アクアリウムでの「エビ」の種類。コケ取り能力や繁殖のしやすさ等を比較

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アクアリウムの掃除人として有用な「エビ」。

率先して藻やコケを食べてくれ、かつ入手も容易なので、誰でも簡単に導入できます。

しかし当然エビにも種類があり「掃除能力」「飼育のしやすさ」「繁殖のしやすさ」などにも違いが出ます。

では一般的にアクアリウムに使われるエビにはどんな種類がいるのか?

能力やアクアリウムの景観なども交えて紹介していきます。

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エビの種類

この4種類が藻やコケを掃除してくれるエビになります。

・ヤマトヌマエビ
・ミナミヌマエビ
・ビーシュリンプ種
・チェリーシュリンプ種

ショップで見てみると明らかにこれ以上の数のエビが販売されていますが、それは「同種の色・模様違い」です。

「ビーシュリンプ種」と「チェリーシュリンプ種」は多種多様な品種が販売されているため、自分の好みに合わせて選べます。

ただ成体の大きさや掃除能力には違いが出るので、しっかり名前を確認するようにしましょう。

ヤマトヌマエビ

まず最初に紹介するのは掃除能力が高いことで有名なヤマトヌマエビです。

メリット

・エビの中で最も掃除能力が高い
・食べる量も他のエビの数倍~10倍ほど
・魚に食べられにくい
・寿命が3年ほどと長い
・値段が安い

デメリット

・繁殖が難しい
・壁についたコケは食べない
・水草を食べる場合も

掃除能力はヤマトヌマエビ1匹だけで「ミナミヌマエビ」や「ビーシュリンプ」数匹~10匹ほどといわれます。

理由は単純に体が4~5cmほどと大きいから。

体が大きければ食べる量も増えますし、少し大きい・硬い藻やコケでも食べてくれます。

そのため小型の水槽なら数匹入れておけば大丈夫な場合も。

体色は半透明な白色なので、景観的に魚を主体にしたい場合でもさほど目立たないです。

寿命も普通に2~3年ほど生き、長いと5年以上生きる場合もあるそうです。

その大きさ故に、生体になってしまえば小型のエビと違って魚に食べられる可能性も低くなります。

大きいエビに限りますが、10センチ以上の魚とでも混泳が可能です。

日本に生息しているため適正水温は1~30℃ほどと広く、氷さえ張らなければ生存可能です。

水質は弱酸性~弱アルカリ性までと適応できる範囲が広め。

お値段は1匹200~300円ほどで、まとめ買いだと1匹100~200円となります。

「少し高い?」と感じるかもしれませんが、後述する「ビーシュリンプ」「チェリーシュリンプ」に比べれば安い部類になります。

こうした性質からどんなアクアリウムでも掃除人として重宝されてます。

目につく欠点としては自然繁殖はしない、という点。

ヤマトヌマエビは汽水(淡水と海水が混じった水)でしか産卵しないため、水槽内では自然繁殖しません。

抱卵した状態でも汽水に移すタイミングがシビアで、孵化直前くらいじゃないとうまく孵化してくれません。

こうしたことから「繁殖させず、死んだら新規で購入する」という手段も取られやすいです。

寿命が長いので、一度入れれば当分は大丈夫なのも理由でしょう。

また、その大きさ故に壁に張り付いてコケを食べることができません

壁の藻やコケをどうにかしたいなら、小型のエビや貝類が適役です。

あとコケなどのエサが足りないと、水草の柔らかい部分を食べる場合もあります。

あまりにも水槽内がキレイなら魚のエサを多めに入れましょう。

ミナミヌマエビ

ミナミヌマエビは2cmほどの小型のエビです。

メリット

・繁殖が容易
・壁のコケも食べる
・エビの中で最も安い

デメリット

・掃除能力が低い
・水質の変化に弱い

体色は半透明な白なので、ヤマトヌマエビの小さいバージョンと思ってもらえば。

体色と小型なのも相まって、多めに水槽に入れてもさほど目立たないです。

繁殖も容易で雄雌入れておけば勝手に産卵・孵化してくれます。

小型なので壁に付いたコケも食べてくれます…が、壁に貼り付けるほどのコケがある場合は掃除能力が追い付いていないので注意。

ヤマトヌマエビ同様に適応温度は1~30℃、こちらも日本に生息しているので氷に注意すればOK。

水質は弱酸性~中性がベスト。

お値段は1匹30円前後、まとめ買いだと1匹20円ほどとかなり安価です。

エビの色合いなどに頓着せず、安価で繁殖可能なエビが欲しい人におすすめ。

欠点としてはエビ単体の掃除能力の低さと水質の変化に弱い点。

小型なので食べられる藻やコケの量も減るので、かなりの数を入れる必要があります。

30センチ以下の小さな水槽でも10匹は入れないと掃除が追い付きません。

あまり掃除が捗らないようなら随時追加していきましょう。

また小型故に耐久性も低く、カルキしてない水は基本アウト。

カルキ抜きが不十分だった水に入れたところ「購入したミナミヌマエビ10匹が1日で全滅」なんて経験もあります。

絶対にカルキ抜きした水を使って飼育しましょう。

ビーシュリンプ

ビーシュリンプの特徴としてはカラフルなミナミヌマエビと思っていただければ。

メリット

・カラーバリエーションが豊富
・繁殖が容易
・壁のコケも食べる

デメリット

・品種によっては高価
・掃除能力は低め
・水質の変化に弱い

体長は2~3cmほどと小型で、様々な色のビーシュリンプがいます。

有名なのは赤と白のシマシマ模様の「レッドビーシュリンプ」が挙がります。

生態はミナミヌマエビとさほど変わらず、雄雌揃えれば勝手に繁殖してくれます。

適正水温は15~30℃と、ヤマトヌマエビら日本生息のエビより少し高め。

水質は弱酸性~弱アルカリ性。

種類(色)も豊富なので、気に入ったビーシュリンプを選びやすいです。

ただ、値段が安い品種でも1匹200~300円ほどとミナミヌマエビの10倍の値段。

高いと1匹1000円近いものも

10匹以上のセットだと安くなるので、できるだけまとめ買いしましょう。

またビーシュリンプはどの品種も小型なので、ミナミヌマエビほどの掃除能力になります。

ミナミヌマエビ同様小型なので水質の悪影響も受けやすいので注意。

以下、ビーシュリンプの一部の品種です。

・赤白のシマシマ「レッドビーシュリンプ」

(エビ)無選別 レッドビーシュリンプ 赤白バンド(5匹) 北海道・九州航空便要保温

・赤白or白黒のシマシマに白斑点が混じる「タイガー」

(エビ)ビーシュリンプ 白黒バンド タイガー(3匹) 北海道・九州航空便要保温

・胴体が赤い「モスラ」

【B-O-D-AQUA】 レッドビーシュリンプ モスラ 10匹+1匹補償サービス付き[生体]限定 ムックリワーク10g程オマケつき

・赤主体のシマシマ「レッドシャドーシュリンプ」

(エビ)無選別 レッドシャドーシュリンプ(10匹) 北海道・九州航空便要保温 沖縄別途送料

・黒主体のシマシマ「ブラックシャドーシュリンプ」

(エビ)無選別 ブラックシャドーシュリンプ(10匹) 北海道・九州航空便要保温

・クリーム色の「クリーム」

(エビ)ビーシュリンプ クリーム(10匹) 北海道・九州航空便要保温

・青みがかった白「ターコイズシャドーシュリンプ」

【AtWell】ターコイズシャドーシュリンプ 5匹[生体]

