バイオハザードで登場するウィルス一覧
CAPCOM発売のゲーム「バイオハザード」。
映画にもなり、ウィルスパニック系のジャンルで金字塔ともいえるものになりました。
そんなバイオハザードですが、作中では様々なウィルスによって、ゾンビやクリーチャーが発生しています。
では、いったいどれだけの種類のウィルスが作中に登場しているのか?
登場作品やウィルスの特徴などをまとめてみました。
ウィルスの種類と系統
映像作品も含めると、バイオハザードで登場するウィルスはこちら。
・G-ウィルス
・t+G-ウィルス
・プラーガ
・始祖ウィルス
・ウロボロスウィルス
・C-ウィルス
・t-Veronica
・t-Abyss
・t-Phobos
・A-ウィルス
・特異菌
・カドゥ
中にはプラーガのようにウィルスではなく寄生生物もいますが、一応一緒くたに扱ってます。
ゲーム・映像作品問わず、作中に登場するウィルスを数にするとこれだけあります。
が、実は系統にするとわずか3種類しかありません。
後期に登場するウィルス類は元々あったウィルスを改良したり、混ぜ合わせたものが多いです。
まずは「始祖ウィルス」の系統。
有名な「t-ウィルス」もここに入ります。
次が寄生生物である「プラーガ」の系統。
最後に「特異菌」の系統。
同じ「菌」でも、原種と遺伝子改良したものがあるのでそれぞれ別に。
これらの系統に入っていない「C-ウィルス」「t+G-ウィルス」は、複数のウィルスを混ぜたものなので入れていません。
ただ「ウロボロスウィルス」と「A-ウィルス」も複合ウィルスですが、特性が強いのが上位のウィルスなので入れています。
このように系統別にウィルスを見てみると、バイオハザードで出てくるほとんどのウィルスは「始祖ウィルス」を改良したものが多いです。
これは運用している組織の系統でもあります。
特に始祖ウィルス系統を使うのは「アンブレラ」か、それに関わったことのある組織や個人が多いです。
ただ始祖ウィルスから作られたt-ウィルスは、国家からテロリストまで幅広く運用されています。
これは「バイオ2・3」でウィルスがラクーンシティ中に広がったため、サンプルの入手が容易だったのが理由です。
逆にプラーガや特異菌は最初に開発・運用したのが個人レベルなため、別組織に広がりにくかった背景があります。
精々盗んだ・譲渡された僅かなものが別組織で使われたくらいです。
…まあ年月を重ねるとその組織からまた流出したりして広がりを見せてますが。
t-ウィルス
登場作品:映画「バイオハザード」・バイオハザード0・バイオハザード・バイオハザード2・バイオハザード3・アウトブレイク・ガンサバイバーシリーズ・ディジェネレーション
記念すべきゲーム第一作の「バイオハザード」から登場したのが「t-ウィルス」。
名前の「t」は「Tyrant(タイラント・暴君)」から取られています。
最も登場作品が多い「バイオといえばコレ」なウィルスといえます。
作中での表記に合わせて小文字の「t」の表記にしています。
映画「バイオハザード」では基本的にt-ウィルスとその強化系・発展型が登場しており、他のウィルスは登場しません。
t-ウィルスの特徴
t-ウィルスの特徴がこちら。
・再生能力の強化
・肉体の強化
・ゾンビ化
最初のt-ウィルスはアンプルに入っており、液状の場合では気化して空気感染。
しかしt-ウィルスは変異しやすく、2次感染した後には空気感染はしなくなる特徴があります。
何かに感染した後では、接触感染・体液感染に変化します。
噛まれるのはもちろん、爪で引っかかれる・唾液などでも体内に入るだけで感染します。
ただ先天的にt-ウィルスに対して免疫を持つ人間もおり、主人公たちは大体該当しています。
抗体を持つ人の割合は10人ほどで1人と、割と多い数が存在してます。
しかしあまりにも高濃度のウィルスに感染すると致命的になります。
ジル・バレンタインは抗体持ちでしたが、バイオ2においてネメシスに高濃度t-ウィルスを投与され死にかけてます。
感染者の主な初期症状はこちら。
・発熱
・身体中のかゆみ
・食欲の増加
・思考能力の低下
t-ウィルスは潜伏期間が他のウィルスに比べ長く、僅かな感染量なら数日単位で生きていられることも多いです。
そのためウィルスに感染した研究者の日記、通称「かゆうま日記」では、研究者がゆっくりとゾンビに変わっていく様が克明に記されています。
まずウィルスに感染すると、体内の免疫の活動によってせき・発熱といった風邪のような症状が出ます。
それから悪化していくと細胞がウィルスに感染して代謝(再生能力)が早まり、それがかゆみとなります。
脳に到達すると脳細胞が破壊され、思考力の低下やゾンビ時の症状の食欲が増していきます。
最終的にウィルスが完全に脳に到達すると、前頭葉などの思考を司る部分が破壊され、本人の人格などが消滅。
しかし単純かつ原始的な「食欲」だけは残り、それを満たすために他者を襲うようになります。
勘違いしやすいのが別にウィルスが身体を操って人を襲っているわけではないという点。
ウィルスは脳細胞を破壊するだけで、身体自体は変わらず脳からの信号で動いてます。
つまりゾンビとなっても、失った人格以外は本人のままです。
…まあ結局は脳と共に人格も消失しているので、まさに「生ける屍」といえる状態ですが。
完全に感染すると一時的に仮死状態になり、そこから再び動き出すため「死者が蘇った」ように見えます。
ちなみに作中でゾンビが腐っているのは「異常な再生能力に細胞が追い付かなくて壊死している」からです。
t-ウィルスを始めとして、バイオハザードで登場するウィルスは感染者に異常な再生能力を与えることが多いです。
しかしその再生能力(代謝)に細胞組織が耐えられず、結果壊死してしまっています。
「銃で撃っても中々死なない」のは、痛覚が無くなるので「ショック死」も無ければ、再生能力のおかげて「失血死」もしないからです。
弱点として、身体を動かす神経伝達は変わらず脳がしているため、脳あるいは脊椎を損傷させれば死にます。
ちなみに感染後に特に変異を起こしやすいのは人間です。
「リッカー」「クリムゾンヘッド」などがその最たる例。
ただ変異するといっても元の形から大きく変化することは少ないです。
リッカーやクリムゾンヘッドでも、元からの体積はほとんど変わりません、
例えタイラントがt-ウィルスを暴走させても、少し体格が大きくなって、大きな爪ができる程度。
他のウィルスでは元の体積の数倍は巨大化したり、原型を留めないほどの変異を見せるのを考えると、かなり控えめといえます。
爬虫類や鳥類・昆虫などでは変異はほぼなく、精々巨大化する程度に収まっています。
また1000万人あたりに1人の確率で、t-ウィルスの完全適合者が確認されています。
完全適合者がt-ウィルスに感染すると、ゾンビ化することなくt-ウィルスの特徴の「肉体の強化」「再生能力」を得られます。
映画の主人公の「アリス・アバーナシー」や、ゲームではタイラントの素体のオリジナルである「セルゲイ・ウラジーミル」が該当します。
アルバート・ウェスカーも該当しますが、彼の身体能力の高さは詳細不明の別のウィルスとなってます。
ちなみに彼の息子のジェイク・ミューラーは後述の「C-ウィルス」に感染しなかったので、父親同様の適合率を持っているかと。
t-ウィルスの開発者と経緯
t-ウィルスは人為的かつ、偶発的に作られたウィルスです。
ただ開発経緯がゲームと映画で違うのでそれぞれ解説します。
ゲームでの開発経緯
t-ウィルスはそれ単体で開発されたものではなく、後述する「始祖ウィルス」から偶発的に開発できたウィルスです。
開発者はバイオハザード0で(間接的に)登場するジェームズ・マーカス博士(と、ウィリアム・バーキン博士)。
博士たちは当初「人体の人為的な強化・進化」をコンセプトにしたウィルスの開発を目指していました。
しかしそのコンセプトに適した始祖ウィルスは毒性が強すぎ、投与した対象はことごとく死亡。
そのため博士は始祖ウィルスを扱いやすくするため、まずヒルに始祖ウィルスを投与しました。
投与したヒルは始祖ウィルスに適応し、毒性の弱まったウィルスを生成。
これがt-ウィルスです。
ただ「肉体強度の強化」「再生能力の獲得」など、始祖ウィルスの特徴はある程度引き継いでいるものの、前述の「ゾンビ化」によって当初の目的としては失敗作と判断されます。
しかし生物兵器としての価値や扱いやすさができたため、t-ウィルスをメインにした生物兵器開発が進むようになります。
これで「ゾンビ」「ハンター」「タイラント」といった生物兵器が開発されました。
開発の途中でマーカス博士が謀殺され、バーキン博士が引き継いで完成にこぎつけてます。
映画での開発経緯
映画バイオハザードにおいてのt-ウィルスは、元々は医療のために開発されています。
開発者はゲームと同じジェームズ・マーカス(教授)で、娘の「プロジェリア症」の治療のために研究・開発しています。
