庭に畑をつくるには? 畑の深さ・広さ・土の量といった必要なもの
家庭菜園というと、手軽にプランターなどを使って手早く済ませる人も多いかと思います。
しかしそんな人がぶつかるであろう「収穫量が少ない!」という事実。
そこで手を出すのが自宅に畑をつくるという方法。
しかし一概に畑といっても、ただ土を掘り返せばいいわけでもありません。
毎年の収穫量春UPに向けて畑をつくってみたので、最低限必要なものや畑のつくり方を紹介していきます。
用意するもの
・大量の入れ替え用の土
・(大量のブロックor高さ60cm以上のあぜ)
そこまで細かいものは必要ありません。
スコップと土はご想像通りで、畑づくりに最低限必要なものです。
小さなスコップじゃ埒があかないので、大きく・土を掘り返しやすい先端のとがった三角形タイプのスコップを使います。
あとは大量の土。
畑の大きさにもよりますが、20袋以上は必要になると思たほうが良いです。
実際それくらい使いました。
種類は「野菜の土」といったオールラウンドに使える土でOKです。
()内は花壇のように畑と庭を区切りたい・畑を立体的につくりたいときに使います。
あぜ、とは
あぜ、というのは畑を囲う板のようなものです。
ブロックなどを使わずに畑を囲いたいときに便利です。
「あぜ波」「あぜ板」という名前で、こんな感じで丸めてホームセンターで販売しています。
あぜは数十メートルにもなる一枚の板です。
総じて長いものが多いですが、その割に安価で購入でき、かつ耐久性もあるので便利です。
できれば高さ60cm以上のものを使えば大根などの根野菜も育てやすくなります。
深く設置すれば畑近くの植木の根っこや雑草の侵食を防ぐ効果もあります。
畑のつくり方
では畑をつくる際の手順です。
①畑の寸法を測る
まずはつくりたい畑の広さを想像・想定しておきます。
「縦」「横」「深さ」をしっかり測って、いざというとき間違いが無いようにしておきます。
特に「深さ」は重要です。
これを間違えるとまた掘り返す必要や、必要な畑用ブロック数やあぜの高さが足りなくなります。
掘り返すのはかなりの重労働です。
あらかじめ間違いの無いように、つくる場所や広さをしっかり計算しておきましょう。
②掘り返す(平面状の畑にしたい場合)
既存の土を入れ替えて平面上に畑をつくりたい人は、まず土を掘り返します。
これがかなりの重労働で、広さによっては一日で終わらせるのはかなりキツイです。
我が家の場合は 縦2m × 横4m × 深さ50cm の畑をつくりました。
が、一日数時間を数日かけて掘り返してようやく、といったところ。
近くに植木があると根っこが酷いので、それを除去するのに余計に手間を取られました。
できる限り四角刑状にするとブロックやあぜを設置しやすくなります。
底や壁の部分を直線状にならしておきましょう。
別に掘り返さず、地面の上に直接あぜやブロックを積み重ねる場合はしなくてもいいです。
※植木の根を切るとその植木が枯れる可能性も出てくるので、掘り返す場所も厳選しておきましょう。
③あぜ・ブロックを設置(使う場合)
あぜやブロックを畑を囲うように設置していきます。
あぜを設置する場合は支柱を使って作業すると多少楽です。
あぜは大抵は丸めてあるため、広げてもすぐに丸まってしまい形を整えるのに不便です。
そこで刺した支柱を支えにして四角形になるよう固定します。
詳しくは後述の「あぜで四角形の畑をつくる方法」で紹介していきます。
④土を入れる
最後に土を入れていきます。
畑の広さにもよりますが、市販の土が200L以上も必要になったりします。
完成した畑がこれ。
参考までにこれは 縦2m × 横4m × 深さ50cm くらいの畑です。
市販の10Lの土を20~30袋は使いました。
1m違うだけでも数袋は違いが出てきます。
すべて市販の土に入れ替える場合は、どれくらいの土が必要か想定しておきましょう。
あぜでしっかり四角形の畑をつくる方法
前述した通り、あぜを使うと丸まってしまい四角形状に設置するのにかなりに苦労します。
そこで私なりに楽にあぜを固定する方法を紹介していきます。
①支柱を畑の四隅の4カ所に刺す
まず支柱を畑の四隅になるべく深く刺します。
こんな感じで掘り返した底の四隅にドスドス刺していってください。
これであぜを固定し、四角形にするための支点にします。
不安なら四辺の直線上にも数本刺しておきましょう。
②支柱の外側にあぜを通す
支柱の外側にあぜが通るように設置します。
こうすればあぜが丸まっても形が崩れずに設置できます。
あぜを通したとき、あぜの真下を少し掘り返したりしてまっすぐ立てる・隙間ができないようにしましょう。
これを四隅すべてに行います。
③あぜの始まりと終わりを重ねる
あぜが畑を一周したら、十数cmほどあぜの始まりと終わりを重ねます。
こんな感じであぜの凹凸がピッタリはまっていくように重ねます。
作業中にあぜが崩れないよう、近くに支柱を刺して支えにしましょう。
