ヨーグルト作りで注意すべきこと一覧
自作ヨーグルトを上手に作るにはヨーグルトメーカーを使うのが一番です。
しかしいくらヨーグルトメーカーが自動で作ってくれるとはいえ、「安全な」ヨーグルトを作るために気をつけることはいくつもあります。
これを守らないと最悪食中毒の可能性も出てきます。
自作ヨーグルトを作ろうとしている人は、今回紹介する注意点を守って安全なヨーグルトを作るようにしてください。
ヨーグルトを作る上での重要な要素
ヨーグルトを作る際に重視したいのが「雑菌の消毒」と「乳酸菌を増やす」ことです。
この2つを軽く見るとヨーグルトができないと思ってください。
自作ヨーグルトの場合は衛生管理が行き届かない場合が多いため、少しの油断で雑菌が繁殖するおそれがあります。
自作ヨーグルトでお腹を壊した場合は、雑菌の消毒が不十分なことが多いです。
また乳酸菌が十分に繁殖できないとヨーグルトができません。
よくあるのが
・容器の底の方だけヨーグルトになってた
こうした失敗が多いです。
これはヨーグルトメーカー・ヨーグルトの種類に関係なく起こりうるので、これから説明することに絶対に注意するようにしてください。
雑菌関係の注意点
まずは雑菌に関する注意点を説明します。
絶対に気をつけるべきことなので、ヨーグルトを作る際よく思い出してください。
基本的なこと
当然ですがヨーグルト作りの前に手を洗いましょう。
ヨーグルト作りに関わらず、料理の前にはしっかり手を洗って雑菌を落とすのが基本です。
手に雑菌がついたままではどんなに器具の殺菌などをしても意味がありません。
できれば手首辺りまで、しっかりと除菌用の洗剤などでキレイにしましょう。
注意点1:器具の殺菌をしっかり!
ヨーグルト作りに使う器具や食器も、残らず殺菌しておくのも大事です。
ヨーグルトは保温して発酵させる関係上、雑菌も繁殖しやすい環境になっています。
容器の内側や使うスプーンに至るまで、できるかぎり殺菌・消毒しておくことが望ましいです。
まずは器具に付着している雑菌を殺菌しましょう。
殺菌すべき器具は以下のものになります。
・ヨーグルトをすくうスプーン等
・(種菌を取るなら)種菌用の容器
これらの食品が触れる可能性のあるもの全てを殺菌する必要があります。
器具を殺菌するには「熱湯」を使うのが一般的です。
できれば沸騰したてのお湯を使うのが一番。
容器を殺菌する場合は熱湯を最低でも容器の半分以上入れ、スプーンなら持ち手を含んで熱湯に浸します。
ただたくさんの熱湯を用意するのは時間がかかると思う人もいるでしょう。
そんな人は電子レンジに水入りの容器を入れて加熱しましょう。
水入り容器にフタをして電子レンジで加熱して、高熱の水蒸気で容器内を殺菌してしまう方法です。
容器内に1cmくらいの水を入れてフタをし、水が沸騰してから1分ほどは保温し続けたら容器を振って熱湯で洗います。
ただこの方法を使う場合は、容器を電子レンジで使えそうか確認してください。
電子レンジでは沸騰したての熱湯よりも高温になるので、熱で変形しやすくなります。
注意点2:雑菌の混入を防ぐ
上記の器具の殺菌と同じくヨーグルト作りの最中に雑菌が入らないようにします。
これは器具の殺菌をしても気をつけることなので、セットで覚えてください。
雑菌が混入するのは、これらの場合が挙げられます。
・牛乳やヨーグルトを入れる瞬間
・古い牛乳やヨーグルトを使う
牛乳や種菌を入れる瞬間は容器のフタが開いているため、その隙にホコリ(雑菌)が入ってしまうからです。
雑菌の混入を防ぐには容器のフタを極力長い時間開けないことが重要です。
フタを開けているとその分ホコリと一緒に雑菌が入りやすくなります。
そのため容器に牛乳や種菌を入れるときは素早く作業し、それ以外は容器のフタを開けないようにしましょう。
あとこれは牛乳やヨーグルトの容器も同じです。
容器の殺菌が済んでいても材料に雑菌が交じっては意味がありません。
古い…というか、開封してから時間が経った牛乳などでは雑菌が入り込んでいるか可能性があります。
できるだけ未開封かつ新品の牛乳やヨーグルトを使ったほうが成功率も上がります。
注意点3:服装に注意
ホコリが入らないように服の袖は巻くっておきましょう。
種菌を入れるとき袖が容器に近いと、袖についたホコリが容器に入ってしまう可能性があります。
似た理由でホコリが付きやすい、モコモコしたような服を着て作業するのもやめましょう。
冬場に起きやすいので、最低でも袖を肘くらいまで巻くってから作業しましょう。
注意点4:風
室内に風が舞っている状態で作業するのもやめましょう。
風で舞った雑菌が混入しやすくなります。
窓から入ってくる風だけでなく、扇風機やエアコンの風でも同じです。