プロジェリア症は一種の遺伝子異常で、生まれつき老化が激しく、老化に伴う様々な症状と寿命の低下が起きます。
これの治療のため再生能力を強化する目的でt-ウィルスを開発しました。
ジェームズ・マーカスが謀殺されたあと、同じく遺伝子異常を持つ娘を治すためにチャールズ・アシュフォード博士(映画バイオ2)が研究を引き継いでいます。
本来は医療の為のウィルスですが、映画の黒幕アレクサンダー・ローランド・アイザックス博士によって「ウィルスによって人類を淘汰し、真に優れた人間による統治」のために利用されてしまいます。
ちなみに映画バイオ4・5で登場する口から触手を出す「マジニ」ですが、これはt-ウィルス感染者が変異したもの。
ゲームでは「プラーガ」によってマジニになりますが、その点が違います。
映画ではその「プラーガ」という寄生体も登場しますが、t-ウィルスとの関係性は言及されていません。
t-ウィルスの治療薬
t-ウィルスの治療薬はバイオ2・3の時点で開発されています。
まずアンブレラによって通常の治療薬が。
そしてアウトブレイクでは「デイライト」という特効薬も開発されています。
この治療薬の効果はすさまじく
・ゾンビなどの感染者に投与すれば、即座に活動を停止させる
と、かなりケタ違いの効果を発揮します。
ウィルス抗体を持たない人でも後天的に免疫を獲得させ、武器としても使用可能。
あのタイラントですらも有効なので、ゲーム中では切り札的な扱いでもあります。
特殊な材料が必要で、ゲーム中でがこれらの材料で製造されます。
・T-ブラッド…感染者の血液
・P-ベース…密閉環境が必要な、何らかの薬品
これら治療薬や製法が出回ったおかげで、t-ウィルスの脅威は格段に減っています。
そのためか、t-ウィルスは作中で2004年に発生した「バイオハザード・ディジェネレーション」あたりまでしか登場しません。
G-ウィルス
登場作品:バイオハザード2・バイオハザード ディジェネレーション
直接登場するのはバイオ2と映像作品のみと、微妙に活躍の場が少ないのがG-ウィルス。
コンセプトこそ別のウィルスに引き継がれているものの、活躍(?)の場はほとんどなのが残念です。
Gは「Generation(ジェネレーション・新世代)」の頭文字から取ってます。
G-ウィルスの特徴
G-ウィルスは「ウィルス」ではありますが、原則「寄生生物」という側面が強いです。
・自分の卵の「胚」を使って繁殖
・段階を得て進化していく
注射器に入っているような液状のものは作品中に2本分しか登場していません。(割れたのはたくさんありますが)
ウィルスに感染すると、まずウィルスが体内を侵食。
その後に感染者の肉体を苗床にして独自に脳を形成、身体を乗っ取ります。
感染すると感染した身体の部位の肥大化が起き、巨大な目が出てきます。
これがG-ウィルスの大きな特徴といえます。
ちなみにどんな形態でも目が弱点。
感染が進行すると、感染者の頭部付近に新しい頭が出現。
元々の頭部は脇に押しやられ、完全にウィルスが身体の主導権を握ります。
…というより、身体をウィルス主体で新しく作り変えるというのが正しいです。
変異性が高く、環境に応じて進化(変異)していく特徴があるため、時間が経てば経つほど強くなっていきます。
最終的には列車と同等の大きさにまで巨大化しています。
後の作品で「倒されるたびに強く・巨大になっていくクリーチャー」はG-ウィルスの特徴が原型といえるでしょう。
またG-ウィルスは変わった感染傾向を持っており、感染者に遺伝子的に近い人を率先して狙います。
これは自身に近い遺伝子構造を持った生物でしか正常に繁殖・進化できないからです。
そのため作中では、バーキン博士は娘のシェリーを。
CG作品の「ディジェネレーション」のカーティス・ミラーは妹のアンジェラに執着しています。
感染方法は自身の「胚」を植え付けることで行われ、遺伝子構造が近い相手なら、そのままG-タイラントへと変貌していきます。
…ただ、作中で連鎖感染してG-タイラントになったことはありませんが。
遺伝子がかけ離れた他人に感染させると、体内から中途半端に成長した「G幼体」が産まれます。
…さながらエイリアンのチェストバスターのごとく、胸を突き破って。
飛び出した後のG生物も成長し「G生体」になりはしますが、G-タイラントとは似つかない、エイリアンをゴツくした感じになるだけです。
バイオ2では徐々にG-タイラントへと変貌していますが、CG映画ではウィルスが強化されたのか、感染後数分で変貌しています。
G-ウィルスの開発者と経緯
G-ウィルスはウィリアム・バーキン博士が発見したウィルスです。
当時tウィルスやらの被検体で、半不死身生物となっていた「リサ・トレヴァー」から発見しています。
リサは感染後の強力な再生能力によって、あらゆる処置をしても再生してしまう特徴を持っていました。
そこで一体どうなっているのかと調べたら、G-ウィルスの原型を発見したわけです。
t-ウィルスとは違った特徴があり、別アプローチでのウィルス開発として計画が承認。
バーキン博士の主導兼独占でG-ウィルスの開発がされました。
ただ独占状態の研究だったため、ウィルスの詳細を全て知っているのは博士のみ。
その博士が死亡したため新しいウィルス開発は出来ていない状態です。
おまけに独自の進化をするため兵器として安定性がなく、制御が難しいという難点も。
サンプルがいくつか持ち出されたようですが、G-ウィルス単品で日の目を見ることはほぼ無くなりました。
登場回数が2作品(映像作品込みで)のみというのが、それを物語っているでしょう。
G-ウィルスの治療薬
G-ウィルスにも治療薬は存在しますが、製法は失われています。
それが「DEVIL」という治療薬。
DEVILはG-ウィルスの「細胞を侵食して置き換わる」部分で止めて、G生物化するの防ぎます。
ウィルスの殺菌というよりも、進行を途中でストップさせている状態といえます。
早期であれば効果があり、本人のまま肉体を強化できるというメリットもあります。
治療されたシェリー・バーキンは、バイオ6で登場時に手術必須な外傷を数秒で完治させています。
ウィルスそのものは確保されたり盗まれたりで少量が流出。
が、治療薬だけは製法と現物の両方ともラクーンシティから持ち出されていません。
ウィルス感染したシェリーの治療のため、現場で即席で作られ使用された治療薬があるだけです。
そのためウィルスを持ち出せたフレデリック・ダウニングは、ワクチン開発のためにウィルファーマ社にウィルスを持ち込んで開発を行っています。(バイオハザード・ディジェネレーション)
これは前述の「DEVIL」と同様の効果があるかは明言されていません。
t+Gウィルス
登場人物:バイオハザード ガンサバイバー4
外伝作品の一つの「ガンサバイバー4」で登場したウィルス。
この作品のみ登場のウィルスでメインストーリーに絡むわけでもないので、あまり知らない人もいるのではないかと。
t+Gウィルスの特徴
t+Gウィルスは、名前の通りt-ウィルスとG-ウィルスを組み合わせたウィルスです。
ただこれによってバイオハザードを起こしておらず、感染者は作中のボス格の2体のみ。
かなりアレな特徴があるので有名です。
・性別が女性になる
発電能力を持たせられるウィルス類は少なく、t+Gを除けば「強化型C-ウィルス」と「カドゥ(カール用)」くらいしかありません。
ただそんなことよりも感染すると女性になるのが一番の特徴といえます。
感染者の一人のモーフィアス・D・デュバルは男性ですが、感染後は身体付き・動作・口調が女性的なものになってます。
なぜこうなったかは不明。
t+Gの試験薬を投与された「タイラント091」は普通の男性型タイラントに似てますが、適合できなかったのか肉体が部分的に崩壊しています。
しっかりと適合できたモーフィアスが女性化したため、こう判断。
…ただモーフィアスが「美」を主眼におく性格で、中性的な容姿に整形してるくらいです。
そのため本人の性癖願望を具現化した可能性もありますが…。
G-ウィルスのような寄生型の特徴を見せないので、t-ウィルスをベースにした可能性が高いです。
tやGと違って、感染後もしっかりと本人の人格が残るのは初期のウィルスとしては特徴的です。
t+Gウィルスの開発経緯
外伝作品というメタ的なものは抜きにして、おそらくtとGを組み合わせた試験的なものだったと推察されます。
そもそも作中に出てきたウィルスアンプルは2本(うち一本は使用済み)で、モーフィアスが自分に投与したのは「試薬」です。
そのため正式に量産はされておらず、検証用だった可能性が高いです。
開発目的としてはタイラントなどのさらなる強化などが推察できます。
t-ウィルスでは肉体の強化は行われるものの、それ以降の劇的な進化は望めません。
そのあたりの克服のためにG-ウィルスを組み合わせて、変異性の高さを持たせようとした結果かと。
…ただタイラント091という個体もいますが、兵器としては通常のタイラントやネメシスで代用ができます。
