戦争の狂気(笑)から生まれた珍兵器・トンでも兵器・マル秘計画。「どうしてこうなった」が似合う兵器や計画

2020年11月25日その他・雑学その他

「戦争では正気ではいられない」なんて言葉を聞いたりしますが、それは「いかにして勝つか」といった執念からも生まれます。

戦争のなかで洗練されていった技術などもありますが、中には「どうしてこんなもの造ったの?」なんて兵器が多く製造されました。

あるいは個人の狂気的な発想から生まれた武器もあります。

実用性の有無を含めてかなり個性的な兵器や武器が各国で製造されましたが、実用背が低かったり実戦に投入されることなくボツになった兵器も多いです。

それに次いで勝機を掴もうと正気じゃないような計画・作戦も立案されています。

今回はそんな戦争の中で生まれた珍兵器や計画を紹介していきます。

単純な欠陥品などだとキリが無いので、外見的・コンセプト的にぶっ飛んでるものを中心にしています。

作戦

ヒトラー女体化計画

発案元:アメリカ
計画年月日:第二次世界大戦中

初っ端からぶっ飛んでますが、「ヒトラーを女性にして大人しくさせよう」と計画・立案された作戦です。

…ワケの分からない計画ですが一応理由はあります。

ご存じの通りヒトラーは選民思想・戦争助長・ユダヤ人迫害とかなり過激な思想や行動を推進していました。

それは戦争にも反映され、かなり攻撃的なコンセプトのもとで兵器開発や作戦を立案していました。

そこで「女性になればその攻撃性も無くなるのでは?」と考えられ、実際にヒトラーを女性にすべく作戦が開始されました。

…とはいっても、実際ヒトラーを拉致して外科手術でアレを切り取るなんて不可能ですから、ヒトラーの食事に女性ホルモンを混ぜ込むことで実現しようとしました。

女性というのは生理前後に男性ホルモンが増えるため、男性的な性格に近づき攻撃性が増すということが知られています。

この逆でヒトラーの体内の女性ホルモンを増やして攻撃性を抑制しようとしたわけです。

「食事に女性ホルモン混ぜるくらいなら、毒を混ぜろよ」と思いますが、流石に各所から恨みを買っているヒトラーが警戒しないわけもなく、当然食事の毒見や検査は行われていたでしょう。

そこで毒として検査に引っかからない・混ざっていても問題ないようなものとして女性ホルモンは有用だったのでしょう。

実際食事に混ぜてそれをヒトラーが食べた、という報告もあるようですが、想定していた効果があったのか…?

富士山塗りつぶし計画

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:第二次世界大戦中

富士山ぬりつぶし計画とは富士山全体をペンキで赤く塗りつぶしてしまうという計画です。別名「赤富士計画」。

ご存じのとおり富士山は日本の象徴ともいえる山で、それを赤くしてしまえば士気の低下が望めると思ったそうです。

しかしこの計画が実行されることはありませんでした。

理由はペンキ・輸送機の量がトンでもない数になったからです。

富士山全体を赤くするのに必要になるペンキを試算したところ約12万トンという膨大な量に。

当然それだけの量のペンキを運ぶにも輸送機(爆撃機)が3万機も必要という計算に。

しかもその爆撃機を守るための僚機(戦闘機)も必要になります。

これだけのペンキや爆撃機・戦闘機を戦争中に用意することは極めて非現実的です。

おまけにこの作戦を実行したら爆撃機のパイロットは「日本の防衛網を命がけで潜り抜けて山にペンキをぶちまけるだけ」という、とんでもなくモチベーションが無くなる任務に従事することに。

しかもこれだけのことをして得られる成果は日本兵の士気が下がる…かも?というだけ。

はっきりいってアメリカ側のモチベーションも持たなかったでしょう。

お呪い計画

製造・発案元:日本
製造年月日:第二次世界大戦中

「各国要人を呪って戦争を有利に進めよう!」というコンセプトで立案された作戦です。

まあ日本の文化・お国柄が出てる作戦かなと。

同時にかなり切羽詰まってないと構想すら生まれなかった作戦でもあるかと。

敵国・敵軍の司令官といったトップを中心に呪ってしてしまえば、敵の士気も低下させられるし、それを恐れた国が降伏するだろうと想定していたのでしょう。

結果としてはマッカーサー元帥が生きていたり、敗戦したことで成果は無かったかと。

特攻思想

製造・発案元:日本
製造年月日:第二次世界大戦中

自軍にとっては決死の覚悟、敵軍にとっては狂気の所業ともいわれる「カミカゼ特攻」。

特攻というと第二次世界大戦中末期の日本軍が行ったことで有名です。

片道の燃料のみ・銃弾ナシのゼロ戦に乗ったパイロットが全速力で敵艦に突っ込むというイメージが強いと思います。

特攻という戦術・戦略を公然と取ったのは戦史上でも日本くらいなものです。

物資が無い・敗色濃厚な状態でも何が何でも勝つという執念が生んだ思想が特攻という戦術ですが、何もゼロ戦でのカミカゼ特攻だけではありません。

後述するトンデモ兵器で日本は特攻を前提とした兵器の「桜花」「廻天」という自爆兵器まで製造しています。

戦車類

マウス

製造・発案元:ドイツ
製造年月日:1942年

マウスはドイツが当時の技術でつくれる最高峰の戦車というコンセプトのもと製造された「ぼくのかんがえたさいきょーのせんしゃ」になります。

結構馬鹿っぽく書いてますが、これには理由があります。

当時のドイツ…というよりヒトラーはソ連の戦車(T-34)に対抗するため以下の性能を備えた戦車を製造するよう計画しました。

・ぶ厚い装甲(100~240mm)
・大口径の戦車砲(55口径12.8cm)

当時の戦車としてはかなり規格外の性能を持ち、先ほど挙げたソ連の戦車「T-34」が「54.6口径85mm、装甲90mm」に比べるとかなりの性能差があります。

要は「相手の砲撃をものともせず、逆に相手の戦車を一撃で撃破する」といったような戦車として製造される予定でした。

しかしいざ出来上がったのは自力で動くことすらままならない鈍重な戦車

ぶ厚い装甲版を全面に使用したため重量188tと、ソ連のT-34戦車(32t)の6倍近い重量になってしまいました。

この重さのせいで出せる速度が最大20km/hと、T-34の55km/hの半分以下の速度でしか動けません。

おまけに重すぎるのが災いして土の状態によっては戦車が沈み込んでしまうようなことも。

普通の舗装道路ですら破壊し、橋を渡ることすらできません。

一応川底を走行できる設計にはなっていましたが、「川底走行」にするには

・送電用のマウス(戦車)を用意
・乗員にシュノーケル装備
・電力走行に切り替え
・川岸についたら再設定

と以上の手順を踏まねばならず、手間もかかる上に単独(自力)で川を渡ることもできないほど。

結果として実用性が皆無となり2輌製造されただけで泣く泣く計画はキャンセルに。

このうち1輌は配備されたものの、いざ実戦というときに機能不全を起こして爆破処理されることに。

あまりにいいところがないまま、残った1輌が鹵獲されてロシアの「クビンカ戦車博物館」に展示されています。

クーゲルパンツァー

製造・発案元:ドイツ
開発年月日:第二次世界大戦以前?

