残業による時間・人件費のムダとは。コストやリスクの増加、法律違反の危険も?

2021年5月8日仕事・会社仕事

仕事をしている上でほとんどの人が味わうであろう「残業」。

残った仕事を片付けるために仕方なくする残業ですが、あまりにも多い会社はどこかおかしいことが多いです。

そんなおかしいところを法律・人件費などの面で書いていきます。

① 残業させすぎで規定違反

残業のさせすぎ(しすぎ)は労働基準違反に入ります。

起業するにあたって締結しないといけないのが「36協定」です。

その36協定を届け出ないと残業させてはいけない・届け出なしで残業させたら労働基準法違反となります。

そして36協定の中にはしっかり従業員に対する残業時間について言及されています。

残業させてもいい目安…というか最低ラインは月45時間以内・年間360時間以内となっています。

「年間360時間以内」に注目すれば月平均の残業時間は30時間、つまり残業を毎日1~2時間以上するような会社は要注意です。

「月45時間」というのは単なる上限。

どこかの月で45時間残業させれば、どこかの月を15時間以内に押さえて帳尻を合わせないといけません。

ただ条件付きの例外として、繁忙期など一時的に仕事量が増大する期間に対応するため

1年の内6か月間だけ月80時間以内・年間720時間以内まで残業OK

という規定がされています。

これは厚生労働省が定める「労働者が過労死をしないライン」のようなものとして設定されています。

しかしこれはあくまで「例外」で通常は上記の「月45時間以内~」の方を優先すべきです。

「うちの会社は年中繁忙期だから」なんて言い訳は通じません

無論これよりも残業時間を減らすことが推奨されているため、無ければ無いほどいいとされます。

② ムダな人件費

少ない社員に残業をさせすぎると、かえって人件費がかさむ原因になります。

残業代は支払う賃金が1.25倍の割り増しとなっています。

そのため、会社側から見た場合は残業するほど余分な人件費がかかっています。

一例として時給1000円で、社員8人に1時間残業させる場合。

8(人) × 1(時間) = 8(残業時間)

1000(円) × 8(残業時間) × 1.25 = 10000(円)

このように、本来1人の1日分の賃金(この場合8000円)よりも2000円も高い賃金が発生しています

8人よりも多くなれば当然会社側にとって余計な賃金が発生します。

この場合に残業を2時間以上させていると賃金が8000円以上余分にかかり、1人雇うのと変わらない結果になります。

つまり残業させるよりも従業員を増やした方が良いこともあります。

逆に人件費削減といって、4人くらいの少ない人数でも毎日2時間残業すれば同じ結果になります。

「人件費削減」のお題目を掲げても、残りの人員で1日の仕事をこなせなければ意味がありません。

繁忙期といった特定の時期だけならともかく、年中残業ばかりしている会社では、コスト高と時間のムダともいえる状態です。

残業のさせすぎは余計な時間もかかる・人件費もかさむなど、マイナスな面しかないといえます。

※ちなみに休日出勤という残業だと割り増しが1.35倍になるため、より人件費がかかってしまう結果になります。

③ 離職率の増加

少しでも多く給料が欲しい人を除けば、残業が多い会社を好む人なんで稀有だと思います。

単純に毎日残業させられれば精神的・肉体的に負担になります。

それが原因で嫌気が指したり、身体を壊したりして辞めていく人も多くなります。

「給料が低くても定時に帰りたい」なんて人もそれなりにいると思います。

家に帰っても食事と寝るだけの生活なんて嫌気が指しますし、残業時間によってはどちらか削らなければいけない場合も。

せっかく仕事を覚えた社員を失うのは社員・会社両方にとっての損失です。

できるだけ残業時間を減らして社員を離れないようにするのは会社の義務といえます。

④ 余裕ナシの業務

毎日残業をするということは、毎日余裕のない業務内容といえます。

本来の残業はクレームや災害などの突発的な事態に対応するために使う時間です。

それを毎日当然のように使っているようでは、何かあったときに対応できません。

場合によっては突発的な仕事を優先して本来の業務が残業になるという本末転倒なことになる場合も。

できるだけ残業を減らすのは当然といえます。

中には残業を減らすために昼休みを使うこともあり、社員への負担も増えるケースがあったりします。

社員の負担が増えれば離職のリスクが上がり、残業を増やせば36協定に引っかかったりと、他のリスクが増えるだけです。

業務の詰め込みすぎは良い状態とはいえません。

⑤ 作業ミス

毎日残業がある前提で仕事をしていれば、当然それに対応するように作業するようになります。

しかしそうなると仕事の効率の低下につながることも多いです。

集中力の低下

毎日残業があるとうんざりすると思います。

言い方は悪いですが、残業のために体力を残すよう通常業務に気を抜くようになることも多いでしょう。

しかしこうすると作業効率の低下や、ミスが増えるリスクが出てきます。

それが原因で本来必要ない仕事が増えれば当然残業も増えます。

残業が増えればミスも増えるという負のスパイラルの出来上がりです。

体力の低下

そもそも前日の残業で身体が疲れ切っているため普通に仕事をする体力が無くなっていきます

体力が無ければ仕事のミスも増えやすくなりますし、仕事にもよりますが事故の原因になることも。

こうなると仕事どころではなく身体を壊す原因にもなりますし、リスクばかりが増えていきます。

こういったことを感じる社員も多いでしょうし、残業は大した利益をもたらさないといえるでしょう。

残業=リスク

まとめると残業ばかりの会社はリスク計算が出来てない会社の可能性があります。

社員がこなせない仕事量を割り振っても、金銭面・モチベーションなどでマイナスになることが多いです。

やり方を改善するのはもちろんですが、それにも限度があります。

そんなときは思い切って増員したほうが会社・社員双方にとってプラスになります。

残業させないと業務が回らない会社。

残業しないとノルマをこなせない現場。

双方から見て、残業を減らすようにするのは大切だと思います。