量産されず、後期の作品でも登場しないので、試験的に開発されて終わったウィルスだと思われます。
t+Gウィルスの治療薬
作中ではt+Gウィルスの治療薬は出てきていません。
ベース(と思われる)はt-ウィルスなため、デイライトなどの特効薬の効果はあると思われます。
…ただ作中での登場頻度を考えると、これから治療薬が必要になるかは微妙です。
仮にウィルスサンプルが2本(モーフィアスとタイラント091)だけとすると、もうウィルス自体が残ってない可能性もあります。
プラーガ
登場作品:映画「バイオハザード5」・バイオハザード4・バイオハザード5・ダムネーション
バイオハザード4から登場し、ウィルスというよりもクリーチャー色を強くしたのがプラーガです。
プラーガの特徴
プラーガは他生物に寄生して生きる寄生生命体です。
・対象に寄生して乗っ取る
・感染者の肉体的強度はそのまま
・上位種と下位種がいる
・光に弱い
プラーガはバイオの舞台となるヨーロッパのとある土地にいた原生生物。
その土地に地下に封印されていたものが、発掘作業で復活。
作業員に感染して活動を始めました。
最初は胞子状になっていますが、体内に入ると成長、脊椎や脳に寄生して肉体の主導権を乗っ取ります。
ただ、これは作中で起きた最初の感染例。
プラーガの感染方法はいくつかあります。
・卵(バイオ4)
・プラーガ寄生体を直接投与(ダムネーション)
このように、作中ではいくつかの方法によって感染させています。
本体は寄生したプラーガで、人の肉体はいわゆる操り人形状態。
そして基本的には肉体的強化はほとんどありません。
ただこれは「下位種」のプラーガの場合。
プラーガはアリや蜂のように社会性を持つ生物で、同じプラーガでも上位種・下位種が存在します。
上位種の「支配種プラーガ」は、下位の「従属種プラーガ」を操ることができ、寄生された人物の人格も残ったままです。
上位種のプラーガは人間と同化できるのか、そのまま巨大化・変異などの芸当も行えます。
下位種のプラーガでは、生前の習慣などは残るようですが、人格などはほとんど失われます。
肉体などの変異もなく、生前とほぼ同じ姿。
しかし道具を扱うくらいの知能はあるようで、鎌と言った農具やチェーンソーといった凶器まで使ってきます。
また日光に弱いらしく、何かに寄生(光が届かない体内)しないと生きていけないのはこのため。
寄生主の身体が損壊すると、その部分から寄生体が露出してくることもあります。
ちなみに感染者の名称は、バイオ4では「ガナード」、バイオ5では「マジニ」となっています。
ダムネーションでは、支配種プラーガを自分の脊椎に寄生させ、従属種プラーガを寄生させたリッカーを操る戦法も確率されています。
このように寄生対象が別のウィルス感染していても問題なく運用できる特性があります。
プラーガの開発者と開発経緯
プラーガは原住生物なので、誰かが開発したわけじゃありません。
遥か昔に封印…というか地下に埋められた休眠状態のプラーガが、発掘作業員に胞子状になって感染したのが元です。
あとは成長したプラーガから卵を採取して、それを体内で孵化させて感染者を増やしてます。
作品ごとに改良も加えられており、
バイオ4のオリジナル。
バイオ5やダムネーションの、寄生体そのものを投与して即座にクリーチャー化させる「タイプ2」。
同じくバイオ5で、人間の形を保ったまま肉体を強化する「タイプ3」。
こうしてタイプ分けされています。
特にタイプ2では口から触手を出してくるのでわかりやすいです。
プラーガの治療薬
プラーガには治療薬は存在しません。
治療には体内に入った寄生体を物理的に除去する必要があります。
バイオ4のアシュリー・グラハムのように、卵~幼体くらいの大きさなら放射線治療で除去できますが、脊椎に寄生されると手遅れになります。
ただ完全に寄生させるにはかなりのタイムラグがあり、治療機材があれば十分間に合います。
「治療の余地なく、即座に寄生させる」方法として、タイプ2のプラーガが開発されるくらいには。
脊椎に寄生されると神経組織とほぼ同化するため、無理やり引きはがすと良くて半身不随、最悪死亡します。
ダムネーションでプラーガを寄生させたアレクサンドル・コザンチェンコは、事件後にプラーガを除去して車椅子生活を余儀なくされています。
始祖ウィルス
登場作品:バイオハザード0・バイオハザード5
登場作品は少ないものの、各ウィルスに多大な影響を与えた…というか、原点たる始祖ウィルス。
その名前通り、作中に登場する大半のウィルスの元なったウィルスです。
始祖ウィルスの特徴
始祖ウィルスは、進化の可能性を秘めたウィルスとして注目されたウィルスです。
・毒性が非常に強い
・量産性皆無
効果は取り込んだ生物の遺伝子の劇的な変化・強化が挙げられます。
始祖ウィルスはアフリカの特定の地域でしか生息いない「始祖花」に含まれ、その地域に住む「ンディバヤ族」では「太陽の階段」という名称をつけられています。
ウィルスを取り込むと超人的な能力を得られるとして、現地では信仰の対象となるほど。
ただし致命的な欠点として非常に毒性が高いことが挙げられます。
ウィルスを取り込んだ人間含むほぼすべての動物が、その毒によって死亡してしまうほど。
作中で始祖ウィルスに適合できたのはバイオ0に出てくるt-ウィルスを産み出したヒル以外に存在しません。
そのヒルが産み出したt-ウィルスのほうが(比較的)毒が弱く使い勝手が良かったので、そちらの開発にシフトせざるを得ないほど。
培養も不可能で、現地以外で栽培しても始祖花は始祖ウィルスを宿さず、ウィルスの生産がかなり難しいことも挙げられます。
そのため作中での重要度は高いものの、始祖ウィルスそのものを用いたことはあまりありません。
しかしt-ウィルスを始めとして、様々なウィルスを産み出した原初・原点のウィルスとして有名です。
始祖ウィルスの開発者と開発経緯
始祖ウィルスの発見のきっかけは、バイオ5に登場する製薬会社「トライセル」の前身の海運貿易会社「トラヴィス商会」のヘンリー・トラヴィスが記した「博物総覧」。
これを読んだアンブレラ創設者の一人「オズウェル・E・スペンサー」が、「ジェームズ・マーカス」と「エドワード・アシュフォード」と共に現地に飛び発見しています。
ただ発見したものの、先ほどの毒性の高さやウィルスの生産の難しさから研究は難航。
偶発的に始祖ウィルスより使い勝手が良いt-ウィルスができたことにより、本格的な研究はそちらにシフト。
元々厳重な情報封鎖がされていたこともあり、始祖花の育つ場所を知る人間は極一部。
おまけにラクーンシティ騒動やアンブレラ社倒産によって、アフリカにあった始祖花の研究所も閉鎖。
始祖ウィルスそのものを直接使うような研究はほとんど進んでいないと思われます。
始祖ウィルスの治療薬
前述の通り、強すぎる毒性と研究不足によって治療薬の研究は出来ていません。
発見当時の技術不足もあったかもしれませんが、始祖ウィルスをそのまま利用するのを諦めるほどですし。
あるいは唯一始祖ウィルスに適合した女王ヒルなら、そのヒントがあったかもしれません。
弱毒化という意味でなら、ジル・バレンタインの体内から抗体が発見されています。
この抗体は始祖ウィルスの毒性を弱め、後述のウロボロスウィルスの開発に使われています。
ウロボロスウィルス
登場作品:バイオハザード5・リベレーション2
バイオハザード5で、複数のウィルスを元に作られたのが「ウロボロスウィルス」。
ウロボロスはギリシャ神話に登場するドラゴン、あるいはヘビのことで「不老不死」「死と再生」を意味します。
「自分のしっぽを咥えて輪っかになったヘビ」というと分かる人いるかと。
映画版t-ウィルスのように「旧人類の抹殺」といった目的でも使われようとしていました。
ウロボロスウィルスの特徴
・黒い触手(不適合)
・寄生生物化(不適合)
ウロボロスウィルスは「肉体の安定した人為的な進化」をさせるウィルスです。
肉体を強化できるt・G-ウィルスでは、ゾンビ化による自我崩壊や、寄生生物に乗っ取られる欠陥があります。
原点となる始祖ウィルスは、その強すぎる毒性で無理と判断。
そのため、本人の人格を残しつつ安定して肉体の強化ができるウィルスとして開発されています。
ただしこれは、ウィルスに完全に適合できた場合のみ。
失敗した場合のほうが目立っており、その最大の特徴は、多数の黒い触手でしょう。
もののけ姫のタタリ神が一番イメージに近いかと。
このウィルスは始祖ウィルス・G-ウィルスと同じように、遺伝子を作り変えて変異させます。
完全に適合した者なら外見は変化せず、肉体的な強化が為されます。
しかし適合できないと、前述のタタリ神のように触手まみれになったり、巨大な異形と化します。
ウェスカーを含めて、現状投与された人物で「完全に適合できた」といえる者はいません。
他のウィルスと違うところが、
・触手が積極的に生物を取り込んでいく
これらのことが挙げられます。
