アクアリウムのLEDライトを作る4種類の方法。難易度:易~難まで

2022年11月26日工作・DIYDIY,アクアリウム,ペット飼育

最近アクアリウムで自作LEDライトを作る機会がありまして、それなりに方法を調べてみました。

そのところ、どうやら皆さん大体4種類の方法で自作している模様。

これからLEDライトを作ってみたいと思った人用に、どうやって作るかの方法を紹介してみたいと思います。

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自作LEDライトの作り方

ネットで簡単に調べてみたところ、どうやら以下の4種類の方法で作っている人が多いようです。

・LED電球(易)
・LEDテープ(普通)
・LEDチップ(難)
・LEDビーズ(難)

()内は難易度。

一番簡単なLED電球を転用した方法から、難易度は上がるものの光量などがかなり多くなるLEDビーズ等々。

自分の求めるスペックのライトを作る方法には困らないかと。

ただ注意点として、どの方法でもハンダ付けや電気の配線作業は欠かせないので、そこのところはご容赦を。

LED電球 難易度:易しい

一番簡単な方法として、LED電球を転用するやり方があります。

LED電球は中に「LEDチップ」というLEDが入っており、これが光を発しています。

電球の形状のままなのは「既存の規格でも使用可能」や、「昔らしさ」「違和感を無くす」といった目的故でしょう。

LED電球は種類が多く、ライトを作成するのも容易な特徴があります。

・ライトの種類が多い
・一つ土台を作れば、どんなライトでも使用可能
・植物育成用のライトもある

電球の種類も豊富なので、そこまで電球選びで困ることはないでしょう。

植物栽培専用のライトも多く販売されているため、水草を育てるのも問題無し。

作成にはホームセンターなど販売されている、電球をはめ込むための「レセップキャップ」を使って自作します。

複数のキャップを配線で繋げば、かなり長いライトでも作成可能です。

どんなサイズの電球でもはめ込めるようにしたいなら、E26といった大きめのキャップを使いましょう。

「変換アダプター」を使えばE17といった小さいサイズの電球も使えるようになります。

ただ作成難度が低い代わり、以下の欠点が目立ちます。

・ライトが大きくなりがち
・消費電力が多くなりやすい

電球そのものが大きいので、複数の電球を使うと、最終的にライト自体も大きくなりがち。

使う電球の種類・数にもよりますが、消費電力が多くなりやすいのも特徴。

普通のLED電球一個の消費電力も数ワットからで、植物用のライトだと1個10ワット以上も珍しくありません。

効果も高い代わりに消費電力が100ワット以上というライトもあったりします。

1時間1ワットで約0.03円なので、10ワットで1日8時間点けると1か月で約7円。

…まあそこまでの値段じゃないかもしれませんが、自作LEDライトだと割と多めの部類になります。

電球1個の消費電力が多いと雪だるま式に光熱費が増えていくので、気になるなら多く電球を使わないようにしましょう。

注意点として水草を育てる前提なら家庭用のライトはほぼ意味がありません

植物には「赤」と「青」の色(波長)の強い光が必要で、家庭用のライトにはほとんど含まれていません。

水草も育つライトにしたいなら、必然的に専用の電球を選ぶ必要があるので気を付けましょう。

土台が完成したら、照明用としての電球でも、水草を育てられる電球でも、好きなようにセットしていきましょう。

LEDテープ 難易度:普通

調べていて自作LEDライトを作るのに多かったのが「LEDテープ」を使った方法。

