しいたけ栽培の種類。自宅でも短期~長期に渡って収穫するやり方

2021年10月11日野菜・果物園芸,家庭菜園,野菜

自宅でできるキノコ栽培ではしいたけ栽培が有名です。

が、「デカい木に植え付けて栽培」というイメージが強いと思います。

しかし近年では「室内でも栽培可能」「短い期間でたくさん採れる」といった栽培キットも販売されています。

そのためわざわざ庭先の日陰を探してしいたけ栽培する必要性も薄れてきました。

この記事ではどんな人でもしいたけ栽培ができる方法や、昔ながらの原木栽培のやり方を紹介します。

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菌床栽培

菌床栽培とは

菌床栽培とはしいたけ菌が充分に行き渡った木屑のかたまり(菌床)でしいたけ栽培をする方法です。

スーパーで「菌床栽培」と表記されているしいたけもコレになります。

菌床栽培は短期間でたくさんのしいたけが収穫できます

メジャーな原木栽培では、最初の収穫までには1か月単位で時間がかかります。

あらかじめ植え付けたある原木でこれです。

おまけに原木は固い木の皮で覆われています。

よほど活きの良いしいたけでない木の皮を突き破って成長してくれません。

このためメートル級の原木栽培でも一度に収穫できるしいたけは数個といったところです。

しかし菌床栽培ではしいたけの成長を阻害するものはありません。

しいたけが出てくるまでの時間がかなり短縮されています。

木を細かく砕くことで菌が繁殖しやすく、放っておいても次々としいたけが出てきます。

一度に10個以上しいたけが出てくるのも珍しくありません。

菌床栽培では1週間ほどでしいたけが収穫できるため、すぐに成果を実感しやすいです。

菌床の大きさも20~30cmほどと小さく、室内でも栽培が可能になのもポイントです。

しっかり栽培すればひとつの菌床から数十個のしいたけが収穫可能。

よりしいたけ栽培を実感できるようになっています。

注意点

菌床栽培の注意点としては長期にわたっての栽培・収穫は不向きという点でしょう。

菌床栽培ではしいたけが栄養を吸収しやすい仕組みになっています。

しかし栄養が吸収しやすい弊害として枯渇するのも早くなっています

一度にたくさんのしいたけが収穫できるのはメリットです。

が、栄養が足りなくなれば新しいしいたけは成長しません。

菌床の大きさ自体が小さめなのも拍車をかけています。

一度にたくさんのしいたけが出てくるものの、大体は3~4回ほどの収穫で打ち止めになることが多いです。

ただ後述する原木栽培に比べて量が少ないわけではありません。

いってしまえば後々出てくるしいたけの先取りです。

菌床に含まれる栄養分のしいたけは収穫できるので安心してください。

…まあ栽培可能期間が少ない分、しいたけ栽培に気を取られることが少なくなるともいえますが。

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原木栽培

原木栽培とは

原木(ホダ木)栽培とは、ブナ科(ブナ・コナラ・クヌギ等)の広葉樹にしいたけ菌を植え付けた、より自然に近い栽培方法です。

しいたけ栽培というとこれをイメージする人が多いと思います。

ブナ科の樹というのは「ドングリ」や「栗」の木のこと。

原木栽培では活きの良いしいたけを長期に渡って収穫することができます。

先ほどの菌床栽培でも少し触れましたが、原木栽培ではしいたけ菌が繁殖するまで時間がかかります。

しかしその分2~3か月といった長いスパンで収穫ができるようになっています。

おまけに同じ木で2年目・3年目と再度収穫することも可能です。

成長がゆっくりな分、栄養がすぐに枯渇しないからです。

しいたけの品質としても、木の皮を突き破って出てくるだけあって肉厚で大きいしいたけに育ちやすいです。

昔は庭先の日の当たらない一角に長い木を置いてしいたけ栽培をするものでした。

が、最近では30cmほどの小さな原木栽培キットも販売されています

これで室内でも栽培が可能になり、メートル級の原木と違って扱いが簡単になっています。

…小さいため何年も使い回せませんが…。

鍋に入れるような大きく食べ応えのあるしいたけを育てたいなら、原木栽培でしいたけを収穫してみましょう。

大きい原木栽培では

1メートルほどの原木を使ったしいたけ栽培の注意点です。

・あらかじめ菌が植え付けてあるタイプ
・自分で植え付けるタイプ
・収穫しても木を捨てない

自分で植え付ける場合では別売りのしいたけ菌が必要になります。

購入しようとしている木がどちらのタイプかしっかり確認しましょう。

別売りのしいたけ菌の種駒ですが、一番小さい箱のもので充分です。

一番小さい箱の種駒でも100個は入っているため、原木を数本使わない限りは充分な数です。

小さな原木栽培ではあらかじめ植え付けてあるため、こうした作業は不要になります。

また、大きい原木栽培では収穫が終わったら原木を数か月寝かせる(休養期)と次のシーズンでも収穫が可能です。

完全に出てこなくなるまでは捨ててしまわないように注意しましょう。

注意点

メートル・家庭用問わない原木栽培の注意点、「一度の収穫量が少ない」「しいたけの成長が遅い」

原木栽培ではより活きの良いしいたけだけが成長してきます。

