日本でも育てられる耐寒性バナナ「アイスクリームバナナ」。栽培方法や冬越しの仕方を紹介
バナナというとメジャーな果物ということもあって、自宅で栽培したいと思った人はいると思います。
しかしバナナの樹はフィリピンなどの熱帯で育つ果物のため、日本の冬では温室で栽培でもしないかぎり枯れてしまいます。
しかし日本の気候でも栽培できるというバナナがあるそうでそれが「アイスクリームバナナ」という品種。
このアイスクリームバナナは品種改良の末、日本の気候でも栽培ができるようになったバナナだそうです。
実際に苗を購入したのでどんなものかの紹介や、冬越し出来た際の様子や過程を紹介したいと思います。
アイスクリームバナナとは
最初にいった通りアイスクリームバナナは日本の冬でも越せる耐寒性を持たせたバナナになります。
屋外で栽培する場合、普通のバナナでは日本の冬を越すことはできずに枯れてしまいます。
そのため温室といった専用の設備が必要になり、灯油代などの経費もかかるため一般の範囲内で栽培するのは不向きになります。
しかしアイスクリームバナナは普通のバナナは品種改良して耐寒性を持たせ、地域にもよりますが日本の冬を越せるようにしたものだそうです。
冬越しの用意をした前提ですが、-5℃くらいの気温でも大丈夫なようで-10℃越えでも無事に越せたという例もあるそうです。
冬後しの用意といっても屋外に放置して栽培できるかつ設備といったものも必要ないので、趣味で家庭菜園している人でも十分栽培できる果物になってます。
見た目は普通のバナナより小ぶりで、味は名前の通りアイスクリームのバニラ風味となっています。
入手の仕方
アイスクリームバナナは基本ネットショップなどの通販で購入できます。
ただ注意したいのが6月以降の温かい気候になってから販売するところが多いということ。
耐寒性を持たせたとはいえ幼い苗ではさすがに寒さには耐えることは難しいようで、出荷中でも大丈夫なように暖かくなってから購入できるようになります。
大抵は購入画面でその旨が表記されていると思うので、いつ頃から出荷できるようになるのか確かめておきましょう。
値段はかなりバラつきがあり、1株が大体3000~5000円ほどの値段で販売されています。
苗の大きさによってもかなり変わるので、いくつか販売元を見てみてよさそうな苗を選びましょう。
栽培~冬越しまで
では実際の栽培過程を書いていきますが、私はプランターで栽培しようと思ったのでそれに合わせて解説していきます。
苗を購入
これが購入したアイスクリームバナナの苗です。
大体50cmくらいの高さの苗になり、大きい葉っぱが2枚ついています。
先ほど書いたように6月以降に販売が開始されるので、それに合わせて栽培の準備をしましょう。
使う土は栄養が多く含まれている果物用の土を使いました。
購入した苗の大きさにもよりますが、最初はそのままか百円ショップで販売している6号くらいの小さなポットで栽培しても大丈夫です。
あとは日当たりの良い場所で十分に光合成をさせてあげましょう。
2か月経過
購入から2か月ほど経過した苗の様子です。
大きな葉がいくつもできて高さも出てきたので、ひとまわり大きな9号ポットに変えました。
バナナは生育が早いので1年目でも1メートルくらいの高さなら軽く超えます。
プランターで育てるならかなり大き目の15号ポットくらいまでは用意しておいたほうがいいでしょう。
冬越し準備
では山場の冬越しの仕方です。
これは地植え・ポット栽培に関係なくしたほうがいいので注意しましょう。
①「こも」を購入
バナナの冬越しには「こも」が必要になります。
こもというのは木に巻き付けるワラ束のことで、縦幅が1m以上・横幅が3m以上はあります。
ホームセンターで取り扱っていますが、店舗によっては販売して無かったりしたので、あらかじめ調べておいたほうがいいです。
10月以降など寒くなり始め、バナナの葉の先端が枯れ始めたらこもを巻き始めましょう。
②こもをバナナの幹に巻く
このこもをバナナの幹に巻いていきます。
購入したこもの大きさにもよりますが、おそらくこもが大きすぎて幹にうまく巻けないと思います。
バナナの生育が早いとはいえ流石に1年目ではそこまで大きくなりませんでした。
