自作ヨーグルトが固まらない原因。ドロドロにならないヨーグルトの種菌や作り方
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを自作しても、うまく固まらないことがあると思います。
あるいは、うまく自作ヨーグルトを作れても、数日経つとドロドロになってしまうことも。
特に1リットルといった大量のヨーグルトを自作すると、こうしたことが起こりやすいです。
しかしすべてのヨーグルトでこうなる訳ではなく、固まりやすい・固まりにくいヨーグルトに分かれています。
あるいはつくり方次第でしっかり固形化したヨーグルトにできるので、ヨーグルトがうまく固まらない人は参考にしてください。
ドロドロになる原因
ヨーグルトがドロドロになってしまう原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目の作っている最中で固まらない原因は、乳酸菌の働きが悪いため。
2つ目の作った後にドロドロになってしまうのは、ホエイが原因です。
乳酸菌というのはかなり温度変化に敏感で、温度が低いとかなり活動が鈍り、温度が高いと死滅してしまいます。
温度が低い場合は保温時間を伸ばすことで対処もできますが、もし高温で死滅してしまうとどうしようもありません。
乳酸菌が活動できる適温は35~39℃の間です。
ただ乳酸菌の種類によっても上下するため、どんなヨーグルトを種菌にしても固めたいなら36・37℃で設定します。
少し温度が低くても、保温時間は8時間もあれば固まるので大丈夫です。
ただ、せっかく固まったヨーグルトでも、保管している間にドロドロになってしまうことがあります。
この原因はヨーグルトの上澄み液の「ホエイ」です。
ホエイはヨーグルトが固まる際に余分となった水分が集まってできています。
そのため放置すると固まったヨーグルトと混ざってしまい、液状化したヨーグルトになりやすいです。
特に一度スプーンなどで掬って形状が変化したヨーグルトだと混ざりやすいです。
ヨーグルトがうまく固まってられるのは、出来たての状態のままの間だけです。
しかし形状が崩れるとそこからホエイが流れ出し、巻き添えで固形化したヨーグルトも流れてしまいます。
解決するにはより固まりやすいヨーグルトを種菌にするか、どうにか水分量を調節するしかありません。
ただホエイには水分だけでなく液体化したタンパク質(アミノ酸)やビタミンといった栄養素も含まれているため、「液体となった透明ヨーグルト」ともいえる代物です。
このホエイはドレッシングなどとしても使うことができるので、捨てるにはかなりもったいないです。
しかしヨーグルトを固めるには少々邪魔になるのも事実で、このホエイをどう処理するかも固めのヨーグルトを作る上で重要な部分となってきます。
固まりやすいヨーグルト
まずは固まりやすいヨーグルトでランキングを作ってみました。
最低限のラインとしてスプーンで掬ってもあまり崩れないくらいの固さのものに限定しています。
完全分離型
ヨーグルトを大きい容器で1リットルほど作ったあと、スプーンで掬ったあと数日経ってもヨーグルトとヨーグルト液(ホエイ)が完全に分離していたヨーグルトです。
これらのヨーグルトはかなり固まりやすい種類になります。
ダノン ビオ | |
---|---|
Bifixヨーグルト | |
ナチュレ恵 | |
R-1 |
乳酸菌そのものが強かったり、多種類の乳酸菌を使っているためか、かなり結合が強いタイプのヨーグルトです。
成功率もかなり高いので、種菌に迷っているならこれらのヨーグルトを使いましょう。
最初は固まっているヨーグルト
こちらはできたてならよく固まっているのですが、あとあとホエイなどと混ざってしまうことがあったヨーグルトです。
ですがスプーンで掬った1~2日後くらいならまだ塊になっているため、早めに食べればそこまで混ざりはしません。
ブルガリアヨーグルト | |
---|---|
ビヒダス |
ヨーグルトがよく固まる牛乳
ヨーグルトに使う牛乳はタンパク質6g以上、乳脂肪3%以上と表記されたものを使いましょう。
ヨーグルトを作るは牛乳に含まれるタンパク質が重要で、このタンパク質が多いほど固まりやすくなります。
乳脂肪3%以上の牛乳ならしっかり固まるほどのタンパク質が含まれているため、固形化したヨーグルトを作りやすいです。
ただ注意したいのが乳脂肪が4%を超えると少々固まりにくくなってきます。
乳脂肪はヨーグルトの味の濃さや味わいを深くする効果がありますが、多すぎると固まるのを妨げてしまいます。
逆に乳脂肪が少ない牛乳だとタンパク質の量も少なくなっているので、ヨーグルトが固まらす「飲むヨーグルト」になってしまいます。
「低脂肪牛乳」などがこれにあたります。
