抜きする前に、どの方法が一番ヨーグルトの水抜きが早いのか調べます。
・ザルのみ(専用容器も含む)
・コーヒードリッパー(一体化型)
今回の実験ではヨーグルトの量がそこまで多くないため、ザルのかわりに茶こしを使います。
コーヒードリッパーはドリップ紙と容器が一体化している金属製のものを。
ヨーグルトの水抜きの方法は以上のものになるため、この中でどれが一番効率よく水抜きできるのか?
茶こしや専用容器は網目のみで水抜きするため、同じような仕組みなのでまとめてあります。
それぞれの方法のメリット・デメリットは別記事にまとめてあるので、興味があればどうぞ。
水抜きするヨーグルトは大体100gちょっとくらいの量。
30分間だけ水抜きするとこうなりました。
方法 | 元の量 | ヨーグルト | 水分量 |
---|---|---|---|
茶こし+紙 | 125g | 81g | 44g |
茶こし | 121g | 86g | 35g |
ドリッパー | 125g | 80g | 45g |
こうして見ると、茶こし(網目)での水抜きは少し効率が悪いという結果に。
この結果から水抜き方法は「茶こし+キッチンペーパー」か「コーヒードリッパー」のどちらかになります。
ただキッチンペーパーを使うとヨーグルトの移し替え作業などがかなり面倒でした。
ペーパーにヨーグルトが付いたり、濡れたペーパーを触ったり。
おまけにヨーグルトから出る水の「ホエイ」は、タンパク質やビタミンなどが溶け込んでいる液体です。
ペーパーに染み込んだホエイは当然回収できません。
もったいないと感じる人はペーパーは使わないほうがいいでしょう。
ビシャビシャになったペーパーに触れるのがイヤだったり、衛生的に気になる人も同様です。
そのため今回はコーヒードリッパーを使って市販ギリシャヨーグルトを目指そうと思います。
計量する際には「水抜きしたヨーグルトの量」を基準に計算。
抜いた水分量を基準にすると蒸発した分や紙に染み込んだ水分量が計量できず、正確な重さがわからないです。
水抜き開始
では検証開始。
内容としては、
・どの程度固くなるか
この2つに重点を置いてみました。
ただし30分間くらいだとかなり水分が残ります。
そのため数時間単位で水抜きします。
・9時間
・24時間(1日)
とりあえずこの3パターンで検証してみました。
検証した結果がこちら。
経過時間 | 元の量 | ヨーグルト量 | 水分量 |
---|---|---|---|
4時間 | 115g | 65g | 50g |
9時間 | 115g | 65g | 50g |
24時間 | 120g | 60g | 60g |
4~9時間の水抜きでは変化が無く、24時間経ってようやくヨーグルト全体の半分の水分が抜けました。
ちなみに4時間と9時間で抜けた水分量は全体の43%ほどになります。
24時間水抜きしたヨーグルトがこちら。
コーヒードリッパーから移した際に、形が崩れることなくそのままになっています。
このくらいの固さになるとチーズの匂いがしてました。
実際、この方法で作るチーズもあるそうです。
どの程度の固さがあるのか、スプーンで縦に割って確かめてみます。
このように形が崩れずそのまま左右に割れるくらいの固さにはなっています。
ただこのくらいの固さになっても市販品のギリシャヨーグルトの固さには及びませんでした。
水抜き後にペーパー
こちらは一度水抜きしたヨーグルトをキッチンペーパーで包んで残った水分を染み込ませる方法です。
とりあえずコーヒードリッパーで1時間ほど水抜きしたヨーグルトで試してみます。
まずドリッパーで1時間の水抜きした結果。
元の量 | ヨーグルト量 | 水分量 | |
---|---|---|---|
ドリッパー | 122g | 72g | 50g |
これでできたヨーグルト72gからキッチンペーパーで水分を吸い取ります。
写真のように染み込んできたら、下の写真のようにペーパーの端を内側に折り込みます。
ぺーパーの端が上を向いているとなかなか水が染み込んでいきません。
こうすればペーパー全体で水分を吸い取ることができるようになります。
そんなこんなで10分ほど放置。
元の量 | ヨーグルト量 | 水分量 | |
---|---|---|---|
ペーパー | 72g | 65g | 7g |
最終的にはヨーグルト122gの内、57gの水分を抜くことができました。
この方法で抜いた57gの水分は、ヨーグルト全体の122g中の46%。
先ほどの9時間水抜きしたヨーグルトよりも多いことになります。
時間も1時間と10分なので、かなりの時間短縮につながっています。
ペーパーを2枚・3枚と増やせば一度に吸収できる水分量も増えます。
もし固いヨーグルトを短時間でつくりたいならこの方法がオススメでしょう。
結論
ヨーグルトの水抜きで一番効率の良い方法は、1時間ほど水抜きしたあとペーパーで残りを吸い取るという方法になりました。
ただしこれでも少し水分が残るため、結果としては市販品に近いギリシャヨーグルトを作るのはかなり難しいという結論に。
今回は最長で丸一日、冷蔵庫に放置してます。
衛生的にこれ以上はちょっとあやしいかな、という感じが。
ただクリーム状にするなら1時間くらいで済みます。
ぶっちゃけ水分の蒸発も視野に入れて水抜きしないといけない気が…。
はっきりいってそこまでして食べたいかといわれると微妙。
ちょっと時間もかかりすぎます。
どうしてもたくさん固い自作ギリシャヨーグルトを食べたい人もいるでしょう。
そんな人は1キロ単位のヨーグルトをまとめて水抜きしたほうが良いでしょう。
②ヨーグルトに残った僅かな水分をキッチンペーパーに染み込ませる
こうした方法を取れば、まとめて大量のギリシャヨーグルトを用意できます。
できるだけ固いギリシャヨーグルトを自作したいなら参考にしてください。
蛇足:水切り機能搭載のヨーグルトメーカーも
方法、とは少し違いますが、水切り機能が搭載されているヨーグルトメーカーもあります。
それが「クビンス ヨーグルト&チーズメーカー」という製品。
このヨーグルトメーカーはできたヨーグルトを容器に入れたまま水切りできるようになります。
やり方は遠心力を利用した水切りで、メーカーに容器をセットしたまま回転させることで水分を分離できます。
少々値段が高いのがネックですが、水切りヨーグルトをまとめて作りたい人にはおすすめのメーカーです。