新聞紙は安全なのか? 原料は? インクは? その成分は? 一番安全な部分も併せて紹介

2021年3月7日その他・雑学その他

日ごろ目にする新聞紙。

どういった材料・製法でつくられているか知らない人もいると思います。

野菜などの食品を包んだり、焼き芋などで使う等々…。

新聞紙に使われているインクに害は無いのか心配した人もいると思います。

私の場合ミミズコンポストでも新聞紙を大量に使うので、安全性を考えて少し調べてみました。

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新聞紙の紙の材料

新聞紙そのものはTMP(Thermo Mechanical Pulp)というパルプと古紙からできています。

それぞれどういったものなのか説明します。

TMP

TMPは木材チップを高温の蒸気で処理をした後、高温の中で圧力を加えてつくられます。

こうすることでまず木を分解する微生物を殺菌。

そして小さく・固くして自然分解されにくくし、扱いやすくしています。

木材には広葉樹や針葉樹などを使っています。

広葉樹はユーカリの樹が。

針葉樹は松やモミの樹が代表的です。

現在は木材パルプが主流ですが、ワラや竹を使うこともあるそうです。

植物が原料なの土に埋めても問題なく自然に還ってくれます。

人体にも影響はないので安心して使えます。

古紙などを使わず、新規で紙をつくるときにメインで使われる素材です。

古紙

古紙というとリサイクルされた紙をイメージするでしょう。

が、基本はダンボールと古新聞紙が使われています。

そのダンボールも古いダンボールや古紙、上記の木材を原料とするパルプでできています。

段ボール =古ダンボール・ 古紙・パルプ
古紙 = パルプ

こうなるため、段ボールの原料も結局はパルプに行きつきます。

このためダンボールも新聞紙同様に問題なく自然に還るようになっています。

※ちなみにチラシなどは古紙にできず、リサイクルする前に分別されているそうです。

このため(基本)チラシは古紙という分類には入りません。

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使われているインク

インクの主成分は「大豆」

現在の新聞紙には大豆を原料とする植物性インク「ソイインク(大豆インキ)」が使われています。

元々は石油や鉛などの金属を含んだインクが使われていました。

が、人体や環境に配慮して自然に還っても問題ない植物由来の成分として使われ始めました。

焼き芋や生野菜などを新聞紙でくるんで渡されたりすることがあると思います。

もし新聞紙のインクが鉛だったらどうでしょう

熱や水分でインクが滲んで野菜に付着するため少々危険です。

そうでなくても鉛由来のインクでは自然を汚染してしまいます。

風に流されやすい新聞紙では不特定の場所を汚染しかねません。

しかし現在は無害なソイインクのため「鉛中毒」などの危険性はグッと少なくなりました。

成分は各新聞社によって違う

現在の新聞紙にはソイインクが使われていると書きましたが、各新聞社によっては細かい成分は違ってきます。

その成分も社外秘になっているため、「大部分はソイインク」ということしかわかりません

最低でも6割以上はソイインクが使われているそうです。

しかし、それ以外は「通常インク」でも構わないそうで一抹の不安があります。

このため「文章部分は完全に安全か?」と問われると微妙です。

インクは水に溶ける

材料が植物性なためか、インクは水に溶けます。

流石に墨のように滲むほどじゃありませんが、新聞紙が水に濡れるとそれなりにインクが滲みます。

熱を持っているお湯や蒸気だとさらに溶けます。

例えば、私はトースターで焼いたパンを新聞紙の上に置いています。

そうすると、焼けたパンの発する蒸気でインクが溶けたのか、パンからインクの臭いがすることがあります

新聞紙を使うのは少々控えたほうがいいかも…?

濡れた野菜や焼き芋などを新聞紙で包むと、微量ながらも溶けたインクが付着する可能性があります。

乾いたものなら問題ないですが、気になるなら水っ気があるものを新聞紙で包まないようにしましょう。

古紙のインク落とし

新聞紙をリサイクルする際にインクは一度取り除かれます

まず特殊な薬品を使ってインクを脱色・除去。

最後に薬品成分などを残さないよう、水で洗浄してリサイクル完了です。

このためインクや薬品の心配は無くなり、改めて新聞紙として再利用されます。

結論:一番安全な箇所は「余白」

以上のことを踏まえると、新聞紙で一番安全な箇所は新聞紙の端の「余白」部分になると思います。

文章が書かれているメインの場所は「6割以上が植物性インク」ということで、残りの成分を考えると少々不安。

まあ、人体に対する安全は保証されているのでしょうが。

余白の部分は一度インクが取り除かれた古紙が使われています。

再度インクも使われていないため不安材料のインクが全くない個所です。

私は園芸の堆肥づくりに「ミミズコンポスト」を使っていますが、その際にはこの「余白」の部分を切って使っています。

同じように新聞紙を土などに還し、かつ最終的に口に入るようなら、余白部分を使ったほうがいい気がします。

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最後に

これで新聞紙の成分の解説を終わります。

やはり「インク成分の社外秘」が大きいです。

ここがはっきりすれば、もっと安全性について確かめられるのですが…。

まあ私の様にかなり特殊な使い方をしないと、あまり気にしないことでしょうが。

ただ食品とインク部分が接触することもあるかと思います。

万全を期すならその部分は取り除くのが無難でしょう。

焼き芋なら皮を食べない、等で。

簡単に紹介しましたが、新聞紙の製法か気になった人の参考になれば幸いです。

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