要はホコリが舞い上がるような環境下での作業は厳禁ということ。
室内のホコリが舞わないよう、無風状態を維持しつつせわしく動き回らないようにしましょう。
できれば1人だけで作業するのがベスト。
使うヨーグルトの注意点
ここからヨーグルトの種菌である乳酸菌について解説します。
ここに気をつければしっかりヨーグルトができるようになります。
注意点1:フタを開けてないヨーグルトを使う
種菌にするヨーグルトはフタを開けてない新品のヨーグルトを使いましょう。
雑菌の注意点でも書きましたが、容器のフタが開いたヨーグルトでは雑菌が入ってしまっている可能性があります。
そのため雑菌が混入している可能性が少ない、まだフタを開けてない状態のヨーグルトを種菌にしましょう。
注意点2:新鮮なヨーグルトを使う
種菌にするなら賞味期限がまだある新鮮なヨーグルトを使いましょう。
ヨーグルトを作るには種菌に含まれる乳酸菌の働きが重要になります。
賞味期限が近い=製造されてから時間が経っているため、乳酸菌の活動が鈍っていることがあります。
乳酸菌の働きが鈍るとヨーグルトの出来が悪くなるので、出来るだけ新鮮なヨーグルトを種菌にしましょう。
注意点3:果物・果汁入りのヨーグルトは使わない
果物や果汁の入ったヨーグルトを種菌にするのはやめましょう。
果汁などにはヨーグルトの結合を阻害する成分が含まれています。
その果汁が原因でヨーグルトが固まらなかったり、乳酸菌の働きが阻害されることが多いです。
種菌に使うのに最善なのは「プレーン」か「加糖」と書かれたものに限定しましょう。
注意点4:あらかじめ砂糖を入れるのは控える
ヨーグルト作りの最中に砂糖などを入れるのはやめましょう。
例えば牛乳を容器に入れた段階で砂糖を入れると、もし砂糖に雑菌が付いていた場合それが原因で雑菌が混入してしまいます。
砂糖などを入れるのはヨーグルトを食べる直前にして、ヨーグルト作りの最中は「牛乳」「種菌」など最低限必要なものに限定しましょう。
試しに砂糖を入れてから保温してみましたが、まったく固まりませんでした。
牛乳がもったいないので1回しか試してませんが、もし砂糖込みのヨーグルトを作る際には一度少量のヨーグルト作りで試すようにしましょう。
注意点5:種菌の引き継ぎは3~4回まで
引き継いだ種菌を使ってヨーグルト作りをする場合、3~4世代ほどで使用するのをやめましょう。
種菌の引き継ぎというのは、自作したヨーグルトを種菌にして次のヨーグルトを作ることです。
最初は新鮮な乳酸菌(種菌)でも何回も代を重ねるごとに弱っていきます。
乳酸菌が弱れば活動も鈍るためヨーグルトがうまくつくれなくなったり、雑菌の繁殖を抑えられなくなります。
それだけでなく乳酸菌そのものが病気になる場合があります。
病原菌の中には他の菌を宿主として繁殖する種類もおり、乳酸菌がこの菌に感染すると活動が鈍ったり害になる場合があります。
こういったことを防ぐために、ヨーグルト製造メーカーではその都度種菌を新しいものに変えてヨーグルトを作っているそうです。
自作ヨーグルトでも同じで、自作ヨーグルトを種菌にするのは数世代に留め、そのたびに新しいヨーグルトを種菌に変えるようにしましょう。
注意点6:種菌の保管方法
市販されているヨーグルト・自作したヨーグルト問わず、種菌として使いたいなら以下のことに注意しましょう。
保管容器を殺菌
種菌を保管する際はしっかり殺菌された容器を使いましょう。
ヨーグルトから種菌を取り出して後日ヨーグルトづくりに使う場合、かならず雑菌が混入しないよう殺菌された容器に入れましょう。
もちろん取り出す際にはスプーンなどを熱湯消毒などして殺菌してから使いましょう。
容器に空気が入らないようにする
種菌を保管する際、容器の中で種菌が空気に触れないようにしましょう。
乳酸菌の中には「嫌気性」という空気(酸素)に触れると死んでしまう種類がいます。
このため容器内の上のほうの空気が少なくなるよう、容器の大きさ・入れる種菌の量を調節しましょう。
ヨーグルトメーカーの中には小さめの容器で小分けにしてヨーグルトを作れるタイプもあります。
これなら出来上がった種菌ヨーグルトを密閉状態のまま保存できます。
そういったメーカーを使うと、種菌の管理がラクになります。
ヨーグルト作り = 殺菌作業!
ヨーグルト作りの作業は、大半が殺菌のための作業に費やされます。
ヨーグルトを自分で作るのはいいですが、ヨーグルトは食品であり、乳酸菌or雑菌が繁殖しやすい環境で作られるものです。
しかし家庭内では完全に清潔な空間を作るのはまず無理です。
今回紹介したことに気をつけて、安全でおいしいヨーグルトを作りましょう!