ただ、ここに挙げたのはほんの一部。

実際は数十種類のビーシュリンプがおり、今回紹介したのは色の基本形ともいえる種類です。

例えば「レッドシャドーシュリンプ」と「ブラックシャドーシュリンプ」といった、色は違っても模様が同じ品種。

あるいはレッドビーシュリンプの模様が少し違う「日の丸」や「丹頂」などの亜種などもいます。

チェリーシュリンプ

チェリーシュリンプの見た目としてはカラフルなヤマトヌマエビが近いです。

メリット

・掃除能力は高め
・繁殖が容易
・カラーバリエーションが豊富

デメリット

・高価
・壁のコケは食べない

体長は3~4cmとヤマトヌマエビほどの大きさなので、掃除能力も高くなります。

ただヤマトヌマエビと違って繁殖が容易なのもポイント。

雄雌揃えれば水槽内で勝手に増えるので、「掃除能力と繁殖能力」の両立に適したエビといえます。

適正水温はビーシュリンプ同様15~27℃ほどで、水質も弱酸性~弱アルカリ性。

有名なのは透明感のある赤色の「レッドチェリーシュリンプ」でしょう。

デメリットとして、基本的に1匹1000円近い高価なエビが多いのが敷居を高くしてます。

くれぐれも早死にさせないよう水質調整(カルキ抜き)などをしておきましょう。

成長すると壁に貼り付けなくなるので、壁のコケ掃除能力はヤマトヌマエビ同様にあまり期待できません。

以下が、チェリーシュリンプの品種の一例。

・透明な赤「レッドチェリーシュリンプ」

(エビ)チェリーレッドシュリンプ(12匹)(+1割おまけ) 北海道・九州航空便要保温

・鮮やかな濃い赤「レッドファイアーシュリンプ」

(エビ)レッドファイアーシュリンプ(10匹) 北海道・九州航空便要保温

・透明な黄色「イエローチェリーシュリンプ」

アリエル(Ariel)チェリーシュリンプ イエローチェリー 10匹 死着補償サービス+2匹

・濃い黄色「イエローフローレセントシュリンプ」

(エビ)イエローフローレセント・シュリンプ(3匹) 北海道・九州航空便要保温

・濃いオレンジ「オレンジチェリーシュリンプ」

(エビ)オレンジチェリーシュリンプ(12匹) 北海道・九州航空便要保温

・胴体が白、頭と尾がオレンジ「オレンジルリーシュリンプ」

(エビ)オレンジルリーシュリンプ(10匹) 北海道・九州航空便要保温

・濃い緑「グリーンジェイドシュリンプ」

(エビ)グリーンジェイドシュリンプ(12匹) 北海道・九州航空便要保温
・透明な青「ブルージェリーシュリンプ」

アリエル(Ariel)チェリーシュリンプ ブルージェリー 10匹 死着補償サービス+2匹

・濃い青「ベルベットブルーシュリンプ」

アリエル(Ariel)チェリーシュリンプ ブルーベルベット ダークブルー 10匹 死着補償サービス+2匹

・透明な白「スノーホワイトチェリーシュリンプ」

(エビ)スノーホワイトシュリンプ(10匹) 北海道・九州航空便要保温

・黒「チョコレートブラックシュリンプ」

Amazon

このように多彩な色合いの大型のエビがチェリーシュリンプです。

先も書いた通り、基本単色の色合いが多く、個人的には目が疲れにくいです。

掃除能力込みで「カラフルだけど派手なのはイヤ」なんて人におすすめのエビです。

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各エビの特徴まとめ

ではこれまで紹介した各エビの特徴の早見表です。

名称メリットデメリット
ヤマトヌマエビ掃除能力が最も高い
大きめの魚とも混泳可能
寿命が3年
安価
繁殖が困難
壁の藻・コケは食べない
ミナミヌマエビ繁殖が容易
壁の藻・コケも食べる
最も安価
掃除能力が低い
水質変化に弱い
ビーシュリンプ種繁殖が容易
カラーバリエーションが豊富
壁の藻・コケも食べる
