太陽光発電で不労所得は得られるのか? メガソーラーや電気の価値の現状

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ソーラーパネルによる太陽光発電によって光熱費を浮かせたり、余った電気を電力会社に売ることで不労所得を得ることが可能です。

こうしたことから屋根にソーラーパネルを設置する人も増え、新築の家ではソーラーパネルが標準装備されるようにもなり日頃から目にする機会ができた人も多いと思います。

自宅での太陽光発電による不労所得はちょっとした小遣い稼ぎの規模ですが、ビジネス目的で空き地などに大量のソーラーパネルを設置する「メガソーラー」という施設をつくることも流行りました。

あれから随分と経ちましたが現在ではメガソーラーなどでの稼ぎはどの程度になっているのか?

現在におけるメガソーラーでの収入の仕組みや稼げる金額などを調べてみました。

太陽光発電は儲かるのか?

一番気になるであろう「太陽光発電ではいどれくらい儲かるのか?」という疑問ですが、はっきりいうと現在では不労所得といえるほど儲かるとはいえません

ソーラーパネルを用いた太陽光発電では、空き地などの広い土地に大量のパネルを敷き詰めた「メガソーラー」と、家の屋根などに10数枚のパネルを使った「住居用太陽光発電」の2種類があります。

「大量のソーラーパネルを使っているのだから、メガソーラーのほうが儲かる」と考える人もいるでしょうが、実際の利益率でいうなら住居用のほうが遥かに還元率が高いです。

大きな理由としては2020年以降では電気の買い取り額がかなり低くなっていることが挙げられます。

1kW(キロワット)の電気料金は大体20円くらいの値段ですが、現状では発電した余剰電力1kWの買い取り価格は平均10円ほどとなっており、電気料金を相殺するために使った方が価値があります

こうした理由から現在ではメガソーラーなどで純粋に電気を売って収益を出すことはかなり困難になっており、メガソーラーで儲けが出たのは太陽光発電の話題が沸騰した2009~2012年頃まで。

今では電気の買い取り価格が当初と比べて激減しているため、太陽光発電の工事費の元を取るのも難しいといわざるをえません。

ただ自宅の消費電力や電気代を太陽光発電で賄うということなら今でもメリットがあります。

これから太陽光発電を自宅に設置しようと考えている人なら、もっぱら電気代を相殺することによる利益を目指すことになると思います。

ソーラーパネルでの発電量と金額

まずは自家発電におけるもっとも重要なファクターであるソーラパネル1枚あたりの発電量と、発電した電気量に対する買い取り金額の解説をします。

パネル1枚の発電量

太陽光発電では大きなソーラーパネルを複数枚設置するのが基本です。

現状のソーラーパネルの発電能力は1平方メートル(1m × 1m)の範囲でおおよそ200W(ワット)になり、パネル1枚の大きさは1.5平方メートル(1.5m × 1m)くらいが標準になります。

Panasonicのような電機メーカー製の高性能なパネルなら160×80で1時間255W(ワット)、DIYでも使える低価格パネルなら100×50で1時間100W発電できる性能になっています。

次に大事になる1日の日照時間ですが、ソーラーパネルが最適に発電できる時間というのは多くても4時間ほどだそうです。

ソーラーパネルというのは日光を真正面から受け止めないとスペック通りに発電できないため、雨や曇りの日は当然として早朝・夕方といった日光の照射角度が悪い場合でもうまく発電できません

こうしたことから晴れの日であっても最適な発電が見込める時間は2~4時間ほどとなっています。

つまりソーラーパネル1枚の1日の発電量は多くても1000W(1kW)ほどになるため、高性能パネルでも1年に365kW(キロワット)になります。

あとは設置場所の広さに対してパネルを複数枚設置していくため、この発電量×枚数が1年の発電量になります。

発電した電気の買い取り価格

記事冒頭でも書きましたが、現在の電気の買い取り価格は1kWあたり平均10円前後で取引されています。

正確には設備が持つ発電能力によって価格が変化し、1日の発電量が10kW未満か10kW以上の場合で価格区分がされています。

例えば東京電力では2021年度での電気の買い取り価格は10kW未満なら18円、10kW以上なら12円(税込み)となっています。

ただしこういった比較的高額な価格になっているのは東京といった消費電力が多い地域で、逆に消費電力が少ない地域では買い取り価格も低くなっています。

メガソーラーなどの太陽光発電施設で生産される電力量が増えたことによって電気の価値が下がったのも一因になるでしょう。

まあ一般家庭で使用する太陽光発電は3~6kW(パネル12~24枚)で、10kW(パネル40枚)以上となるとメガソーラーのような設備が該当するため、基本10kW未満で計算することが多いと思います。