クーゲルパンツァーも先ほどのマウス同様にドイツ製の戦車になります。

クーゲルパンツァーとは簡単に表現するなら「2mほどのデカくて丸い物体」になります。

名称もドイツ語で「クーゲル(玉)パンツァー(戦車)」とそのままです。

製造元こそ判明しているものの、それ以外は全くの不明のあまりに情報がない戦車になります。

製造元のドイツにすら現存する資料は無いとのこと。

そのため実機から得られたデータのみが存在しており、

・球体の両脇にキャタピラが巻き付いたような感じ
・一人乗りの偵察用
・装甲版の厚さ5mm
・動力は単気筒の2ストロークエンジン
・武装は無く銃身を出せる穴で車内から射撃
・補助輪付き

とこの程度の情報しかありません。

当時のソ連が満州に侵攻した際に日本軍が使っていた(?)実機が戦闘形跡の無いキレイな状態で鹵獲されたのが発端。

「侵攻した先」で「キレイな」といったことから戦闘に使われたことは稀か、全くなかったことが伺えます。

装甲版の厚さが5mm程度といったことから、普通のピストルでも貫通しかねない紙装甲になります。

一応「偵察用」となっていますが、こんな車両にわざわざ乗って偵察する意味は果たしてあったのか…。

現在はこのとき鹵獲された完品に近い状態の実機がマウス同様にロシアの「クビンカ戦車博物館」に展覧されています。

以下同ドイツ発案の戦車

他にも第二次世界大戦時にドイツ発案でトンでも戦車が複数製造・計画されましたが、実用化や実戦投入されずに計画倒れになったものを紹介します。

E-100

E-100は先述のマウス同様に超重量の戦車で重量は薬140tと少し(?)軽め。

それでも一般戦車の1.5倍近い重量になるため、速度は40km/hほどとなっています。

マウスという重量級の戦車の開発中止に伴いE-100の開発がされなくなり、既に製造されていた部品などを組み立てるだけに留まりました。

またE-100は各国をたらい回しにされた戦車でもあります。

部品だけは出来上がっていたのであとは組み立てるだけとなるも、当初のドイツでは完品までの組み立てはされず。

アメリカに鹵獲されましたが実用性は薄いとされ、とりあえず組み立てられたものをイギリスに売却。

その後イギリスに渡ったE-100ですが情報が途切れており、どうもスクラップにされたという説があります。

ラーテ

ラーテはマウスに対抗して計画された重量1000t以上にもなる超重量の戦車です。

ラーテは「ドブネズミ」を意味し、マウス(ハツカネズミ)を意識・対抗したネーミングになっています。

・全長35m
・全幅14m
・全高11m
・主砲:28cm砲塔(戦艦の砲塔)
・福邦:12.8cn砲塔(マウスの主砲)

普通の戦車(全長8mほど)の4倍近い大きさの戦車となり、何から何まで既存の戦車をうわ回るコンセプトで計画されました。

しかしこれより小さいマウスでまともに運用できなかったことから察せられるように、こんなものつくってもまともに運用なんてできません。

結局机上の空論となりボツとなりました。

P-1500モンスター

P-1500モンスターは重量1500tという超重量(以下略

…ラーテといいどうしてこんなものまでつくろうとしたのか…。

概要としては戦車・武装の大きさ全てがラーテ以上になる戦車として計画。

簡単にいうと鉄道なしで走る列車砲

全長42m・主砲に80cm列車砲という、おおよそ戦車に詰めないようなものを搭載しようとした戦車です。

本来列車に積むようなデカいものを積もうとしたせいで、普通の戦車がキャタピラ替わりになるような設計に。

当然まともに走行などできるわけもなく、他の戦車の製造にまで影響が出るということであえなくボツに。

R-32

製造:発案元:アメリカ
開発時期:1955年

アメリカの核兵器ムーブその1。

当時のアメリカでは空前の原子力ブームが起こっており、その一環で計画されたのが原子力で動く戦車がR-32です。

戦車に原子炉を積むという今で考えれば狂気の産物ですが、割と本気で計画されていたというのが怖いところ。

原子力で動くため、とにかく燃費がいい。

なんと一回の補給で6000km以上の走行が可能。

日本列島が約3500kmなので日本2周、アメリカ大陸の西~東が約4000kmなので約1.5往復ができるという計算。

ちなみに一般的な戦車、例えば現在の日本に配備されている10式戦車では燃料満タンでも400~500kmほどなので、その燃費の良さが際立つと思います。

搭乗員が被爆するという事実に目を瞑れば

当然ながら戦車のエンジンに核物質なんて使っていれば、それに乗っている人なんてあっという間に放射能に晒されて被爆します。

おまけに戦車が撃破されたときには、回収はおろか最悪その場でメルトダウンが起きかねません

こんな戦車を配備すれば自国・他国問わずチェルノブイリや福島原発のような事態が多発することになります。

結局こういった危険性から開発は中止…寧ろ「原子力」を使っている時点で少しは考えろと。

M50 オントス

製造:発案元:アメリカ
開発時期:1950年代

M50 オントスはアメリカが開発した106mm無反動砲を計6門も積んだ特盛装甲車です。

一目見た感じはリアルガンタンク

装甲車というと戦車に劣るというイメージですが、戦車にも勝るような火力を求めたらこんなことに。

戦車に取り付けられている戦車砲は強大な威力の砲弾を発射できますが、反動がすごいため戦車自身の重さを利用したり砲身を戦車自体に取り付けることで軽減しています。

しかしこの反動の強さのせいで装甲車といった軽い車体にそのまま積み込むのは難しくなります。

無反動砲はその反動を軽減できる仕組みになっているので、これにより連射や砲身の設置を容易にできます。

それでいて大口径の砲弾を発射できるため、装甲車などに装備することに。

実際にM50 オントスはベトナム戦争に投入され対歩兵用の兵器として運用されることに。

ただこのM50、運用する上で戦場では致命的といえる欠陥がありました。

それが弾薬が車外からでしか装填できないという点です。

せっかく装甲車という安全地帯の中から一方的に射撃できるのに、弾切れの度に車外に出て再装填という危ない橋を渡る事態に。

戦車でも中から砲弾を装填できるから安全だというのに、銃弾飛び交う戦場での弾薬の装填作業はかなりの危険を伴います。

他にも整備性の問題や、携行ミサイル・対戦車ヘリといったより利便性の高い兵器が生まれてきたため、1969年には全ての車両が退役することに。(10年以上使われていたということでもありますが)

コンクリート製戦車

製造:発案元:ソ連
開発時期:第二次世界大戦中

T-34をベースに「コンクリでつくった安上りな戦車」がこのコンクリート戦車になります。

「戦車にコンクリを塗りたくる」のではなくコンクリ100%といえる戦車です。

単純に装甲版を全て安いコンクリ製にして、戦車一輌あたりの単価を抑えて大量生産できるようにするというもの。

しかし戦車に必要なのは「鉄壁の防御力と絶対の火力」。

コンクリ製の装甲じゃあ手榴弾1個で破損しかねず、戦車としての信頼性は皆無に。

はたしてこんなのに乗って戦えと命じられた兵士の心情やいかに。

ツァーリ・タンク

製造:発案元:ロシア帝国
開発時期:第一次世界大戦中

ツァーリ・タンクはキャタピラの代わりにバカでかい車輪がついた戦車です。

戦車についているキャタピラは泥や岩・凸凹がある悪路でも問題なく走行できるようになっています。

しかし一定以上の高さがある段差などは流石に登れません。

そこで「デカいタイヤにすれば何でも乗り越えられる!」と考えてキャタピラの代わりに10m近い車輪を装着。

戦車の前部にデカい車輪を2つ、後部に支える用の(比較的)小さい車輪を1つつけて走行します。

これでどんな悪路でも問題なし…と思いきや、できあがったのは想定とまったく逆の機体。

・機体の比重が車輪に取られ過ぎて機体が脆い
・車輪が砲弾に耐えるほどの強度がない
・車輪が塹壕といった穴や泥にはまりやすい

こうした戦車としても設計コンセプトとしても真逆の結果。

テスト走行でこうした欠陥が見つかって倉庫にお蔵入り→廃棄というなんともいえない結末に。

D9 ドゥービ

製造:発案元:イスラエル
開発時期:1973年

イスラエル近世の魔改造ブルドーザーがD9 ドゥービです。

ちなみにドゥービ(Doobi)はイスラエル語の「テディベア」とのこと。(こんなテディベアあってたまるか)

