しいたけを簡単・確実に収穫できる栽培キット。キノコ初心者にもオススメ
しいたけ栽培というと、原木を何本も立てかけてするものだと思う人もいると思います。
しかし最近では家庭菜園のように栽培できるキットも販売されています。
ホームセンターなどで小さな箱入りの栽培キットを見た人もいるかと。
ただし、これだけだと栽培に失敗してしまうこともあります。
今回はしいたけ栽培のやり方と、確実に収穫できるアイテムを紹介します。
しいたけ栽培キットとは
しいたけを栽培できるキットには複数の種類があり、主に「原木」と「菌床」でしいたけを栽培します。
原木は想像の通りですが、菌床はおがくずを固めたものにしいたけ菌を繁殖させたものです。
菌床栽培方式は環境の関係で収穫できるキノコが清潔で大きく育ちやすい特徴があります。
スーパーで「菌床栽培」とラベルが貼られたキノコを見た人もいるでしょう。
販売されているしいたけ栽培キットは、この菌床栽培のものが多いです。
今回紹介するのはしいたけ栽培が初めての人に強くオススメできるもの。
それがこの「しいたけ農園」のしいたけ栽培キット。
菌床式でしいたけ栽培をしますが、これは他の栽培キットとあまり変わりません。
一番注目したいのが、付属している「しいたけ栽培ケース」。
要は菌床などを入れる専用ケースですが、これがあると無いとではしいたけの収穫のしやすさや量が段違いです。
このケースで中を密閉して湿気を維持しつつ、しいたけの成長スペースを確保してくれます。
ケース内に同梱のしいたけ菌床を入れてありますが、ケースの大きさが分かるかと。
これのおかげてしいたけがより成長しやすくなってます。
一般的なキットでは少し大きい袋が付いているだけで、扱いづらい・成長スペースが確保しづらいと、しいたけ栽培には向いていません。
何回かこの袋のみでしいたけを栽培しましたが、まともに収穫できませんでした。
しかし専用ケースで栽培すれば、しいたけの様子を簡単に確認できますし、成長の阻害もしません。
「菌床・原木のみのしいたけ栽培で失敗した」なんて人に特におすすめできます。
ケース込みの栽培キットの値段は通販で3000円ちょっと…なんですが、近所のホームセンターだと1500円だったりしました。
ケースは単品でも購入できるようになってます。
が、ケース単体だと2000~3000円ほどするので、ケース目当てならセットで購入したほうが遥かにお得です。
しいたけの栽培準備
ではしいたけ栽培するための前準備です。
まず栽培キットに入っているのは以下の通り…といっても2つだけですが。
・栽培ケース
あと同梱はされてないですが、湿気の維持でスプレーを使います。
必ず必要というわけではありませんが、あると便利なので100円ショップなどで購入しておきましょう。
菌床を濡らす
まずは菌床を密閉袋から出して水に濡らします。
原木栽培では一晩水に浸けたりしますが、菌床では全体を水で流すだけでOKです。
最初は水を弾くような感じになってますが、隙間に水が染み込むので問題ないです。
ケースに入れて保管
濡らした菌床をケースに入れて、直射日光の当たらない場所に置いておきます。
直射日光でなければ少し明るくても大丈夫なので、屋内のどこでも栽培できます。
それなりに日光が入る部屋で栽培しましたが、問題なく成長して収穫できました。
もし不安なら新聞紙などを被せたり、段ボールの中に入れておきましょう。
1日1回の水スプレー
湿気の維持のために、1日に1回スプレーで散水します。
これをしいたけが完全に発生しなくなるまで続けます。
しいたけが発生・成長するには湿気がかなり需要です。
菌床の表面に水滴がついていない状態なら散水しておきましょう。
朝と、場合によっては夜にも菌床全体に軽くスプレーしておきます。
しいたけに水がついても大丈夫なので、気にせず散水しましょう。
ただしケース内部に水滴が付くくらい湿気があるなら散水しなくても問題ないです。
むしろしいたけに水がかかりすぎてふやけた感じになってしまうので、状況を見て散水の有無を決めましょう。
しいたけが収穫できるまで
栽培の前準備が終わったところで、しいたけが成長していく過程を見てみましょう。
けっこうペースが早く、ケースに入れて栽培し始めてから1週間以内には収穫できます。
早いと4日くらいで食べれるサイズにはなるので、1日おきに観察してみると良いでしょう。
1日目
密閉された袋から出した菌床がこれになります。
ポツポツとしいたけの芽(?)のようなコブがいくつも出ており、これが成長していきます。
先ほど書いたように、しっかり濡らして湿気を維持していきましょう。
2日目
しいたけをケースに入れて栽培し始めて1日経過しました。
この時点でコブがかなり大きくなっています。
