ブルーライトが出るのはスマホだけじゃない? どこから出るのか、防ぎ方は?
スマホの普及によって世に出てきた「ブルーライト」というもの。
テレビなどでもスマホの悪影響として取り上げられ、「寝にくくなる」「睡眠が浅くなる」と知っている人もいるでしょう。
ではブルーライトとはスマホ特有のものなのか?
効果的な防ぎ方はあるのか?
ブルーライトとは
ブルーライトは「高エネルギー可視光線(HEVライト)」と呼ばれ、太陽光にも含まれている光の種類のひとつです。
赤外線や紫外線のようにエネルギー値が高い光線で、青い色をしてるからブルーライトと呼ばれています。
可視光線…というより日光というのは、様々な色の光が混ざった状態です。
それぞれの色の光には「波長」というものがあり、それで光の種類を決めています。
例えばブルーライトなら380~530ナノメートル、赤外線なら760~830ナノメートル、紫外線なら10~400ナノメートルなど。
ブルー(青)と紫などの似た色の場合、波長の一部が被った部分もあったり。
虹にもブルーライトは表れてます。
虹は大気中の水蒸気に光(可視光線)が反射したものなので、虹の中の青色の部分がブルーライトといえます。
ブルーライトの主な効果は脳の覚醒です。
注意力や反射神経の向上、精神の安定など生活面で欠かせない役割を持ってます。
人間のように日中に活動する生物は、ブルーライトの有無でも「昼か夜か」を判断しています。
「朝しっかり起きるには日光を浴びる」なんてのは、日光内のブルーライトを浴びるためといえます。
ただし就寝前にブルーライトを浴びるのはご法度。
「脳の覚醒」とある通り、これから寝るのに脳を起こしてどうするんだって話です。
これが睡眠の導入を遅くしたり、睡眠の浅さの原因となってます。
さらなる弊害として体内バランスが崩れることが挙げられます。
脳が覚醒状態にあると、それに付随して身体全体が「昼間」と認識してしまいます。
そうなると本来は休息する時間帯なのに不必要な内臓活動を続けたり、体内時計が狂ったりします。
翌日になっても妙に疲れが残ったり、寝坊しやすくなったりするのはこういうわけです。
ブルーライトを出すモノ
ブルーライトが知られる切っ掛けになったのはスマホ類ですが、他にもブルーライトを出す機器はあるのか?
結論としてスマホだけでなく、テレビ・パソコンといった画面からもブルーライトは出ています。
…というより光を出す機器はブルーライトも出している可能性が高いです。
ブルーライトは何も日光のみに含まれるものでは無く、「光」といえるもの全てに含まれています。
そのためスマホやテレビだけでなく、蛍光灯といったライトなどでもブルーライトを発しています。
特にスマホなどの画面に使われるLEDや液晶が問題になってきてます。
先ほど書いた通り、ブルーライトは青色を含む光から発せられます。
昔のブラウン管テレビは赤色の比重が強かったため、そこまでブルーライトの影響はありませんでした。
しかしLEDや液晶に変わって多種多様な色を再現できるようになってから、光に含まれるブルーライトの比率も増加しました。
「スマホやテレビから青を感じない」なんて思っても、しっかり青色は使われて(ブルーライトを発して)います。
光の色というのは「赤」「青」「緑」で再現されており、例えば「白」という光を作るためにはこの3色全てを混ぜる(使う)必要があります。
蛍光灯などの白色ライトだけでなく、LEDも青と黄色でかなりの色を再現しているため、大抵の光にブルーライトが含まれます。
スマホなどの液晶画面に水滴がついた時、白い部分であっても青く光っている部分を見た人もいるでしょう。
つまり日常生活の中でも、気付かない間にブルーライトを大量に浴びているわけです。
おまけにブルーライトも他の光同様に距離が近いほど影響が多くなります。
スマホなどを見る10~30センチの距離がかなり多く、逆に1メートルも離れればほとんど影響は無くなります。
パソコンなど50センチくらいの距離だと、スマホの3分の1くらいの影響になります。
スマホが普及していなかった2000年前半はテレビやパソコンが普通だったので、そこまでブルーライトの影響はありませんでした。
しかしそれ以降は調べ物・動画など何でもスマホでするようになったので、ブルーライトの被害は爆発的に増加しました。
これが昨今のブルーライト被害の原因です。
ブルーライトの防ぎ方
「寝つきが悪くなる」「よく眠れなくなる」なんて悪影響のあるブルーライトですが、寝る前に読書したりする人もいるでしょう。
ではブルーライトを防ぐにはどうすればよいのか?
フィルターを通す
一番使われるのが、ブルーライトを防ぐフィルムなどのフィルターを通すことです。
スマホでブルーライトを軽減するフィルムは大抵の機種で販売されているため対策もしやすいです。
ただ軽減率は各製品ごとに違うので、できれば軽減率が高いフィルムを選びましょう。
またブルーライトをカットするメガネやコンタクトも販売されています。
メガネかコンタクトをしている人ならブルーライトカット機能を入れたもの。
メガネをしない人ならサングラスの要領で、寝る前のスマホ対策に使いましょう。
注意するのはサングラスで、どのサングラスでもブルーライトをカットできるわけじゃありません。
ブルーライトをカットできるのは「UV400」など、ブルーライトの波長と同じ数値のサングラスです。
…まあ紫外線カット率が高いサングラスはブルーライトカット率も高いですが。
画面を「黒く」する
画面の背景などを「黒く」「暗く」することでもブルーライトを軽減できます。
スマホ・パソコン画面に使われている液晶は、光を出さないことで黒色を出してます。
光を出さない=ブルーライトも出ないので、画面から出るブルーライトを大幅軽減できます。
そうでなくても光量調整で暗めにすることでもブルーライトを減らせます。
またパソコンやスマホで見る「夜間モード」というのはブルーライト軽減のためのシステムです。
自動的に画面を黒く・暗くしたり、ブルーライトを出さない暖色(オレンジ)系の光に変えてくれます。
夜間モードの設定は大抵「ディスプレイ」の設定でできることが多いです。
例えばWindows10ならスタートメニューの「設定」→「システム」→「ディスプレイ」で夜間モードの設定ができます。
どうしても夜間モードにできないなら、夜間モードにできるアプリもあります。
こちらは細かく色を変えたりすることもできるため、既存の夜間モードが気に入らない人にもおすすめです。
「青」「白」以外のライトを使う
枕元にライトを置いて本など読んだりする人は青・白以外の色のライトを使いましょう。
ブルーライトは青と白色の光に含まれるので、赤やオレンジ・黄色といった色なら問題ありません。
寝る前に使うライトなら睡眠に悪影響が出ないようなライトを選ぶ必要があります。
電球を交換できるようなら交換して、固定タイプなら問題ない色を選びましょう。
色を変えられるタイプもあるので製品の説明をよく読んでみましょう。
寝る1時間前にはやめる
色々とブルーライト対策を書いてきましたが、やはり寝る前に浴びないのが一番です。
ライトを使って何かするのは、寝る1時間前くらいまでが限度です。
ブルーライトを浴びた状態から睡眠に移行するにはそれくらいの時間がかかります。
要は「目が冴えている」ということ。
目を瞑って寝ようとしても、目を開けようと思ってすぐ開いてしまうようなら、まだ身体が「寝たい」と思ってない状態です。
ブルーライトを軽減しても、例え10分程度スマホなどを操作するだけでもそれなりの悪影響は出ます。
「何時までには寝る」と考えているなら、その1時間前にはスマホ操作などはやめるようにしましょう。