尿に含まれる成分などの豆知識のアレコレ。尿はどういったものなのか?

2021年3月1日人体・病気人体,健康,病気

健康な人ならどんな人でも毎日問題なく出ているであろう「尿」。

あるいは「小便」「おしっこ」。

特に朝はよく出ているでしょうが、日や時間帯によって色や量が微妙に違います。

なぜ尿は黄色いのか?。

含まれる成分は?

尿は一体どうやってできるのかを解説します。

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尿とは?

尿の役割

尿は便と同じく体内に必要ない物質(老廃物)を排出するためのものです。

ただ便とは違い、特に水に溶けやすい成分をメインにして排出しています。

成分を水に溶かすために大量の水分を使いますが、通常は体内の水分量が優先されます。

そのため体内の水分量が多ければ多くつくられ、逆に少ないとつくられる量も少なくなります。

あとは「体内の浸透圧の調整」というのがあります。

尿は血液からつくられますが、血液に含まれる成分を人体に適した状態に調整する必要があります。

わかりやすいのが塩分濃度です。

塩分濃度が薄い水と濃い水を混ぜると、かき混ぜなくても徐々に濃度が均一になるようになります。

これは濃度が濃い方は薄い方へ、薄い方は濃い方へ移動するためです。

これを利用して、塩分と一緒に別の成分の濃度の調整も行っています。

不要になった塩分などを体外に排出するための役割もあります。

尿の成分

正常な尿に含まれている主な成分は以下の通り。

・水
・尿素
・アンモニア
・塩分(ナトリウム)
・カリウム
・マグネシウム
・カルシウム
・リン酸
・シュウ酸
・水溶性ビタミン

こんな感じに多岐にわたります。

ただ水分が90%以上の割合を占めるため、残りの成分量はごく微量です。

水分量が多かったり少なかったりすると濃度も変わるため、色の濃さに変化が出てきます。

黄色い理由

尿の基本色は黄色…というより淡黄色、というかなり薄い黄色にです。

こうした色になるには2つほど理由があります。

胆汁

理由の一つ目は肝臓から出ている「胆汁」になります。

この胆汁は食べ物の脂肪分を柔らかくし、分解しやすくする効果を持ちます。(消化酵素ではない)