元々は民間で製造している「D9」というブルドーザーだったのですが、これに色々と後付けされてできたのが「D9 ドゥービ」。

・ガラスを防弾ガラスに変更
・操縦席の全方位を金網で覆う
・装甲版の追加

このように銃弾飛び交う戦地でも問題なく運用できるように改造。

ただブルドーザーを戦力として使うのは意外と普通なことです。

塹壕を掘ったり陣地の整地をするためによく使われ、土砂の除去のためにも日本の自衛隊も活用しています。

実際D9 ドゥービも最初は地雷の処理のために、その巨体と頑強さで地雷をゴリ押し処理していました。

しかし2002年と翌年2003年にD9 ドゥービが有名になったとある事件が発生します。

それが現地人の住人を住居ごと撤去するためにブルドーザーを突っ込ませたというもの。

当時イスラエル国防軍(IDF)はパレスチナ解放機構(PLO)と争っており、PLOの人達が立てこもっていた建物ごと強制撤去という手段をとりました。

極めつけに翌年の2003年に、反戦を訴えてD9 ドゥービの前に立ちはだかった反戦活動家をそのままひき殺すという暴挙に。

「D9 ドゥービ」がというより、その運用者のほうがトンでもだった感じです。

戦闘機類

K-7

製造・発案元:ソ連
開発時期:1930年代

おそらく類を見ない翼の中に座席がある飛行機がK-7(カリーニン-7)という航空機です。

爆撃機あるいは大型航空機として開発されたのですが、「飛行機」とイメージするにはかなり異様な形状をしています。

まず普通の飛行機と違って外見から座席がある胴体部分が見当たらず、機体の大部分が翼でできているという点。

設計では120人搭乗できるのですが、その座席は主翼の内部にあります。

つまり飛んでいる間、乗員は強風が当たり続ける翼の中に座っているということです。

座席あるいは格納庫を主翼内に設けた結果主翼が大型化したのですが、それが原因なのか振動や不具合・事故が多発したために開発は中止。

はっきりいって、もし墜落でもしようものなら乗員の大多数は助からないと思います。

K-7の開発が失敗したのが原因かはわかりませんが、設計者コンスタンティン・カリーニン氏は後の大粛清によって亡くなっています

Su-34

製造・発案元:ロシア
開発時期:1998年

Su-34(スホーイ34)は1990年代と割と最近に開発・採用された空飛ぶカプセルホテル(誇張)。

仕様は大型爆撃機なのですが、長期の飛行時間にパイロットが耐えられるように以下のものが備えつけられています。

・トイレ(尿ビン)
・仮眠所
・電子レンジ

2人乗りで座席も広く取られており、旅客機のコックピットの座席くらいのスペースはあるようです。

ただ情報が制限されているためか「レンジじゃなく保温ボトル」「簡易キッチンもある」といった説もあります。

少なくとも「座席が広い」「用を足せる」「食事を温める」といった機能は付いている模様。

通常の戦闘機では食事はおろか用を足すような機能なんてついていないので、かなりパイロットに配慮した仕様になっています。

爆撃機は爆弾という搭載物で重量が増すため、どんな機体でも速度が遅くなります。

普通tの戦闘機ではマッハ2前後の速度が出せるのに対し、Su-34の最高時速はマッハ1ちょっとくらい。

速度が遅い = 目的地への到着が遅い(時間がかかる)ということなので、その時間にパイロットが耐えられるような親切設計になっているとのこと。

個人レベルで運用する戦闘機にこういった機能がついているのは珍しいです。

DH.98 モスキート

製造・発案元:イギリス
開発時期:1940年

DH.89 モスキート(ディ・ハヴィラント・モスキート)は世にも珍しい木でできた戦闘機になります。

エンジン・プロペラといったどうしても金属製になるパーツ以外は、全て木でできているというのが特徴です。

操縦席のレバーや燃料タンクといったものも木造です。

はっきりいって敵機の機銃に対する耐久性は紙装甲になりますが、他の珍兵器と違っていくつかメリット・実用性があるというのがポイントです。

まず第一にレーダーに映りません

レーダーは敵機に反射され帰ってきた電波から敵の位置を察知しますが、木は電波などを吸収するため電波が帰ってこない = レーダーに映りません。

そのため偵察・爆撃といった戦闘機同士の戦闘を主目的にしない任務や、夜間における強襲作戦などにおいては有用な戦闘機になりました。

また木造なため精密な加工がしやすい・軽い機体に仕上がるというのもメリットになります。

製造元は機体名にもなっているディ・ハヴィラント社が手掛け、同社は1930年代にも木造の飛行機を製造した実績があるため白羽の矢が立ちました。

一応機銃は取り付けられていますが、設計思想と問題点解決として「かさばるものは軒並み撤去」という方針だったため、とびぬけた火力は持っていません。

「戦闘機は鉄製」という常識から国防省との摩擦があったり、鉄製の戦闘機の不足から一時キャンセルといったこともありましたが、量産体制に入ったら複数の戦場に投入されるようになりました。