先ほど挙げた標準的な高性能なソーラーパネルでも1枚の1日あたりの発電量は1kW、年間発電量は365kWとなります。

一般家庭の1日の使用電力は10~14kWなので最低でもソーラーパネルを10枚は設置しないと1日分の電気代すら賄えなくなってます

ままあ大抵は10枚以上からの工事になりますが…。

無論これは先ほど解説した日照時間が4時間MAXで発電した場合で、低いとこれの半分ほどの発電量になることもあります。

当初は「ソーラーパネルで稼ぐ!」みたいな風潮jがあったにも関わらずこんな状態になっているのは、太陽光発電で発電した電気の買い取り価格は2009~2019年までは国が決定し、それ以降は各電力会社が決定するようになってるからです。

メガソーラーなどが設置され始めた2009年当初ではエコエネルギーの普及のために、価格を明確に定めた「固定価格買取制度」において1kW40円以上とかなり高額でした。

ただしこれは最初のうちだけで、年を重ねるごとに安くなっていき、制度終了間際では26円ほどにまで落ち込んでいます。

おまけにこの制度が適応されていたのは2019年11月までで、それ以降の2020年からは各電力会社ごとに買い取り金額を設定しています

価格が40円という高額な会社も極稀にありますが、ほとんどの会社は7~12円ほどの買取価格に落ち着いているため、発電した電気で不労所得を目指す、なんてことはかなり困難になっています。

施工費用の元を取る

先ほどまでは純粋に発電した電気の価格を解説しましたが、そもそもソーラーパネルの施工費用の元を取らないとプラスの収益にはなりません。

そのためパネル代や工事費がどの程度かかるのかも理解する必要があります。

ここでは住居用の太陽光発電についての収益性の解説をします。

実際に儲けが出るのは10年以降

太陽光発電で純粋な利益が出始めるのは最短でも10年後以降になります。

その10年間の間は発電した電気によって自分の消費した電気料金や工事費の相殺に充てられますが、最初の工事費が高くなるほど純粋な利益が出始めるのも遠ざかってしまいます。

現在のソーラーパネルは性能も上がってきていますが、それでもパネル1枚あたりの発電量はそこまで多くはありません。

住居用の太陽光発電では良くて1日に使用する電気量くらいしか発電できないため、よほどパネルを増やさないと「余った電気を売る」というところまでいかないことが多いです。

詳しいことはこれから解説していきますが、「太陽光発電で左団扇!」なんてことはキツイと思います。

パネル等の費用

一般的な太陽光発電の施工費用は200万円くらいはかかると見ておきましょう。

費用の大部分はソーラーパネル代 + 蓄電池代 +工事費の合計になり、あとはパネルを設置する台座や配線などの費用が少しになります。

まずは現在販売されているソーラーパネルは以下のような値段やスペックになります。

型番パネル1枚(税抜き)スペック寸法(cm)
SHARPNU-250AJ125000250W130 × 100
東芝SPR-X22-360262800360W150 × 100
PanasonicP255αPlus176500255W160 × 80
京セラHJ207P-5ETCG183600270W150 × 100
カナディアンソーラーCS1H-335MS207700335W170 × 100

パネルの寸法自体にはそこまで差はないため設置できる枚数に違いは少ないものの、やはり発電量が多いパネルほど高額になる傾向にあります。

パネルは10~20枚は設置するのが基本なためパネル自体の費用としては130~250万円はかかります。

ただしこの値段はパネルを単体で購入した場合で、PanasonicやSHARPようにソーラーパネルの販売と施工もしている会社なら100~150万円とかなりの格安で施工できるプランもあります

以前は設置に対して国から補助金が出たのですが、現在では廃止されているため大幅な工事費減額にはなりません。

自治体によっては20~40万円ほどの補助金が出るところもありますが、これもいつまで続くかはわからない状態です。

こうしたことから太陽光発電を自宅などに設置しようと考えている人は、パネルの販売に加えて工事も請け負っている会社をおすすめします。

パネルの耐用年数

ソーラーパネルというものは経年劣化するため、何十年もスペック通りの発電量を維持することはできません。

最近ではパネルの品質も上がって長持ちするようになりましたが、そのスペックが維持される保証がされているのは17年ほどです。

これは「ソーラーパネルは17年は正常に稼働できるようにする」と国が決定しているため、最低でもこれくらいの年数は使用が保証されていることになります。

しかしパネルの品質にもよりますがそれ以降は徐々に発電量が落ちていくため、発電量による高い収益を計算できるのは設置から17年間のみになります。

劣化は設置後の1年ごとに0.6~0.8%ほど発電量が落ちていくため、10年後には約90%・20年後には約80%ほどになってしまいます。

耐用年数が過ぎたからといって急激に発電量が減少するわけではありませんが、少しづつ発電量が少なくなっていくものと考えておきましょう。

ソーラーパネルは長くても30年で寿命になるらしいので、それ以降にも太陽光発電を続けたいならパネルを取り換える必要が出てきます。

元を取れる年数の計算

先ほども書きましたが太陽光発電では10年ほどで工事費の元を取れるようになっています。

計算する方法ですが、まずは毎日の消費電力の料金を相殺した際の電気料金(相殺利益)と実際に売電した料金を調べます。

今回計算する際の条件はこちら。

・施工プラン:Panasonicの3kWhプラン(パネル12枚・90万円)
・1日の消費電力:12kW
・1kWあたりの電気料金:20円
・発電した1kWあたりの買い取り価格:10円