t-ウィルスなどでも「死者が蘇る」なんて表現がされますが、アレは厳密には死者を蘇らせているわけではありません。
あれは「ウィルスによって、脳の理性や思考を司る部分が破壊」されているだけで、肉体自体は本人(に僅かに残った脳)が動かしています。
例えるなら「薬物中毒で脳の一部が破壊された」といった状態に近いです。
脳の本能的な部分は生きているため、蘇生したという表現は正しくありません。
そのため他のウィルスでは、脳や脊椎などの主要神経が破損しているとウィルス感染しても蘇生できません。
プラーガも元々あった神経系を利用しているので、そこを破壊されると肉体を操れなくなります。
しかしウロボロスウィルスはウィルスそのものが肉体を動かしています。
(不適合者に)感染すると、ウィルスが肉体を侵食して成り代わる、というのが正しいです。
そういう意味ではG-ウィルスが近いかと。(実際原材料にG-ウィルスも含まれる)
おまけに見境なく他の生物を襲って融合・侵食を繰り返すので、たった1体でも放置するとすごい勢いでバイオハザードが発生します。
ウロボロスウィルスの開発経緯
ウロボロスウィルスの開発者…というか発案者はアルバート・ウェスカーです。
このウィルスは「人格と形をそのままに肉体を強化」というコンセプトで開発されており、人類の進化を目的としたウィルスです。
製造するのに複数のウィルスを下地にしてるのも特徴です。
・t-ウィルス
・G-ウィルス
・t-ベロニカ
・プラーガ
これらのウィルスの良いとこどりをしたのがウロボロスウィルス。
各ウィルスではゾンビ化やウィルスに乗っ取られるなどの欠点があり、単体での肉体の強化はリスクと限界があります。
しかしそれぞれから利点となる部分を抽出。
始祖ウィルスを下地に、t-ウィルスの安定性・G-ウィルスの遺伝子変化・t-ベロニカの驚異的な強化能力・プラーガの生物的機能。
こういった部分を統合して、人格などを残しつつ人為的な進化ができるウィルスとなりました。
ただ開発当初の明確な欠点として毒性が強すぎること。
「進化」という点で優れた始祖ウィルスを下地にしていますが、その強力な毒性をも受け継いでしまっています。
そのため開発初期では高すぎる致死性を持っており、実用段階ではありませんでした。
そこで使用したのがジル・バレンタインが持っていた抗体。
この抗体がウィルスの毒性を弱める効果があることが判明し、これでウロボロスウィルスの毒性を弱めています。
ジルはラクーンシティ(バイオ3)でネメシスの高濃度t-ウィルスの汚染を受けており、それの治癒によって強力な抗体ができたと推察されています。
これで「ある程度」使いやすくなったのが、作中に登場するウロボロスウィルスです。
…まあ死にはしなくても不適合なら異形化してしまうので、完璧とはいえませんが。
ウロボロスウィルスの治療薬
ウロボロスウィルスの治療薬も存在しません。
そもそもウロヴォロスウィルスは、治療薬が無い始祖ウィルスや、プラーガのような寄生生物の特徴まで受け継いでいます。
そのため作りたくても作れないと思われます。
ウィルスに完全適合 → 遺伝子が変化しているため治療のしようがない
ウィルスに不適合 → ウィルスが寄生生物化で、こちらも治療が無理
おまけに投与してから変異までのスパンが短いため、発症してからでは手遅れでしょう。
このように治療の余地が残っていません。
C-ウィルス
登場作品:バイオハザード6
バイオハザード6のみの登場のC-ウィルス。
名前の由来はサナギ(Chrysalis)から。
シリーズの中では珍しく政府関係者が開発したウィルスとなります。
また兵器としても、人為的進化という点でも扱いやすい部類に入るウィルスでもあります。
C-ウィルスの特徴
C-ウィルスは他のウィルスと違い、気体か液体かで効果が違います。
液体のC-ウィルス → ジュアヴォ化
このように感染する経緯によって効果が違います。
ゾンビ化ではt-ウィルスとほぼ同じですが、ジュアヴォ化では勝手が違います。
アメリカのトールオークス市や中国の蘭祥(ランシャン)ではガス状のC-ウィルスが散布され、市民はゾンビ化しています。
あるいはジュアボの一種のレボティッツァはガス状のC-ウィルスを放出し、これでもゾンビ化します。
ガスは紫色で、ガス状のC-ウィルスを数うとゾンビ化すると覚えておきましょう。
反対に液体状のC-ウィルスはどうか。
イドニア共和国で傭兵達に栄養剤と偽って投与した液体型C-ウィルスではジュアヴォと化しています。
ジュアヴォ化した際の症状がこちら。
・人格はある程度維持
・損壊した肉体が強化されて再生
・一定のダメージor期間でサナギに変貌
・サナギから羽化すると、各クリーチャーに変貌
ジュアヴォにはこうした他の複数のウィルスと似た特徴があります。
進化という点でも、ジュアヴォはサナギという段階を経て強力に変異していくクリーチャーです。
最初は複眼を持つ人型で、大抵は仮面を被って素顔を隠しています。
人間ままの状態に限りますが、他のウィルスと違い命令を聞いたり銃を扱う知性を持ちます。
作中ではマフィアやヤクザの構成員的な感じでふるまっているほどです。
もし腕や脚を喪失するほどの損傷を受けると、その部分から大型化した腕や足が生えてきます。
なんとなく昆虫チックなもので、特に脚はバッタのもの。
これはベースの一つとなった「t-Veronica」の昆虫の特性を受け継いでいるから。
死亡すると燃え尽きるように消滅するのも、同じく「t-Veronica」の発火能力に起因してます。
そして一定のダメージや期間の経過でサナギに変化し、より強力なクリーチャーへと「羽化」します。
固い殻をまとったゴリラのような「ナパドゥ」。
巨大なエリマキトカゲのような「ストゥレラツ」。
羽虫の群体の「グネズド」。
たくさんの肉のコブがついて、ガス状のC-ウィルスをまき散らす「レボティッツァ」。
チェーンソー状の腕が本体で再生能力が強い「ウビストヴォ」。
ツルツルした外皮を持ち、バラバラにされても腕や胴体と個別に動き回って行動できる「ラスラパンネ」。
あるいは、羽化後の形状を調整してエイダ・ウォンの姿になったカーラ・ラダメスなど。
他にも複数の変異のバリエーションがあり、種類数としてはトップクラスになります。
作中後半でジェイクの血液から「強化型C-ウィルス」が開発され、より変異性が高くなったウィルスもあります。
クリーチャー化後は理性や人格が失われるC-ウィルスですが、強化型では人格を保ったまま変異します。
また作中でも珍しい電撃を備えた変異ができるウィルスでもあります。
強化型C-ウィルスを自分で投与したピアーズ・二ヴァンスは、失った腕の代わりに電撃が放てるトゲ状の腕を生やしています。
もちろん本人の人格は維持したままです。
数あるウィルスの中でも、特に制御がされているウィルスともいえるでしょう。
…ただ強化型C-ウィルスでは変異性も強化されているせいか、短期間での変異しやすくなってます。
カーラは液状化して空母を侵食したり、シモンズは人体トランスフォーマーばりの変形を見せたり。
C-ウィルスの開発経緯
C-ウィルスはアメリカ…というか「ファミリー」と呼ばれる組織のディレック・C・シモンズが、カーラ・ラダメスに命じて開発させました。
元となったウィルスは「始祖ウィルス」「G-ウィルス」「t-Veronica」と、バイオシリーズでの危険度トップ3というラインナップ。
ただし「G-ウィルス」はシェリー・バーキンから採取した物。
「t-Veronica」は改良した「t-02」というウィルスで、オリジナルとは微妙に違います。
用途は「政府にとって不都合な活動をする者の排除」などをメインとしているようです。
作中ではラクーンシティの真実を公表しようとしたアメリカ大統領アダム・ベンフォードを、トールオークス市ごと感染させて死亡させています。
バイオテロが日常化した世界なので、「テロリストに見せかけやすく」「治療などが即座にできないよう」に新種のウィルスを開発・運用したのでしょう。
ただ、シモンズの私情によって事態がややこしくなっていきます。
シモンズはエイダ・ウォンにご執心で、自分に心酔していたカーラ・ラダメスをC-ウィルスを使ってエイダの肉体へと変化させてしまいます。
このことから「シモンズが自分だけのエイダを作るためにC-ウィルスを開発した」と思った人もいるのでは。
しかし当のカーラは、自分ではなくエイダのみを見るシモンズに愛想を尽かし離反。
ネオアンブレラを組織して「世界中にC-ウィルスを蔓延させる」計画を始動。
作中でジュアヴォが出てくる場面ではアメリカ(シモンズ)は関係なく、カーラが主導しています。
また、当時イドニアで傭兵をしていたジェイク・ミューラー(ウェスカーの息子)の血を入手してC-ウィルスを強化。
C-ウィルスをまき散らす専用のB.O.W.「ハオス」を開発してます。
C-ウィルスの治療薬
作中では登場していませんが、開発できる可能性はある模様。
ジェイクは、あらゆるウィルスに適合できたアルバート・ウェスカーの息子です。