XF5U

製造:発案元:アメリカ
開発時期:1944年

戦闘機というと鋭角的なデザインが多いですが、それに反した形状になったのがこの「XF5U」です。

形状はUFOに2基のプロペラをつけた感じで、付いたあだ名が「フライングパンケーキ」

試作機の試験飛行にはUFOを間違われることも。

設計思想としては機体全体を広く平べったくすることで揚力を得やすくし、その分燃費を良くすることも狙っていたそうです。

機体に丸みを持たせることで銃弾をはじきやすくするなどの効果もあります。

ただし開発した時期が悪かった

開発開始が1944年と第二次世界大戦の末期、そして試作機が完成したのが1945年の8月。

完全に完成させるべき時期を逃しています。

完成間際になった1947年ごろには既にプロペラ式ではなくジェット式のエンジンが使われるようになったためニーズも消失。

初飛行をすることなくスクラップという結末に。

おまけに機体の強度を持たせるため特殊な装甲版を使ったため、従来の戦闘機をスクラップにする方法では処理できなかったとのこと。

機体とパイロットの安全を確保するための頑強正が、スクラップにされる瞬間に発揮されるという皮肉めいた事態に。

XFY-1

製造・発案元:アメリカ
開発時期:1950年代

XFY-1は脅威の直立する戦闘機になります。

通常戦闘機は地面と平行になるように車輪などで接地・格納されるのが普通です。

しかしXFY-1は地面と垂直になるように立った状態で格納されます。

宇宙シャトルの発射間際の状態といえばわかりやすいと思います。

巨大なプロペラで推力を得るため、普通の戦闘機のように地面に置くとプロペラが当たってしまう設計のためこんなことに。

実際に飛びはしますが、本当の恐怖は着陸するとき。

パイロットは上を向いたまま固定されているため、下(地面)が見えない中で着陸しないといけないという恐怖を味わうことになります。

着陸の度に墜落する危険があるという、パイロットとしては実に操縦したくない機体に。

また速度も満足できるスピードに達しないという事情もあり計画は中止。

ちなみにこの戦闘機の元になった計画があり、それがドイツ発案の「レルヒェ」という戦闘機。

形状は戦闘機後部の巨大プロペラで飛ぶというもの。

欠陥部分も同じで、こちらは実用化されてはいません。

X-6

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:1950年代

アメリカの核兵器ムーブその2。

「原子力」で動く爆撃機で放射能を広範囲にバラまくという悪夢の兵器、それがX-6です。

いってしまえば原子力空母の航空機版。

航空機は燃料自体もデッドウェイトにもなりかねないため、燃費のよさもかなり重要視されます。

しかし原子炉を積めば超長期間飛行できると試算。

ただし原子力戦車「R-32」同様に乗員と環境への配慮は二の次

原子炉は放射能を漏らさないようにかなり頑強かつ密閉率・冷却性が高いなどの機能が重視されるため、荷重制限がある航空機でそれを再現するのは困難。

最低限それらを揃えないと運用は不可なのですが、こういった配慮が一切されていなかったのがX-6という機体。

通常の原子炉は水を使った冷却のされ方をしますが、X-6では空気で冷却するという方式を採用。

飛行機が飛ぶ高度の空気はマイナス数十度といった極低温の状態のため、それをそのまま炉心の冷却に使えるよう設計。

つまり冷却に使った排気はそのまま大気中にばらまかれる設計のため、機体が飛んだ航路に沿って放射能がばら撒かれます

さすがに開発中にマズイと判断したのか、開発3年目の1953年に開発中止。

むしろ何故設計者や設計の際にそういった問題に気付かなかったのか…。

ちなみにX-6の開発の前に「飛行中に原子炉を稼働しても問題ないか」のテスト機として「NB-36H」という機体が開発されています。

こちらはテスト機としてのみ組み立てたので、テスト終了後に解体処理。

XP-77

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:第二次世界大戦中

アメリカもDH.98モスキートのように木製の戦闘機の開発がされていました。

第二次世界大戦がはじまってしばらく経った1940年代初めのアメリカは「戦争中の金属が足りなくなるんじゃないか?」という不安ものと、木造戦闘機の開発に着手。

流石に純木製の戦闘機は機体や対銃弾的に強度がキツイと見たのか、フレームは木造で金属板を外張りするという設計に。

1941年に開発が開始され3年後の1944年に初飛行が行われたが、軍が想定したスペックには及ばず。

飛行時のエンジン不調などが起き、テスト飛行の際に墜落する事故も起きてます。

機体の開発軟膏に加えて当初の懸念だった「物資の不足」という事態も起きなかったため、最終的に試作機を2機製造しただけで開発中止に。

CL-227 センチネル

製造・発案元:カナダ
開発時期:1970年代

カナダが開発した、良くいえばひょうたん・悪くいえば某アダルトグッズ型のUAV(無人航空機)。

偵察用の兵器として開発され、大きさは2mほど・機体のくびれ部分にある2基のローターで滞空できます。

地上からの赤外線センサーに引っかからないように、モーターの排熱口は機体上部に取り付けてあるようです。

使用用途・設計としては至極真っ当な兵器なのですが、どうみても見た目がアレなために「珍」兵器認定に。

海外では「空飛ぶピーナッツ」とマトモ(?)な呼ばれ方なのに対し、日本には某アダルトグッズメーカーがあったばかりに「フライング アダルト トイ(空飛ぶTENGA)」なんて呼ばれるように。

※ちなみに某メーカーの設立は2005年なので、こちらのほうが先輩。

(アダルト界の)時代を先取りしすぎです。

明星

製造・発案元:日本
開発時期:第二次世界大戦末期

日本が開発した戦闘機「明星」もDH.98 モスキート同様に木製戦闘機ですが、どうにも劣化版というか性能差が出ています。

まず開発目的が物資不足によって戦闘機の製造が困難になったことが挙げられます。

戦闘機の装甲などに用いられるジェラルミンなどの入手が困難になり、「イギリスが木製の戦闘機を造った」に倣って製造が開始されました。

しかし急遽開発されたためか、かなりガバが目立つ機体になっています。

まずエンジンやプロペラなどは現行機のものを流用しているため、それに合わせた機体に仕上げる必要がありました。

一番アレなのがDH.98 モスキートに使われていた接着剤の再現ができず、きな粉を用いた接着剤を使ったという事実。

…色々大丈夫なのか、というかよく使う気になったなと思います。

それなのに機体全体を木でつくる必要があったため、各所で不備が出る欠陥機ともいえる機体に。

コックピットに風が入り込んだり、機体重量が予定より増したり、試験飛行中に空中分解するような事態まで発生しています。

結局実戦配備には間に合わず、試験機4機のみが製造されたきりで終戦を迎えました。

戦艦・大型兵器類

ガレオン船(スペイン製)