LEDテープはLEDチップを複数つけたテープ状の電飾で、部屋や車内の簡易照明として使われています。

この方法は電飾初心者でも水草が育つオリジナルライトを自作しやすいという特徴があります。

・配線作業が少なめ
・ハンダ付け慣れしてなくてもなんとかなる
・コスパも良好
・消費電力を少なくしやすい
・各色のライトを揃えやすい

こうしたメリットがあるため、本格的なLEDライトでも自作しやすくなってます。

ハンダ付けや配線作業などは必要ですが、複数のLEDチップが最初から接続されているため、面倒な作業がかなり減ります。

数センチ単位でハサミで簡単に切断できるので、作業もしやすいです。

おまけに切断しても(ハンダ付けなどは必要ですが)配線を繋げばしっかり使えます。

切断したLEDテープを簡単に配線できる接続ケーブルもあるので、ハンダ付け慣れしてない人でも問題無し。

LEDテープは数メートル単位での販売が普通で、値段も5メートルで1000円以下も珍しくなくコスパも中々のもの。

消費電力も1メートル使っても10ワット以下と少ないものが多く、結構な量を使っても光熱費がかからずに済みます。

光合成に必要な「赤」「青」の各色ライトもあるため、植物に必要な光も大丈夫。

長さも充分なので、かなり大きな水槽用のライトでも低コストで作成可能です。

強いて欠点を上げるなら強い光量を確保しにくい、という点。

水草が酸素の泡を出すレベルの光合成をするには最低でも1000ルーメンは欲しいところ。

CO2ジェネレーターなどで二酸化炭素を添加していても、余裕を持って500ルーメンくらいは必要です。

ですがLEDテープに使われているLEDチップでは、一番光量が多い白色のライトでも、1個あたり最大10~15ルーメンほど。

LEDテープは1メートルあたり30~60個のLEDチップが定番なので、1メートル分を使っても1000ルーメンには届きません。

一番明るい白色のLEDチップ(10~15ルーメン)、赤はその半分(6~8ルーメン)ほど、青だと2~3割程度(2~3ルーメン)の光量。

そのため複数のLEDテープを横並びで密集させないと強い光量は確保できません

このあたりが「一定以上の光量が欲しい」という場合のネックになってます。

それでも簡単に水草も育てられるLEDライトが作れるので、配線作業に自信がない人におすすめの方法になります。

大きい水槽だとかなりの量が必要ですが、30センチほどの水槽なら1メートル分(約4ワット)ほどあれば水草は育ちます。

…まあ二酸化炭素の添加は必須ですが。

LEDチップ 難易度:かなり難しい

上記のLEDテープについているLEDチップ、これは単品でも販売されています。

そのため複数のLEDチップを自分で繋いで完全オリジナルライトを自作する方法もあります。

・LEDチップを密集させて配置
・消費電力を細かく調整
・光量の調整
・ライトの形状の自由度
・低コスト

LEDチップの量や配置次第で光量・ライトの形状・消費電力などを、自分の気に入った条件のライトに仕上げられます。

100個単位で数百円ほどなので、コスト面でも問題なし。

密集させて配置させれば、LEDテープの欠点だった「強い光量を確保しにくい」もクリアできます。

難点は制作難度がかなり高くなること。

・作業工程の増加
・細かい作業の増加
・「抵抗器」の計算と選定
・ライトが大きくなりがち

LEDチップの中でもメジャーで色の種類も多いのは「2835」というタイプ。

「2835」はチップのサイズを表しており、このLEDチップなら「2.8mm × 3.5mm」となり、かなり小さめ。

これより大きい「5050」のチップもありますが、それでも5mm程度の大きさ。(しかも色の種類が少ない)