そのジェイクの血にもその特性が受け継がれており、実際C-ウィルスを投与されても変異していません。
そのためC-ウィルスに対する抗体があると考えられ、それを元に治療薬やワクチン開発ができる可能性があります。
またこの血によって、今まで治療薬がなかった(と思われる)G-ウィルスやウロヴォロスウィルスの治療薬開発が進む可能性もあります。
おそらくバイオハザード6以降に「ウィルス」という分類のB.O.W.が出てこなくなったのはこれが理由かもしれません。
t-Veronica
登場作品:CODE Veronica・ダークサイドクロニクルズ
外伝作品のCODE Veronicaとガンコン作品のダークサイドクロニクルズで登場するt-Veronica。
作中のウィルスの中でも珍しく物理的攻撃力があるウィルスとして有名です。
読みは「ベロニカ」で、作中のアシュフォード家の先祖の「ベロニカ・アシュフォード」から取られています。
t-Veronicaの特徴
t-Veronicaは、数あるウィルスの中でも上位に位置する危険度も持っています。
・驚異的な再生能力
・血液が発火する
・適応方法が確立されている
肉体の強化や再生能力は共通していますが、物理的な攻撃手段を発現されるのが一番の特徴です。
t-Veronicaの適合者の血液は外気に触れると発火する性質を持ちます。
作中では「アレクシア・アシュフォード」と「マヌエラ・ヒダルゴ」が該当。
そのため戦闘で負傷していくと周りが火の海になり、傷付いた腕を少し振るうだけでもナパームのような武器にもなります。
爪や触手といったものを生やすB.O.W.は多いですが、火を扱えるようになるのはt-Veronicaだけです。
暴走状態になると蜂のような特徴を持って巨大化して空も飛べるようになります。
これはウィルスに虫の遺伝子を混ぜたため。
そしてバイオハザードシリーズでは珍しく、ウィルスに適応する方法が確立されているウィルスでもあります。
方法は以下の2通り。
・変異した部分を別人の臓器と取り換える
このどちらかの方法でウィルスに適合でき、自我を保ったまま肉体を強化できます。
アレクシアは15年間のコールドスリープで。
マヌエラは変異した臓器を手術して取り換えることで、ウィルスに身体が適合していきました。
t-Veronicaは感染力が強く、感染するとすぐに変異を始めて制御ができません。
そこでウィルスの代謝を落とすためにコールドスリープしたり、他人の臓器を本人に適合されるためにエネルギーを使わせることで、ウィルスの悪影響を押されることができます。
ただ肉体を自在に変異させられるのはコールドスリープの方法のみで、臓器移植だとウィルスの変異性が失われている可能性があります。
アレクシアは植物のような部位がある第一形態と虫の特徴が強い第二形態がありますが、マヌエラは終始人の姿のままでした。
ウィルスに不適合だとゾンビ化のように自我崩壊を起こし、危険なクリーチャーと化します。
タイラントのような巨体と攻撃性を持つに至った「スティーブ・バーンサイド」。
身体の倍近い長さの触手と毒液を吐けるようになった「アレクサンダー・アシュフォード」。
これらの人物はただウィルスを投与しただけです。
調整した場合なら、カマキリのような腕を複数持つ「ジャバウォックS3」などがいます。
こうした特徴から作中でもトップクラスに入る危険度を誇るウィルスとなっています。
t-Veronicaの開発経緯
t-Veronicaの開発者は、アンブレラ社所属のアレクシア・アシュフォード(当時12才)。
目的としては「始祖ウィルスをベースにした、より強力なウィルス」の開発だと思われます。
t-Veronicaは始祖ウィルスにアリや植物の遺伝子を混ぜて開発されており、「t」とついてはいるものの系統は全く別物。
開発年代もかなり古く、開発年月日は1983年とt-ウィルスの次の開発成功例。(t-ウィルスは1978年)
しかも偶発的に発見されたt-ウィルスとは違い、始祖ウィルスから独自に開発・成功した最初のウィルスでもあります。
昆虫類の遺伝子で多少操作されているものの、始祖ウィルスの特徴を色濃く残しており、毒性や遺伝子変異も健在。
これがウィルス危険度上位ランクの根拠にもなってます。
ただベースとした始祖ウィルスではB.O.W.に変異する間もなく死亡するのに対し、t-Veronicaでは変異する余地が残っています。
この事からある程度毒性は弱まっている模様。
t-Veronicaの治療薬
t-Veronicaも他のウィルス同様、作中での治療薬の有無は明らかになっていません。
先ほども書いた通り「t」と名は付きますが「t-ウィルス」とは中身は別物なので、デイライトなどの治療薬は効果が無いと思われます。
また変異性が高いため、感染したら即座に対処しないと手遅れになる可能性が高いです。
始祖ウィルスベースのウィルス全般に見られることですが、ワクチンなどで抗体を作るしか対処法が無いと思われます。
t-Abyss
登場作品:リベレーション
外伝作品である「バイオハザード・リベレーション」に登場したのがt-Abyssというウィルスです。
名前の由来は「Abys(アビス)」の「深淵」…といよりは「深海」といった意味のネーミングでしょう。
こちらも国家主導(公認かはともかく)で開発されたウィルスです。
t-Abyssの特徴
t-Abyssはt-ウィルスの改良版で、水棲適応のクリーチャーを作り出します。
・柔軟な肉体
・「捕食」ではなく「吸血」
変異するクリーチャー名は「ウーズ(滴る者)」で、基本はこれになります。
ウィルスが細胞と同化する際に溶けるようにして同化するため、見た目は水でふやけた水死体のようになります。
身体全体が柔らかく、ダクトなどを通しての移動が可能なほどです。
獲物を襲う方法も変わっており、ヒルのような口を伸ばして吸血行為をしてきます。
これはウィルスが絶えず水分を欲しているためです。
一番の特徴として水に特化している点が挙げられます。
他のウィルスでは水棲生物にでも投与しない限り、水中での活動ができません。
偶に異常変異したのが泳げたりしますがそれらは例外。
しかしt-Abyssでは、投与すれば大抵の生物は水中に適応した変異がされます。
クリーチャーも両生類のようにヌメヌメした外皮を持ち、種類によってはヒラメのように泳ぎます。
また非常に厄介なのが水を通しての感染力の増大です。
t-ウィルスやG-ウィルスは空気や体液などを媒体にして感染しますが、水には溶けにくい性質を持ってます。
そのためよほど高濃度でもなければ水を媒体に感染が広がることはありません。
…まあラクーンシティでは下水や水源が汚染されたため、水を飲んで感染したケースも多いですが。
しかしt-Abyssは水中でもウィルスが長期間生存でき、水を媒体として広域感染しやすくなってます。
ただ変異性は控えめで、個体にもよりますが精々数メートル程度までの巨大化に収まってます。
あくまでt-ウィルスを改良したウィルスかと思われます。
t-Abyssの開発経緯
t-Abyssもアメリカ政府…の組織した対バイオテロ部隊「FBC」の裏が開発してます。
t-ウィルスをベースに、深海生物から見つかったウィルス「ジ・アビス」の遺伝子を組み込んで作られてます。
目的としては「自分たちでバイオテロを発生させ、それを鎮圧して手柄を挙げる」というマッチポンプのため。
実際、作中に登場するテロ組織「ヴェルトロ」にFBC長官のモルガン・ランズディールがt-Abyssを渡しています。
FBCは元々ラクーンシティなどでのバイオハザードに影響を受けて新設された組織です。
しかし同時期にクリスたちが製薬会社のバックアップを受けてBSAAを設立。
そのため早期に手柄を挙げ組織の存在意義と権威を持たせることが急務でした。
それで計画されのがt-Abyssを用いたマッチポンプ。
敢えてテロ組織に渡して自分たちが早期介入しやすい状態でバイオハザードを起こさせれば、自分たちの手柄にできます。
手柄が増えればバイオハザードが起きたときの発言権や権力も増します。
BSAAなどに邪魔されずアメリカ主導でバイオテロを鎮圧できるようにするために、ウィルス開発がされました。
…結局悪事が露見してFBCは解体、資材や資料・善良な構成員たちはBSAAに吸収されることになりましたが。
t-Abyssの治療薬
作中開始時点でt-Abyssのワクチンなどは開発されています。
これはt-Abyssがt-ウィルスの系譜だったことから、ワクチン開発などがしやすかったためかと。
そのため治療薬の開発も出来てると思われます。
そもそも海域汚染ができるt-Abyssが拡散していれば、とっくに世界中に広がってます。
しかし作中でそんな描写はないため、ウィルスを無害化する手段はある可能性は高いでしょう。
t-Phobos
登場作品:リベレーション2
リベレーション2で出てきた、少々特殊な発症をするのがt-Phobos。