製造・発案元:スペイン
製造年月日:1700年代

この年代の頃の戦艦といえば「ガレオン船」という大型の木造船を武装したものが主流で、各国で製造されていました。

しかしスペイン製のガレオン船は一味違ってゴージャスにしすぎた結果船が沈んだという実績があります。

戦艦、というより武器に装飾したところで戦闘のたびに剥がれたりするため、するだけムダというのが普通の考えです。

しかしスペインではそういった装飾を施した戦艦を製造したのですが、これがデッドウェイトになり沈没の原因に。

当時の戦艦は大規模なものだと大砲を数百門も搭載する場合もあるため、その砲身・砲弾・火薬の重量も非常にかさばります。

そんなところに戦闘には何の意味もない凝った飾りを大量につけたせいで過積載となり、船が耐えられずそのまま沈没。

ガレオン船はただでさえ大型化の弊害で安定性がなく転覆のリスクがあったため、それに拍車をかけた形です。

「武器・戦場に飾りは不要」を体現・教訓にした事例です。

ノヴゴロド

製造・発案元:ロシア
製造年月日:1874年

「ノヴゴロド」はロシアで建造された戦艦の一種なのですが、最大の特徴がその異様な形状になります。

戦艦というと上から見ると楕円形のような細長い形状をしたものが多いです。

これは水をかき分けて進みやすいようにするためのものなのですが、ノヴゴロドはまさかの円形

見た目からの別称(蔑称?)として「鉄のパンケーキ」「川に浮かぶUFO」なんて呼ばれたりもします。

なんでこんな形状の戦艦にしようとしたというかというと、以下の理由があったそうです。

・円形にすることで戦艦の防御力を挙げる
・積載量を増やす(物資・兵器を多く詰める)
・浅瀬でも進める
・転覆しない

コンセプトとしては納得のいくものですが、いざ出来上がってみればお世辞にも優秀な戦艦とはいえませんでした。

・まともに進まない
・水の流れの影響をモロに受ける
・船の姿勢制御が難しい
・砲弾ひとつ撃つだけで艦が回る

こうしたことが多発したそうです。

完全な円形のせいで川の流れをモロに受けてしまい、あらゆる面でマイナス効果を生んでいます。

水に当たる面が多いため上流に向かって進むのが困難かつ流されやすい

円形のせいで川の流れでクルクル回ってしまうこともあり、大砲を撃った反動でも艦が回るため照準が大きくズレるといった戦艦としてはかなりマズい事態に。

装甲版が厚いことから防御には優れるため、拠点防衛用としては向いているのでは? といった意見もあったようですが、結局戦艦としての有用性は見出せませんでした。

ハバクック

製造:発案元:イギリス
開発時期:第二次世界大戦中

ハバクックは氷でできた戦艦、通称「氷山空母」の開発計画のことです。

氷で船をつくるなんて「バラエティ番組の企画じゃあるまいし」と思えますが、かなりマジで開発されています。

「氷で戦艦をつくれば損傷してもまた凍らせればOK」「損傷した箇所に海水を流し込めば勝手に直る」という「自己再生する脅威の戦艦」目指して開発を断行。

…なぜ強度は鉄>氷という点を考えなかったのか…。

オマケに計画当初は軍艦ではなく「基地」をつくろうとも画策。

当時イギリスはドイツによる航行妨害を受けており、それの対策に海上に基地あるは母艦をつくろうとしたのですが、なにをトチ狂ったのか氷山を使って製造しようと計画。

当然思うであろう「その内溶けるんじゃ?」という疑問に対しては船内に冷凍システムをつくって氷の状態を維持するという力業で解決

氷もそのまま使っても強度諸々が足りないため、木くずやパルプといったものを混ぜた特性の水を凍らせて使用。

それでも強度は当然鉄には及びませんが。

開発当初は戦闘機の発着場としての浮島の役割のみだったのですが(夢が膨らんで)動力をつけて戦艦としての運用も想定。

しかし戦闘機の航空性能・兵器の威力の向上、立地的に丁度良い基地の使用などの理由で、無理して氷で戦艦をつくる必要性が無くなったため計画は中止に。

ちなみに残骸はカナダにある「パトリシア湖」に投棄されているようです。

「なんでイギリス産なのにカナダ?」と思いますが、試作艦がパトリシア湖で航行したこと・製造に使う氷がカナダ産というのが関係してると思います。

氷製の戦艦といっても氷なのは船体の一部で機械部品も大量に使っていたため、その残骸が湖に沈んでいるそうです。

五十万トン戦艦

製造・発案元:日本
開発時期:1910年代

五十万トン戦艦とは「排水量が50万トン」の戦艦という、当時どころか現代においても超ド級と呼べる戦艦になります。

戦艦というか船というのは海面上でバランスを取るため、船の底に水を溜め込んで重心をつくっています。

この溜め込む水を「バラスト水」と呼び、聞いたことがある人もいると思います。

その溜め込める水が「~万トン」と表現されます。

50万トンといわれてもパっとイメージしにくいでしょうが、当時世界最大レベルの戦艦「大和」の排水量は約7万トン。

単純な水の量でも大和の5倍以上の違いがあります。

想定された戦艦の最低サイズは以下の通り。

・全長600m
・全幅90m

資料によって想定に違いがあり、全長1000m・全幅100mといった超々ド級といえるサイズまで。

先ほどの大和のサイズが全長263m・全幅39m、現代最大規模の原子力空母「ニミッツ吸原子力空母」が全長330m・全幅77mと過去現在含めてもなお足りないほどの規模の戦艦になります。

排水量だけでいえば石油タンカー「ノック・ヴィネス号」の50万トンが並びますが、全長458・全幅69mと及ばず。

もし実際に製造されていれば製造コスト・運用要員ともに至上稀に見る戦艦になったでしょう。

列車砲

製造:発案元:イギリス・アメリカ
開発時期:1860年代

列車砲は鉄道を走る軍用列車に大口径の砲塔を取り付けたものになります。

今でもファンがいるロマン兵器その1。

直径が28~40cm(バスケットボール並み)といった大口径の砲弾を数十km先に射出することにより、どんなものでも長距離からでも1撃で破壊できるようになっています。

1900年代から姿を見始めた最初の戦艦の主砲が30cm前後の砲塔となるので、それの前段階にあたる兵器になります。

時折兵器関係で耳にする列車砲ですが、意外に歴史は古く構想は1850年代のイギリスであったそうです。

製造・運用されたのは1860年代の南北戦争中のアメリカが初めてとなります。

以降大規模な戦争のたびに製造がされ初め、列車砲を持っていることは一種の国家ステータスのようなものに。

第一次・第二次世界大戦でも運用され、陸地においては最強格の兵器といえるでしょう。

しかし第二次大戦中に弾道ミサイルが出始めたことから長距離から目標の破壊が容易になったため、以降列車砲の姿は見られなくなりました。

爆弾・使い捨て兵器類

パンジャンドラム

製造・発案元:イギリス
開発時期:第二次世界大戦

「The 珍兵器」とも評される珍兵器の代表たるパンジャンドラムは、第二次世界大戦中にイギリスが開発していた兵器になります。

外見はパッと見で2つの車輪を連結しただけな感じの形状。

当時イギリスはフランスのノルマンディー海岸への上陸を計画していましたが、海岸にはイギリス兵の上陸を阻む防護壁が設置してありました。

防護壁を超えなければ上陸はできませんが、海岸では遮蔽物がなくフランス側から一方的に攻撃されることになります。

つまり防護壁をどうにかして破壊する必要があるのですが、そこで考えられたのが「自走式爆弾」という兵器。

戦車のように人員を必要とせずに自分で勝手に移動して、防護壁を破壊してくれる兵器として開発されたのがこのパンジャンドラムです。

ちなみにパンジャンドラムの正式名称は「The Great Panjandrum(お偉方)」、かなりの期待・入れ込みが感じられる名称です。

パンジャンドラムは車輪に複数のロケットを搭載して、その推進力で車輪を回して防護壁まで移動・爆破するコンセプトで開発が進められていました。

これだけ聞くと陸地ならどこでも使える有用な兵器かと思いますが、開発が進むにつれて重大な欠陥が判明します。

それは進む方向を制御できないという点。

当時は現在のようにリモコン操作なんてなかったので、ロケットを積んで進ませる方式を取っていました。、

しかしロケットの推進力に任せているとあらぬ方向に進んでしまうことが多発。

少しでもロケットの推進力が違うと、距離が長くなるほど誤差が増えて想定したルートを外れやすくなってしまいます。

最悪自軍の方に帰ってきてしまい「自滅」する可能性も。

そもそも浜辺での使用を想定していましたが、砂のせいで足が取られて思うように進まない・誤差に拍車がかかるなど問題点も多く噴出しました。

基本「使い捨て兵器」なため高性能化もできず、良く言えば簡易化・悪く言えば手抜きで製造する必要性があることも問題の解決が遠のく原因に。

結局この問題点を解決できず、実戦に投入されることなくお蔵入りする結果になりました。

ローリングボム

製造・発案元:アメリカ
開発時期:第二次世界大戦中

ローリングボムは要はアメリカ版パンジャンドラムといわれ、別種は「アメリカンパンジャンドラム」。

コンセプトは「自走する爆弾で、敵をなぎ倒しながら進み目標を破壊する」といったもの。

形状はかなりアレで、いってしまえば「デカいトゲ付き鉄球」。

約3mの大きさの鉄球で敵兵を効率よくなぎ倒すようにするためトゲを付けたということ。

ただ欠点もある程度受け継いでおり「敵味方問わず踏みつぶす・吹っ飛ばす」「(トゲ&デカさのせいで)搭載できる機体がない」といったことに。

結局実用化されず計画止まりでボツに。

日本版パンジャンドラム

実は日本でもパンジャンドラムに類似した兵器が開発されています。(どこも考えることは一緒なのか)

爆輪

開発時期:第二次世界大戦中

木製の四輪に爆薬を搭載して突っ込ませるという、コンセプトがパンジャンドラムに酷似した兵器。

とある掲示板で「パンジャン大八車」と書かれ、形状的にも妙にしっくりくる呼び方も。

一基のロケットを積んでその推進力で進むため、複数のロケットを積んだパンジャンドラムよりもまっすぐ進むようにはなってます。

タイヤ爆弾

開発時期:1930~40年代

満州にて関東軍が開発したとされるもっとも簡素なパンジャンドラムがタイヤ爆弾です。

名前からしてイメージするようにタイヤに爆薬と圧縮した空気を入れてひたすらタイヤを爆走させる兵器。

当然制御なんてできませんし、噴き出した空気の赴くままに進みます。

まあ満州は荒野が多かったようなので、荒野に転がるあの丸いカサカサのごとくタイヤも転がっていたんでしょう。

ハトミサイル

製造・発案元:アメリカ
開発時期:第二次世界大戦中

ハトミサイルとはハトにミサイルを操縦させて着弾させる兵器になります。計画名は「プロジェクト・オルコン」。

…ミサイルなんだからハトに操縦させる意味があるのか?と思った人もいるでしょうが、当時にはホーミング技術なんてものは存在しません。

そういったミサイルが自動で目標に着弾するシステムは赤外線や衛星からの誘導など、第二次世界大戦中には実現できていない技術が多数必要です。

しかしホーミングするミサイルの有用性は現代に生きる私たちが知っての通り、かなりの実用性がある兵器になります。

そのホーミングミサイルを開発しようとして使った案が「ハトをミサイルに積み込んで操縦させる」というもの。

ハトに画面上の特定の物体(戦艦など)をつつくよう躾けてミサイルがそれに従うように設計すれば、自動的に目標に着弾するというもの。

実際のところ兵器としての完成度は高かったそうですが「確実性があるのか?」「平和の象徴たるハトを兵器にするのはいかがなものか」という反対意見によってあえなくボツに。

宗教的にも「ハトは神のもう一つの姿」という点も問題になったと思います。

戦後にプロジェクトが復活するものの、その頃には電子機器による誘導システムが開発され始めたため、改めてボツに。

アコースティック・キティ

発案元:アメリカ
計画時期:1960年代

CIA発案のネコをスパイに仕立て上げる「スパイネコ」計画

ネコの行動力やどんな高所でも侵入できる能力に目をつけ、ネコに小型マイクとアンテナを仕込んでスパイに仕立て上げようとした計画です。

体内にこうした異物を埋め込むだけでも動物愛護団体激怒モノですが、任務中に空腹などでネズミといった動物を追いかけないよう空腹にならないように手術するという徹底ぶり。

…はっきりいって任務後のネコ自体の生存はどう考えていたのでしょうか?

