便秘と判断される症状と原因・解消方法の一覧
誰しも経験したことがあるだろう「便秘」ですが、一概に便秘といっても判断する基準はいくつもあります。
実際には2~3日くらい便が出ない軽度のものから、1週間以上の長期にわたって出ない重度なものなど。
人によって経験している便秘には違いが出ると思います。
しかも毎日快便だったのに、突然便秘気味になる人も。
では便秘はなぜ起こるのか?
そこのところを解説します。
便秘とは?
まず一般的に「こうなったら便秘」といった便秘の定義について解説します。
ただ便秘について世界共通の定義はないらしく、それぞれの国では少々異なった解釈をされているようです。
とりあえず便秘と判断されている基準を書いていきます。
・腹痛
・下腹部のふくらみ
・ガス(オナラ)の量
・残便感(出したのにまだ便が残ってる感じ)
・排便時に肛門が痛い
医学的にはこれらを総合的に見て便秘かどうか判断するそうです。
大抵は「3日以上便が出ない」と簡易的に便秘だと判断されることも多いようです。
逆にいうと1日便が出ない程度では、便秘と見なされないか、極めて軽い症状といえます。
便秘になる原因
便秘はどんな人でもなる可能性があり、中にはかなり理不尽な理由のものもあります。
・食事内容
・運動不足
・便秘の連鎖
日常で改善できるものもあれば、自力ではどうしようもない原因もあります。
女性だとなりやすい
かなり理不尽ですが、「女性である」というだけで便秘になる可能性がハネ上がります。
具体的には男性の倍以上。
便が通る・溜まるのは「腸」の部分ですが、腸内運動がスムーズなら自然と便は排出されます。
しかしちょうど腸の部分に、女性にはあって男性にはないものがあります。
それが「子宮」です。
この子宮が腸のある部分のド真ん中にあるため、腸の形が入り組んだものにならざるを得ません。
このため男性より女性の腸のほうがグネグネとしたものになるため、便がスムーズに移動しづらくなっています。
「女性のほうが男性より便秘になりやすい」のはこれが原因です。
不規則な食事
朝・昼・晩の食事を不定期に、あるいは摂らなかったりすると便秘の原因に発展しかねません。
本来食事のあとには食べたものが新しい便になるため、体内にある古い便を排出しようという命令が出ます。
これは脳が判断しているのではなく脊椎反射の要領で命令が出ます。
熱いものに触れた瞬間に手を引っ込めるのと同じで、身体に対する命令が脳を経由していません。
そのため、自分の判断・命令で便を出すことは困難です。
定期的に食事をしていればこの命令が正常に出されますが、不規則な食事をすると命令が出る頻度が減少・メチャクチャになります。
そのうち身体が「便を出そう」とする反応を出さなくなります。
便が溜まって出す準備も万端なのに、「命令がないから出さなくていーや」と放置されているようなものです。
リズムよく排便するなら朝食を抜いたり、不定期な食事をしないように心がけましょう。
腸内運動の低下
便を出す(移動させる)ために、腸は便を前に前にと押し出すように動いています。
なんらかの理由でこの腸内運動が低下すると、便が腸内を移動せずに「詰まって」しまいます。
運動しなかったりすると腸内運動が緩慢になります。
座ってばかり・寝てばかりの生活をしていると腸に刺激が加わらず、便が詰まる原因に。
糖尿病といった生活習慣病から大腸ガンといった深刻なものが原因のこともあります。
たかが便秘と思っているとヤバいことになりかねないので注意してください。
食物繊維が足りない
食事の中の食物繊維が足りないと便秘になる可能性もあります。
実は便には食べたものの残りはほとんど残っておらず、食物繊維といった消化できないものしか残っていません。
食べたもので便のなるのは食物繊維といった極一部で、これが多いと便の「核」になりやすく便をひと塊にしやすくなります。
逆に食物繊維が少ないと便の形が整わなかったり、量が少なすぎて排便する意思が少なくなったりします。