これはしいたけの本体となる部分で、ここが大きくなって膨らんでいきます。
3日目
3日目ながら、完全にしいたけとして判別できるくらいに大きくなってます。
この形からすると小ぶりで肉厚な種類の「冬こ」というしいたけでしょう。
取説によるとまだ完全に成長しきっていないようですが、この大きさから食用として使えるかと。
しいたけの収穫時期は、しいたけの傘が切れたかどうかで判別するそうです。
収穫できるしいたけはこのように傘の膜が切れ始めます。
生えた状態では裏側は確認しにくいので、この時点での一番大きいしいたけを収穫して確かめてみましょう。
4日目
スーパーで販売されているしいたけと遜色ないほどに成長するものも出てきました。
大きさは直径約4センチ前後。
複数のしいたけが大きくなってきたため、圧迫されているしたけも出始めてます。
このあたりになったらまとめて収穫してしまいましょう。
時期を逃すと…
成長しきったしいたけを放置しておくと、湿気を吸い過ぎてふやけてしまいます。
こんな感じに傘が開ききって、丸みが無くなってしまいます。
収穫できる直後のしいたけよりも柔らかくなってしまうので、しいたけ特有の硬さや弾力を活かしたいなら注意しましょう。
収穫し終わったら
しいたけが発生しなくなったとしても、まだ終わりじゃありません。
一度すっからかんになったと思われる菌床ですが、休眠させればまたしいたけが発生し始めます。
2~3週間ほど保管し、時期になったら水にドップリと浸けます。
そうしたら、また上記のように毎日のスプレーをしていけば、しいたけの芽が出てきます。
ただ残念ながら1回目ほどの収穫量は見込めません。
特に菌床だと量がかなり減ります。
菌床は粉々にしたおが屑を原料にしているため、しいたけ菌の繁殖がスムーズに行われ、しいたけも発生しやすくなってます。
その反面栄養を使い切るのも早くなるため、休眠期を経ての2回目、3回目となるとしいたけの量も減っていきます。
原木はそこまで顕著に減ったりはしませんが、やはり1回目よりは減ります。
基本的に3回目を収穫し終わったら発生はしなくなると思ったほうが良いです。
最終的な収穫量としては、40~50本は見込めるかと思います。
市販のしいたけが4~5本入りで200円くらい。
栽培したしいたけは少々小さいながらも、充分に元は取れると思われます。
…まあ当然ながらうまく栽培した場合に限るので、しっかりと面倒を見て育てましょう。
収穫したしいたけ
収穫したしいたけはそのまま料理に使えます。
菌床栽培で収穫できたしいたけは雑菌が少ないので、念入りに洗わなくても食用にできます。
むしろ水洗いするとふやけて食感が薄れてしまうので注意。
長期保存するなら干ししいたけがおすすめ。
乾燥させることによって栄養素が凝縮され、さらにビタミンDといった一部の栄養は数十倍にも増加するそうです。
網などに置いて乾燥させれば、長期保存ができてカビなども生えてきません。
100円ショップなどで野菜を入れて吊るせる網ケースも販売しているので活用しましょう。
変則的な収穫方法
少々変則的になりますが、1メートルの原木を切断して小型の原木して栽培する方法もあります。
要は小さい箱に入っている栽培キットを量産するわけです。
メートル級のしいたけ原木1本が2000円前後なので、30センチの小型原木が3本はできる計算。
1本あたり700円以下の値段なので、屋内で大量にしいたけ栽培したい人におすすめです。
ただ安定して収穫したいなら、やはり専用ケースが必要なので数個は用意しておきましょう。
…記事冒頭で紹介した通り、菌床+ケースのセットで購入したほうが安上がりなので、いくつか購入したあとにする方法になるでしょうが…。
原木栽培だと一度に出てくるしいたけの量は菌床より少なくなりますが、長期に渡ってしいたけが出続けます。
菌床と違って休眠させれば年を跨いで収穫できるので、原木で安上りかつ多く収穫したい時に使える方法かと。
とりあえず「こんな方法もある」と覚えておいてください。
栽培してみた感想
しいたけを専用ケース付きで栽培してみた感想ですが、ぶっちゃけ放置するだけで収穫できます。
一般的な栽培キットでの袋を使っての栽培方式とは雲泥の差です。
ケースが大きく取り外しも簡単なため、スプレーするのも苦になりません。
本当に片手間で栽培できます。
むしろ毎日のしいたけの成長具合の観察が楽しめるほど。
お子さんがいる家庭でも簡単に栽培できるので、興味があるなら手を出してみるのも良いかと。
ケースは使いまわせるので、後日菌床・原木のみの栽培キットを買っても同じように栽培できます。
とにかく手軽で確実にしいたけを栽培・収穫できるキットなので、しいたけ栽培をしてみたいなら「しいたけの森」栽培キットを使ってみましょう。