そのため幹の先端あたりからポットを丸ごと包む感じでこもを撒きました。
こもを切ることも考えましたがポット栽培だと冬場に土が冷えやすいので、このように丸ごと防寒したほうがいいかと思います。
あとは麻糸などで縛ってずり落ちないようにして冬越し準備は終わりです。
冬場の間の状態
基本的にこもを巻いたまま屋外の日が当たる場所に放置してました。
水はあまり与えず、2~3日に一回くらいの頻度で与えれば大丈夫です。
今年は暖冬ぎみだったのでそこまで寒くなりませんでしたが、最低気温が2℃くらいの日が多かったです。
苗と一種に送られてきた資料にはマイナスでも大丈夫と書かれていましたが、こもなどで対策した前提の話だと思うので冬の間にこもが外れていないか確認するようにしましょう。
温かくなったらこもを外す
日中の気温が20℃くらいになり始めたらこもを外しても大丈夫です。
葉っぱは軒並み枯れてると思いますが、葉の根元あたりから切っておけば新しい葉が出てきます。
ただ新しい葉が出てくるのはかなり遅いです。
5月中旬くらいになっても出てなかったので、焦らず待ってみましょう。
またバナナの幹がある程度成長しており、温かくなってくると新しいバナナの苗の芽が出てくる場合があります。
あとは繰り返し
無事冬越し出来たら同じことの繰り返しです。
バナナの実が生るまでは2~3年はかかるそうなので、それまでは枯らさないよう大事に育てましょう。
バナナの実は自家受粉する必要は無く、自分で受粉してくれるので手間が無くていいです。
バナナの新芽の扱い
出てくる時期
バナナがある程度成長するとバナナの新しい芽が根本から生えてきます。
現在スーパーで販売しているバナナは原種を品種改良したもので、アイスクリームバナナに限らず種で繁殖せず成長したバナナの根元付近から新しい芽が出てくるようになってます。
私の場合は5月に入ったあたりから、気が付いたらいくつか生えてました。
普通のバナナも育てていたことがありますが、そのバナナは冬に入る前に新芽が出るくらい成長してました。(耐寒性バナナじゃないので冬越えで枯れてしまいましたが)
成長度合いによっては冬に入る前に新芽が出ると思うので、かなり大きくなったら根本あたりを確認してみましょう。
採取するタイミング
新芽が出たからといって、すぐに掘り起こすのは禁物です。
出たばかりの新芽だと根っこがまだ出ていないため、ある程度成長するまで待つほうが無難です。
私の場合は葉っぱが2~3枚ほど出たあたりで掘り起こしたら、数本の根っこが出ていました。
それがこれです。
かなり大きい葉っぱが完全に出ており、新しい葉っぱが出始めたあたりで採取しました。
親木から切り離すように新芽を採取して、別々に植え替えましょう。
しかし新芽が大きくなりすぎると親木の根っこと絡まったりして切り離すのも一苦労になります。
葉っぱが3~4枚ほど出てきたくらいには切り離すようにしょう。
新芽の栽培方法
新芽を採取したら植え替えますが、根っこがあるかどうかで対応を変えたほうがいいです。
根っこが数本でも生えていればそのままポットなどに植え替えてしまい、日が差す場所に置いておけばいいです。
しかし根っこが出てない未熟な新芽は枯らさないようにする工夫が必要です。
これは採取タイミングが早すぎた新芽です。
右の新芽は完全に早すぎで、左は成長したかと思ったんですが根っこが全く出てませんした。
もし採取タイミングが早く根がまだ出ていない場合は植え替えたポッドを日陰に置いて水をたっぷり与えましょう。
南国で育つとはいえ土が乾燥しきったり、あまりにも暑いと苗の水分が蒸発して枯れてしまいます。
ポットの下に水受けを置くと水分の蒸発も遅れるので乾燥の心配もなくなります。
日陰に置いておけば順調に成長してくれるので、大きい葉っぱが3枚くらい出るまでは日差しが強いところに置くのは控えましょう。
最後に
まだ2年目ですが無事冬を越して新芽も出たことから、とりあえずは日本でもちゃんと育つことは確認できました。
無事冬越しできるかがネックだったので、あとはバナナが採れるくらいまで成長させるだけなので気が楽になりました。
東北のような寒い地方以外の関東から西の地域なら育つとのことでしたので、バナナを栽培したいと思う人は耐寒性のあるアイスクリームバナナを育ててみましょう。