掃除能力が低め
水質変化に弱い
一部の品種が高価
チェリーシュリンプ種掃除能力が高い
繁殖が容易
カラーバリエーションが豊富
高価
壁の藻・コケは食べない

できるだけ安価で済ませたいなら「ヤマトヌマエビ」や「ミナミヌマエビ」。

エビの色合いにこだわりたいなら「ビーシュリンプ」や「チェリーシュリンプ」。

掃除能力を第一に考えるなら「ヤマトヌマエビ」や「チェリーシュリンプ」。

こんな感じで選び方は分かれると思います。

あとは「水槽の大きさ」や「魚の大きさ」・「デザインとの兼ね合い」等々。

エビ飼育での共通の注意点

エビごとに多少生態は違いますが、それでも共通して注意したい点があります。

これさえ守っておけば大抵はうまく飼育できるので、最低限の注意点は覚えておきましょう。

絶対にカルキ抜きした水で飼育

どんな水生生物にもいえますが絶対にカルキ抜きした水を使いましょう

ミナミヌマエビの部分で書きましたが、カルキ抜きしていないと全滅する可能性もあります。

特に小さいエビだとすぐにカルキ(塩素)が体中に回るので、悪影響が出るスピードもかなり速いです。

充分なカルキ抜きは3日ほどかかりますが、直射日光などで温めると抜けるのが少し早くなります。

暖かい場所なら2日ほどに短縮できるので活用しましょう。

また、エビが入っていた購入時の水は取っておきましょう。

エビを水槽に入れた後1時間ほどは様子を見て、様子がおかしいなら元の水に入れれば回復します。

チェリーシュリンプなど高価なエビをすぐに死なせないように、水の水質調整はしっかりやりましょう。

水温調整

水温が30℃以上にならないように注意

エビは30℃以上の高温には耐えられないので、夏場は水温を20℃台に保つのが重要になります。

小型の冷却ファンで水面に風を送り続ければ水温を下げられるので活用しましょう。

冬場の場合は、室内飼育なら水温が10℃以下になるのは滅多にないでしょうからそこまで心配ないです。

隠れ家は必須

エビが隠れられる場所を用意しましょう。

特に繁殖を視野に入れているなら。

エビの赤ちゃんは1ミリ以下の大きさなため、メダカの捕食対象にもなります。

そのため隠れられる場所が無いと、あっという間に食べられてしまいます。

水草なら隠れ家として充分なので水槽の一角にでも植えておきましょう。

ウィローモスならエビの隠れ家兼エサとして最適な水草として知られています。

入れる種類は単一に

カラフルなビーシュリンプやチェリーシュリンプですが、繁殖させるなら単一の色の種類のみ入れましょう。

これらのエビは色は違っても同じ種類のエビ。

そのため色違いのエビを入れていると、簡単に交配してしまいます。

色違いのエビ同士で交配すると元の色が失われやすいです。

もちろんこれを利用して新しい色のエビを産み出すこともできますが、独自の改良を視野に入れないなら単一の色のエビのみに絞りましょう。

ただ、完全に種類が違うエビなら混泳は可能です。

ビーシュリンプ(単色)とチェリーシュリンプ(単色)を混ぜて飼育したりと。

…まあ多種のエビを入れても繁殖域が確保しにくくなるので、混泳させるエビは1~2種類にしておきましょう。

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気に入ったエビを選ぼう

以上でアクアリウムの掃除人たるエビの紹介を終わりますが、本当に多種多様なエビがいます。

種類としては4種ですが、カラーバリエーションで見ると数十種類以上になります。

これだけいれば気に入ったエビがいるでしょう。

自分のアクアリウムの景観なども交えて、気に入ったエビを探してみましょう。

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