尿の色からわかる病気や豆知識。赤くなったり泡立ったりするとどんな病気なのか?

健康な人ならどんな人でも毎日問題なく出ているであろう「尿」、あるいは「小便」「おしっこ」。

特に朝はよく出ているでしょうが、日や時間帯によって色なんかが微妙に違います。

特に多いのがやけに黄色くなったりすることですが、他にも赤くなる・白くなる・透明になる・泡立つといった尿になることもあります。

尿のでき方や成分、そして色からどんな病気にかかっている可能性があるか調べました。

尿とは?

尿の役割

尿は便と同じく体内に必要ない物質(老廃物)を排出するためのものです。

ただ便とは違い、特に水に溶けやすい成分をメインにして排出しています。

成分を水に溶かすために大量の水分を使いますが、まずは体内の水分量が優先されるので、体内の水分量が多ければ多くつくられ、逆に少ないとつくられる量も少なくなります。

あとは「体内の浸透圧の調整」というのがあります。

詳しくは後述しますが、尿は血液からつくられますが、その血液に含まれる成分を人体に適した状態に調整する必要があります。

わかりやすいのが塩分濃度です。

塩分濃度が薄い水と濃い水を、スポンジのように水を通しやすいものを境にして混ぜると、だんだんと両者の塩分濃度が均一になるように調整されていきます。

このとき不要になった塩分などを体外に排出するための役割もあります。

尿の成分

正常な尿に含まれている主な成分は以下の通り。

・水
・尿素
・アンモニア
・塩分(ナトリウム)
・カリウム
・マグネシウム
・カルシウム
・リン酸
・シュウ酸
・水溶性ビタミン

こんな感じに多岐にわたります。

ただ水分が90%以上の割合を占めるため、残りの成分量はごく微量ともいえます。

水分量が多かったり少なかったりすると濃度も変わるため、色の濃さに変化が出てきます。

尿の量と尿意

尿は体格差や摂取した水分量にもよりますが、大体1時間当たり60~70mlくらいつくられます。

つまり1日あたり1400~1700mlあたりの尿がつくられる計算になります。

ただ尿を貯めて置ける膀胱は500ml前後くらいまでの体積しかないので、適正な水分量を摂っていれば1日最低でも3回はトイレに行くことになります。

尿意は膀胱の70~80%くらいの尿が貯まったら催すので、その状態での1回のトイレでは400ml(コップ1杯分)くらいの尿が出ます。

この尿意を我慢し過ぎると「膀胱炎」や「尿閉」といった病気・症状が出てくるので、くれぐれも我慢のしすぎはやめておきましょう。

意外と「無菌」

尿と聞くとバイ菌だらけとイメージするでしょうが、膀胱にあるできたての尿は基本「無菌」なんだそうです。

膀胱の中で細菌が繁殖すると「膀胱炎」といった症状を起こしやすくなるため、そのあたりは徹底して管理されているそうです。

そもそも尿の元となるものは血液です。

その血液内で細菌が繁殖しているような状態は人体にとって見過ごせない事態なので、元となる血液にしても普段から徹底して殺菌してあります。

こうしたことから尿そのものには菌類は含まれておらず、思ったより清潔(?)なんだそうです。

尿素≠アンモニア

「尿素」と聞くと「アンモニア」とイメージする人もいるでしょうが、実際にはかなり違いがあるそうです。

尿素は「カルバミド」とも呼ばれアンモニアが含まれるのは事実ですが、他にも「ビウレット」「シアヌル酸」という物質も含まれています。

そもそも尿素とはアンモニアなどの有害な物質を、一つにまとめて安定させることで無害化しています。

この尿素は200℃近く加熱しなければアンモニアなどの成分に変化しません。

それまでは無害なままで、むしろ保湿クリームや肥料などの有益な物質でもあります。

「じゃあ尿にアンモニア臭がするのはなぜ?」というと、このアンモニアは腎臓内で発生したものです。

アンモニアはアミノ酸が細胞内で使われる際に発生するので、体内のどの部分でも常時発生しています。

しかし尿素の合成は肝臓で行われるため、尿をつくる工程の最後にある腎臓内で発生したアンモニアまでは範疇外です。

そのため微量のアンモニアが尿に混じり、アンモニア臭がするというわけです。

逆にキツいアンモニア臭がする人は、腎臓や膀胱などになんらかの問題がある可能性が高いので注意してください。

尿≠汗

尿と汗を同じと思っている人がいますが、役割はまったく違います。

前述した通り尿の役割は体内の老廃物を出すことですが、汗は体温を下げる目的で出されます。

濡れた肌に風を当てると気化熱として体温を奪って、体温を下げることで熱中症などを予防します。

こうした役割がメインで、老廃物などは汗にはほとんど含まれていません

「お風呂で汗をかけばデトックス効果がある」といっても、汗を出せば老廃物も一緒に出るわけではないので注意しましょう。(デトックス効果は別のことで出ているので安心してください)