単純なアイディアの割にはかなりの費用がかかったらしく、猫の訓練・手術などで数億円単位のコストがかかった模様。

そんな大金をつぎ込んでいざ任務開始!…と思いきや、スタート直後に車に轢かれて任務失敗

出だしから躓きかけた計画ですがその後も実験が行われるものの、「屋外でないと使えない」「猫の行動を制御できない」などの理由で計画は中止。

結局数億のお金をムダにした計画として知られています。

対戦車犬

計画・発案元:ソ連
計画年月日:第二次世界大戦中

訓練した犬に爆弾をくくりつけて敵の戦車の下に潜り込んだタイミングで爆発させるという、ハト爆弾と同系統の兵器(?)になります。

こちらも動物愛護団体激怒兵器。

犬の小回りの良さや戦車からの視認性の悪さを利用して、敵の戦車などを破壊しようというコンセプトだったそうです。

なんでも「戦車の下にエサがある」と思い込ませるようにして戦場に出せば、自分から戦車に向かっていくと思ったそうで。

しかし犬が戦場に対応できるかというとそんなわけはなく、「怖がって動かない」なんてのはマシなほうで「自陣営で自爆」「自軍の戦車を誤爆」「忘れた頃に(爆弾を抱えたまま)エサを食べに戻ってきた」なんてことが多発したようです。

犬を兵器として使うという倫理的問題を置いておくとしても、こんなことが多発しては当然兵器として運用できるはずがありません。

結局最後には犬を積極的に兵器として使用することは無くなって、お蔵入りした兵器案となったそうです。

桜花

製造・発案元:日本
開発年月日:太平洋戦争中

桜花は日本が開発した「有人」ミサイルです。…要するに前述のハトミサイルの人間操縦版です。

ハトミサイルと同じくミサイルを確実に標的に当てるために、人の操縦によってミサイルを誘導・着弾させる兵器です。

完全に特攻兵器です。(神風が最初じゃなかった)

しかもこれ実勢投入された実績持ち。完全にマジキチです。

一応「航空機」に分類されていますが、脱出機能は無し。

戦闘機というよりはミサイルに操縦席を付けたような形状で、機銃などもナシ。

自力で長距離飛行ができないため、別の戦闘機に搭載した状態から切り離されるようにして使用されます。

完全にミサイル扱いで(実際そうですが)パイロット含めて使い捨てにするという、敵からしてみれば狂気の産物です。

700機以上が製造され、その内55機が実際に実戦投入されています。

「特攻兵器を前提として開発・製造・使用された唯一の兵器」としても知られています。

実際特攻を戦術・戦略として組み込んでいるのは当時の日本くらいなものですし。

これの魚雷版となる「廻天」という兵器もあります。

イ号一型乙無線誘導弾

製造・発案元:日本
計画年月日:1930~40年代

イ号一型乙無線誘導弾は数ある兵器の中でも「エロ爆弾」というある意味で不名誉極まりない称号を持っています。

「誘導」とついている通りホーミングミサイルの開発計画になります。

第二次世界大戦中の日本はご存じの通り、かなり不利な戦況の中戦っていました。

確実に敵を倒すため前述の特攻兵器「桜花」まで開発・実戦投入される始末。

確かに敵の撃墜率は増えるでしょうが、敵を倒せばその分自軍の兵士も減っていくという悪循環。

そのため目標に向かって飛んでいくミサイルの開発は急務でした。

自動追尾とはいかないものの無線で誘導できるため、安全圏から確実に敵を撃墜できるミサイルの開発が進められました。

本格的に開発が進んだのは戦争末期の1944年頃。

実際開発は順調に進んでいたのですが、実験の最中無線機の不調により温泉旅館の女風呂に突っ込むという事故が発生。

このことから「エロ爆弾」の称号がつけられました。

…かなりギャグ臭漂う展開ですがミサイルが突っ込んだ旅館は全焼・死者も出していることからシャレになっていません。

その後も開発が進められたものの、ミサイルを製造していた工場が空襲で破壊されたため計画は途絶してしまいました。

対空竹やり

製造・発案元:日本
開発年月日:第二次世界大戦末期

竹やりに小型のロケットをつけて飛ばすという、かなり無謀かつ見た目からしてアレな兵器になります。

というのも大戦末期という状態から察せられるように、当時の日本では物資が著しく不足していました。

上記の「明星」という木造戦闘機開発に着手するくらいには。

鉄や銅といったものを手に入れるために各家庭から鍋などを徴収するほどだったそうです。

当然兵器面でも不足が始まっていたため「竹やりを対空ロケットとして改造しよう!」なんて、現在から見ると頓珍漢な案が出たわけです。

しかし極限までモノが足りなくなると今あるモノで代用しようとするのは当然といえるので、こんな兵器が生まれたのは自然なのかもしれません。

九八式臼砲

製造・発案元:日本
開発年月日:1930年代

九八式臼砲は大砲の一種なのですが、砲弾ではなく「砲身」を撃ち出すという訳のわからない兵器です。

厳密には砲身そのものが無く、砲身と思っている部分が砲弾になるんですが、見た目からすると砲身を発射してるようにしか見えないためこんな感想に。

実際の計画書にも「砲身にあたる部分を砲弾として発射する」とまで書かれています。

砲弾の構造は見た目はミサイルっぽいですが噴射機構はなく、縦向きに空洞があります。

仕組みはこう。

①砲弾の穴に棒を差し込んで射線を固定
②散薬を破裂させその反動で発射

…よくわからない人はペットボトルロケットを思い浮かべてもらえばいいと思います。

筒を固定した状態で砲弾を発射する「迫撃砲」に近いものではありますが、世界的に見ても類を見ない構造の兵器とのこと。

砲弾の重さと、高く射角を取ることで落下による運動エネルギーも加わるためかなりの質量兵器となります。

使用法はかなり頑丈な建物でも歩兵で破壊できるようにする兵器として開発。

想定されたのはトーチカという、鉄筋コンクリートでつくられた防御用の建物。

大抵は敵歩兵を迎え撃つような場所に建設され、鉄壁の防御と一方的な射撃が来るため、攻める側としては厄介な代物です。

通常の歩兵火力では破壊が困難なため、このような「極端に重いものを上空から落とす」という構想に。

例え鉄筋コンクリート製でも、数十~数百キロの鉄のカタマリが降ってくればひとたまりもないでしょうし。

神の杖

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:開発中?

