ケフィアヨーグルトの効果と作る際の注意点。市販されてない理由も
数多くのヨーグルトが販売されていますが、自分で作ることでしか食べることができないヨーグルトがあることはご存じでしょうか?
それが「ケフィアヨーグルト」という種類のヨーグルト。
昔のCMで「いいえ、ケフィアです」と聞いた人もいるのでは?
このCMで有名になった、他のヨーグルトよりも得られる効果が多い「ケフィアヨーグルト」の紹介をします。
ケフィアヨーグルトの効果
ケフィアヨーグルトは通常のヨーグルトとは違う効果がいくつもあります。
代表的なのが「ダイエット効果」と「ビタミン」などの栄養価でしょうか。
ダイエット効果
ケフィアヨーグルトは他のヨーグルトよりもダイエットに貢献してくれるヨーグルトです。
ケフィアヨーグルトには乳酸菌の他にも酵母菌がたくさん含まれています。
この酵母菌は腸内で余分な糖質を食べてくれるので、脂肪が増えるのを防いでくれます。
食後の血糖値やコレステロール値の増加も防いでくれるので、糖尿病の予防にも貢献してくれます。
炭水化物が多い食生活だと感じているなら、ケフィアヨーグルトも併せて食べてみましょう。
ビタミン等の栄養
ケフィアヨーグルトに含まれる酵母菌はビタミン等の栄養を多く作り出してくれます。
酵母菌は代謝・繁殖の際にビタミン等の栄養を生み出しています。
先ほど酵母菌は糖質を多く食べると書きましたが、多く食べた分だけ生み出す栄養も増えていきます。
乳酸菌も同じように栄養を生み出したりしますが、酵母菌のほうが多く生み出しています。
おまけにビタミンは運動の際に糖質や脂肪を分解するのにも使われるので、これもダイエットの一助にもなります。
「脂肪を減らせてビタミンを取れる」ヨーグルトといえるでしょう。
整腸効果
ケフィアヨーグルトも他のヨーグルト同様に整腸効果を持っています。
そのため便秘・下痢の改善に役立ち、効率的に体内のデトックスをしてくれます。
デトックスが進めば、身体の至る所によい効果があります。(くわしくは後述)
免疫力UP
腸内の善玉菌を増やしてくれるため、免疫力がUPします。
善玉菌が増えれば腸内で病原菌が吸収されるのを防いでくれます。
腸内の善玉菌が減ると、大腸菌などの有害な菌が増え、体内に入ってきた病原菌を防げなくなってしまいます。
食中毒…とまではいきませんが、よくお腹を壊したり風邪を引きやすい人は効果の高いケフィアヨーグルトで予防してみましょう。
美肌効果
肌の健康を維持し、美肌効果があります。
これは整腸効果で体内の有害物質を排出できるため、体内に有害物質が回らなくなる結果、肌が健康になるためです。
肌のシワやたるみの改善にも効果があり、肌にハリを戻す効果もあります。
なぜ「自作」でしか食べられない?
ケフィアヨーグルトを自作でしか食べられないのは単純明快、絶対に売っていないからです。
スーパーなどのヨーグルトコーナーを探してみても、どの店でもケフィアヨーグルトを販売していないはずです。
なぜ販売していないかというと、ケフィアヨーグルトの作られ方が少々厄介だからです。
ケフィアヨーグルトができる過程で炭酸ガスが発生します。
コーラとかの炭酸飲料のアレです。
しかし炭酸飲料と違い、リアルタイムで炭酸ガスが発生するため「容器が破裂してしまう」のです。
普通のヨーグルトは発酵しても、炭酸ガスといった急激に膨張する気体は排出しません。
しかしケフィアヨーグルトは商品棚に陳列されている間も発酵しているため、店舗で長期間の保管ができないんです。
「じゃあ空気穴を空ければいいじゃん」と思いますが、ここで問題になるのが「食品は密閉状態で保存されなければならない」という日本の法律。
食品の安全上当然といえますが、このため「生」ケフィアヨーグルトを容器に入れて販売することができないのです。
こういった理由からケフィアヨーグルトを食べるには自分で作るしか方法がありません。
ケフィアヨーグルトの作り方
ケフィアヨーグルトを作るには専用の種菌を用意する必要があります。