尿=汗と考える人は、「汗と尿がしょっぱい」のが原因ではないかと。

しかし汗に含まれる塩分は汗(水分)を体外に出しやすいようにするためのもので、尿に含まれる塩分は単に要らないものとして排出されているので覚えておきましょう。

尿の色でわかる病気

尿の色によって、自分がかかっている病気などがわかることがあります。

女性だと体勢の関係上少々わかりにくいですが、男性だと毎日イヤでも見てると思います。

かなり顕著に変化がでることが多いので気にかけてみましょう。

黄色

通常の健康な人の尿は「かなり薄い黄色」をしています。「淡黄色」ともいいます。

色の大本は肝臓から出ている「胆汁」という物質が赤褐色(赤っぽいオレンジ)をしており、これが水で薄まって黄色っぽい色になるそうです。

ただ水分量が少なかったり、ビタミンなどを取りすぎていると「濃い黄色」へと変化します。

ビタミン剤はもちろんのこと、口内炎の薬にも大量にビタミンが含まれているため、これらの薬を服用したあとの尿が黄色くなるのはこれが理由です。

しかしこの尿の色が「赤」や「緑」などに変化したら注意が必要です。

赤・ピンク色

尿が赤色になると、一番イメージしやすいのが「血尿」でしょうか。

文字通り尿に血が混じった状態です。

ただ血が混じる理由もいくつかあり、

・尿路結石
・膀胱炎
・腎腫瘍

と、尿の通り道のどれかで出血している可能性があります。

通常これらの場所で出血することはないので、血が混じったらどれかのポイントで異常が発生している可能性を考えましょう。

あと抗生物質などの一部の薬を服用していても赤みのある尿になったりもするそうなので、薬を服用している・予定がある人は覚えておきましょう。

茶色(褐色)

赤色の尿の延長上にもなりますが、茶色に変化することもあります。

原因の大本に「筋トレのしすぎ」「血液の異常」などが挙げられます。

筋トレのし過ぎ

「運動・筋トレのしすぎ」な人で、まれにこの色の尿が出ることがあります。

筋肉というのは、酷使しすぎると筋細胞が壊れて筋肉の成分が血液中に流れ出ます

この壊れた筋肉の成分が尿に混じると茶色になります。

この尿が出た人は、症状が酷いと酷使しすぎた部位を動かすことすら難しくなります。(腕立てのしすぎなら胸筋、スクワットだったらふくらはきだったり)