そのせいで一度に収穫できる数には限りがあります。

菌床栽培と違って原木の中の栄養を地道に吸収しています。

そのため食べられる大きさになるにも少し時間がかかります。

一度にたくさん採れても困るような人。

あるいは、しっかりとしたしいたけだけが欲しい人には向いている栽培法といえるでしょう。

きのこ栽培容器

菌床栽培・小さな原木栽培では、あると管理が簡単になるものがあります。

それが「きのこ栽培容器」という専用のプラスチック容器です。

この専用容器なら、しいたけが接触しない・水滴がつかない等と諸々の面倒ごとが無くなります。

ただ透明な容器なため、暗所に置くか新聞紙などで覆って日光が当たらないようにしましょう。

栽培キットに同封されている袋ではやりにくい人は、この専用容器を使って栽培してみましょう。

※菌床栽培の項目に貼ってある商品なら菌床+きのこ専用容器のセットになっています。

容器だけ購入すると結構割高なので、どうせなら菌床とセットのものを購入してしまいましょう。

「大きな原木をカット」「容器を複数用意」で、室内でもたくさん栽培することもできます。

栽培に失敗しやすい人や、屋内でしいたけを安定して栽培したいなら、きのこ栽培容器を使ってみましょう。

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しいたけ栽培の注意点

しいたけ栽培では絶対に注意しないといけない点がいくつかあります。

菌床栽培でも原木栽培でも、これさえ守っていれば大抵のしいたけは成長してくれます。

収穫したら寝かせる

一度しいたけを収穫したら、しばらく菌床・原木を休ませると次のしいたけが成長しやすくなります

ただ菌床と原木では寝かせる期間ややり方に違いがあるので注意。

・菌床…1週間ほど水に浸ける
・原木…1年ほどシートなどに包む

菌床栽培ではしいたけの成長速度(栄養の吸収速度)が速いです。

つまり1シーズンで栄養を使い切ってしまうということ。

そのため1週間ほど寝かせる…というよりは再度水分を吸収させて成長させやすくするのが目的です。

原木栽培では成長速度が遅いため、原木にある栄養を使い切る前にしいたけの栽培時期が過ぎてしまいます。

そのため栽培期間中に寝かせるようなヒマはありません・

栽培期間を過ぎたら半ば強制的に休養期に入ることになります。

この間にも原木の内部は徐々に腐っていくため、翌年でもしいたけが生えてくるような仕組みになっています。

湿気を維持

絶対に乾燥させないように一定の湿度を維持しておきましょう。

しいたけに限らずキノコ全般は乾燥に極端に弱いです。

キノコというのは菌がキノコの形状に集まることによってできています。

そのため菌が繁殖している部分が乾燥してしまうと、あっという間に成長しなくなってしまいます。

そのため菌床や原木に毎日水を与えてあげることが重要。

しいたけ栽培では湿度60%前後が適しています

できれば湿度計もセットして確認できるようにしておきたいところです。

特に外で栽培している場合は乾燥がかなり早くなるので、できるだけ注意しましょう。

温度

しいたけ栽培では日中は20℃、夜は13~18℃ほどが適温とされます。

そのため屋外で栽培するのなら3月以降のほうが成長しやすいです。

しいたけの原木などは1月頃に販売され始めるので注意。

この温度設定ではしいたけが育ちやすいというよりはカビの繁殖を防ぐという意味合いが強いです。

しいたけ栽培、特に菌床栽培をしているとカビが発生することがあります。

カビは25℃前後から繁殖し始めるため、暖かくしすぎるとカビが発生しやすくなります。

日中・夜ともにカビが繁殖しにくい、かつしいたけが成長できるギリギリの温度で栽培しましょう。

日光に当てない

当然ながら日光に当たらない場所で栽培しましょう。

キノコの菌は紫外線に極端に弱いため、直射日光に晒してしまうと簡単に死滅してしまいます

原木栽培では木の皮が防御壁になっているため日陰でもある程度は大丈夫です。

しかし菌床栽培では繁殖したしいたけ菌がむき出しなため、日光に当たると簡単に死滅してしまいます。

屋外で栽培するときは日光が当たらない場所か、屋根のようなものの下に設置しましょう。

しいたけはキレイに取り除く

成長したしいたけは根元からキレイに収穫しましょう。

しいたけを収穫していると、根元付近が少し千切れて菌床部分に残ってしまうことがあります。

この部分を残しているとカビが発生しやすくなります

収穫した後の菌床部分はしいたけの一部も残らないようキレイにしておきましょう。

ただし菌床部分をえぐってしまうとそこから再度しいたけが生えにくくなることがあるため気をつけましょう。

最後に

しいたけ栽培では最終的には何十本ものたくさんのしいたけを収穫できます。

菌床・原木問わずです。

…まあ期間に違いはありますが。

栽培キットも説明書付きなので初心者でも栽培がしやすく、誰でも自宅でしいたけ栽培が可能です。

昔のように大きな原木を使わなくても、室内でも栽培できるようになってます。

冬場といった寒い時期では庭先では家庭菜園ができないため、やることが無い人は室内でもできるしいたけ栽培にも手を出してみましょう。

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