経験上固まりやすかったのが乳脂肪3%以上・4%以下の牛乳だったので、うまく固まらない人は試してみてください。
ホエイを取り除く方法
ここからはヨーグルトの上澄み液となるホエイそのものを取り除く方法になります。
より濃厚なヨーグルトを食べたいときや、保管中にドロドロになってしまうのを防ぎます。
ホエイを「こす」
茶こしのように細かい網などでホエイをこして取り除きます。
ヨーグルトの水分を取り除くための専用の容器もあり、500ミリリットルくらいのヨーグルトを一度に分離できたりします。
一部のヨーグルトメーカーには専用のヨーグルトこしが付属しているので、そういったヨーグルトメーカーを選んでもいいです。
金属製のコーヒードリッパーでも可能です。
ただ市販の茶こしのようなものを使うならできるだけ網目が細かいものを使いましょう。
網目が大きいとヨーグルトそのものも落下してしまいます。
ただ取り除いたホエイが残ってしまうので、なんらかの形で飲んでしまいたいところです。
先ほど書いたようにホエイには「透明なヨーグルト」ともいえるもので、栄養価は固形ヨーグルト同様にかなり高いです。
さながら豆乳を作ったあとのおからのごとく。
ドレッシングとして使う方法などもありますが、私の場合は牛乳と混ぜてその場で飲んでます。
さすがにドレッシングとして数日保管するのは不安なので即日で処理するようにしています。
再度いいますが栄養価はかなり高いので捨てるなんてもったいないことはしないように。
注意点としては分離させたヨーグルトは早めに食べてしまいましょう。
分離のためにヨーグルトを空気に触れさせてしまうと、雑菌が付着する可能性が増えてしまいます。
雑菌は時間が経てば経つと増えるので、最長でも1週間以内には食べきってしまいましょう。
もしそういった危険を無くしたいなら、次に紹介する「分離機能付きヨーグルトメーカー」を使いましょう。
分離機型ヨーグルトメーカーを使う
洗濯機みたいに回転による遠心力で水分を飛ばせるヨーグルトメーカーもあります。
こちらはいちいち掬って水分を抜く必要がないので、調理上の手間をかなり減らせます。
水分を飛ばすことによってできるギリシャヨーグルトも作ることができるので、作れるヨーグルトのバリエーションも増えます。
おまけに雑菌の混入をかなり減らせるのもポイント。
メーカーの中でホエイを抽出するため、手作業でするよりも衛生的に優れています。
そのため取り出したホエイをそのまま冷蔵庫に保管すれば衛生上安全ですし、まとめて取り出せるので量も多いです。
ホエイを日を置いて再利用したい人にはオススメのヨーグルトメーカーになります。
スキムミルクを使う
スキムミルク(粉ミルク)を使えばヨーグルトの水分量を少なくできます。
スキムミルクを水で溶かせば牛乳の代わりとして使えるので、同じようにヨーグルトを作ることが可能です。
そのためスキムミルクを溶かす水の量を少なくすれば、ヨーグルトができたときに出てくるホエイ(水分量)を減らせます。
ただ注意点としてスキムミルクで作ったヨーグルトを種菌として使うのはオススメしません。
牛乳は殺菌保存されているため衛生的ですが、何回も封を開けて使われるスキムミルクでは雑菌の混入の可能性が増えます。
1回限りならさほど問題ありませんが、種菌として使うと雑菌も引き継がれやすいです。
スキムミルクで作った牛乳を使うなら、その都度新しいヨーグルトを種菌として使うようにしましょう。
小分け容器を使う
水分を取り除く方法ではありませんが、小さな容器でヨーグルトを作ればドロドロになりません。
小分け容器とは一部のヨーグルトメーカーで採用されている、一度に食べきれる量のヨーグルト容器になります。
大体150~200ミリリットル以内の量で作れるので、市販されているヨーグルトと同じくらいの量になります。
ヨーグルトがドロドロになる原因はスプーンで一部分を掬ったことによってホエイが染み出してしまうことです。
ヨーグルトが固まり切っていない・柔らかいとホエイと混ざりやすいのですぐにドロドロになってしまいます。
逆にいうとスプーンで掬うなどの手を加えないままなら数日経っても塊になったままです。
つまり小分け容器で作れば数日経ってもヨーグルトは食べる直前まで塊のままの状態を維持しています。
大きい容器も付属しているため1リットルといった量のヨーグルトも作れるので安心してください。
最後に
固めのヨーグルトを作る上で重要な部分ややりかたは以上のようになります。
大抵のヨーグルトメーカーでは1リットルほどの量でヨーグルトを作るものも多く、その分ヨーグルトが型崩れしやすくなります。
その分固まりやすいヨーグルト選びやホエイを取り除く方法は大切なファクターです。
いろいろ試してみてしっかり固まったヨーグルトを作ってみましょう。