ニワトリ・うずらの飼育を諦めた理由「サルモネラ菌」。洗浄されていない卵は食中毒の原因
自宅で卵をとれるようにと、「ニワトリ」や「うずら」を飼育する人もいると思います。
出来たての卵が食卓に出せるのと食費の節約。
なんだかテンションも上がったり嬉しかったりしますよね。
私もそういったことに憧れてニワトリを飼ってみたいと思いました。
しかしそれを諦めた理由が「サルモネラ菌」です。
自宅でとれた卵にはどんな危険があるのか?
その対処法なども紹介します。
記事を読んでくれる前の注意点
詳しい理由は後述しますが、この記事は決して卵が危険といっている訳じゃありません。
ここでは「自宅で育てたニワトリから得た卵の危険性」を説明してます。
スーパーで販売している卵はきっちりと衛生管理が行き届いているので、安心して食べてください。
「無洗卵」とでも書いて無い限り…。
自宅で取った卵の危険性
自宅・牧場で取った卵に限らず、ニワトリやうずらが産んだ直後の卵には「サルモネラ菌」が付いています。
サルモネラ菌は食中毒の原因菌として有名な菌です。
市販されている卵は、スーパーに並ぶ前に洗浄・殺菌がされてから出荷されています。
ニワトリなどが卵を産むときは卵はお尻の穴から出てきます。
大変不衛生なのは想像しやすいと思います。
洗浄器具が無いと、自宅で産んだ卵ではサルモネラ菌が残る可能性が高いです。
洗浄・殺菌作業をせずに、卵を割って料理するなんてもってのほか。
私の場合は毎回「しっかりした洗浄」をして菌を殺菌できているか自信が無いので、ニワトリの飼育&卵を諦めました。
自宅でニワトリを飼育するなら、卵の品質・衛生状態などは自己責任になると覚えておきましょう。
サルモネラ菌とは
どこに生息している菌?
サルモネラ菌とは、ニワトリだけでなく牛や豚といった家畜の腸内に生息している菌です。
ニワトリは卵を産むとき、「腸」を通して卵を産んでいます。
ちなみに人の腸にも極少量生息していたりする場合も。
生物の腸内だけでなく、川や下水のような環境ならどこにでもいる細菌です。
ペットやそのフンなどもその対象になり、誰にでも接触する可能性があります。
生息域でなら、かなり身近でありふれた菌ともいえます。
感染した際の症状
サルモネラ菌が少量でも体内に入り込むと以下の症状が出ます。
・吐き気
・腹痛
・下痢
これらの症状が現れ、重症化すると死んでしまう可能性もあります。
サルモネラ菌が原因で子供が亡くなってしまった事例もあります。
お子さんに上記の症状が出たら、すぐに病院に連れて行きましょう。
症状が出るまでの時間と続く時間
体内に入ったサルモネラ菌の量にもよるのでしょうが、症状が出までの時間は少々ばらつきがあります。
最短なら数時間とその日の内に症状。
遅いと3日くらい経ってから症状が出る人もいるそうです。
平均すると12時間くらいだそうで、どちらにしろ即日で発症しやすいようです。
一度発症すると、3日~1週間症状が続くそうです。
子供や高齢者ほど重症化しやすいので、1~2日症状が続くなら病院にいって原因を確かめましょう。
菌が増殖する季節・温度
サルモネラ菌による食中毒は7~9月といった季節に増加する傾向にあります。
つまり30℃ほどの温度の中で繁殖しやすくないです。
その季節に常温で卵を放置するのは危険です。
それ以外の気温が低い季節では菌は繁殖しにくく、サルモネラ菌が原因の食中毒も格段に減っています。
保存するときはしっかりと冷蔵庫に入れて低温保存し、菌の繁殖を抑えましょう。
乾燥は効かない
サルモネラ菌は乾燥に強く他の菌のように乾燥殺菌はできません。
たとえ卵の表面が乾いていたり、空気が乾燥していてもサルモネラ菌は生きています。
乾燥しても数が減りにくく、少しの水分・湿気が付着するだけでも増殖します。
手を介して二次感染を引き起こすことも。
「卵の表面が乾いてるからいいだろ」みたいな考えだと、痛い目を見るので気をつけてください。
卵を扱うときの注意点
サルモネラ菌による食中毒の原因は「卵」が主な感染源になっています。
自宅で取った・スーパーで買ったに関わらず、卵の扱いには気をつけましょう。
「自宅」「産地直送」の卵は注意
「産地直送」となっている卵や、自宅で取った・農家の方から直接貰った卵には注意してください。
他にも農場付近のコインロッカーなどで販売している卵。
そういった卵でも同様に注意。
こうした卵はスーパーに並ぶ卵のように徹底した洗浄・殺菌がされていない可能性があります。
スーパーに並ぶ前の卵は以下のような方法で殺菌されます。
②乾燥させる
③紫外線で殺菌
洗浄するための専用の設備でこれらの工程を経て、ようやく安全といえるほどの除菌をしています。
自宅で卵を取っている人は、こういった洗浄をするのは難しいでしょう。
しかしこれくらいしないとサルモネラ菌や他の菌が殺菌しきれません。
残っていた菌のせいで発症してしまう場合があります。
常温保存は禁止 10℃以下推奨
菌が増殖する季節・温度で少し説明した通り、卵を常温で放置するとサルモネラ菌が繁殖しやすくなります。
そのため卵を購入したら早めに冷蔵庫の中に入れてしまいましょう。
夏場などに「スーパーの帰りに寄り道して車内に卵を放置」というのも危険です。
菌が卵の表面で繁殖して、その卵に触れた手で別の食材を触ってしまい二次感染するケースもあります。
そうでなくても卵は常温では傷みやすいです。
卵の品質管理のためにも絶対に冷蔵庫で低温保存するようにしましょう。
殻にキズがある卵は注意!
