ヨーグルトを自作するのに必要なものと手順。大量のヨーグルトをつくる方法と注意点
デザートや栄養食品として紹介されているヨーグルトですが、市販のヨーグルトでは一個一個の量が少ないと感じる人も多いはず。
そこで今回はヨーグルトの消費のコスパをよくするため、誰でもできるヨーグルトのつくり方を紹介します。
ヨーグルトづくりの前に
ヨーグルトをつくるために用意するものはこちら。
・ヨーグルトの種菌
・牛乳orスキムミルク
まずはヨーグルトをつくるためにこれらを用意します。
安定してつくるにはヨーグルトメーカーが必要
カスピ海ヨーグルトのような一部例外はあれど、ヨーグルトを安定してつくるにはヨーグルトメーカーが必須になります。
ヨーグルトメーカーはヨーグルトなどの発酵食品をつくるための器具です。
種類によってはヨーグルトの他に甘酒・納豆といったものもつくれる高性能な製品もあります。
後述しますが、種菌にするヨーグルトによってはつくるのに温度が重要になります。
そのためできるなら「温度調節」の機能があるもののほうがいいです。(大抵のものには標準でついてますが…)
付属品として500mlや900mlくらいの容器が付いてたりしますが、そういったものが無い製品もあるので購入の際は付属品も確かめましょう。
ヨーグルトの素になる種菌
牛乳を発酵させるためには乳酸菌である「種菌」が必要になります。
この種菌は2つの方法で手に入れます。
市販のヨーグルトを使う
市販されているヨーグルトをそのまま種菌として使う方法です。
一番手軽かつ安く手に入りながら、後述するように専門で販売されている種菌が少ないので一般的に使う方法です。
しかしこれだと品質が安定せず、つくり方によっては多少味や固まり方が悪かったりします。
種菌に使うヨーグルトの乳酸菌によっては嫌気性(酸素に触れると死んでしまう性質)のものもあるので、乳酸菌が足りなくて固まりにくいヨーグルトもあります。
あと使うタイプは「プレーン」か「加糖」のみにしてください。
果物や果汁が入っているヨーグルトだと、例えヨーグルトだけの部分を使っても固まらなかったり、最悪失敗してしまいます。
そして賞味期限が近いヨーグルトを使うのも控えましょう。
種菌として使えなくもないですが、乳酸菌が弱ったりしていて繁殖しにくくなっている場合があるので扱いには注意しましょう。
ヨーグルトづくり専用の種菌を使う
ヨーグルトによっては「ヨーグルトの素」のように、ヨーグルトをつくる専用の種菌が販売されています。
カスピ海ヨーグルトとケフィアヨーグルトがこれに当てはまります。
こちらはつくったあとの味などがある程度保証されているもので、市販のヨーグルトを種菌にするよりは品質が良くなるものが多いです。
特にケフィアヨーグルトは市販されていないので、自分でつくることでしか食べられません。
ただその分高かったり、市販されてる場所が限られてたりします。
よほど品数が充実した店でないと扱ってないか、1・2種類くらいしか置いてないことが多いです。
あと「カスピ海ヨーグルト」と「ケフィアヨーグルト」はつくり方が他のヨーグルトと少々違うので気をつけてください。
理由はつくり方の部分で詳しく触れます。
材料は牛乳かスキムミルクで
メインとなる材料は牛乳か、スキムミルクを溶かした水を使います。
どちらも牛乳に含まれる成分「たんぱく質」が重要になります。
ヨーグルトはたんぱく質が乳酸菌によって固まってできるものです。
ただスキムミルクを使う際は、ダマにならないようしっかりとかき混ぜて溶かしてください。
あと脂肪分が多いと固まりやすくなったり、味が濃くなる傾向があります。
ヨーグルトの味わいや濃厚さを高めたいなら、牛乳+スキムミルクといった組み合わせもアリです。
ただたんぱく質や脂肪といった成分が薄いと、「飲むヨーグルト」くらいの固さにしかなりません。
パッケージに書いてある「3.6」といった数値は脂肪分の割合を表しているため、普通のヨーグルトくらいの固さが欲しいなら3%以上のものを選びましょう。
絶対に気をつけないといけないこと
つくり方の紹介の前に、まずつくる際に気をつけるべきことがあります、
それが雑菌の混入とその殺菌・消毒です。
ヨーグルトメーカーの牛乳を入れるケースから、種菌のヨーグルトを掬うスプーンに至るまで、すべての器具の殺菌が必要になります。
基本は熱湯で消毒することになり、最低でも1分は熱湯に浸けて消毒したいところです。
あとフタなしで牛乳やヨーグルトを放置するのもやめましょう。
空気中の埃が少しでも入ると、その分雑菌の混入の可能性も増えます。
牛乳やヨーグルトの種菌を入れるとき以外は、できるだけ容器のフタをした状態にしましょう。
ヨーグルトのつくり方
①器具の消毒
