かいた汗の量を調べる方法。汗の役割と水分補給に適したドリンク
筋トレに限らず、運動中に気をつけたいのが、発汗による脱水症状です。
しかし自分がどのくらいの汗をかいてるかは結構分かりづらく、どの程度水分補給すればいいのかもわかりにくいです。
そこで自分がかく汗の量を調べる方法とその結果を書いてみました。
併せて脱水症やどう水分補給すればいいのか、水分補給に適したドリンクなどの解説もしていこうと思います。
脱水症状とは?
脱水症状とは体内の水分が1%以上失われると出始める症状です。
人体は体重の約60%の水分を含んでおり、体重が60kgの人なら36kgと膨大な量の水分を溜め込んでいます。
脱水症状ではこの体内の水分の内わずか1%以上、上記の体重60kgの人では360ml(およそコップ2杯)が体内から失われると症状が出始めます。
脱水症状は失われた水分の量によって症状が変化していきます。
2%…めまいや吐き気
6%…頭痛、体温の上昇
8%…幻覚を見始める
20%以上…命の危険
大量の汗が出る・のどの乾きといった誰でも経験するでしょうが、これも脱水症状の一種であり始まりです。
このタイミングで水分補給すれば問題ありませんが、これ以上症状が進行すると徐々に悪化し続けていきます。
一般的に初めて脱水症状と認識できるめまいの症状でコップ700mlほど、頭痛が出た時点で2Lもの水分が失われています。
これほどの水分が失われると水を飲んでもすぐに症状は緩和できません。
こうなることを防ぐためにもこまめに水分補給をしましょう。
汗の役割と熱中症
汗をかくことにより皮膚の表面が濡れた状態になり、その汗が乾くときに「気化熱」として濡れた皮膚の温度を奪って冷ます効果があります。
濡れた状態で風にあたるとひんやりしますが、あれと同じことを身体が自動的に行っているのです。
ですが汗をかかずに体温が上がり続けると「熱中症」になってしまいます。
熱中症は上記の脱水症状にも関係しており、
↓
水分が足りず汗をかかなくなる
↓
体温が下がらない(熱中症)
↓
めまいや吐き気がし始める
このように脱水症状の広義の中に熱中症がある感じです。
ただ脱水症状は体内の水分がなくなることによる症状ですが、熱中症は体温が下がらないことによる症状で熱によるオーバーヒートみたいなものです。
熱中症にならないようにするのは身体を「冷ます」ことが重要です。
その「冷ます」ためにも汗は重要な役割を持っていると覚えておきましょう。
どのくらい汗をかく?
水分補給の大切さを説明したところで「じゃあどのくらい飲めばいいの?」となるでしょうが、自分がどのくらい汗をかくのかというのは詳細に知るのは困難です。
暑いか寒いか、太っているか痩せているか、運動している最中かどうかなど自分や周りの環境で差が出てきてしまうからです。
ここではかく汗の量の調べ方と、実際に私の実験(?)データを書いていきたいと思います。
用意する物
・タオル
・水分補給用の飲み物(コップ1杯~2杯)
体重計で察しがつくでしょうが「自分で調べる」のが一番確実です。(個人差があり明確な計算方法がない以上しょうがないです)
方法は簡単で運動する「前」と「後」で自分の体重を測り、その差分でかいた汗の量を調べるという方法です。
ここで注意したいのが体重計の種類です。
64.3kgと下1桁までしか測れないものだと詳細なデータが得られません。
64.35kgと下2桁まで測れる体重計を用意しましょう。
安いと3000円くらいで購入できます。
…それでも50g単位で表示されるので、それ以下の数値は測れません。あしからず。
手順
②体重を測りメモする
③運動する(汗をかく)
④タオルで汗をふく
⑤再度体重を測りメモする
⑥前の体重から後の体重を引く
この手順を踏んでいけば自分がかいた汗の量がわかります。
①水分補給する
ます運動前に脱水症状を防ぐための水分を補給します。
あらかじめ汗をかける状態にしておくことで、どれだけ正常に汗をかくのかわかりやすくなります。
②体重を測りメモする
汗をかく前の体重を記録します。
これが自分かかいた汗を計る基準の重さになります。
③運動する
実際に運動して汗をかきます。
できれば気温or室温25℃以上くらいの環境で、最低20~30分くらいはしたいところです。
太っている人はもう少し温度が低くても汗をかきやすいですが、痩せてる人だとこれくらいの温度が無いとなかなか汗をかかないです。
汗をかきやすい環境下で運動すれば正常に汗をかけるようになるので、こういった環境で運動をしましょう。
④タオルで汗をふく
身体に汗がついていると、測った時にその分体重に上乗せされてしまうので、大雑把でいいので汗をかいた部分を拭いておきましょう。
※シャワーなどで汗を流すと皮膚が水を吸ってしまい、その分体重が増えてしまいます。
汗がうっとおしいでしょうが計量が終わるまで我慢しましょう。
⑤再度体重を測る
かいた汗の分減った体重を記録します。
これが「かいた汗の分軽くなった体重」でかいた汗を測るのに必要になります。
⑥運動前の体重から後の体重を引く
汗をかく前の体重から汗をかいた分減った体重をマイナスすれば、かいた汗の量がわかります。
これで自分がどれだけ汗をかいているのかがわかるはずです。
脱水症状にならないよう、運動する前にどの程度水分補給しておけばいいのか目安にしておきましょう。
実際にかいた汗の量
では実際に自分がかいた汗の量を測ってみました。
当時の体格は身長185cm・体重64kg とかなり痩せた体形でした。
一部の筋トレでかいた汗の量と環境で、正確性を高めるために腕立てと腹筋は別の日に測りました。
室温 | 種類 | 時間 | 汗の量 | 1時間の汗の量 |
---|---|---|---|---|