これは腎不全にも直結しやすい問題なので、くれぐれも筋トレのしすぎにはご注意を。

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血液異常

この場合は血液の異常というよりは「ヘモグロビンの異常」ともいえます。

いつもは問題ない人に急に極度の貧血の症状が出ると、この茶色の尿が出ることがあります。

貧血の主な原因は酸素を運ぶ役割のヘモグロビンに何かあったときに起こります。

大抵はヘモグロビンの量が少なかったりすることが原因ですが、何らかの理由で大量にヘモグロビンが破壊されたときも同じ症状が出ます

ヘモグロビンが壊れたり寿命を迎えたりすると「ビリルビン」という物質が出ます。

これが尿に混ざることで茶色へと変化します。

通常の寿命なら問題ありませんが、短命すぎる場合は「溶血性貧血」の恐れがあります。

青・緑色

イメージしにくい人もいるでしょうが、青色や緑色の尿が出るケースもあります。

抗うつ薬などの薬を服用しているとこんな色の尿が出る場合があるそうです。

ただ緑色の尿だと「緑腫菌」という細菌が膀胱で繁殖している可能性があります。

この場合膀胱炎になっていることが多いそうなので、薬などに身に覚えが無ければすぐに病院で診てもらいましょう。

白色

極まれなケースですが、白色(乳白色)の尿が出る場合もあるそうです。

これは「フィラリア(寄生虫)」が原因で起きます。

現在の日本ではかなり少ないようですが、寄生虫は蚊を経由して人に寄生するそうです。

この寄生虫は亜熱帯の気候の地域で感染しやすいので、亜熱帯の国に旅行した後に白い尿が出るようになったら、この寄生虫に寄生された可能性を疑いましょう。

またこの寄生虫はイヌにも寄生するので、そこから蚊を通して飼い主に寄生する場合もあります。

ペットの予防接種はキチンとするようにしましょう。

透明

透明=色が無いということで問題ないと思うかもしれませんが、実際はまったくの逆です。

人体ではどんな人でも老廃物や有害なアンモニアなどが常時発生しています。これは避けられません。

つまり尿の色の元になる物質があるにもかかわらず透明な状態なのは、尿の濃縮が行われていない可能性があります。

尿の濃縮が行われない=体内に有害物資が残ったままなので、腎臓などが正常な働きをしていないことになります。

腎不全などによる腎臓の機能の低下などで透明な尿ができやすくなるので、健康なのに出るようなら糖尿病を疑いましょう。

※水を飲みすぎると尿がかなり薄くなるので、そのあたりは勘違いしないように。

色以外の異常

ここからはどんな色の尿かに関わらず、こうなっていたらかかっている可能性のある病気などの紹介です。

濁ってる

尿にやたらと不純物が混じって濁っているようなら「膿尿(のうにょう)」の可能性があります。

これは尿内に白血球が混じっている状態で起こります。

腎臓・膀胱・尿道などに細菌が入ると、防衛反応として白血球が細菌と戦い、死滅します。

その白血球の死骸が大量にあると、尿が濁ったようになるそうです。

体内に細菌が入り込んでいるため、尿が存在する部分が炎症を起こす可能性が高く、

・膀胱炎
・尿道炎
・前立線炎

とった症状が出るので注意しておきましょう。

甘い匂い

尿から甘い匂いがする場合は糖尿病の可能性があります。「甘い」といったところから連想しやすいと思います。

これは血液中にある糖分の量、血糖値が高いことから必然と尿に入る糖分も多くなるためです。

適正な血糖値なら細胞が働くエネルギーとして血糖が消費されるので、尿にはあまり混じりません。

しかし尿に混じるようになると体内で消費しきれないと判断されているため、「異物」扱いされるようになります。

こうなると腎臓そのものにも負担がかかり続けるため「腎不全」といった再生不能な症状が出る可能性が高くなります。

尿が泡立つ

出した尿が異様に泡立つ状態を「蛋白尿(たんぱく尿)」といいます。

尿が泡立つのは尿に大量のたんぱく質が混じることで起こります。

通常たんぱく質といった大きい物質は、腎臓内の「糸球体」の部分を通れずに引っかかります。

この糸球体は体内に必要な成分をこし取るための網の役割があります。

血液にはたんぱく質(アミノ酸)・糖質といった細かい成分から、赤血球といったそれより大きいものも多く含んでいます。

これらは身体にとって必要不可欠なもので、尿として出してしまうわけにはいきません。

しかし何らかの理由でこの「網目」が大きくなると、たんぱく質といった成分をこし取れず尿内に大量に混じるようになります。

この場合糸球体に問題かある場合が多く「慢性糸球体腎炎」の可能性が出てきます。

寒いとトイレが近くなる理由

皆さん寒いとトイレに行く回数が増えたりと、尿の量そのものが多く感じることも多いはず。

その理由は単純に寒いと汗をかかないからです。

汗も尿も血液中の水分を使って出されますが、寒いと自然と汗の量も減っていきます。

その分体内の水分が消費されにくくなるので、余った水分がそのまま尿として使われることになります。

逆に汗をかきやすい夏場だと尿に変わる前に汗として体外に出されるため、トイレの回数が少なかったり一度の尿の量も少なかったりします。

こうした理由から寒い冬場だと飲んだ水分=尿の量、となることもしばしば。

寝る前に多めに水分を摂ると寝る直前・あるいは寝てる最中にトイレに行くことも多くなるため、飲む量には注意しましょう。

女性のほうがトイレが近い理由

女性のほうが男性よりもトイレが近い傾向があります。

理由は男性についているアレが女性にはないためです。

男性諸君は尿意が来てもアレがあるため、尿道そのものを締め付けて我慢しやすい構造になっています。

「限界が近くても、アレの根元で食い止めてる」みたいな状態でトイレに駆け込んだ経験をした男性も多いはず。

しかし女性だとそういったものが無く尿道を締め付ける能力が弱くなるため、尿意が出たらすぐトイレにいかないと間に合わないなんてことになりやすいです。

女性では上記の「根本で食い止めてる」なんて状態だと、すでにアウトです。

女性のほうがトイレが近い・回数が多いのは身体の構造上仕方ない部分が多いので、そのあたりは気遣ってあげるようにしましょう。

最後に

これで尿にまつわる豆知識や注意点の紹介を終わります。

尿の色は身体に異常があると、かなり顕著に色が変化するようです。

一番わかりやすい目印になるので、毎日尿の色が確認できるなら、それなりに気にかけておくといいでしょう。

また日常で膀胱などに細菌が入り込むのは、汚い手で局部に触れるときです。

分別のついている年齢の人ならしないでしょうが、まだ小さいお子様だと不安が残るので、しっかり教育しましょう。