種菌は粉状にして低温保存しており、炭酸ガスを発生したりしないので問題なく販売しています。
これを牛乳に入れてヨーグルトを作っていくことになります。
販売されている種菌は数袋に小分けされています。
1袋で500mlくらいのケフィアヨーグルトを作れたりするので、一回購入すればかなりの量のケフィアヨーグルトを楽しめます。
ヨーグルトメーカーを用意
ヨーグルトを安全かつ確実に作るにはヨーグルトメーカーを使うのが一番です。
温度設定もできるので、季節に関係なくヨーグルトを作れます。
ケフィアヨーグルト以外の他のヨーグルトもOKですし、甘酒や機種によってはチーズや味噌なんかも作れたりします。
発酵食品ならかなり種類を作れるので、興味がある人は他の発酵食品も自作してみましょう。
ヨーグルトメーカーの種類や使い方はこれらの記事に詳しく書いてあるので参考にしてください。
注意点
作る手順は普通のヨーグルトと似通ってますが、かなり違う点がいくつかあります。
・使う容器の形状
・できるまでの時間
・種菌
ケフィアヨーグルトではこれらの点を抑えて置かないと失敗しかねないので、しっかり覚えておきましょう。
①温度は30℃以下
ケフィアヨーグルトは通常のヨーグルトと違い25℃前後で作りましょう。
ケフィアヨーグルトの酵母菌は乳酸菌より熱に弱く、低い温度でしか繁殖しません。
推奨されているのは23~28℃くらいと、かなり低め。
しかし夏場などの暑い時期なら室温でも十分作れたりします。
常温でも自然と適正温度になるため、放置気味でもしっかり固まってくれます。
普段ヨーグルト作りをしている人はいつもの調子で温度設定しないようにしましょう。
②容器の通気をする
先ほど書いた通り、ケフィアヨーグルトを作っていると炭酸ガスが発生します。
そのため膨張したガスが原因で容器が破裂する・こぼれることを防ぐために、フタを少し開けてガス抜きできるようにしましょう。
普通のヨーグルトメーカーの容器だと密閉できるようになっているため、しっかりフタを閉めるのはNG。
一部だけ少し開けておきましょう。
ガス抜きできる容器が無いなら「レンジで使える保存容器」のようなものが空気抜きできるようになっています。
③かかる時間
ケフィアヨーグルトを作るには12~24時間かかるため、かなりの長丁場になります。
牛乳なら24時間以上・豆乳なら12時間くらいと、元にする素材によってできる時間がかなり違いが出ます。
最初に今作ろうとしているケフィアヨーグルトがどれくらいの時間でできるかの確認をしておきましょう。
④殺菌・消毒
どんなヨーグルトづくりでも当たり前ですが器具・容器の殺菌・消毒は徹底しましょう。
ヨーグルトの酸味は雑菌の繁殖を抑える効果もありますが、ケフィアヨーグルトは普通のヨーグルトより酸味が薄い = 雑菌の防止効果も低いので、比較的雑菌の繁殖の可能性も高まります。
しっかりとした殺菌・消毒処理をしましょう。
⑤次回用の種菌の扱い
自作したヨーグルトを種菌にすることはできますが、ケフィアヨーグルトだと上記の雑菌を抑える効果が低いので、あまり推奨されないようです。
乳酸菌は発酵する際に酸性の液体を作ります。
これがヨーグルトの酸っぱさの元で、雑菌の繁殖を抑える効果も持ってます。
しかしケフィアヨーグルトを作る酵母は、こうした酸性の液体を作らないので、雑菌も繁殖しやすくなっています。
そのため自作したケフィアヨーグルトを種菌にすると、その雑菌も受け継いでしまいやすいです。
するにしても2~3世代分くらいで使うのはやめた方が無難といえます。
自分で作って、自分で味わう
以上でケフィアヨーグルトの紹介を終わります。
昔テレビCMで見て以来スーパーで探しましたが見つからず、自分で作るしかないと知ったときは少々残念でした。
しかし今では多くのヨーグルトメーカーが販売されており、ヨーグルトを自作するのは簡単になってます。
記事中で説明した通り、ケフィアヨーグルトは他のヨーグルトよりも効果が高いです。
ヨーグルト作りの経験がある人はもちろん、まだ無い人でもケフィアヨーグルトを自作して堪能してみましょう!