固くなった土を格安で柔らかく方法。汎用性の高い「ヤシの土」
家庭菜園を何年も続けていると、どうしても土が固くなって野菜が育ちにくい土になってしまいます。
特にプランターで野菜を栽培していると、1~2年ほどで土が固くなることも多いです。
毎年の悩みの種になる人もいると思います。
普通は全部の土を取り換えてしまうところですが、それではコストや土の処理が大変です。
そこで、今ある土を残しつつ、フカフカな土にする方法を紹介します。
使うのはヤシの実の土
使うのはヤシの実からつくった土。
「ココヤシマット」「ベラボン」「ココヤシ培養土」なんて呼ばれたりしてます。
イマイチわからない人は「水で膨らむ土」といえばわかる人もいるでしょうか?
百円ショップなどでも売られており、製品にもよりますが、水を吸収して5~7リットルもの量の土に膨らみます。
腐葉土でも数リットル数百円するので、柔らかくしたい土の量が多いほど割安になります。
こんな感じで乾燥させて圧縮したブロックのような状態で売られています。
水で戻すとこうなります。
サラサラ・フワフワっぽさがある土に見えるでしょうか?
値段は高くなりますが、通常の土のように袋詰めで売られているものもあります。
こちらは後述する少々面倒な下処理がされているので、すぐに使いたい人にはオススメです。
使うとどうなる?
このヤシの土には以下の特徴があります。
・吸水性が高い
・通気性がある
・乾燥しても固くなりにくい
このように土に非常に優秀な特徴を持っています。
植物の根が張りやすい、柔らかい土に戻すにはかなり役立ちます。
が、同時に非常に重要な要素が抜けてます。
それは栄養となる養分がほとんどないということです。
そのため追肥してを養分を補填する必要はあります。
しかしこの欠点を利用して栄養多寡になりすぎた土を元に戻すことにも使えます。
肥料や石灰の撒き過ぎで、植物の生育に適さない土になっていまうことがあります。
ヤシの土には余分なものが含まれていないため、土に混ぜ込めば成分を薄めてくれます。
もし肥料などを混ぜすぎてしまった土を再利用したいときにも使えるので覚えておきましょう。
固い土を柔らかくする方法
では本題の固くなっってしまった土を柔らかくする方法ですが、このヤシの土を混ぜ込むだけです。
土が固くなる主な原因は土の粘性が強くなることです。
粘性の強い土は、水分が含まれだけで塊になります。
それを防ぐには。粘性の低い土を間に挟む必要が出てきます。
ヤシの土は繊維質なので粘性もなくサラサラしており、こうしたことにはうってつけの素材といえます。
トマトなどの実がなる野菜なら、既存の土の2~3割ほどの量を。
これで根が張りやすい柔らかい土に戻せます。
大根のように土の下にできる野菜なら、最低でも3~4割ほどの量を混ぜ込めばちょうどいい土になります。
ただ均等に柔らかくするため、固くなった土の塊はきちんと砕いてからよく混ぜ込むようにしましょう。
使う前の下準備
袋詰めで売られている「ベラボン」のようなものなら、後述する下準備がされています。
しかし百円ショップで売られている圧縮されたものだと、そのままでは使えません。
理由は「タンニン」が含まれているから。
タンニンはお茶にも含まれている成分で、苦み成分といえばわかるでしょうか?
このタンニンは植物の根の成長を阻害してしまいます。
タンニンを取り除かずにヤシの土を使うと、うまく野菜が成長しない土になりかねません。
一応は時間が経てば水と一緒に流されてしまいます。
が、即日でつくった土で野菜などを栽培したいなら、下記の下準備をしっかり行うようにしましょう。
下準備の仕方
これは百円ショップで売られているような、圧縮されたヤシの土を使う前の下準部の仕方です。
袋詰めのものでも下準備がされているような旨が明記されてないなら、用心してやったほうがいいでしょう。
①水で戻す
圧縮されたヤシは水をかければすぐに膨らんでいきます。
しかし一度に全部膨らませようとすると、普通の桶だと土が溢れるくらいに膨らみます。
そのため少しずつ戻すか、直径50cm以上の桶や底が深いバケツを使うようにしましょう。
8L以上の水が入る容量がある容器を使えばあふれることなく土に戻せます。
②水をしっかり絞る
水で戻した土を含んだ水が全部無くなるくらい絞ります。
これは土に含まれているタンニンを除去するためです。
これで大半のタンニンが水と共に排出されます。
手で握って絞るのもいいですが、それだと絞り足りなかったり絞れる量も少ないです。
私の場合は下記のやり方で絞ってます。
ある程度は時間短縮になるので参考にどうぞ。
簡単に早く絞る仕方
用意するのは「ザル」と「布」だけ。
まず布をかぶせるようにセットします。
次に水で戻したヤシの土を入れて、布を包みます。
包んだ布を思いっきり捩じったりして絞ればOK。
これを水で戻したヤシの土が無くなるまで続けます。
布の面積が広くなれば一度に絞れる土の量も増えます。
あとは絞った土を他の容器に入れてほぐせば完了です。
③用心するならもう一度
大抵は1回絞れば大半の汚れやタンニンは除去できます。
ただ、まだ茶色い水が出るようなら、また水に浸してもう上記のやり方で絞りましょう。
絞って茶色い水が出てこなくなったらタンニンが抜けきったと判断できます。
これでヤシの土を安全に使えるようになります。
栄養のある土にするには
既に書いた通り、ヤシの土には栄養がほとんど含まれていません。
つまりヤシの土を既存の土に混ぜ込んでも、土の総量に反して栄養は少なくなります。
すぐに野菜などを植えたいなら、別途で追肥をする必要があります。
そこで土に長期的に栄養を供給し続けられる有機肥料を使うと、良質な土に生まれ変わらせることができます。
オススメは鶏や牛のフンのたい肥です。
これらのたい肥はバランスよく栄養があり、どんな作物でも成長しやすい土にできます。
ペレット状に固めてあるものも多く、他の肥料のように土に撒いたり、混ぜ込むのも簡単です。
また鶏フンは一般的な牛フン肥料より臭いがないのでおすすめです。
例え手に持っても臭いが残らないため、一度手を洗えば気になりません。
ただ有機性肥料は分解(栄養が染み出る)まで時間がかかります。
そのため植え付けの2週間前には混ぜ込んでおきたいところ。
「完熟」と書かれた牛フンたい肥だと臭いも少ないので、臭いが気になるならこちらを混ぜ込むのもいいでしょう。
牛フンのほうが鶏フンよりも栄養が多いです。
最後に
我が家では固くなった土をこうして柔らかくし直しています。
固い土だといくら砕いて細かくしても、水を撒くとまた固まってしまいます、
はっきりいって固くなった土に利用価値はなく、むしろ野菜の生育を阻害します。
今ある土を再利用したいなら、早めに対処したほうがいいでしょう。