先ほど説明した通りお湯を沸かして熱湯の持つ熱で殺菌し、念入りに器具の消毒をします。
ただスプーンなどは少量の熱湯で済みますが、牛乳などをいれる容器だとそれなりの量が必要になります。
そんなとき、簡単に消毒できる方法があります。
それが電子レンジでの煮沸・加熱殺菌です。
容器に1cmくらいの量の水を入れて、後はレンジで沸騰するまで加熱します。
水から出る高温の水蒸気で殺菌する方法です。
ただこれをするには「耐熱容器」であることが前提です。
でないと容器が変形して使い物にならなくなるので注意してください。
②牛乳を容器に入れる
ヨーグルトメーカーに入れる容器に牛乳を入れます。
大体500mlくらいの容器が付属されてたりするので、それを使いましょう。
このとき前もって牛乳を少しだけ温めておくと、ヨーグルトができやすくなります。
牛乳を発酵させる種菌(乳酸菌)は、ある程度温度が無いと活発に働いてくれません。
牛乳を30℃くらいまで温めておけば、種菌を入れた直後からヨーグルトづくりを開始してくれます。
500mlくらいならレンジで2分~3分くらい加熱すればいいです。
ただ加熱しすぎて温度が高くなりすぎると、今度は種菌が死んでしまいます。
あとからヨーグルトメーカーでも温められるので、不安な人はしなくてもいいです。
③種菌を入れる
牛乳にヨーグルトの種菌を入れます。
入れる量は市販のヨーグルトなら大さじ1~2杯、専用の種菌ならスティック1本など製品の適量を。
このときできるだけ素早く種菌を入れてフタをしてください。
数秒でもフタをしないと雑菌の混入の可能性が増えます。
入れたあとは別にかき混ぜなくてもいいです。
種菌がひとまとまりのほうが、死滅の可能性を減らせます。
もし牛乳を温めて使いたいなら種菌は温めた後に入れてください。
種菌を入れた後に電子レンジで加熱などをすると、最悪種菌が死んでしまいます。
④温度設定
ヨーグルトメーカーに牛乳の入った容器を入れたら、種菌が活動しやすい温度になるよう設定します。
ここで注意したいのが、使った種菌の種類です。
カスピ海ヨーグルト・ケフィアヨーグルトなら26~28℃。
それ以外のヨーグルトなら37~41℃。
このくらいの温度に設定してください。
つくる量が少なければ低温ぎみに、1Lと多めにつくるなら高めの温度になっていきます。
カスピ海ヨーグルトの乳酸菌やケフィアヨーグルトの酵母菌は他の乳酸菌と違い、比較的低温で活動します。
もし他の乳酸菌と同じ40℃近い温度にしてしまうとヨーグルトができなくなってしまいます。
30℃くらいの温度は夏場なら比較的つくりやすい温度になるので、ヨーグルトメーカーを使わずにつくっている人もいるようです。
もし「ヨーグルトの素」などの専用の種菌で、商品の説明に適正温度が書いてあったらそれに従ってください。
⑤ヨーグルトができるまで待つ
あとはヨーグルトが出来上がるまでそのまま待ちます。
カスピ海ヨーグルトなら10~12時間。
ケフィアヨーグルトなら12~24時間。
それ以外のヨーグルトなら6~8時間くらいで出来上がります。
カスピ海ヨーグルトとケフィアヨーグルトは特に時間がかかるヨーグルトで、かつ時間の幅が広いです。
上の時間は最低ラインの時間なので、これの倍近く時間がかかることも珍しくありません。
最低でも12時間ほど時間が経ったら、一度様子を見て固まっているか確認しましょう。
時間をかければかけるほどホエイ(ヨーグルトの上澄み液)ができ酸味も出てくるので、実際につくってみて自分にちょうどいい時間を見つけましょう。
※ケフィアヨーグルトは発酵中炭酸ガスが出ます。
容器が破裂しないように、ほんの少しでいいのでフタを開けて隙間をつくりましょう。
⑥種菌の保存
もしつくったヨーグルトから種菌を取りたいなら新しく殺菌した容器に移しましょう。
「食べ残った最後の部分でいいや」なんて考えていると、乳酸菌があまりなかったり、最悪雑菌が混入してる可能性があります。(一口食べるごとにスプーンを殺菌・消毒してるなら話は別ですが…)
種菌となるヨーグルトを取る場所は容器の真ん中の少し下の場所です。
上すぎるとホエイなどの水分が混じって薄くなってしまい、逆に下すぎると少し古い乳酸菌になります。
比較的新しくできた乳酸菌が図の位置あたりなので、できればそのくらいの位置のヨーグルトを種菌にしましょう。
最後に
以上で自宅でヨーグルトを自作する方法の紹介を終わります。
文中でも述べましたが、殺菌・消毒には気を使ってください。
自分でつくる分、そういった品質管理は自分の責任になってきます。
それでもたくさんのヨーグルトを目いっぱい楽しめるようになるので、いちいち少量で販売しているヨーグルトを買ってくるのが面倒な人にはオススメの方法です。
では皆さん、ヨーグルトづくり頑張ってください。