あぜの始まりと終わりをピッタリにするよう切らないように。
土を入れるとそこからこぼれてしまうため、ある程度余裕を持たせておきます。
余裕を持たせて10cm以上は重なるように切っておきましょう。
せっかく重ねた部分が崩れるのは面倒なので、先んじてこの部分にある程度土を入れて固定してしまいましょう。
④土を入れる
いよいよ本格的に土を入れていきます。
なるべく早めにあぜを固定したいので、まずはあぜの真下あたりに土を入れていきます。
こんな感じであぜが倒れないように土をぐるりと一周するように入れます。
写真を見ればわかりますが、最初はあぜがたるんでいます。
土を入れつつあぜを微調整して、まっすぐに固定していきます。
ある程度土を入れたら次の⑤と並行して作業していくと、あぜがまっすぐになって見栄えが良くなります。
⑤まわりに土を入れていく
最後にあぜとその外側に空いた隙間を埋めていきます。
土を入れる前にこれをしてしまうと、あぜが内側に傾いていしまうので注意しましょう。
隙間を埋める土は掘り返した土で充分なので、ここで再利用します。
あぜが内部の土の重さで傾かないようにできれば完成です。
畝(うね)をつくると野菜が育ちやすい
それなりの広さの畑なら、いく列かの畝もつくっておきましょう。
畝とは土を盛り上げた状態のことで、この部分で野菜を育てるといくつかの利点があります。
利点1:水はけ
畝の間の谷間に余分な水分が流れ出るので、水はけが良くなります。
水はけが悪いと根が腐ったり、水分過多で果実の味が薄くなったりということが起きます。
しかし横に流れ出る部分があれば余分な水分はそちらに流れていきます。
これで水を撒きすぎても一定以下の水分量を維持できます。
雨が降っても水の流れ道になるので、畑が水たまりになるのも防げます。
利点2:根野菜が育ちやすい
畝の上に野菜を植えれば、土深くまで根を張りやすくなります。
プランターでニンジンや大根を育てた人は経験があるかと思いますが、思ったよりも深く育たないことが多いです。
これは土が固いのも原因のひとつですが、他に土と根が「おしくらまんじゅう」をしているのも挙げられます。
根が土に入って伸びていくと、自然と伸びた部分にあった土は脇へと移動します。
しかしプランターのような密閉された場所だと土が避けられるスペースが無いため、根と土で場所の取り合いが起きます。
細い根ならそこまで問題じゃありませんが、大根のように土の下のスペースが多く必要な野菜だとかなり生育に影響が出ます。
ニンジンや大根の一部が土の上に出るのはよく見ますが、ジャガイモやさつまいもでも同じような状態を見た人もいるかと。
畝をつくってから育てれば、土が畝の横の谷間に向けて避けます。
同時に根っこが下に下にと伸びていきやすくなります。
利点3:土が固くなるのを防ぐ
土というのは粒子が細かく、かつ水分が多いと「粘土」のように粘性を持ち始めます。
年数か経った土ほどこれが顕著です。
土が粒子状になるのは微生物による分解が極限まで進むと起きますが、これは仕方ありません。
しかし水はけが悪かったり、土がぎゅうぎゅうのまま放置されると土が「腐り」やすくなったり、ひと塊になって固まってしまいます。
プランターで水詰まりを起こした、あるいは水が染み込まない土というのは、これが原因。
しかし畝があれば水分量を一定に保ち、土が移動しやすいので、必要以上にかたまりになるのを防げます。
こうした理由からある程度は土を盛り上げて畝状にしつつ、野菜を育てるといいかと思います。
つくるなら春前がオススメ
畑をつくるなら春になる前の2~3月までには終えたいところ。
作業に邪魔な余計な雑草も生えてないですし、土を掘り返しやすいです。
最近は温暖化の影響か、暖冬になりやすいですし。
あと土を寝かせるという点もあります。
土を入れてからある程度期間を置くと、土が馴染んだり発酵が進んで植物の生育を早くできます。
特にたい肥を混ぜ込む場合は時期は早ければ早いほどいいです。
春先の温かい時期にたい肥を使うと微生物による分解(発酵)が早く進みます。
が、その分臭いも多くなる傾向にあります。
しかし冬場は寒いので発酵が緩やかに進むので、その分臭いも少なくなります。
こうした点に注意すれば臭いによる近所迷惑も無くなるので気に留めておきましょう。
畑をつくった感想
なかなか家庭菜園での収穫量が増えず、プランター栽培の限界を感じたので畑づくりに着手しました。
が、これがもうメッチャ疲れました。
掘り返す作業は想像通りですが、土を入れる作業もまあ苦労しました。
なんせ10L(10kg)以上の市販の土を、延々と畑の囲いの中に入れていく作業。
これを何十袋も繰り返したので腰が痛くなりました。
土を入れて均(なら)す、という作業でも1時間くらいはかかったかと思います。
皆さんも畑をつくるときは充分に計画立てて、時間的余裕を持ってから作業に臨みましょう。