そのため食事の際に多く分泌される傾向があります。

しかし食事以外、例えば水のみを飲んだ時には分泌されにくくなります。

水ばかり飲んでいると尿が薄くなるのは、色の元になる胆汁そのものが含まれないからです。

ビリルビン

二つ目はビリルビン…というより、これからできる「ウロビリノーゲン」が黄色をしています。

ビリルビンは血液中のヘモグロビンが分解されてできます。

ビリルビンは一度肝臓から腸へと放出され、腸内細菌よって分解されます。

これでウロビリノーゲンになります。

そしてウロビリノーゲンは腸内で吸収され、血液→腎臓へと流れ尿に混じります。

これでも尿は黄色くなります。

ただビリルビンが血液に大量に混じると「溶血性貧血」という症状が出ます。

ビリルビン自体は茶色をしているため、「茶色の尿」が出るようになります。

尿の量と尿意

尿は体格差や摂取した水分量にもよりますが、大体1時間当たり60~70mlくらいつくられます。

つまり1日あたり1400~1700mlあたりの尿がつくられる計算になります。

しかし尿を貯めて置ける膀胱は500ml前後くらいまでの体積しかありません。

そのため適正な水分量を摂っていれば1日最低でも3回はトイレに行くことになります。

尿意は膀胱の70~80%くらいの尿が貯まったら催すため、1回のトイレで400ml(コップ1杯分)くらいの尿が出ます。

この尿意を我慢し過ぎると「膀胱炎」や「尿閉」といった病気・症状が出てきます。

くれぐれも我慢のしすぎはやめておきましょう。

意外と「無菌」

尿と聞くとバイ菌だらけとイメージするでしょうが、膀胱にあるできたての尿は基本「無菌」だそうです。

もし膀胱の中で細菌が繁殖すると「膀胱炎」といった症状を起こしやすくなります。

それを防ぐため、菌が入らないよう徹底して体内管理されているそうです。

そもそも尿の元となるものは血液です。

その血液内で細菌が繁殖しているような状態は人体にとって見過ごせない事態。

元となる血液にしても普段から徹底して殺菌してあります。

こうしたことから尿そのものには菌類は含まれておらず、思ったより清潔(?)なんだそうです。

尿素≠アンモニア

「尿素」と聞くと「アンモニア」とイメージする人もいるでしょうが、実際にはかなり違いがあるそうです。

尿素は「カルバミド」とも呼ばれ、広義的に尿にアンモニアが含まれるのは事実です。

ですが、他にも「ビウレット」「シアヌル酸」という物質も含まれています。

そもそも尿素はアンモニアなどの有害な物質を、一つにまとめて安定させることで無害化しています。

この尿素は200℃近く加熱しなければアンモニアなどの成分に変化しません。

それまでは無害なままで、むしろ保湿クリームや肥料などの有益な物質でもあります。

じゃあ「尿にアンモニア臭がするのはなぜ?」か。

というと、尿に含まれる純正のアンモニアは腎臓内で発生したものです。

アンモニアはアミノ酸が細胞内で使われる際に発生するので、体内のどの部分でも常時発生しています。

しかし尿素の合成は肝臓で行われるため、その時点で「アンモニア」という成分は無くなります。

しかし尿をつくる工程の最後にある腎臓内で発生したアンモニアまでは範疇外です。

そのため微量のアンモニアが尿に混じり、アンモニア臭がするというわけです。

逆にキツいアンモニア臭がする人は、腎臓や膀胱などに問題がある可能性が高いので注意してください。

尿≠汗

尿と汗を同じと思っている人がいますが、役割はまったく違います。

前述した通り尿の役割は体内の老廃物を出すことです。

が、汗は体温を下げる目的で出されます。

濡れた肌に風を当てると気化熱として体温を奪って、体温を下げることで熱中症などを予防します。

こうした役割がメインで、老廃物などは汗にはほとんど含まれていません

「お風呂で汗をかけばデトックス効果がある」といっても、汗と一緒に老廃物も出るわけではありません。(デトックス効果は別のことで出ているので安心してください)

尿=汗と考える人は、「汗と尿がしょっぱい」のが原因ではないかと。

しかし汗に含まれる塩分は汗(水分)を体外に出しやすくするためのもの。

尿に含まれる塩分は単に要らないものとして排出されているので覚えておきましょう。

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寒いとトイレが近くなる理由

寒いとトイレに行く回数が増えたり、尿の量そのものが多く感じることも多いはず。

その理由は単純に寒いと汗をかかないから

汗も尿も血液中の水分を使って出されますが、寒いと自然と汗の量も減っていきます。

その分体内の水分が消費されにくくなるので、余った水分が尿となります。

逆に汗をかきやすい夏場だと尿に変わる前に汗として体外に出されます。

このためトイレの回数が少なかったり、一度の尿の量も少なくなります。

こうした理由から寒い冬場だと飲んだ水分=尿の量、となることもしばしば。

汗が必要ない分、最低限摂取したい水分量もいくらか減ってきます。

飲みすぎには注意しましょう。

寝てる最中の尿

先ほど「1時間あたりの尿の生成量は60~70ml」と書きました。

そして膀胱に溜めて置ける尿の量は500ml。

しかし睡眠時間は大体6~8時間。

寝ている間に360~560mlの尿がつくられている計算になります。

しかし朝の尿の量が多いのは事実ですが、そこまでの量と感じない人もいると思います。

これは「寝ている間は尿をつくらない」という命令が出されるため。

就寝中は「抗利尿ホルモン」というものが分泌され、尿をつくる・催すのを抑制してくれます。

このため寝ている間にトイレに行くことが少なくできています。

しかし抗利尿ホルモンは加齢とともに減少していきます。

高齢になると夜中にトイレで起きやすくなるのはこれが原因。

尿の生成量も減らなくなるため「頻尿」にもなります。

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女性のほうがトイレが近い理由

女性のほうが男性よりもトイレが近い傾向があります。

理由は男性についているアレが女性にはないためです。

男性諸君は尿意が来てもアレがあるため、尿道そのものを締め付けて我慢しやすい構造になっています。

「限界が近くても、アレの根元で食い止めてる」みたいな状態。

この状態でトイレに駆け込んだ経験をした男性も多いはず。

しかし女性だとそういったものが無く尿道を締め付ける能力が弱いです。

そのため尿意が出たらすぐトイレにいかないと間に合わないなんてことになりやすいです。

女性では上記の「根本で食い止めてる」なんて状態だと、すでにアウトです。

女性のほうがトイレが近い・回数が多いのは身体の構造上仕方ない部分が多いです。

断線諸君は、そのあたりは気遣ってあげるようにしましょう。

最後に

これで尿にまつわる豆知識の紹介を終わります。

調べてみて「尿は無菌」というのが意外でした。

他にも尿≠汗や、尿≠アンモニアといった点も。

…まあだからといって平気というわけではありませんが…。

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