漠然と「食物繊維で便秘解消」と知っている人は、こういう理由があることもついでに覚えましょう。
腸を圧迫する
何らかの理由で恒常的に腸に圧力が加わった状態になると、腸がうまく動かなくなり便が移動しにくくなります。
例えばお腹に脂肪がつきすぎるとこんな状態になりやすいです。
特に注意したいのが体内に脂肪が溜まる「内臓脂肪」です。
お腹の外側につく脂肪と違って、内臓脂肪はダイレクトに腸などの内臓を圧迫してきます。
他にも胃が下に垂れ下がる「胃下垂」でも同様に腸内運動が阻害されます。
こうした理由でも便秘の原因になるので覚えておきましょう。
※ちなみに筋肉(腹筋)は腸を支え、腸内運動を促進してくれるのでジャンジャンつけましょう。
便が固い
便の水分が抜けて固形化してくると腸内を移動するのが難しくなり、出すのも苦労するようになります。
別記事で便の大部分は水分でできていると紹介しましたが、その水分があるからこそスムーズに腸内を移動・排出できます。
その水分が抜けると、
↓
便が出にくくなる
↓
便の水分が抜ける
↓
固い便ができる(以下ループ)
と便秘の悪循環を起こします。
単純に摂取している水分量が少ない・汗などで体内の水分が過剰に抜ける・大腸内に長く便が留まる…。
こうして水分が抜けていくと便は固くなっていきます。
便秘の解消法
ではお待ちかね(?)の便秘の解消法の紹介をしていきます。
食べ物はよく噛む
食べ物をよく噛んでから呑み込みましょう。
まずは食べたものがしっかり便になるよう、消化しやすいよう食べたものを細かくします。
そうすれば消化・吸収がスムーズに行われるので、しっかりとした無駄のない便ができやすくなります。
特に肉類はしっかり噛んで細かくしないと消化不良を起こすこともあります。
決して「丸呑み」なんて食事法は取らないようにしましょう。
食物繊維がある食事
定番ですが食物繊維の多い食事をすると便をつくる・出すのに役立ちます。
食物繊維は胃などで消化されず、そのまま便として出てきます。
食物繊維が多いとその分便の「核」になり便自体をかさ増しすることもできます。
これで便をまとめて出すことができるようになります。
麦・いも・豆類といった炭水化物系や、野菜はもちろん海藻類・きのこにも特に多く含まれています。
できれば毎食これらが入った1品を食事メニューに加えましょう。
食事時に水分をよく摂る
食事のときにコップ1~2杯分くらいの水分も摂りましょう。
これは「食べ物に含まれる水分」とは別にです。
固い便を作らないようにするには便の水分量を増やすしかありません。
しかし食べ物そのものに含まれている水分量では、人が生きるために必要になる最低限レベルくらいしかなりません。
そのため飲み物以外の水分だけだと大腸でほとんど吸収されて「水分が抜けた固い便」ができやすくなります。
柔らかい便を作る余剰分として、コップ1杯分くらいは別で飲むようにしましょう。
ただし食後の別の時間だと効果が低くなることがあります。
すでに便ができた状態で別に水を飲んでも、便に染み込む前に大腸に吸収されてしまいます。
水のみなので余計に吸収されやすいのでなおさらです。
食事中に「食べたものに水分が混じった状態」にすることで、便の中に水分が留まりやすくなります。
逆に言うとすでにできている便を水で柔らかくする効果は低いです。
これからできる便を柔らかくする方法として覚えておいてください。
腹筋する
筋トレで代表的な腹筋をすると、腸を刺激して便を移動させることができます。
腹筋にも色々と種類がありますが、ここでやりたいのは体育の授業でよくやったであろう「シットアップ(上体起こし)」といわれるタイプの腹筋です。
このタイプの腹筋だとダイレクトに腸に刺激が加わり、かつ腹筋の伸縮運動で腸を動かすこともできます。
30回×3セットといった本格的なものほど効果が高くなりますが、10回や20回×1セットだけでも効果はあります。