30.0℃ | 平時 | 1時間 | 100~149ml | 100~149ml |
31.0℃ | 腕立て | 20分 | 150~199ml | 450~597ml |
31.3℃ | 腹筋 | 30分 | 200~249ml | 400~498ml |
ひどく簡素ですがこれが私が実際にかいた汗の量になります。
「平時」は特に運動も何もしていない状態で、1時間ほどして測った量になります。
何もしていない時と比べ、1時間運動してみると約コップ2杯~3杯分の汗をかいていることになります。
つまり私の場合は室温31.0℃の中およそ2時間水分補給せず運動すると、めまいや吐き気といった脱水症状が表れ始めることになります。
長時間運動する場合は運動の前、あるいは最中にコップ2杯分の水分補給をするのが良いことになります。
脱水症状に適した飲み物
脱水症状を抑える・治すためには水分補給は重要ですが、水道水は推奨されていません。
汗には大量の水分の他に「ミネラル」という生理機能に必要な栄養素が含まれています。
つまり汗をかいている間このミネラルは消費され続けています。
脱水症状を治すには水分とミネラルを同時に摂取できる飲み物が最適です。
経口補水液:◎
経口補水液とは汗で失ってしまったミネラルを重点的に補給するための飲み物です。
別名「飲む点滴」とも言われミネラル補給に最適な飲み物です。
こういったことから経口補水液は脱水症状を治すために最も最適な飲み物となっています。
そのため運動前や後に飲むドリンクとしてはかなり優れたドリンクといえます。
後述のスポーツドリンクと違いカロリーはあまりないのも特徴で、「暑くて汗をかいた」「ダイエットで運動している」という人におすすめです。
カロリーが無いため消化無しで吸収されるためスムーズに水分補給できるのもメリットです。
スポーツドリンク:○
スポーツドリンクも経口補水液と同じく水分補給に適しています。
こちらは経口補水液と違いミネラル分は抑え目ですが、その分カロリーが多く含まれています。
そのためミネラルの他にエネルギー補給もできますので、マラソンなどで長時間運動する人に適しています。
運動前や合間の休憩中に飲むと効果が良くでます。
ただ水分の吸収スピードは経口補水液よりも少々遅いです。
これはカロリーとなる糖質が混ざっていることで「消化する」というプロセスが必要なためです。
緊急性の高い場合では経口補水液を優先し、運動中の水分補給はスポーツドリンクが最適となります。
ミネラルウォーター:△
「ミネラル」ウォーターというくらいですからミネラルがたくさん含まれてると思いきや、「水道水などと比べるとミネラルが含まれている」だけです。
このあとに各ドリンクごとの成分表を載せてますが経口補水液やスポーツドリンクに比べれば微々たるものです。
そのためミネラル補給という点でみればあまり効果はありません。
まったく効果が無いわけではありませんが、効率という観点でみればオススメしません。
塩:×
よく「汗をかいたら塩をなめろ」と言われますが現在では正しい知識ではありません。
そもそもミネラルとはナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン等などといったものを指しますが、塩分だけではナトリウムといった一部のミネラルしか補給できません。
最悪塩分過剰摂取による高血圧の原因にもなりかねません。
経口補水液やスポーツドリンクの方が効率よくミネラルを補給できますので、塩だけを摂取するのはやめましょう。
水道水:×
脱水症状を起こさないようにとただ水道水を飲んでいる人は要注意です!
水道水にはミネラルがほとんど含まれていません。
そのためただ水道水を飲んでいるとミネラルが不足し汗をかけなくなり、体温が上がり続け熱中症になってしまい大変危険です。
それどころか「水中毒」というものになる恐れも出てきます。
水中毒とは水道水のようなただの水を大量に摂取することにより、血液中の塩分濃度が薄まることによる中毒症状だそうです。
症状としてはめまいや頭痛・下痢、ひどいと吐き気や意識障害も起こすそうです。
大量に汗をかいたからといって、1Lや2Lといった大量の水道水を一気に飲むのはやめましょう。
各飲料の成分表
とりあえず100mlあたりの成分量の一例を表にして比べてみます。
経口補水液OS-1 | ポカリスエット | 南アルプスの天然水 | |
---|---|---|---|
カロリー | 10kcal | 25kcal | 0kcal |
ナトリウム | 115mg | 49mg | 0.4mg |
カリウム | 78mg | 20mg | 0.1mg |
カルシウム | 0mg | 2.0mg | 0.6mg |
マグネシウム | 2.4mg | 0.6mg | 0.1mg |
リン | 6.2mg | 0mg | 1.0mg |
こうしてみると成分量に大きな差があるのがわかると思います。
やはり経口補水液のほうが含まれる各成分が多くなるため、ミネラル補給にも優れていることがわかります。
これはあくまで一部の製品ですので、ダイエット・筋トレ別で自分に合った飲み物を選んで飲みましょう。
運動をやりこんでいる人はスポーツドリンクを自作したりしているそうです。
最後に
いかがだったでしょうか?
少し大雑把なところもありましたが、水分補給の大切さや、自分が普段どの程度汗をかいているのかわかってもらえたでしょうか?
汗というのは、運動していれば短時間でもかなりの量を消費してしまうことも多いです。
皆さんも運動する前はしっかりと水分補給して病院のお世話にならないよう気をつけましょう。
一人暮らしの人は特に気をつけて、一人自室で倒れている、なんて事態にならないよう注意してください。