神の杖とは現在開発が進められていると噂される衛星軌道上から攻撃する宇宙兵器です。

コンセプトは「核以上に使いやすい兵器」。

現在の人類最強ともいえる核兵器ですが、数十キロ単位での無差別破壊・放射能汚染と使用の際にはとてつもない一次被害と二次被害が発生します。

爆薬のみを使って核の代わりに強力な爆弾をつくろうとも、広範囲の爆発と無差別破壊なのは変わりません。

そこで考えたのが「ピンポイントで」「汚染などの二次被害の無い」「高威力の兵器」。

神の杖は金属製の棒を衛星軌道上から射出することで、その重量と落下速度によって隕石並みの威力が出せるようになります。

隕石と違うのは「棒状」ということ。

地表に刺さるように射出すれば威力のほとんどをピンポイントに与えられるため、爆弾のように広範囲に被害が出ることは少なくなります。

おまけに核兵器などと違って地下深くまでダメージを与えられる・汚染が無いという点。

爆弾などの爆風は横に広がる性質があるため、地下深くにあるシェルターなどには被害が出にくいです。

しかし神の杖ならよほど深い地下でもなければ確実に標的を撃破でき、かつ放射能物質を使わないため汚染も無いです。

…良くも悪くも。

簡単にいえばこの兵器が完成すれば核を使わずに・二次被害を出さずに、敵基地や民間施設・反政府阻組織の拠点などを爆撃できるという点。

国際的批判を少なくしつつ多くの敵を確実に葬り去ることができるようになります。

欠点といえばピンポイントで爆撃するため、位置がズレれば最大効果を出せないという点。

…まあ一般人でも「Google Map」のような地図を見れるほど衛星技術が上がっているので、さしたる欠点とはいえないでしょうが。

AIR-2 ジニー

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:1950年代

アメリカの核兵器ムーブその3。

狂気の核搭載ロケット弾がAIR-2 ジニーというミサイルです。

当時はまだ誘導式や威力の高いミサイルが無かったため「じゃあ一発の威力を極限まで上げよう」と核弾頭を搭載。

核搭載というだけでもアレなのに、それより恐ろしいのがこのミサイルの使い道で空対空ミサイルとしての運用を想定していたという点。

要は戦闘機・戦艦レベルの規模に対して核を使って撃墜するというオーバーキルすぎる運用法。

流石に複数機の編隊に対して使われる予定でしたが、このミサイルを搭載した戦闘機を複数使っての運用も視野にいれていたため核兵器が連射されるという悪夢

現在では国際批判待ったナシな兵器に。

着弾式ではなく時限式の爆発とはいえ、それ以外にパイロットの安全が考慮されていないという設定。

流石に本格的に運用するわけにもいかず1962年に生産は終了したものの、1000発以上が生産された模様。

一歩間違えば1000発以上の核兵器がソ連に向けて連射されるというXデー突入の事態にもなった可能性も。

実験で一度実弾が使用されたようですが、なにをトチ狂ったのかこのミサイルが爆発した上空の下にアメリカ空軍士官が立っていたそうです。

この軍人がどうなったかは定かではない、とのこと。

プルート計画

製造・発案元:アメリカ
製造年月日:1950~60年代

アメリカの核兵器ムーブその4。

プルート計画とは核ミサイルの開発計画ですが、どうもおかしなコンセプトで核「を」飛ばすミサイルではなく核「で」飛ばすミサイルの開発計画になってます。

…なんでそんなものを? という感想しかないです。

計画概要は「長期間・長距離を飛んでいられる」「命令があるまで上空で飛翔しながら待機できる」ミサイルの開発。

要は目的地付近にあらかじめミサイルを発射しておき、命令を下せば例え地球の反対側でもタイムラグ無しで爆破できるミサイルの開発です。

当然ミサイルが飛んでいる間は放射能が空中にバラ撒かれ続けます

オマケに着弾しても撃墜しても放射能に汚染されるという二段構え。

敵国にとってはどう転んでも国土が放射能汚染される悪質な兵器といえます。

「ミサイルは高速で移動するため1地域ごとに降る放射能は微量」「そもそも飛行中は放射能物資が漏れない」などといわれたようですが、こんなのが大量に空を飛んでるなんて世紀末直前かと。

強いていうならあくまでロケットエンジンに原子炉を使っているのであって、核弾頭は搭載していないということ。

原爆のように着弾地点数キロが吹き飛ぶようなことは無いです。(どっちにしろ広範囲が放射能汚染されますが)

幸運なことに計画は1964年に中止されています。

ブレヴェストニク

製造・発案元:ロシア
計画年月日:2018年

上記のプルート計画と同じくロシアによる核「で」飛ばすミサイルその2。

ただしこちらは核弾頭搭載の核ミサイルでもあり、かつ当然ながら放射能をバラまきながら飛びます。

開発コンセプト・リスクもプルート計画とほぼ一緒。

恐ろしいのがこれは過去の話ではなく2018年開始、つまり現在進行形の計画ということです。

日本人は特に核兵器に対する悪感情があるので過剰かもしれませんが、それでも現代に放射能汚染が前提にある兵器の開発を発表するという事態。

オマケにこの兵器、ミサイルに積む原子力エンジンの実験中に放射能漏れで8名の死者が既に出ているとのこと。

ただ組み上げるだけの核弾頭では起爆さえしなければ比較的問題ないでしょうが、こちらは常時火を噴くエンジン。

何か異常があったり撃墜されたりすればその瞬間に広範囲が放射能で汚染されます。

案外フィクションで語られる放射能汚染の原因は、核弾頭だけでなく核エンジンによる汚染の度合いもあるんじゃないかと想像してます。

台所・便器・お風呂爆弾

製造・発案元:アメリカ
計画年月日:ベトナム戦争中

爆撃機に搭載されている爆弾に「キッチンシンク」をわざわざくっつけて投下したのがこれら爆弾集の始まりです。

なんでこんなことをしようと思ったのかというと、ことの発端は「A-1 スカイレイダー」という戦闘機。

普通の戦闘機は爆弾やミサイルを数基しか積めないのに対し、このA-1は爆弾などの兵器を取り付けるハードポイントが計15カ所あるため倍以上の搭載量を誇ります。

そのため兵士の間で「A-1に積めないのはキッチンくらい」といわれるように。

これが暇な兵士たちのお遊びへと発展。

①「キッチンが運べないって? じゃあ積んでやろうじゃないか」

②ハードポイントにキッチンシンクを取り付けて投下。

③「これで運べないのはトイレだけだな」

④「トイレが運べないって? じゃあ積んでやろうじゃないか」

⑤爆弾に便器を取り付けて投下

⑥「これで運べないのは風呂くらいだな」

⑦「風呂が運べないって? じゃあ積んでやろうじゃないか」

⑧バスタブを取り付けて投下…しようとしたところで上官に見つかって説教

どんだけこの兵士たちは暇だったのか

この上官が見つけてなければいったいどこまでくっつけて投下するつもりだったのか…。

この流れだと最終的に車を積んで投下していた可能性もあります。

臭い爆弾集

製造・発案元:アメリカ
計画年月日:1945年以降

第二次世界大戦以降にアメリカで研究がされていた、臭いやフェロモンによる非殺傷兵器の一覧です。

計画しただけで製造はされていないようですが、コンセプトがあまりにもアレなものでした。

代表的なものは以下のものです。

オカマ爆弾(ゲイ爆弾)

「オカマ」と「爆弾」がくっついた名称の兵器に「?」となる人もいるでしょうが、この爆弾は男性同士でアレさせるための爆弾です。

強力な催淫剤によって敵部隊(男性だらけ)の兵士を発情させて「ピー」させてしまおうという、ワケの分からん兵器です。

…まあ実現すれば男性にとっては悪夢の兵器となるでしょうし、かなりのPTSD(心的外傷)を負うこと間違いなしでしょうが…。

最終的には目的に適した催淫剤が見つからなかったことでお蔵入りした兵器案です。

男性諸君にとってはありがたいことです。

オナラ爆弾

オナラといった臭いを発生させる爆弾で、そのコンセプトは「誰がオナラした!?」と仲間内で疑心暗鬼にさせるというしょーもない理由です。

まあ戦場でギスギスした精神状態の中なら多少は効果はあるかもしれませんが、はっきりいって戦略的な効果があるかというと疑問が浮かびます。

実際研究途中に「普段嗅ぎ慣れたような臭いで仲間割れするか?」と考え付き、あえなくボツに。

ただこういったことを考えるのはどこも同じなようで、他国でも「相談中に吹きかけて臭いで中断させる」といったコンセプトの似たようなものがつくられてます。

ちなみに現代ではいたずら専用の「ジョークグッズ」として「オナラスプレー」が販売されています。

フェロモン爆弾

こちらは特殊なフェロモンによって蜂などの虫をけしかけるための爆弾になります。

ジャングルといった毒を持った昆虫が多く生息しているところで使用することによって、特定の場所・人に虫をけしかけてダメージを与える、といったコンセプトのもと発案されました。