またバイオテロなどを目的に作られていないウィルスでもあります。
ただ設定の掘り下げがあまり為されておらず、かなり謎が多いウィルスです。
名前の由来はギリシャ神話に登場する恐怖をつかさどる神「フォボス」。
由来の「恐怖」がある種のキーワードになっています。
t-Phobosの特徴
t-Phobosはバイオテロ目的で開発されてないためか、いくつか変わった特徴があります。
・ゾンビ化
・機動性がある
・女性は適応不可
t-Phobosの最大の特徴は恐怖という感情によって発症するという点です。
t-Phobosに感染してから精神的に強い負荷を受ける…つまり強い恐怖を感じるとウィルスが反応して発症します。
これはアドレナリンなどの分泌物にウィルスが反応して活性化するためです。
逆に言うと感情の起伏が少ない人はウィルス感染しても発症しないという、珍しい性質といえます。
作中でクレアやモリーを始めとした被害者は、精神状態で色が変化する腕輪を装着してます。
が、これはあくまで現在の精神状態からの発症危険度を示すだけで、腕輪がウィルスを注入してるわけではないのであしからず。
発症すると脳細胞を破壊して「アフリクテッド」というクリーチャーに変異します。
見た目はゾンビですが、走ったりジャンプしたりできる機動性を持ちます。
これは発症によってウィルス主体の肉体への置換が進み、強化された肉体へと変化するため。
外側の肉体部分は変化した内側から押しのけられて腐敗が進んでいきます。
腐敗した見た目なのに耐久力があるのはコレが理由。
見た目は腐っていても中身は別物です。
このあたりはG-ウィルスと似た部分があります。
アレックス・ウェスカーのような適合者なら、人格を失わずに肉体強化もなされる模様。
しかし例え適合者でも、それはウィルスが不活性の状態の場合のみ。
一度「恐怖」を感じればウィルスが活性化し、適合者でも問答無用で変異してしまいます。
実際アレックスは後述の「転生の儀」で自分の精神を移す際に自殺していますが、その際に感じた恐怖でクリーチャー化しています。
結局は制御ができないウィルスといえるでしょう。
ちなみに女性だと適合率が低いことが多いらしく、発症後にすぐ死亡します。
逆に適合率が高い場合は強力なクリーチャーに変異することが多いそうです。
t-Phobosの開発経緯
t-Phobosはアルバート・ウェスカーの義妹のアレックス・ウェスカーが開発したウィルス。
目的は「恐怖を感じない人間を選別する」ためという、少々変わった理由で開発されています。
アレックスはより強い肉体へと自分を移す「転生の儀」を計画。
転生の儀とは、要は自分の精神を別の肉体に移すという計画。
そのため「恐怖を感じない」という強い精神力を持つ人物を選別し、素体とするためにt-Phobosを開発。
この理由から分かるようにウィルスの感染力や変異力といったものは二の次。
バイオテロなどで使うウィルスとしては開発されていません。
…ただ恐怖を感じない肉体を素体にしても、移った人格は自分のモノ。
これだけで恐怖を克服できるかは疑問ですが。
A-ウィルス
登場作品:ヴェンデッタ
映像作品3作品目の「バイオハザード・ヴェンデッタ」に登場するのがA-ウィルス。
名称の由来は「Amimaitly(動物性・獣性)」となります。
作中でも、かなり変わった特徴を持つウィルスとなっています。
A-ウィルスの特徴
A-ウィルスは発症者をゾンビ化させるウィルスですが、かなり珍しい特徴を持ってます。
・完全な治療が可能
他のウィルスと明確に違うのはこの2点でしょう。
まず、A-ウィルスは2つのウィルスを感染させることで発症するウィルスです。
・トリガーウィルス
・ワクチンウィルス
A-ウィルスにはこの3種類のウィルス種があります。
発症に使うのは「潜伏ウィルス」と「トリガーウィルス」の2種。
まずウィルス主体となる「潜伏ウィルス」を対象に感染。
そして別に「トリガーウィルス」を感染させることでゾンビ化します。
単体のウィルスでは毒性が弱く、t-ウィルスのようにゾンビ化も衰弱もしません。
しかしこの2種が体内に入るとウィルスが活性化。
瞬く間にゾンビ化します。
作中では潜伏ウィルスを飲料水に混ぜ、後日ガス状のトリガーウィル氏を散布して大量発症させています。
A-ウィルスのもう一つの特徴として、襲う相手を選別できる点があります。
先ほど挙げた「ワクチンウィルス」は、ワクチンという通り感染しても症状を出しません。
そしてこのワクチンウィルス感染者は、A-ウィルス製のゾンビからは襲われなくなります。
これはゾンビがA-ウィルスを感じ取って、感染者かそうでないかを選別できるため。
ワクチンとはいえ自分(ゾンビ)と同じA-ウィルスなので、同族と判断して襲わなくなります。
※ちなみにインフルエンザなどのワクチンは、弱毒化した同ウィルスから作られます。
おまけにこのワクチンウィルスは予防薬と治療薬の役割も持っており、今後潜伏ウィルスとトリガーウィルスに感染してもゾンビ化しなくなります。
つまりワクチンウィルスに感染していれば、ゾンビの集団のど真ん中にいても無事でいることが可能。
多少の知性は残っているようであり単純な操作などはできる模様。
味方にワクチンウィルスを投与しておけば、敵陣で大規模バイオハザードを起こしても問題無し。
こうしたことから生物兵器としてはかなりの完成度を誇ります。
毒性が強くなった「強化型A-ウィルス」もあります。
こちらは空気感染しない代わりに、健常者でも30分ほどで完全に発症させられるウィルスになります。
ただ発症前に治療されたのでどうなるかは不明なままです。
もう一つの珍しい特徴としてゾンビ化したあとでも人間に戻れる点が挙げられます。
作中では完全にゾンビ化した市民が、治療薬(ワクチンウィルス)を散布されたあとに自我を取り戻して元通りになってます。
おそらくウィルスが脳細胞などを破壊せずに身体を操っているため、体内のウィルスが駆除されれば元に戻るのでしょう。
A-ウィルスの開発経緯
開発者はグレン・アリアスと、バイオ4のロス・イルミナドス教団の残党。
そしてバイオ6でC-ウィルスを運用していたネオ・アンブレラからも技術を入手しているそうです。
潜伏ウィルスにはプラーガを。
トリガーウィルスとワクチンウィルスには、C-ウィルスがらみの技術が使われている模様。
アリアスはウィルスがらみの武器商人で、その恨みによって自身の結婚式で爆撃を受けます。
その結果参列していた婚約者・家族・友人を喪うことに。
その復讐としてバイオテロを実行するために、A-ウィルスの開発を計画しました。
元々狡猾な性格だったせいか、直情的にバイオテロを起こすのではなく、潜伏ウィルスの蔓延させるために「アグア社」を設立。
また武器商人としての気質のせいか、ウィルスに敵・味方の識別ができる等、兵器としての完成度も持たせています。
A-ウィルスの治療薬
作中ではすでにA-ウィルスの治療薬は(敵陣営で)開発されています。
それが先ほど書いたワクチンウィルス。
これは敵・味方の識別の他にも治療薬としての側面もあります。
作中ラストでワクチンウィルスを町中に散布した結果、ゾンビ化した感染者も元の人間に戻っています。
試作品のワクチンもレベッカ・チェンバーズが開発しており、開発ノウハウ自体も存在してます。
試作品には識別効果は無いようですが、完成度は高いため早期の大量生産も可能でしょう。
特異菌
登場作品:バイオハザード7・バイオハザード8 ヴィレッジ
「ウィルス」「寄生生物」と続いて、「菌」というテーマで登場したのが特異菌。
菌というよりはカビという扱いが強く、ウィルスとはまた違った形態を持ったものです。
「特異菌」と一緒くたにされてますが、作中では原種(オリジナル)である「菌根」と、それを遺伝子操作した「E型特異菌」があります。
特異菌の特徴
特異菌の見た目は黒いカビです。
菌ということもあって、ウィルスやプラーガと違って単一で増殖することができます。
菌に侵食されると、その場所に黒い塊のような場所がたくさん出てきます。
菌自体や感染者にもたらす主だった特徴は以下の通り。
・再生能力
・巨大化
・精神感応
・肉体の分解と再構築
・長命化
基本的には、生きているうちに特異菌に感染しないと上記のようなことにはなりません。
死体などで菌が繁殖するとモールデッドという、全身黒い菌まみれの人型クリーチャーになります。
大きく開いた口とキバも特徴的です。
しかしそれ以外に際立った特徴があるものは少なく、精々4足歩行型や巨体となったりするだけです。
肉体の強化などは他のウィルスなどでも見られますが、下の3つは特異菌だけに見られる特徴です。
特に際立っているのが感染者同士の精神感応現象でしょう。
作中ではイーサン・ウィンターズの精神世界にて、菌の感染者の精神と交流していました。
感染者の死亡の有無に関わらず、です。
ただ生きている内に感染したものに限られるようにで、死亡後に菌に感染した人の精神は登場していません。