卵の殻にキズがあったりするとサルモネラ菌が卵の中に入り込み爆発的に繁殖します。
想像したくもないでしょうが、サルモネラ菌そのものを食べるのと大差ない状態です。
こうして大量にサルモネラ菌が体内に入ってしまい発症、というパターンは想像できるでしょう。
特に 無洗卵×殻にキズ は最悪な組み合わせです。
洗浄されていないため菌が多く殻についており、少しのキズでも卵の中に入り込む可能性が高くなります。
サルモネラ菌の殺菌方法
こちらは自宅でできるサルモネラ菌の予防方法になります。
結構あたりまえのこともありますが、とりあえずどうぞ。
アルコールスプレーで殺菌
自宅で取れた洗浄されていない卵は、殻の表面をふき取ってからアルコールスプレーを吹き付けましょう。
サルモネラ菌はアルコールなどに弱く、アルコールを吹きかければ殺菌できます。
スプレー状なので満遍なく吹き付けられます。
揮発性も高いのですぐにアルコール成分も無くなります。
人体に影響が無い・食品に使っても大丈夫なアルコールを使って消毒しましょう。
75℃以上で1分
高温で調理すればサルモネラ菌は死滅します。
大抵は60℃ほどで死滅し始めるようです。
早く・確実に殺菌するためには75℃くらいの温度が推奨されるようです。
卵なら目玉焼きのように火を通したりすれば死滅するため、かなりの感染の予防になります。
食材の中心部が75℃以上推奨とのことなので、加熱時間を増やすなどして少し余裕をもった調理をしましょう。
実際に卵で食中毒になるのは「生卵を食べた」ケースが多いそうです。
充分に加熱すればサルモネラ菌による食中毒は防げます。
ただし菌が増えすぎていると、殺菌にかかる時間も(60℃だと)10分・20分と増えていきます。
安全面で不安な卵ならその卵を使わないという選択肢も用意したほうが無難です。
手を洗う
基本ですが調理・食事の前には充分に手を洗う習慣をつけましょう。
サルモネラ菌は消毒液に対する耐性がものすごく低いので、これだけでもかなりの予防になります。
一般的な石鹸やアルコール消毒でも、ちゃんと手を洗えばしっかり殺菌できます。
産んだ卵を直接触れたあとは、必ず手を洗って二次感染を防ぎましょう。
他にもトイレ後・外出後の手洗いは習慣化しておきたいところです。
まとめると
自宅で取れたり市販品の卵を扱う上での注意点をまとめるとこうなります。
・キズをつけたりしない
・保管は冷蔵庫
・無洗卵はアルコール消毒
・触れたら手を洗う(無洗卵なら特に)
どれもサルモネラ菌を増やさないことを念頭に置いています。
無洗卵の場合は徹底して対策しましょう。
ニワトリを飼っている人なら、日常的にこうすることでサルモネラ菌の感染を防げます。
卵の代金を節約しようと思ってお腹を壊しては意味がありません。
無洗卵を扱うときは習慣化するようにしましょう。
※近年ではニワトリ飼育は許可制
本記事とはあまり関係ありませんが、最近ではニワトリやうずらを飼育するのに自治体への届け出が必要になっています。
ニワトリなどは家畜に分類されるため「飼養衛生管理基準」という規定に抵触します。
そのため1羽からの飼育でも届け出が必要になります。
これはペットとして飼育するのでも同じです。
許可をもらっても、毎年経過報告書を提出する必要があります。
昔に比べると飼育はかなり面倒になっています。
近年ヒヨコの販売を見かけなくなっているのはこれが原因でしょう。
流石に購入する際に確認されるでしょうが、くれぐれも無断飼育は避けるようにしましょう。
最後に
以上で、洗浄していない卵とサルモネラ菌の危険性の解説を終わります。
もともとは、飼ってるニワトリから取れた卵の安全性を調べた結果です。
少なくとも自分がするにはリスクがあるかなと思いました。
まあ普通にペットとしてニワトリやうずらを飼育するなら問題ないでしょう。
現在も飼育しているニワトリの卵を食べている人は、これらのことに注意して卵を食べるようにしてください。