自転車タイヤの交換の仕方
自転車タイヤのパンクですが、自分でも直すことが可能です。
それだけでなく、パンクしにくいタイヤに変えたり、あるいはタイヤホイールそのものを交換することもできます。
慣れれば1~2時間ほどで修理できるので、場合によっては早く修理が済む場合もあります。
いちいち自転車修理店にも持っていく手間を省きたいなら、これから紹介する方法で自分で修理してみましょう。
修理の前に
では修理手順の解説…と行きたいところですが、初めに確認しておきたいことがあります。
それがタイヤのサイズ・ゴムチューブのバルブのタイプ・部品の取り付け順序の確認です。
タイヤのサイズ
タイヤごとにサイズは違うため、適切なサイズを選ぶ必要があります。
今使っているタイヤ・ゴムチューブのサイズの確認は、タイヤの側面に表記されているので見てみましょう。
こんな感じで。
少々見づらいですが「27×1 3/8」と書かれています。
タイヤのタイプによっては表記方法が異なり、「700×35」なんて書かれていたりします。
しかし市販のタイヤやゴムチューブは、表記方法が違っても共通で使えるので問題ありません。
これと同じサイズのタイヤやゴムチューブを探します。
この製品が使えるサイズの範囲は「27×1 3/8~1 1/2」なので、今回交換するタイヤとして問題ありません。
サイズが違うと当然ホイールに嵌まらないので、ちゃんとサイズを確認してから購入しましょう。
ゴムチューブのバルブタイプ
ゴムチューブを交換する場合には、サイズの他に空気を送り込むバルブ部分のタイプを確認しましょう。
あまり馴染みが無いかもしれませんが、バルブには「英(イギリス)式」「仏(フランス式)」「米(アメリカ)式」の3種類があります。
各種類の形状はこちら。
形状から見ると、上の写真のバルブは英式のバルtブタイプになります。
バルブが交換前のチューブと違うと、当然ながら今使っているエアポンプは使えません。
そのため今使っているエアポンプの規格のバルブのゴムチューブを選ぶか、新しくエアポンプを購入する必要があります。
もしエアポンプを買い替えるなら3種類の規格に対応しているポンプがオススメです。
部品の順序
タイヤなどの交換をする前に必ずセットされている部品の順序を記録しておきましょう。
後輪部分のタイヤ軸にはかなりの部品がつけられているため、順序を覚えておかないと再セットするときに困ります。
写真の車輪は後輪の左側ですが、構成しているパーツはこうなります。
②泥はね防止カバー
③後部荷台
④スタンド
⑤自転車フレーム
⑥ブレーキ
⑦チェーン調節パーツ
右側はこれに加えて「ギア調節パーツ」が付いています。
部品を取り外す前に今の状態を写真などに撮っておき、取り付ける際の参考にしましょう。
特に後輪部分は左右で部品の数が違うので、左右両方の写真を撮っておきましょう。
タイヤ・チューブの交換
自転車の修理で一番面倒なのが、タイヤそのもののパンクか、中のゴムチューブを交換したいときです。
この場合は車輪そのものを自転車から取り外す必要があります。
レンチなどの工具もいくつか必要になるので、前準備はしっかりしましょう。
結構大変で作業時間は大体2~3時間はかかると思うので、まとまった時間を確保しておきましょう。
最低限用意するのがこちら。
・タイヤの取り外し器具
・レンチ(15ミリ)
・ラジオペンチ
・(プラスドライバー)
・軍手
交換用のタイヤやゴムチューブのサイズ・エアーバルブは最初に書いた通り要確認!