太陽光発電の施工プランは近年安くなってきたことで有名なPanasonicの格安プラン「ソーラーパネル12枚」「1時間の発電量3kW」を採用。

施工費用は90万円とかなりの格安で請け負ってくれるため、これから導入しようと考えている人でも手が出しやすいと思われます。

本当は「環境による損失係数」や「経年劣化係数」といったもっと細かい計算が必要になりますが、誰でも大雑把に計算できるように簡単なものにしておきます。

一般家庭の年間消費電力

12kW × 365日 = 4380kW

太陽光発電による年間発電量

3kw × 4時間 × 365日 = 4380kW

ソーラーパネル12枚の場合では1年で使っている電気量と発電量が同じなため、年間消費電力4380kW分の電気代が利益になります。

年間相殺電気料金

4380kw × 20円 = 87600円

結果としてこのプラン(ソーラーパネル12枚)では年間87600円の収益が発生している計算になります。

これらの条件から計算すると太陽光発電の工事費用を回収しようと思うと約10年かかる計算になります。

この結果はソーラーパネルの経年劣化や寿命を考慮していないため、ソーラーパネル12枚では元を取るのに最低でも10年以上の時間が必要になります。

ではソーラーパネルの枚数を増やしていくとどうなるか。

一覧表としてまとめてみました。

※1kWh=1時間(h)あたりの発電量(kW)

パネルの枚数工事費発電収益回収期間
12枚(3 kWh)900,000円87600円10年
16枚(4 kWh)1,150,000円87600円+14600円11年
20枚(5 kWh)1,400,000円87600円+29200円12年
24枚(6 kWh)1,600,000円87600円+44000円12年

どのプランでも10年ちょっとで工事費の元を取れる計算になり、それ以降は「発電収益」の金額が純粋な利益として毎年発生するようになります。

例えば先ほどの12枚のプランなら設置の10年後以降は毎年80000円以上の収益が発生する計算です。

少し注意したいのが、売電するためにパネルを増設しても元を取れる期間が伸びる・そこまで収益が増加しないことです。

やはり電気の買い取り価格10円が大きく響いており、売電目的では収益が発生しにくくなってきています。

しかしパネルを増やしても回収機関を過ぎたあとの収益率はそこまで伸びないものの、10万円以上の純利益が毎年出てくるため全くの無駄ということにはなりません。

この計算結果は自分の地域の電気料金や電気の買い取り価格で多少変わってくるため、自分がどのくらい電気を使っているか・買い取ってくれる電気会社の価格を調べてみましょう。

設置できる場所

一般的には自宅の屋根にソーラーパネルを設置することになりますが、別に駐車場の屋根だったり庭の空いたスペースでも構いません

要は日光がしっかり当たる芭蕉にソーラーパネルを設置できればいいので、かならずしも屋根に設置しないといけないという規定はありません。

そのため空いた土地や駐車場の屋根といったもので充分そうなら、そういった設置の仕方も考えてみましょう。

ただそこまで広い庭などがある家は少ないでしょうし、日光が良く当たるのは高所なため自然と屋根に設置することになるケースは多いです。

屋根に設置する場合で注意したいのが屋根に設置するのはリフォームする場合と規模が変わらないため、工事費も高くなる傾向にあります。

作業するための足場を組む必要が出ることもあるため、それらの組み立て費用として工事費が数十万円追加されることもあります。

しかし足場を組むことは作業員の安全もそうですが、ボルトなどをしっかり締めるなどの作業精度にも影響があるため極力組むのが基本です。

またソーラーパネルを設置するには土台となる金具を屋根に取り付ける必要があるため、屋根に支柱となる穴を空ける必要があります。

こうしたことから後付け太陽光発電を自宅に設置する場合には雨漏りの原因になるケースが稀にあるそうです。

しかし地面に設置する場合では足場を組む必要もなく作業もしやすいため、工事費が安くなったり後々のトラブルも少なく済みます。

最後に

一昔前は不労所得の手段として期待されていた太陽光発電ですが、現在ではあまり意味がないものになってしまっているのが残念です。

もちろんエコエネルギーの使用や毎日の電気料金を帳消しにできるという意味は大きいですが、商業用としてはそこまで価値が無くなってきてしまっています。

新築の住宅に太陽光発電の設備が標準化され始めてもいることから電気余りにもなり始めており、これから電気の買い取り価格が高騰するという可能性も低そうです。

「発電した電気を売って儲けを出そう!」と考えている人は、設備投資金額や後に発生する収益・元を取るまでの期間などをよく計算してから実行しましょう。