ただ腹筋ローラー(アブローラー)などの器具を使った腹筋だと、そこまで腸を動かせないので効果が低くなる傾向にあります。
「腹部をよく伸縮させる」ほど効果が高くなるので、腹筋を試す人は覚えておいてください。
また腹筋が鍛えられてくると、腸といった内臓を支えられるようになるので、正常な腸内運動がされやすくなります。
腹回りの脂肪も減らせるので、太っている人は試してみましょう。
(個人的)牛乳+きな粉
個人的に効果がある(と思っている)のが、牛乳ときな粉を混ぜて飲んでます。
一日一回これを飲んでみると
・便が柔らかくなり、スムーズに出てくる
と、こんな感じで快便です。
飲まない日が続くと少々出が悪くなったり、便が固くなったりするので、少しは効果があると思ってます。
ただ最初に書いた通り私個人での効果なので、万人に効果があるかはわかりません。
…まあ別に危険なものでもないので、悩んでいる人は試してみてください。
便秘が悪化すると出てくる症状
ここからは簡単にですが、長期間便秘になると出てくる症状を紹介します。
日常生活レベルで困るものから、病院でお世話になるほど厄介なものもあるので、便秘気味の人はよく覚えておきましょう。
吐息に便臭
はっきりいうと吐く息に便(オナラ)の臭いが混ざります。
対人関係では特にヤバい症状です。
普通は腸内の臭いが逆流しないような仕組みになっていますが、腸内に便が溜まりすぎるとその分ガス(オナラ)ができるので、わずかとはいえ口から出てくるようになります。
他者と接することが多い職場などだと人間関係にヒビを入れかねないので、早めに改善したいところです。
腹痛
日常的に腹痛が起きることが多くなります。
便には体内の毒素も混じっているため、そんなものがずっと腸の中に溜まっていれば当然身体にも害があります。
腸は水分を吸収する大事な役割がありますが、同時に便にしみ込んだ毒素も体内に取り込んでしまう恐れも出てきます。
少量なら問題ないですがあまりにも便が溜まりすぎると許容値をオーバーして、日常的に腹痛が頻発する可能性も出てきます。
血便
血が混じった便、通称「血便」が出る可能性もあります。
便秘などで1~2週間と便が長く腸に留まっていると、その間に便に含まれる水分が吸収されて固い便になっていきます。
固い便になると腸壁を傷つけやすくなり、その傷から血が出て便に混じるなんてことも起きます。
ただの傷と血ならまだ(比較的)マシですが、後述する「大腸がん」の原因にもなるので厳重に注意しましょう。
大腸がん
特に気を付けたいのが「大腸がん」です。
便(毒素)が溜まりすぎて長時間腸に刺激が加わり続けると、それが原因でがんができる可能性も出てきます。
大腸がんになっても痛みを感じることは少ないです。
それは腸内には他の内臓同様に神経が通っていないので、初期症状を痛みなどで判断するのは難しいです。
久しぶりに出た便が血が混じっている通称「血便」になっていると、大腸がんの可能性も出てきます。
どんな理由であれ「血」も一緒に出てくるようなら、一度病院で診てもらうことをオススメします。
痔
間接的にですが、便秘が続くと痔をつくる原因になりかねません。
いくら便秘とはいえ1~2週間に一度は出せる人も多いはず。
そのとき出した便が固いと固い便が肛門を傷つけやすくなります。
この場合は俗にいう「切れ痔」ができやすくなり、便秘+痔と最低ともいえる状態になります。
また固い便は腸内を移動する際に腸壁も傷つけやすくなるので、上記の「血便」や「大腸がん」の原因にもなります。
便秘は意外と厄介
とりあえず便秘に関係することを色々書いていきましたが、いかがだったでしょうか?
健康で体調が良い人でもなる可能性のある便秘。
はっきりいって便秘になってからできる確実な対処法は少ないのが現状です。
それこそ下剤でも使わない限り。
便秘を防ぐ・新しい便秘の要因を取り除くには、どれだけ日常生活で気を付けているかで決まることが多いです。
もし便秘になったら、今の便秘に対してと同時に、また便秘になる便を作らないよう気を付けましょう。