ついにエスカレーターの条例か。変わり始めるエスカレーターの利用法

その他・雑学その他

「エスカレーターは歩かない」。

これを知っている人はどれだけいるでしょうか?

駅やデパートでエスカレーターがあると、早く移動するために歩く人は多いと思います。

しかしこの度「エスカレーターで歩く」ことを規制する法案が出てきました。

エスカレーターの本来の常識や、出てきた規制案の内容を解説していきます。

エスカレーター条例案

ことの発端は2021年2月19日の埼玉県議会。

「エスカレーターでは立ち止まって乗るべき」という条例案が提出されました。

ただ条例といっても罰則などはなく、あくまで「努力義務」としてのもの。

しかし議会レベルで明確に「エスカレーターで歩くべきではない」と明言されたのは今回が初めて。

埼玉県では昨年8~9月にも、「エスカレーターでは立ち止まって乗ろう」というキャンペーンをやっています。

それを発展させたものでしょう。

ただこれは、あくまで埼玉県のみの話。

全国普及するのか?

罰則は出てくるのか?

こういった点は今後の動向しだいになるでしょう。

ちなみに、地味にですが消費者庁からも呼びかけがされています。

内容は「エスカレーターは手すりにつかまろう」というもの。

こちらはまだキャンペーンの段階ですが、いずれ条例などに発展していく可能性も否めません。

条例のキモは「安全性」

こんな条例が提出された背景としては「エスカレーターでの接触・転落事故」の防止です。

エスカレーターで立ち止まっている人に、歩いた人が接触しバランスを崩して転落。

あるいは急ぎ過ぎて、足元がつまずいてそのまま転落。

こうした事故が意外と多いそうです。

特に下りのエスカレーターで急いて下りていくと、かなり勢いが出ます。

勢いをコントロールできなければ、そのまま転げ落ちます。

おまけに人が下にいれば、大勢巻き込んでの多重事故にもなります。

こうした事故が起きていることを考えての条例だそうです。

エスカレーターの(新)常識

ここからはエスカレーターでは推奨されない利用法を解説していきます。

歩かない

前提として、本来エスカレーターは歩くことを想定してつくられていません

走ることも同様です。

もちろん多少は耐えられるでしょうが、本来の用途ではありません。

「エスカレーターに乗ったら立っているだけ」。

これが推奨されています。

エスカレーターはベルトコンベアと同じ仕組みです。

そのため階段のような強度はなく、中身は空洞になっています。

簡素ながらもエスカレーターの断面図になります。

灰色部分は全て空洞です。

階段部分やコンベア部分は本当に骨組みしかありません。

そのためエスカレーターの階段を上り下りするだけでも、かなりの負荷がかかります。

余計な負荷の分だけ劣化が早くなり、エスカレーターの寿命も減っていきます。

劣化が多くなれば唐突な動作不良の原因にもなり、事故の原因にもなりかねません。

片側に寄らない

「エスカレーターは片側を空けておく」なんて知識があると思います。

効率を重視した「急いでいる人用」というものです。

しかし、これはエスカレーターの運用上では間違いとなっています。

理由は「歩かない」と同じで、エスカレーターの劣化を防ぐためです。

片側だけに体重がかかると、そちら側だけ劣化が早くなります

「右側はキレイ、左側はボロボロ」なんてことも。

正しい乗り方は「エスカレーターの中央にひとりだけ」。

あるいは2人で左右に均等に負荷がかかるような乗り方になります。

※ちなみに、「エスカレーターで右・左のどちらを空けるか?」という意見。

地域によって違いが出るそうです。

追い越さない

歩くことが禁止なので当然ですが、追い越すことも危険とされます。

ご存じの通り、エスカレーターはかなり狭いです。

ギリギリ2人並べるくらいのスペースしかありません。

そんな状態で急いで追い越そうとすると、身体が接触して転倒する原因になります。

他者を巻き込んで事故を起こせば訴訟にも発展しかねません。

誰かが乗っているときは自重したほうが良いでしょう。

手すりに寄りかからない

手すりに体重を預けるのは危険です。

手すりはあくまでエスカレーター上での補助に過ぎません。

体重をかけすぎると破損したり、最悪ガラス部分が破損して外側に放り出されます

手すりに摑まるのは良いですが、寄りかかったりするのはやめましょう。

今後はどうなっていくか?

エスカレーターの条例の今後ですが、事故件数によって変わっていくと思います。

例えば以前に自転車が法的措置の対象となることがありました。

これは自転車の危険運転や、それに伴う事故件数の増加が原因です。

今後もエスカレーターで事故が起き続けるようなら、遅かれ早かれ法的措置の対象になる可能性もあります。

「エスカレーターに関する条例の提出あるいは施工」。

この事実がある限りは、他県において条例施工の敷居が下がったともいえます。

今後も事故が増加し続けば自然と厳しくなっていくと思います。

私含めて、皆さんも事故を起こさないような使い方をしていく必要があるでしょう。