タイヤの取り外し器具は、「自転車のパンク修理キット」なんて名称で販売されてます。
100円ショップでも販売しているかと。
レンチは15ミリの物を使用。
自転車のタイヤの軸などを固定しているナットは15ミリなので、これ1本あれば足ります。
ラジオペンチは、チェーンの長さの調節用のナットの取り外しに。
普通のレンチやボックスドライバーでは入らないので、こちらの方が作業しやすいです。
プラスドライバーはギアチェンジのコードを固定しているネジの取り外しに使います。
後輪の右側についていることが多いので確認しておきましょう。
汚れはかなりヒドく、特にチェーン周りは素手だと真っ黒になってしまうので、軍手などをつけて作業しましょう。
手順1:部品の順序を写真に収める
まずは先ほど書いたように、取り付けられている部品の順序を記録しておきます。
今回は部品が多い後輪の修理なので、車輪の両側の写真を撮っておくと判断がしやすくなります。
車輪 左側
車輪 右側
ママチャリだとギアの調整部分にカバーが付いてたりするので、ドライバーで外しましょう。
交換が済んだら、この写真に沿って部品を取り付けていきます。
手順2:タイヤ・チューブの取り外し
車輪を外す前に、あらかじめ交換するタイヤやゴムチューブを取り外した方が効率が良いです。
結構力を込めて取り外すので、写真を外したあとだと踏ん張りが効きにくいです。
ではタイヤを取り外すための器具を用意。
これをタイヤとホイールの間に挟んで、テコの原理のようにして隙間を作っていきます。
まず隙間に器具を突っ込み。
タイヤの一部をホイールから外したら、車輪の軸に繋がる鉄棒にひっかけます。
これを横並びに数カ所やれば手でも隙間を作れるようになります。
タイヤ全体をホイールから外したらOK、次の工程に移ります。
手順3:部品の取り外し
ではタイヤを軸に固定している部品を取り外していきます。
自転車は上下逆にしておくと取り外し作業がしやすいです。
まずは一番外側のナット、15ミリのレンチで取り外せます。
注意点として固定されている部品を押さえながらナットを取り外しましょう。
ナットだけに注視して取り外すと、固定されていた部品が反動で飛び出してくることがあります。
その反動でナットが自分にぶつかってきたり、最悪行方不明になる可能性もあります。
ギリギリまでナットを緩めたら、ナットで固定されていた部品を押さえながらナットを外しましょう。
ナットを外したら、あとはそのまま部品を取り外していきます。
部品の一つにチェーンの長さを調節するナットがあるので、それも緩めて取り外します。
車輪の左側は最後にブレーキコード装置がフレームに固定されているので、ドライバーなどでネジを外して取り外していきます。
いくつかネジがあると思いますが、黄色い丸のフレームにくっついた所だけでOKです。
手順4:タイヤ・ゴムチューブの交換
車輪を取り外したら、タイヤやゴムチューブを交換します。
タイヤ交換の場合は、タイヤだけ外して新しいタイヤを取り付ければOK。
ゴムチューブの場合は最初に固定されているバルブ部分を取り外します。(ちなみにコレは英式バルブ)
あとは最初に取り外しておいたタイヤ・ゴムチューブの順に外せばOK。
取り外したら新しいゴムチューブを取り付けていきます。
ゴムチューブを取り付ける場合は、まずタイヤの中にチューブを入れてからすると手間が省けます。
取り付けの最初はエアー部分を固定して、タイヤやチューブがズレないようにします。
特にチューブがズレていると、走っている内にチューブが伸びてタイヤ内で詰まっていきます。
走るたびに「ガタン、ガタン」と段差に乗り上げたような、あるいはパンクしたような状態になるため、走るのに苦労するようになります。
できるだけ正確に固定していきましょう。
次にタイヤをはめ込みますが、タイヤを取り外すときに使った器具を同じように使えばうまくいきます。
これで車輪を再度取り付けるだけです。
手順6:汚れてるなら洗浄
車輪やフレームなどが汚れているなら、ついでに洗ってしまいましょう。
かなり汚れがヒドイと思うので、いらない布などを使います。
隅々まで洗えるのはタイヤを外した時だけなので、頻繁に洗浄しているならこの機会を逃さないように。
手順7:車輪の取り付け
あとは写真など、最初に記録した部品の手順通りに写真と部品を取り付けていきます。
特に部品が多い車輪の右側は苦労すると思います。
車輪の取り付けが終わったら、チェーンの調整を忘れずにしておきましょう。
ナットを締めることでチェーンは縮み、緩めると弛みます。
注意点としてチェーンの調整ナットの締め具合が左右同じくらいでないと、チェーンが外れやすくなったり、車輪が歪む原因になります。
試しに車輪を回してみて、しっかりまっすぐ回っているか確認しましょう。
手順8:試乗
タイヤに空気を入れたら、試しに走ってみてOKなら修理完了です。
手順4で書いたように、ゴムチューブがズレていると走っている最中に違和感が出ると思います。
タイヤが回る度にガタガタしたり、ガクンと傾いたり。
放っておくと空気が抜けやすくなったり、車輪が歪んだり、中のゴムチューブが伸びて詰まったりします。
明らかに変だと感じたら、手間でしょうがもう一度取り外して確認することをおすすめします。
修理費・時間の削減
初心者だとタイヤなどの交換・修理は難しいですが、1回やってしまえば要領は掴めると思います。
自転車でパンクなどを起こすと修理屋まで運ぶのが大変です。
車に積めない場合もあったり、かといって自転車に乗っていくのも無理。
しかし自分で修理できるようになればそういった問題も無くなるので、頑張って覚えてみましょう。