またオリジナルである「菌根」という菌の大株では、感染者の精神などの情報を蓄積しておくことも可能だそうです。
特異菌の完全適合者では身体全体の細胞が特異菌に置換されます。
作中では主人公のイーサン、イーサンの娘のローズマリー、マザー・ミランダが該当。
特に再生力はすさまじく、腕が切断されても瞬時に癒着可能(イーサン)、体が頭部・胴体・腕・足と分割されても再生可能(ローズマリー)。
適合者ではありませんが、ジャック・ベイカーは上半身…どころか体の大半が喪失しても元通り(以上に)に再生しています。
そして、この菌の集合体という特性と活かして別人への完全擬態なども可能な模様。
こういった特性を応用したのか、ミランダは複数のカラスに分裂してから再結合というオカルト染みたこともしています。
寿命もかなり延びるようで、ミランダは100年前から特異菌の研究を続けています。
これらの特性を利用してミランダは100年前に死亡した娘を復元しようとしていました。
かなり変わった特徴として、特異菌は菌単体ではあまり危険性はありません。
これが他のウィルス類と一番違う点でしょう。
特異菌は感染者と共生関係となることが多く、外的要因が無い限りバイオハザードは起こしません。
他のウィルスやプラーガでは感染者を自我崩壊や死に至らしめるのに対し、菌に感染しても生存・人格を維持できています。
菌にかなり感染していた「イーサン・ウィンターズ」「ミア・ウィンターズ」「ゾイ・ベイカー」。
あるいは治療薬(抑制剤?)を投与された「ルーカス・ベイカー」は感染前の精神状態を維持しています。
ジャックの兄のジョー・ベイカーも、素手でモールデッドを駆逐しているのに、目立った菌の影響は見られません。
イーサンに至っては感染前に死亡しているにも関わらず、人の精神状態・形状を維持したまま3年以上活動しています。
イーサンの肉体が適合できたのか、エヴリンが「父」としてイーサンを求めたからかは分かりませんが、自我を失いモールデッド化してないのは珍しいケースです。
危険なのは菌に適合した感染者が間接的に菌を操作してクリーチャー化させたりした場合。
菌の完全適合者であるエヴリンやマザー・ミランダは、菌を通して感染者の精神に干渉することができます。
ジャック・ベイカーやマーガレット・ベイカーは、エヴリンの精神操作を強く受けていたために凶暴化。
マザー・ミランダはバイオ8の舞台の村人全員に菌を感染させ、自分を崇めるように精神操作しています。
こうした外的要因無しで、菌が原因で死亡した人は見られません。
バイオ8の最後に菌根がイーサンたちを襲うような動きを見せていますが、あれはミランダの精神が菌根に回収されたから。
原則誰かの意思が菌に宿らない限り、菌自体はほぼ無害なままです。
実際バイオ8では少なくとも数十年単位経過していますが、周辺への目立ったバイオハザードは発生していません。
…まあ付近が僻地だった可能性はありますが。
感染者は死亡すると全身が硬質化し、石が崩れるようにボロボロになっていくのが印象的です。
作中の特異菌は、バイオ7の遺伝子操作された「E型特異菌」と、バイオ8の原種である「菌根」に種類が分かれます。
先の「危険性」という意味ではE型特異菌のほうが危険になります。
詳しくは後述しますが、菌根は明確な自我は無いため狂暴性も皆無です。
しかしE型特異菌はエヴリンという人間が操っているため、本人の攻撃性が増すと周りの菌が活性化していきます。
そのため「放置しておいて危険か?」という点では、人為的にバイオハザードを起こせるE型特異菌のほうが危険度は高いです。
特異菌の開発経緯
作中で登場する特異菌は原種である「菌根」と、それを改良した「E型特異菌」があります。
それぞれ開発経緯が違うので別々に解説します。
菌根
菌根はバイオ7で登場したE型特異菌の原種・オリジナルで、自然に自生していた天然の菌です。
元々そうだったのかはわかりませんが、見た目は巨大な黒い塊。
特徴として単体で放置しておいても特に危険はない、というのが挙げられます。
菌根があったのはヨーロッパのかなりの僻地(なんとなくルーマニアっぽい?)ですが、それまで特異菌による被害はみられませんでした。
そのため菌根は自分から積極的に生息域を広めようとしておらず、バイオハザードの危険性は低いと思われます。
事実バイオ8において、バイオ7のベイカー邸周辺のそこかしこで見られる黒い菌の集合体はありません。
発見者はバイオ8で登場するマザー・ミランダ。
ミランダは娘を無くしたショックで死に場所を求め、谷底に下りた先で菌根を発見。
そこで菌に感染したのか特性(感染者の情報を蓄積)を知り、娘の蘇生に利用するように計画。
より菌を利用できるように後述の「カドゥ」を開発したりしてます。
ミランダは別アプローチの研究として菌根をコネクションに株分けし、「E型特異菌」の開発の要因になってます。
E型特異菌
最初に登場したのがバイオ7発の「E型特異菌」。
こちらは原種である菌根の株分けされたものが元で、遺伝子操作されたものです。
開発は「コネクション」と呼ばれる組織主導で、製薬会社「H.C.F」が関与している疑いもあります。
特異菌の精神操作と感染力に目をつけて、見た目が人間のB.O.W.として造られたのが「エヴリン」。
コンセプトは「人間・B.O.W.問わず、まとめて制圧できるB.O.W」として開発されています。
E型の「E」は、成功例のエヴリンの名前から取られてます。
造り方は人の受精卵に特異菌をしこみ、胎児の段階から特異菌に適応させるというもの。
これによってエヴリンは特異菌を意のままに操ることが可能です。
ただ欠陥なのか安全装置なのか、急激な老化による短命という特徴があります。
普段は薬によって老化を抑えていましたが、組織から脱走した時点で供給が途絶。
これにより10才頃の外見から、約1年程で数十歳の老婆になってしまっています。
失敗作も存在しており、作中では「~型被検体」という干からびた赤子のようなアイテムがあります。
特異菌の治療薬
特異菌の治療薬はバイオ7が始まった時点で開発されています。
おそらくコネクションを追っていたクリス達によって研究が押収され、対策として開発されたのでしょう。
あるいは別の地域で特異菌による被害があった可能性も。
銃弾に仕込んで武器化できるくらいには研究は進んでるようです。
完全に変異してしまった感染者に打ち込むと、死亡した際と同じように硬質化し崩れていきます。
作中でも即席で作成され、ジャック・ベイカーへのトドメと、ミア(あるいはゾイ)の治療に使われています。
ただ菌への感染が進みすぎている・適合度が高い場合は、1本だけの治療薬では効果が低い可能性があります。
バイオ7においてイーサンは自分に治療薬を打っていますが、バイオ8においても菌の特性の大半は残っていました。
エヴリンも死亡するまで数発もの治療薬を撃ち込まれて、ようやく機能を停止しています。
ゾイ・ベイカーも完治…かは分かりませんが、昏睡状態から目を覚ますのに2本の治療薬を使っています。
ゾイに1本打っても効果が無かった際に、ブルーアンブレラ隊員が「薬が足りないんだ」と言っています。
こうした事から、体内から完全に菌を死滅させるには一定以上の量が必要なのは確実でしょう。
カドゥ
登場作品:バイオハザード8 ヴィレッジ
最新作で登場したB.O.W.のカドゥ。
ただプラーガのように寄生者から飛び出すといったような、直接的な描写は控えめ。
そのため詳しい特徴を把握してない人ともいるかと思います。
カドゥの特徴
カドゥは寄生生物で、言ってしまえば特異菌のプラーガ版になります。
・人格の維持
・任意で変異や巨大化
・調整体なら多様な能力を獲得可能
カドゥは特異菌を線虫(サナダムシのような寄生虫)に遺伝子レベルで感染させて生産されます。
作中では30cmほど大きさのカドゥがホルマリン漬けで登場しますが、この大きさで寄生させるのかは不明。
カドゥの特徴としては、感染者に特殊な変異をもたらすものが多いです。
オルチーナ・ドミトレスクの純粋な巨大化と強化。
ドナ・ベネヴィエントの幻覚能力。
サルヴァトーレ・モローの水中適応。
カール・ハイゼンベルクの発電能力。
このように単純な物から、他のウィルスではないような特徴を付与させられます。
各カドゥごとに調整されているのでしょうが、一種のB.O.W.でこれだけ特異なバリエーションを持つものはありません。
これに加えて特異菌の基本的な特徴の「肉体強化」「再生能力」なども当然あります。
あるいは特殊な例として「カサンドラ」「ダニエラ」「ベイラ」の、通称ドミトレスク三姉妹もいます。
この3人はドミトレスクの実娘ではなく、カドゥが産んだ羽虫の群れに女性を喰わせて擬態させたもの。
つまり肉体・精神共に虫の集合体です。
元となった女性の人格などが残っているかはともかく、見た目や言動は(狂った感じですが)人間そのもの。
元々が虫とは思えません。
そのため当初は「人間が虫の群れを操っている」と勘違いした人もいるのでは?