あるいはあらかじめ蜂の巣と爆弾をセットにして用意してトラップにするやり方も。

しかし場所を選ぶ・うまい具合に虫が襲い掛かるかわからない、といった使用に不確定要素が絡んだせいなのかはわかりませんが、結局実用化されることはありませんでした。

スカンク

製造・発案元:イスラエル
製造年月日:2004年

スカンクの名の通りとんでもない悪臭を放つガスを放出するという、対群衆用の兵装です。

非殺傷兵器かつ相手の戦意を削ぐことを目的に作られており、2008年に実際に使用された模様。

効果は抜君だったようで、デモに集まった群衆がこの黄色いガスが撒かれた瞬間散り散りになってます。

臭いは「糞尿」「下水」「腐敗集」と悪臭に違いないですが、一番厄介なのが5年は悪臭が取れないというもの。

服といった臭いが染みつきやすいものに付着すると、洗濯しても臭いは取れないらしいです。

実際にこのガスを浴びてしまった人は「霧状にしたトイレの汚水をかけられたと思った」「鎮圧用のゴム弾のほうがマシ」とコメントしているそうです。

こんなものを直にくらったら、いくら非殺傷兵器とはいえ「鼻が死ぬ」くらいはなるでしょう。

ちなみにガスのためコントロールができず、デモに集まった群衆だけでなく報道カメラマンまで逃げ惑う結果になってます。

銃火器類

ガリル

製造・発案元:イスラエル
製造年月日:1960年代

このガリルという銃の一番の特徴は、銃の性能でも欠陥でもなく「栓抜き」がついているという点です。

元々この銃のマガジンの出っ張り部分でビンの栓を抜こうとした兵士が大量にいたらしく、無茶(?)な運用が祟って銃の破損が多発。

それの防止のためにわざわざ専用の栓抜きを装着したという経緯があります。(なぜ兵士にビン抜きを常備させようと思わなかったのか)

これで誰でも安心してビンの栓抜きができますが、この銃が無い状態だとどうするんでしょうか…?

パイファー ツェリスカ

製造・発案元:オーストラリア

現存する銃で世界最強の称号を持つ「拳銃」。

弾丸の装填はリボルバー式とハンドガンの特徴は持っているものの、とにかくハンドガンのまま高威力の弾丸を発射することに対する執念を感じる銃です。

日本の警察官が所持している拳銃は「ニューナンブM60」というリボルバーですが、これは全長約20cm・重量約700gと刑事ドラマで見るように片手に収まるサイズ。

対してパイファー・ツェリスカの場合は、銃自体の大きさは50cmオーバー・重量は約6kgと拳銃のジャンルとしては異常なサイズ。

ヘタなライフル銃よりも重いです。

ハンドガンをそのまま巨大化させたようなもので、重心も取れないため両手でも持つのは困難。

そのため撃つ際には銃身を何かに乗せるか固定しないとマトモに撃てないという有様。

弾丸も一般的なハンドガンの「9mm弾」ではなく、象などを仕留めるために使う「.600 N.E.弾」という大口径の弾丸が使われています。

弾丸のサイズは独特で少々わかりづらいと思うので、mm単位で比べるとこうなります。

弾の種類弾の直径弾の大きさ用途
.600 N.E.20mm93mm象などの大型動物用
9mm9mm19mm一般的な拳銃の弾丸
7.62×51mm7.62mm51mmライフル銃の弾丸

拳銃はおろか軍用ライフルの弾丸よりも大きく、用途も「対人」ではなく「対大型獣」。

そのためもはや「ハンドガン」ではなく「ハンドキャノン(大砲)」という分類で呼ばれることも。

しかし実用性は皆無に等しく、まさに「最強の拳銃」という称号のためにつくられたロマン武器という認識。

レミントン M1859(トビー・レミントン)

製造・発案元:ポーランド(個人製作)

個人で制作された「トビー・レミントン」は世界最「大」、世界で最も大きい拳銃としてしられています。

元々はレミントン M1859という1800年代にあった、サイズは30cmほどの普通の拳銃でした。

これを改造・巨大化させたのが「トビー・レミントン」です。

「とにかくデカい銃を」の一心でつくられており、上記のパイファーツェリスカを優に超えます。

なんと全長126cm・重量45~46kgと頭がおかしくなるようなサイズ。

銃の中でも大きいサイズになる重機関銃が30~40kgなので、それよりもはるかに重いため「ハンド」ガンなのに所持することすら困難。

パイファーツェリスカ同様に、撃つときも持つのではなく台座の上に置いて安定させないとマトモに撃てません。(そもそも同じ重量の重機関銃も、戦車や装甲車の固定砲台として使うものですし)

弾丸も口径28mm(弾の直径が28mm)・1発の弾丸の重量が136gと、パイファーツェリスカの弾丸よりも巨大。

もちろん世界最大の銃としてギネスブックに登録済み。

ただし実用性は皆無に等しく、射程は50mほどしかないとのこと。

メタルストーム

製造・発案元:オーストラリア

オーストラリアにある銃製造会社「メタルストーム社」によって開発されたのが、このバカみたいな速射性能を持つ電子制御性の機関銃「メタルストーム」です。

その性能、1秒に16000発、1万6000発です。(大事なことなので2回書きました)

弾丸をバラ撒くイメージのあるガトリングガンでも精々が毎秒100発程度しかない(これでも十分ですが…)ので、その性能差が分かると思います。

戦艦に搭載される、銃弾をばら撒いてミサイルを迎撃する兵装「CIWS」でも毎秒700発ちょっとです。

「鉄の嵐」の名に恥じない性能といっていいでしょう。

仕組みは単純で数十もの砲身をひとまとめにして一斉に発射するというもの。

ガトリングや機関銃などは数本あるいは1本の銃身に弾を込めて発射するため、一度に発射できる弾丸には限りがあります。

しかしメタルストームは数十の銃身にそれぞれ弾を込めて一斉に発射するため、連射性も相まって銃身の数が増えれば増えるほど発射数もどんどん増えていきます。

そのため銃というよりは鉄の箱に数十の穴が空いたような形状をしており、最初の機関銃の構想に立ち戻ったかのようなものに。

ただし通常の銃の撃鉄型の発射機構では数十の弾丸を同時に発射するのは無理だったのか、電子制御によって全ての弾丸を起爆・発射する仕組みです。

同タイミングで数十の弾丸を発射するため、一か所に数十の弾丸が同時に着弾するようになってます。

そのため鉄板でも大砲が着弾したかのような破砕恨が残ります。

もし人に向けようものなら原型すら残らないでしょう。

一度に一斉に発射するためガトリングガンのように継続して連射するという感じではありませんが、断続的に連射もできるため毎秒1万発以上の速射性能があります。

しかし銃として運用する視点から見ると、メタルストームには致命的な欠点ありました。

それが「弾丸の消費量が多すぎる」ということ。

毎秒16000発も発射すれば弾丸なんてあっという間に尽きてしまいます。

そのため弾丸の補給の手間・運ぶ弾丸の量・消費コストそれぞれの増加と、戦場の内外問わず運用するには向かないものに。

実際戦場では分単位で射撃を行うのが普通なので、メタルストームでは毎分160万発の弾丸を消費する計算に。

毎分でこれなのに、毎日使っていたらどれだけ弾があっても足りません。

はっきりいって現行の機関銃でも十分なのに「これ以上威力を上げた銃を使う必要があるのか?」という疑問も。

結局軍に採用されることはなく会社も倒産するという事態に。

最後に

以上で今までに開発された珍兵器・トンでも兵器の紹介を終わります。

はっきりいって特定の個人の趣向に偏ったと思えるような兵器が多いと思います。

あと共通の点として開発の最中に誰かツッコミを入れれなかったのか? という事態が多発しています。

目的に合わせた兵器をつくるのに夢中で、それの実用性を考えずに開発に邁進しているように見えます。

個人~組織レベルでこれなので、これからも珍兵器といえるようなものはつくられていくのでしょう。