このサイズで電極などのハンダ付けをしないといけないので、かなり細かい作業が必要です。

ライトを大きくしようと思うと、その分作業が多くなるのもネック。

密集させるとさらに細かく面倒な作業になるので、よほどハンダ付けなどに慣れた人でないと難しいかと。

そして電流を調整する「抵抗器」などの計算・選定も必要になります。

抵抗器は電流の大きさを制限するためのもので、これを使わないとLEDチップは簡単に壊れてしまいます。

使うLEDチップの数によって使う抵抗器のスペックも違うので、個人で計算して選択しないといけないのも面倒かと。

それでもLEDチップは低価格で販売されているので、この方法を取る人もいるそうです。

LEDビーズ 難易度:難しい

LEDチップに似たものとして「LEDビーズ」というものもあります。

個人的にはLEDチップより、LEDビーズを使ったライトの方が自作しやすく感じます。

・強い光量
・作業工程の減少
・ハンダ付けしやすい
・ライトを小さくできる

比較対象はLEDチップですが、それでもこちらの方が作業しやすいかと。

LEDビーズはLEDチップの発展型のようなもので、1個で100ルーメン(白色)といった強い光量を出せます。

これで数を用意しなくても実用的なライトを作成できるようになってます。

「小さいライトで強い光量を出したい」なんて場合にも重宝します。

サイズもLEDチップより少し大きめで、電極などのハンダ付けもしやすくなってるのもポイント。

こうしたことから作業工程もLEDチップより減らせるので、作業難度は少し低くなります。(それでも難しめですが…)

ただLEDチップと比較してですが、LEDビーズにも欠点はあります。

・消費電力が1Wから
・色の種類が少ない
・「抵抗器」が必要なのは変わらず
・排熱版が必須

光量が多くなる分消費電力も上がるため、消費電力を細かく設定したい場合は少し不便になります。

基本LEDビーズ1個で1ワットが最低値となり、それ以上のものもあります。

広範囲を照らせるライトにするとたくさんLEDビーズが必要なので、必然的に消費電力も増えていきます。

販売されている赤色・青色のLEDビーズの種類も少ないのも地味に痛いです。

もちろんLEDチップ同様に抵抗器の使用・選定も必要になります。

まあ光量を強くすると消費電力の増加は避けられないので、そこまで問題視する人もいないでしょうが。

ただ排熱版(ヒートシンク)の使用は必須になります。

排熱版は電飾や電化製品で熱が籠らないように、熱を吸収・放出するためのアルミニウム製の金属板です。

アルミニウムは熱の吸収性や加工性が良く、さらに安価なため排熱版の主原料として使われています。

排熱版は凹凸をつけることで表面積を増やし、吸収した熱を逃がしやすくなっています。

LEDはあまり熱を出さないことで有名ですが、それでも消費電力が増えれば高温になります。

高熱になればLEDの寿命も減ったりとデメリットも。

そのため排熱版にライトを張り付け、効率的に熱を逃がす工夫が必要になります。

LEDビーズの数を増やしすぎると排熱が追い付かず、小型の冷却ファンなども使うことになる場合も。

しかし、各所で紹介されている「高性能アクアリウムライト」では、大抵がLEDビーズを使ったものが多いです。

強い光量が必要な人は、LEDビーズ式のライトも視野に入れておきましょう。

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まとめ

今回紹介した自作ライトの特徴をまとめるとこうなります。

LED電球式…格安で雰囲気・実用性アリのライト
LEDテープ式…水草栽培を視野に入れた簡易本格ライト
LEDチップ式…光量・消費電力の細かい調整ができるライト
LEDビーズ式…強い光量の高性能ライト

簡単に実用性のあるライトが欲しいなら、LED電球を転用したライトを。

作業の手軽さと、水草も成長させられるライトならLEDテープを。

水草から酸素の泡を出したいくらいのライトにしたいならLEDビーズを。

LEDチップは…紹介しておいて何ですが、作業難度と効果はあまり釣り合って無い感じですが…。

私のおすすめとしては、LEDテープを使った水草ライトがお手頃かと。

制作難度も低めで効果もあり、かつ大きさや光量の調整もかなり簡単にできます。

抵抗器なども必要ないので、自作中の作業性はかなり良好。

小さめの水槽で二酸化炭素の添加込みで使っていますが、光量が必要な水草のリシアがブクブク酸素の泡を出してます。

あまり電機関連の作業が不安な人なら、電球やLEDテープを使った方法が安全かつ確実かと。

まあ、どの方法でもそれに見合った効果はあります。

しっかりしたライトを作成したいなら、入念な前準備と、使う素材の選定に力を入れましょう。

ただ電気を扱う作業なので、感電しないようにご注意を

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