人間並みの人格を構成することができるのもカドゥの特徴といえます。
これは特異菌の特性の「感染した対象の精神などの情報を蓄積する」というのも関係しているかもしれません。
ただし適合できないとライカンとなって凶暴化し、ガナードやマジニと同じようになります。
上位者に従う程度の知性はあるようですが、兵士として扱うことは難しそうです。
特異菌の感染地帯のように菌の胞子がまき散らされる描写はないため、菌としての特性は無くなっているものと思われます。
おそらく特異菌を扱いやすくするため、制御しにくくなる要素はあえて排除しているのでしょう。
感染者が死亡すると特異菌の時と同じように硬質化、崩れていきます。
カドゥの開発経緯
カドゥはミランダが自分の娘のエヴァを蘇らせるための素体を作る手段として開発されています。
その実験体としてオルチーナ・モロー・ドナ・カールの4人を、特別なカドゥによって変異させています。
最終的には娘の人格などをコピーするための素体で、「より娘に相応しい肉体」を求めていたと思われます。
結局はその誰もがエヴァの器としては「不適合」と判断され、最終的には降って沸いた天然特異菌人間の「ローズマリー・ウィンターズ」に目をつけてますが…。
特異菌の特性の「感染者の情報の蓄積」を利用してエヴァを蘇生させるため、より菌の特性を継いだ素体を必要としたのでしょう。
カドゥの治療薬
作中ではカドゥの治療薬の類は出てきていません。
特異菌の治療薬が効くかどうかも不明。
寄生生物の形を取っているため、最悪G-ウィルスやプラーガのように治療が不可能な可能性もあります。
現状その研究データはミランダしか把握しておらず、研究施設を村もろとも爆破したので、製造データも失われた可能性もあります。
…B.O.W.を投入してきたBSAAヨーロッパ支部が何かしてなければ、ですが。
ウィルス危険度ランキング
ここからはウィルスの特徴別に危険度をランキングしてみました。
若干私見も混じりますが、各ウィルスの特性から考えると大体はこんな感じかと。
感染危険度
まずは感染が拡大しやすいウィルスに焦点を置いてランキング付けしてみます。
・発症の症状
・パンデミックが起きたの際の感染範囲
これらのポイントを重視しました。
ただ中には感染経路が不明なものもあるので、それらは「不明瞭」にしておきます。
「ウィルスアンプルを直に投与したパターン」でしか感染してないウィルスが当てはまります。
ウィルス名 | |
---|---|
1位 | C-ウィルス |
2位 | t-ウィルス |
3位 | t-Abyss |
4位 | A-ウィルス |
5位 | 特異菌 |
5位 | ウロボロスウィルス |
7位 | G-ウィルス |
8位 | プラーガ |
9位 | カドゥ |
9位 | 始祖ウィルス |
不明瞭 | t+G-ウィルス |
不明瞭 | t-Phobos |
不明瞭 | t-Veronica |
噛まれたり引っかかれただけでも感染しかねないC-ウィルスやt-ウィルスなどは、やはりトップクラスの感染危険度を誇ります。
特に1~4位はガス状だったり水に溶けたりするため、初期感染が広がりやすいです。
ただ7位のG-ウィルス以降はクリーチャーを通してでしか感染しないため、感染の拡大はしにくくなってます。
プラーガやカドゥに至っては直接投与することでしか感染しないため、自然感染はしません。
始祖ウィルスに至っては毒性が強すぎるため、2次感染する前に死亡してしまいます。
「t+G-ウィルス」「t-Phobos」「t-Veronica」に至っては、あらかじめウィルスを投与されたケースしか描写されてないため、どう2次感染するかは不明です。
※C-ウィルスはゾンビ化するガス状の方を基準にしてます。
ジュアヴォ化する方だと2次感染経路が不明なので「不明瞭」となります。
致死性
ここではウィルスに感染してから、どの程度で死亡する・クリーチャー化するかのランキングです。
・抗体を持つ人の割合
・治療薬などの効果や有無
これらを重視してランキング付けしたいと思います。
ウィルス名 | |
---|---|
1位 | 始祖ウィルス |
2位 | ウロボロスウィルス |
2位 | t+G-ウィルス |
2位 | C-ウィルス |
2位 | t-Veronica |
2位 | カドゥ |
7位 | プラーガ |
7位 | G-ウィルス |
9位 | t-ウィルス |
9位 | t-Abyss |
11位 | A-ウィルス |
12位 | t-Phobos |
13位 | 特異菌 |
「超人を産み出す」という触れ込みを持っていても、作中でも数多の組織が弱毒化でしか利用できていない始祖ウィルスが堂々のトップ。
あとは投与後に即座に変異してしまうウィルス類が同順位となっています。
t-ウィルスなどは治療薬が存在し、死亡(変異)までの時間が長いため低順位に。
プラーガやG-ウィルスは、治療薬はあるもの現場に治療方法が無いと変異を抑えられないため、その中間になっています。
特にA-ウィルス以下は特定の条件が揃わないと発症しないため、より致死性は低くなってます。
クリーチャー
こちらはウィルスで変異して生まれたクリーチャーそのものの危険性ランキングです。
・備えている能力
・一般人でも対処できるか
こうした部分で判断してます。
「一般人でも対処できるか」というのは、一般人の戦闘力や一般に普及している銃火器などで対処できるかに着目。
ゾンビのように「自然感染して発生した」個体や、タイラントのように「特殊な調整を施されて製造された」個体も加味してランク付けしました。
ウィルス名 | |
---|---|
1位 | ウロボロスウィルス |
2位 | C-ウィルス |
2位 | t-Veronica |
4位 | カドゥ |
5位 | t+G-ウィルス |
5位 | プラーガ |
5位 | 始祖ウィルス |
8位 | G-ウィルス |
9位 | 特異菌 |
10位 | t-ウィルス |
10位 | t-Phobos |
10位 | t-Abyss |
14位 | A-ウィルス |
「直接接触することすら危険」とされ、触手の群れという不定形に近いパターンや、数十メートルも巨大になれるウロボロスウィルスがトップに。
ボスの一体は衛星砲でトドメを刺しているくらいなので、一般人ではどうしようもありません。
2位のC-ウィルスから8位の特異菌は、特殊な能力を持っていたり、10メートルくらいまでは普通に巨大化するので、これも一般人では対処不能。
しかしt-ウィルス以降は、タイラントといった特殊な個体もいるものの、一般人でもギリギリ対処可能な場合も。
現地調達の一般兵装でも対抗可能なものが多いです。
実際「バイオハザード・アウトブレイク(t-ウィルス類)」「バイオハザード・リベレーションズ2(t-Phobos)」では、登場人物は警官や軍属などと違い、特殊な訓練を積んでいません。
…クレアなど一部微妙な人物はいますが。
特異菌も登場人物が一般人(多分)ですが、クリーチャーが巨大化したり半身が欠損しても再生するため、順位は少し上にしてます。
どこまで続くか?
映像作品や外伝を含めると30作品を超えるバイオハザードシリーズですが、流石に特性が被ったウィルスが多いです。
…というより、材料のウィルスが既出のものを改良したものばかりですし。
最近はウィルスパニックというよりも、クリーチャー化した人間とのバトルが主体になってます。
バイオ7からホラー路線に戻りましたが、これからはどんなバイオハザード(生物災害)が出てくるのか?
CAPCOMには是非とも頑張って、良作バイオを産み出し続けて欲しいです。